水族館の春
2016.03.29 (火)
桜も咲いて、いよいよ春って感じになってきました。
水族館の魚たちからも春を感じることができます。
春に繁殖期をむかえる魚たちで
オスの個体は、たいてい婚姻色がでてきれいな色になります。
繁殖の準備は冬の間から進めてきましたので、
その成果が試されるときがやってきたということです。
水族館の中にはたくさん水槽がありますが、
実は外にも水槽があります。
このような場所を利用して、魚の繁殖を行なっています。
少しだけ様子をのぞいてみると、
こちらはイチモンジタナゴ。
なかなかきれいな色のオスです。
もっときれいな色になります。
こちらは、同じイチモンジタナゴでもメスのほうです。
お腹は大きくなっていますが、産卵管の伸び具合から、
まだもうちょっとといったところでしょうか。
今度は隣にあるウシモツゴの水槽の様子をみてみましょう。
オスのウシモツゴですが、
まだ状態はあがりきっていないようですね。
昨年の繁殖期真っ盛りの個体と比べてみると
わかりやすいかもしれません。
これくらいかっこよくなります。
種類によって同じ春に産卵するものでも、
多少時期に違いがあるので、
これから順番に繁殖期をむかえていくことになります。
外の水槽はこのような感じですが、中の水槽でも春をむかえています。
タナゴの仲間の場合は、
このように人工授精で繁殖させることが多いです。
ヨシノボリの仲間の場合は、
卵をうみつけやすいような基質を入れたりしています。
無事に卵をとることができたら
ビーカーや浮きかごに入れたり、 時には水流をあてながら卵を管理しています。 とにかく、あの手、この手で繁殖させて卵を管理しています。 この方法が正解というのがないため、 常に観察しながら試行錯誤を繰り返しています。 このあたりも魚を繁殖させる醍醐味だと思います。 繁殖できたということは、 魚がいい状態で飼育できているという魚からの一つの答えなので、 毎年同じことをやっていても、毎年うれしい気持ちになります。 まだ、今年の繁殖ははじまったばかりなので、 進捗状況を時々お伝えしていけたらと思います。