おもしろ飼育コラム

カナヘビの赤ちゃん、今年もうまれてます!
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カナヘビの赤ちゃん、今年もうまれてます!

みなさまこんにちは。 残暑の候、いかがお過ごしでしょうか。 館内の多くのスタッフは暑さにやられてへばっておりますが、館内のニホンカナヘビたちはひときわ元気いっぱい過ごしております。 なぜならそう、繁殖の季節だからです!     ビビっときたある日、飼育ケージ内にある石をそっとどけると・・・     ↓↓↓     なんと、そこには産卵中のカナヘビが! ニホンカナヘビは、石や葉っぱが堆積したところの下など、少し湿っぽい場所に卵を産むのです。春ごろから湿ったミズゴケを石の下に設置しておいたのが功を奏したようです。   ニホンカナヘビは卵の世話をしないため、ここからはスタッフの出番です。     まず、湿ったミズゴケを敷いたケースに卵を回収します。このとき、卵の向きを変えてしまうと、胚がさかさまになり発生が止まってしまうかもしれません。私は間違えないよう、卵にペンで印をつけておくことが多いです。   ケースは直射日光の当たらない場所に置き、ミズゴケが乾かないよう定期的に霧吹きで水をかけます。ただし、あまりにべちょべちょだと卵がカビてしまうため、適度な量を心がけます。   卵は水分を吸収し少しずつ大きくなっていきます。上の写真では、右のほうが回収したばかりの卵、左のほうがふ化間近の卵です。二倍以上の大きさに膨らんでいることがよく分かりますね。   一か月半ほど経過すると・・・   ひょっこり、卵から顔を出しています!     うまれたカナヘビの赤ちゃんたちは、コオロギの赤ちゃんやショウジョウバエなどを与えて世話をします。赤ちゃんが大きくなるにつれ、与えるごはんも大きくしていきます。       これからもすくすく育ちますように! 来年には展示デビューできるよう、飼育スタッフみんなで丁寧に世話をしていきたいと思います。   ニホンカナヘビたちの繁殖の季節はまだまだ続きます。元気いっぱいのカナヘビたち、ぜひ観察しにお越しくださいね。
闇夜に潜む森のハンター
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闇夜に潜む森のハンター

みなさまこんにちは。   夏もいよいよ本番になり、暑い日が続いているせいか、先日車が停車途中で動かなくなってしまいました・・・ 体は元気でしたので、運動ついでに家まで散策しながら走って帰宅し、家族が私の汗だくな姿をみて笑ってくれたので、疲れの方はすっ飛んでいきましたが、修理費用でお財布の中身もすっ飛んでいきそうで焦っている中野です。   みなさまも外出する際は、くれぐれもお気を付けくださいね。     さてこの夏、アクア・トト ぎふは開館20周年を迎え、新施設のオープン・特別企画展の開催など盛り沢山の内容で皆さまをお迎えいたします。   その中でも7月13日より、新しく仲間入りした生き物をご紹介します。 この仲間は、夜行性の種が多く、森の真っ暗な闇の中でハンターとして、優れた能力をもっています。 一つ一つご紹介しますので、どんな生き物なのか考えてみてくださいね。     まず、一つ目の特徴は眼です。体に対して非常に大きな眼をもち、暗い夜でもわずかな光を感知することができるため、獲物の動きを正確に捉えることができます。     二つ目は、尖ったくちばし。肉食性で、大型の昆虫、ネズミやカエル、トカゲ、小鳥などを食べます。下向きに少し曲がっているのは、大きな眼の視界をさえぎらないためと考えられています。     三つ目は音を立てずに飛ぶことができる翼です。羽ばたく音をかぎりなく消すことで、獲物から気づかれず接近することが可能です。     さあ、もうどんな生き物かわかってきましたか? 最後は私の気に入っている特徴です。     頭の上にある羽角(うかく)と呼ばれる飾り羽です。耳ではありませんが、ウサギの耳みたいでなかなかかわいらしいです。仲間を見分けるためや枝に擬態するためにあると考えられています。     それでは、今回仲間入りしたこのような特徴をもつ生き物は・・・・   フクロウの一種「オオコノハズク」です。     自然下では木の洞の中で生活していますので、展示でも用意してみたところ、初めはほとんど利用してくれなかったのですが、最近木の洞にいるところを目撃し感動しました。     普段は写真のようにじっとして、木の枝などに紛れて見つけにくいかもしれませんが、習性の一つなので頑張って見つけてみてくださいね。 *正面に一羽います     ちなみに、現在2羽展示しており、体が大きい方がメス、小さい方がオスのペアです。     夜行性で森の中で生活しているため、自然下では滅多に目にすることができませんので、ぜひ見に来て下さいね!   最後に、こちらの個体は、井の頭自然文化園様に多大なご協力をいただき展示することができました。 この場をお借りし、お礼申し上げます。
メコンのキュウリウオ?!
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メコンのキュウリウオ?!

みなさまこんにちは。展示飼育部の佐藤です。   今日、紹介するメコン川の魚はキュウリウオです。   日本の魚に詳しい方であれば、 キュウリウオ科のアユやワカサギ、シシャモなどを 連想する方が多いのではないでしょうか?     今日紹介するキュウリウオはメコン川が流れる カンボジアのキュウリウオです!     カンボジアの水辺にもたくさんの魚たちが生息しています。 その中には色や模様、形などの特徴から、 日常生活でよく目にする物に例えた現地名がつけられた魚たちがたくさんいます。   その一つがキュウリウオなのですが、 まずはその姿を見てもらいたいと思います! それがこちら!!(現地の魚市場で撮影したものです)   キュウリウオなので野菜のキュウリ(胡瓜)っぽいかと思いきや・・・ キュウリにはまったく似ていません。     そこで、今度はカンボジア全土でごく普通にみられる カンボジアのキュウリを日本のキュウリと一緒にご覧ください! 日本で食べるキュウリとだいぶ違います。 太く短く、縦に薄い線が何本も入っていますね!   この魚のしま模様がキュウリのしま模様と似ていることから、 現地ではキュウリウオ(トライ・トローソッ)と呼ばれるようになったそうです。 (カンボジア語で「トライ=魚、トローソッ=きゅうり」という意味です)     ここで恒例の食レポです! このキュウリウオはコイの仲間(コイ科)ですので、 「とにかく骨が多い!」の一言です! 焼いても、煮ても、どこを食べても、骨が・・・ 比較的きれいに魚を食べる自信のある私でも途中で嫌になってしまうくらいです。     さて、今日紹介したキュウリウオは、 「タイガーバーブ(Probarbus sp.)」という名で メコンオオナマズが泳ぐ「メコン川中流の魚」水槽にて展示しています。 メコンの恵みを受けて生活しているカンボジアの人々が、 生活の中で名付けた「キュウリウオ」について紹介させていただきました。     当館はおかげさまで今年20周年を迎え、イベントも盛りだくさんです。 ぜひ足を運んでいただき、メコンオオナマズと一緒に泳ぐタイガーバーブ(キュウリウオ)の姿も見つけていただけると嬉しいです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 それではまた!
世界最大級の淡水魚
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世界最大級の淡水魚

みなさまこんにちは。展示飼育部の佐藤です。 7月14日に当館も開館20周年を迎えることができました。 応援いただいている皆さまに感謝申し上げます。 さて今回紹介する魚はメコン川にすむ世界最大級の淡水魚です。 その魚はタイの現地名でプラークラベーンとよばれるエイの仲間です。 エイと言っても海ではなく、川すなわち淡水にすむ淡水エイになります。 世界各地には大きな淡水魚たちが数多く知られていますが、 2022年にカンボジアを流れるメコン川で世界記録を更新する 大きなプラークラベーンが釣りあげられました。 その大きさは鼻先から尾の先まで4m、重さは約300㎏もあったそうです。 このメコン川の巨大エイを当館ではメコン川中流の魚水槽で展示しておりますが、 まだまだ世界最大級のサイズには程遠い大きさです。 当館では飼育を始めてからまだ数か月ですが、 毎日ごはんをたくさん食べて順調に成長しています。 世界最大級の魚がメコン川にいる事を知っていた私は、 この魚を一度は自分で採ってみたい!と思い、 漁師さんと共に一週間ほど漁をした事があります。 でも、その漁は毎日行うエサの準備や大きな石をオモリにした仕掛けの準備など、 想像以上に大変で、あっという間に一週間が過ぎてしまい、結果は惨敗でした。 私がお世話になった漁師さん一家は村一番の漁師でしたが、 それでも近年では年間10尾採れれば良い成績だと話をしてくれました。 メコン川の自然環境は日々変化しており、 そこに生息する生き物の多くは危機的な状況になっていることを肌で感じると共に、 季節外れに一週間チャレンジしたくらいではプラークラベーンに出会うのは 難しいということを思い知らされた調査となりました。 それでもメコン川でエイが採れれば、近くの市場で食用として売られます。 私も市場で何度かエイが売られているのを見てきましたが、 1mを超えるエイはとても迫力があり、メコンの怪魚らしい風格があります。 大きな個体になると、まるごと買う人はめったにいませんので、 買いやすい大きさにして売られます。 やはり現地でも珍しい魚なので、エイが売られていると、 お店のまわりには人が集まってきます。 最後に恒例の食レポです!私もプラークラベーンの味には興味がありました。 500g程買って帰り、スープにして一度だけ食べた事がありますが、 味付けが悪かったのか?それとも魚そのものが美味しくなかったのか? どちらかわかりませんが、決して美味しいとは言えない味だったのを覚えています。 ご来館の際にはこれから成長していくプラークラベーンの姿を ご覧いただき、末永く見守っていただけると幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございました。 それではまた!
田んぼのムカデ!?
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田んぼのムカデ!?

皆さまこんにちは。 梅雨時期が始まり、田んぼにも苗が植えられて緑が濃い季節になりましたね。   さて、当館でも展示に少し変化がありました。 それがこちら、水族館3階にあります「岐阜にすむ水生昆虫・里山の生き物」水槽の生き物が変わりました。   その生き物がこちら。皆さん、こちらの生き物知っていますか?     実はこの生き物、ゲンゴロウの幼虫なのです。 こちらの大きな水槽で展示しているゲンゴロウの成虫とは、全く違う形をしています。         ちなみにゲンゴロウの卵はこちら。   1㎝ほどの卵を植物の中に産みつけます。   そして卵からふ化した幼虫は、水の中で暮らし、昆虫やオタマジャクシなどを食べて大きくなり、2回の脱皮を経て、3令幼虫まで成長します。ちなみに当館では、バックヤードで飼育している餌用のコオロギを与えて育てています。 このコオロギを挟んでいる部分がゲンゴロウのアゴです。このアゴで獲物を挟み、消化液を注入して体内の組織を溶かし、吸います。 3令幼虫にもなるとかなり獰猛で、このアゴで挟まれると人間でもかなり痛く、昔は「田のムカデ」と言われ恐れられていたようです。     ふ化してから40日ほどたつと、3令幼虫は8㎝ほどになり、体型も丸々としています。     今回展示できるのはこの3令幼虫までとなります。 実は、この丸々と太った幼虫はその後、土に潜るのです。土に潜ってからの話しは次回のコラムで書こうと思います。     こちらの展示は7月中旬ごろまでを予定しています。 短めの期間ですので、今しか見ることの出来ないゲンゴロウの幼虫の姿を、皆様ぜひ見に来てくださいね。
メコンの村に伝わるグラミーの生食文化!?
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メコンの村に伝わるグラミーの生食文化!?

みなさまこんにちは。 展示飼育部の佐藤です。   今日、紹介するメコン川の魚はスリースポットグラミーという魚です。   グラミーの仲間は東南アジアを中心に分布する魚たちで、 体長2㎝ほどの種から50cmを超える種まで、大きさも様々です。   当館では「草地水溜りの魚(雨季)水槽」に3種のグラミーを展示しております。 今日はその中のスリースポットグラミーに注目してみましょう。   大きさは10~15㎝ほどで、尾ビレのつけ根と体の中央に黒い目玉模様があります。 この2つの目玉模様と同じ大きさをした本物の目を合わせると、 見事に3つの目玉模様(スリースポット)の完成です!   そしてもう一つ、胸のあたりから伸びる細長いヒゲのようなものが グラミーの仲間たちの特徴といえます。 これは腹ビレが発達して長くなったもので、 この長いヒレを動かす様子を当館の水槽でも観察することができます。     このグラミー、水槽でじっくりと観察するには最高の魚たちですが、 カンボジアのある村では昔からこの魚を生で食べる文化があります。 それがこちらの写真です。     私はこれまでメコン川流域の淡水魚たちを数多く食してきましたが、 どの地域でも、どの種類でも、火を通した料理か干物料理が出てきます。   グラミーの料理に関しても同様でしたが、 ある日、ある村に滞在した際にスリースポットグラミーの 生食料理と出会う機会が巡ってきたのです。     料理自体はすごく簡単なもので、 まずは村の近くを流れる水路でグラミーをすくってきます。   それを三枚におろして水瓶に貯めた雨水でかるく洗ってから、 ライムをギュッとしぼって30分ほど漬けておきます。 そして塩コショウで味付けして、ピーナッツを砕いたもの、 庭に生えている数種類のハーブ、モヤシをお皿に盛りつけて出来上がりです!     そのお味はというと、ハーブの味と香りが強いので、 正直、グラミーの味はほとんどわかりませんでした!     私はこの村で3回この料理と対面しましたが、結果は以下の通りです。 1回目は食べている間に強い腹痛に襲われて完食できず、 2回目はたくさん食べているフリして一口だけにセーブ、 3回目は村の人たちに正直に説明して食べずにギブアップ・・・でした。       私の感想はさておき、 大小さまざまな500種以上もの淡水魚がいるこの地域で、 なぜスリースポットグラミーだけを生で食べるのか? なぜこの村でしか食べないのか? 私にとってはとてもミステリアスで興味をそそる現地の食文化のお話しでした。     ご来館の際にはスリースポットグラミーの体の模様や、 長い腹ビレを動かす様子をじっくりと観察していただきながら、 グラミーのカルパッチョ風(ライム漬け)料理の お味を想像していただけると嬉しいです! 最後までお読みいただきありがとうございました。 それではまた!
ハサミをもった魚!?
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ハサミをもった魚!?

みなさまこんにちは。 展示飼育部の佐藤です。   今日、紹介するメコン川の魚は「ハサミのような尾」をもつ シザーステール・ラスボラという魚です。   ラスボラの仲間は東南アジアを中心に分布するコイ科の仲間たちです。 アクア・トト ぎふでは「メコン川草地水溜りの魚」水槽で展示しています。     では、「ハサミ(シザース)のような尾(テール)」とは どんな尾なのでしょうか? 写真を見ていただくと、もうお分かりだと思います。     魚体は銀色でとくに目立ちませんが、 尾ビレには鮮やかな黄色、白色、黒色の模様が入っています。   この模様と形からハサミを大きく開いたような姿に連想して 名づけられたといわれています。 これをふまえてもう一度見てみると、ハサミを横にした姿に見えますよね。     現地ではメコン川本流のような広い水辺ではなく、 支流の小さな川でよく見かける魚です。     私は、過去に東南アジアにも住んでいたことがあり その時の様子を少しご紹介します。   現地の季節は雨季と乾季に分けられ、雨が降る雨季には水辺が広がりますが その雨の影響で濁ってしまうため、魚はなかなか観察できません。     一方で乾季は雨が降らないため、 川の水は濁りにくく、黄色、白色、黒色の尾ビレをもつ シザーステール・ラスボラの姿を観察することができます。     ご来館の際には美しい尾ビレをゆっくりと動かしながら泳ぐ シザーステール・ラスボラをご覧いただき、 現地の水辺を泳ぐ姿を想像していただけると幸いです。     最後までお読みいただきありがとうございました。 それではまた!
展示水槽でチタラ・ロピスが繁殖!
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展示水槽でチタラ・ロピスが繁殖!

さかのぼること2021年11月、メコン川中流の魚水槽にて、流木に卵が産み付けられているのを発見しました。     いつもチタラ・ロピス(以下チタラ)がウロチョロしているあたりの流木だったので、 チタラの卵かな?でも1匹しかいない(当時チタラは展示水槽に1匹でした)からなあ… と思い、卵もふ化しなかったので結局何か分からずじまいでした。 [caption id="attachment_24660" align="alignnone" width="525"] チタラ[/caption]         時は過ぎ2024年5月8日、この日の朝は私が潜水の当番。 作業をしようと潜ると、流木に何やら白いつぶつぶを発見。     そばにはチタラがウロチョロしています。 「あ、久しぶりに産卵したな。おや…?」   よく見ると何やらちょろちょろ動いています。 すでに卵からふ化していました。     現在、この水槽にはチタラ・ロピスが2匹いますので、 卵を産み、そして見事に受精しているようです。 「あの時の卵は、やっぱりチタラだったのか!」 と、テンションがあがりました。   そして、親もしっかり世話をしています。 撮影のために卵に近づいても、私が遠ざかるとしっかり戻ってきて世話をしていました。 [video width="1920" height="1080" mp4="/wp-content/uploads/2024/05/0529-2.mp4"][/video]   なかなかたくましいです。 その後も毎日観覧側からチタラの様子を見ていましたが、しっかり世話をしているようです。 こうなると次の潜水当番が待ち遠しくなります。   そして5月17日。 流木にはいない…と思い底を見ると   稚魚が集まっていました。 「わあ、成長しているじゃん!」 現在は稚魚を少し回収してバックヤードでも育てています。       オタマジャクシのようでもあり、体の後ろ半分はナイフフィッシュらしさもあります。 育つかは分かりませんが、頑張って飼育したいと思います。 展示水槽にも残しているので、いつぐらいまで親が世話をするのかなど、今後も観察するのが楽しみです。皆さまもそっと観察してみて下さい!
種名板ができるまで
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種名板ができるまで

こんにちは、展示飼育部の松下です。 先日、「コンゴ川 中流の魚」水槽にてエレファントノーズを展示開始しました。 向かって右手の流木のあたりにいることが多いです。下アゴから突起が伸びた、特徴的な姿がお分かり頂けるでしょうか。     新たな生物を展示するにあたって用意しなければならないのが種名板です。 種名板とは、生物の名前をお客様にお伝えするためのパネルのことです。 当館では種名のほかに、簡単な解説文と写真も併せて掲載しています。 水槽の近くに貼ってあるアレです。   種名板は飼育スタッフが作成しているのですが、じつはなかなか大変な手順を踏んでいるのです。本コラムでは、種名板を作成する様子をご紹介したいと思います。     まずは論文や図鑑などを参考に、解説文を作成します。最初に私が書いた文章がこちら。 「まるでゾウの鼻のように垂れ下がる肉質突起で水底にひそむ昆虫などを探して食べます。尾柄部から電気を発し、周囲を感知します。」   この文章を同じチームのスタッフに回覧したところ、おもに以下の2点を指摘されました。 ①肉質突起、尾柄部など難しい言葉が多い。 ②発電に関する説明が簡素すぎる。 そこで、表現を変更したり、説明を足したり……そうすると文字数制限に収まらなくなるので、削ったり……。試行錯誤の末、OKが出た文章は以下の通りでした。最初の文に比べてかなり分かりやすくなったのではないでしょうか。   「尾ビレのつけ根部分の筋肉から弱い電気を発し、周囲を感知します。下アゴから下方に伸びた突起で水底にひそむ虫などを探して食べます。」   ようやく解説文が完成しました! しかし、まだ終わりではありません。       次に種名板用の写真を撮影します。エレファントノーズを撮影用の小さな水槽に入れ、背景を設置し、いざ撮ろうとしたのですが……。   ちょこまかと動き、なかなか画角内で落ち着いてくれません。時間をかけてこれはという一枚は撮れたのですが、あとから私の指の映り込みや、水面の反射が発覚し、ボツになりました。     そこで、見かねた先輩スタッフが撮影を手伝ってくれることになりました。 生物が落ち着くような水槽のセットの仕方を教えてもらい、最終的に撮れたのがこちら。 生物の全身がくっきり写っており、逆に余計なものは写っていませんね。これならOKです!       というところで種名板の完成です。生物を水槽に入れ……。 ホルダーに種名板をセット。 とうとう展示開始までこぎつけたのでした。   水槽に入れたエレファントノーズは今ではすっかり環境に慣れ、突起を使って底の食べ物を探している様子も観察できるようになりました。 他の魚とは一風変わった姿、ぜひ一度見にお越しください!
ド派手なウナギ!?
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ド派手なウナギ!?

みなさまこんにちは。 展示飼育部の佐藤です。   今日、紹介するメコン川の魚は、タイヤトラック・スパイニィイールです。 メコンオオナマズが泳ぐメコン川中流の魚水槽で展示していますが、お客さまが来館される日中は土管の中に隠れていて、なかなかその姿を見せてくれません。   スパイニィイールとは「トゲのある(spiny)」「ウナギ(eel)」という意味です。背中には小さな硬い棘(きょく)とよばれるトゲがたくさんあり、体形はウナギに似ていますが、トゲウナギ科というウナギとは全く別の仲間に属します。     私が魚の調査をしていたカンボジアには7種類のスパイニィイール(トゲウナギ)がいます。しかし、それぞれ種によって好きな水辺環境がちがうため、一度にすべての種類に出会うことはありません。     今回紹介しているタイヤトラック・スパイニィイールはその中でも出会う頻度が多い魚で、水田の細い水路や広いメコン川の本流でも見ることができます。 細い水路や小さな川では手アミや投アミを使って魚採りをしますが、派手な模様をしているので、この魚がアミに入るとすぐにわかります。     また、広いメコン川では潜って調査をしますが、私は水中でこの魚を探す調査が大好きです。     この魚の名前にもあるように、タイヤ模様のような派手な体色をしているため、目立ってしまうのでは?と想像されるかもしれませんが、意外とまわりの環境に溶け込んでいる模様だと思いませんか?     水中でこの魚を見つけた時には近づいてじっくり観察します。 メコン川で水中メガネをつけて潜る人なんて、めったにいませんので、岩の隙間に隠れて生活しているスパイニィイールの多くは私に気付いても、逃げることなく、いろいろな仕草を見せてくれます。     反対に、岩などがない砂地の広い場所でウロウロしている個体に出会ったときは、 おちつかない様子でなかなか近づくこともできず、じっくりと観察させてくれません。     当館の水槽ではかくれキャラ的な存在ですが、来館されるお客さまにこの魚を見ていただくためにはどういう工夫が必要なのか? メコン川で観察してきた経験を活かして、知恵をしぼっていきたいと思います!   最後までお読みいただきありがとうございます。 それではまた!
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本日の開館時間

9:30-17:00

最終入館 16:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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