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ビクトリア湖シクリッド研究者に出会った ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.6

2015.08.16 (日)

中野

前回のリレーブログ にて「ペープサート監督 堀江(真)」から

バトンを受け取ったロンギ(中野)です。


開催中(※8/18で終了です)の「わくわくシクリッド劇場」では、

ロンギが目立つ場面がありますので、みなさん必見です。

そのおかげもあり今はとっても有名で、

恐らく人気投票をしたらロンギが一位になるでしょう。

劇場終了後には、オールキャストが描かれた紹介資料も配っていますよ。

少しでも多くの人に楽しんでいただけたらと思い、

人形に命を吹き込み、皆様のお越しをお待ちしています。

 

 

さて、夏の特別企画展はご覧になりましたか?

 

タンガニーカ湖水槽には多種多様なシクリッドが、

マラウィ湖水槽には

淡水魚とは思えない色鮮やかなシクリッドが展示してありますが、

ビクトリア湖のシクリッドはどうでしょう・・・。

 

ここではビクトリア湖に生息するシクリッドをご紹介しようかと思います。

どんな種類がいて、どんな姿をしているのか知っていますか?

 

ビクトリア湖のシクリッドは、人が食用などに利用する為に放流された

ナイルパーチという巨大な魚食性の魚によって食べられてしまい、

数・種類ともに激減し、大量絶滅が起きたことで有名です。

しかしどんな種類が生存しているのかはあまり知られておらず、

情報不足のため、魚を調達することは困難を極めました。

 

このような中、非常に貴重なビクトリアシクリッドを日本で研究している

二人の研究者の方々からお話を伺い、展示協力していただくことができました。

 

ここで少しだけ紹介させて頂きます。

 

まずはこちらの写真のシクリッドは 

2015.8.16-1.jpg

「ハプロクロミス・キロテス」です。


東京工業大学の二階堂先生から譲って頂いたのですが、

唇をよく見てください。 

2015.8.16-2.jpg

このシクリッドは「唇が肥大化」するのです。

不思議なことに、実は3つの湖それぞれに唇が厚くなるシクリッドがいるのですが、

環境に適応して唇が厚くなると考えられてはいるものの、

何のために共通してこの特徴が現れるのかは、はっきりとわかっていません。

二階堂先生はこのシクリッドを用いて、

「唇の肥大化」に関わる進化のメカニズムなどについて研究を進めています。

 


こちらは、国際科学振興財団の相原先生にお借りしたシクリッドです。 

2015.8.16-3.jpg2015.8.16-4.jpg

相原先生は、かなり混沌としているビクトリア湖シクリッドの

 分類を研究しています。

 ビクトリア湖のシクリッドたちはとても似ているうえ、

参考となる野生標本が絶滅などで不足していることもあり

分類がとても難しいそうです。


大絶滅がおきてから、現在シクリッドの数は少しずつ増えてきているそうですが

残念ながら一度崩壊してしまった生態系は元にもどることはないでしょう。

 


今回の展示水槽で、種を見つける難易度をつけたら

ビクトリア湖>>>>>>タンガニーカ湖>>マラウィ湖

こんな感じになるかと思います。

正直飼育している私たちでも四苦八苦しながらやっと、といったところです。

ですが、こんなにも多くの種類が混泳するシクリッド水槽は

なかなか見ることができないと思います。


ちなみにビクトリア湖水槽では、

あちらこちらで口に卵を含み育てているシクリッドの姿が見られますよ。 

2015.8.16-5.jpg

 

最後に、今回の企画展のキーワードである「進化」は

わかりやすそうですが奥が深く、難しいテーマです。

 子どもから大人まで幅広い世代のお客様に伝えられるよう、

色々と工夫することに努めました。


ペーパーキャップ、シクリッド劇場など、

一人でも多くの人が興味をもち

楽しく学んでいただければと思っています。

ぜひ皆さんで遊びにきてください。

 

次のリレーブログは「食」の達人、いや

仕事人こてこてせいじさんに語ってもらいます。

 


 



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カテゴリー  企画展・特別展示
キーワード 中野
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