企画展 世界のハイギョ ~南米に生息するハイギョ編~
2016.01.16 (土)
開催中の企画展 『世界のハイギョ』 では、
世界中のハイギョをなんと全種類!展示しています。
ハイギョはアフリカに4種、南米に1種、オーストラリアに1種、
全部で6種いるのですが、それぞれおもしろい特徴があります。
ということで、6種のハイギョたちについて
少しずつブログでご紹介していきたいと思います。
今回の主役はこちら。
南米アマゾン川などに生息している、「レピドシレン・パラドクサ」 です。
このハイギョは南米大陸の広い範囲に分布しています。
かつて北米や南米にはハイギョが数多く生息していましたが、
生息環境の変化や外敵の出現などで絶滅してしまい、
今ではこの一種のみとなってしまいました。
南米ハイギョは他のハイギョに比べて極端にヒレが短く、
成熟したオスの腹ビレ(胸ビレにもあるという説も...)には
このような
糸状の突起があらわれるといわれています。
ところで、この聞きなれない名前「レピドシレン・パラドクサ」には
『 レピド=鱗、 シレン(サイレン)=両生類の仲間、 パラドックス=矛盾 』
つまり、
“鱗がある両生類”
という意味があります。
その名前が意味するとおり、
当時は両生類の仲間なのか、魚類の仲間なのかわかっていませんでした。
他のハイギョもそうですが、実際に観察してみると
水の中で生活していて鱗があるけど、
ヒレは手足みたいになんともいえない形だし、
魚なら顔の外側にあるはずの鼻も見当たらない。
さらには人間と同じように水中では呼吸できず、
定期的に息つぎをしている!
...と、魚だとわかっても、不思議な生き物だと感じます。
南米のハイギョは、飼育をしてみると更に不思議です。
他の種類のハイギョは比較的水槽の中でじっとしていて
動かないことが多いのですが、
このハイギョは昼でも夜でも結構活発に泳ぐのです。
飼育下で慣れただけなのかな?と思い、
現地アマゾンでハイギョを捕まえたことがある
おひげの立派な飼育スタッフ国崎さんに聞いてみたところ、
「ぬるぬるしてて、よく動いたよ。」と言っていました!
国崎さんによると、現地ではこのような
沼地の植物などが繁茂する環境にすんでいるそうです。
その様子を再現し、展示の水槽は
水面が隠れるほどのたくさんの浮草をレイアウトしました。
繁茂する浮草をかきわけ呼吸をする姿は躍動感があり、
水面にでてきた吻先(ふんさき)は、なかなかわいらしいですよ。
こちらの水槽とは別に
ハイギョを真上から観察できる水槽も用意しました。
呼吸する瞬間はなかなか見ることはできませんが、
粘って見ることができたら、この気持ちを共感して貰えるかもしれません。
いろんなお話をしてしまいましたが、
少しハイギョに興味を持っていただけたでしょうか。
まだまだ、ハイギョの魅力はいっぱいあります...!
次のハイギョ紹介ブログをお楽しみに。