パールムを施術しました。
2014.08.27 (水)
2階『メコン川中流』水槽には、
ナマズの仲間の「パールム」という魚が4匹展示してあります。
その中の1匹の顔に、ある目立つものがあり
これまで、よくお客様に「これは何ですか?」と聞かれていました。
それがこれです。
水槽のアクリル面に同じ部分をいつもこすり付ける為、
皮膚が厚くなってしまったものだと思われます。
飼育環境の改善を試み何度か治癒したのですが、再発を繰り返していました。
自然に治癒するのが一番で様子を見ていましたが、症状が変わらないため
思い切ってパールムを取り上げて施術を行うことにしました。
準備した器具類はこれです。
心配だった点はいくつかあるのですが、
体長1m前後ある大型個体だけに
『どのくらい暴れるのかがわからない』ことと、
『切除する部分からどのくらいの量の血がでるか』という点が
特に懸念されていました。
いよいよ始めます。
潜水者3名(捕獲)、獣医師1名、補助3名で手順を確認します。
ネット等を用いて追い込みます。
なんとか捕獲。かなり暴れるため、大人3人で抑えます。
あっ、あのアマゾン展で有名な国崎さんだ。
じゃなくて、捕獲後落ち着いてきたので、いよいよ切除を始めます。
ハサミを使って切除です。
眼が近いので慎重に・・・。
切除しました。
あっ・・血が・・・
止血します。
熱々にしておいた鉄板で切除部を焼灼(しょうしゃく)します。
止血完了。
しっかり止めることができました。
今回切除されたものです。
みなさんにはご心配をおかけしましたが、
観察結果から人間にもよくできる
いわゆるたこだということがわかりました。
よかった・・・。
そっと解放。
予想よりも血の量も少なく、おとなしくしてくれたおかげで
ひとまず無事終了することができました。
上が施術前で、下は施術後です。
まだ痛々しいです・・・。
こちらが現在の様子で、徐々に治ってきました。
施術して終わりではなく、今後の観察が大事ですので
引き続き様子をみていきます。
良かったら施術後のパールム見に来て下さいね。
同じ水槽にいるミクロポゴンも、
施術中は珍しく身を寄せ合ってじっとしていました。
「あいつ、無事だといいな。」そんなことを言っていそうです。
お騒がせしました。今後も仲良くやってください。