おもしろ飼育コラム

ほんとに同じ魚なの?
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ほんとに同じ魚なの?

みなさま、こんにちは。 今年の4月に入社した新人の安原です。 どうぞよろしくお願いいたします。     初めての飼育コラムで何を書くかとても悩みましたが、今回は自分が担当しているクラウンテトラについてお話ししたいと思います。     クラウンテトラは成長にともない体の色や模様がかなり変化する魚です。 見ていただいた方が分かりやすいと思うので、早速小さい頃の写真から こちらになります!     種類はショートノーズクラウンテトラで、黒いしま模様と鮮やかなオレンジ色の体がとてもキレイですよね。 しかし、成長するとこちら しま模様は薄れ、鮮やかできれいだったオレンジ色は黒ずんでしまいます。 クラウンテトラは成長すると小さいころとはかなり見た目が変わるのです。     小さなクラウンテトラたちは、私が入社した時には展示に出せる大きさではなかったため、まだバックヤードにいたのですが、魚の名前が覚えきれていない私は、まさか同じ魚だとは知らず給餌をしていました…。     その後、バックヤードでしっかりと成長したため、夏休みにあわせてコンゴ川下流の魚の水槽で展示を開始しました。   水槽に向かって左寄りには小さな個体を、右寄りには大きな個体を展示しています。 小さい個体はしま模様もはっきりしていて鮮やかなオレンジ色も見ることができます。 成長したクラウンテトラとの違いをぜひ比べてご覧ください。 どのくらいで模様が消えていくのか、今後の成長がとても楽しみです。
カヤネズミの巣づくり
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カヤネズミの巣づくり

みなさま、こんにちは。 先日、家の上棟工事を見学する機会がありました。大工さんがひょいひょいと身軽に二階や屋根に登り、木材を運んでは組み立てていく姿に思わず見とれてしまいました。ふと、「そういえば水族館にも“小さな大工さん”がいたなあ」と頭に浮かんできましたので、今日はその小さな大工「カヤネズミ」についてお話をしたいと思います。       カヤネズミは、日本に生息するネズミの中で最も小さい種類です。 体長はわずか5~7cm、体重は6~10g ほどで、例えるなら500円玉と同じくらいの軽さしかありません。   この軽さと、体よりも長い尾を器用に使うことで、オギ・ススキ・ヨシといった「カヤ」と呼ばれるイネ科の植物を利用し、巣をつくって生活しています。この長い尾は、細い茎の上を移動する際にバランスを取ったり、草に巻きつけて身体を支えたりするなど、高い場所での安定した行動を可能にする重要な役割を果たしています。       当館でも自然環境を再現するため、植物を植えており、新しい植物を入れた途端、カヤネズミたちは巣づくりを始めるのです。     この夏は特に注目して観察してみたところ、毎回「今度はどのように作るのだろう?」と楽しみになるほど、興味深い発見がありました。 巣は基本的に、陰になって目立たない奥の方に作る傾向がありますが、例外的に、目立つ場所に堂々と巣をつくることもあります。     巣づくりの順番としては、 ①植物の葉や茎を身軽に登り降りしながら、同じところを何度も行き来して場所を探す。 ②場所が決まると足場をつくり、その上から届く範囲で体を乗り出して葉を引き込む。 ③葉先を細かく噛み裂き、壁や天井を少しずつ絡めこむように形づくる。 などです。   *巣づくり途中の写真     ほかにも、植物の葉の密度や性質によって、巣の大きさや高さが変わることもあり、葉が密に茂っていれば大きな巣が、まばらな場所では小さな巣ができる傾向もありました。さらに、柔らかい葉を使った巣は低く薄く、堅い葉を使えばしっかりとした仕上がりになるので高く厚く、植物の特徴が巣に反映されるなどの発見がありました。 *高い場所     *低い場所     また、使われなくなった巣を回収してみると、これがまた驚き。力を込めてもなかなか壊れないほど丈夫に絡み合っていて、「あの小さな体で、どうやってここまで緻密に…!」と感心してしまいました。 観察していて特に印象的なのは、「空中巣」と呼ばれる巣です。 今にもちぎれそうな細い葉にぶら下がるように巣が作られるのですが、その中に数匹入り込んでいる姿を見たときは飼育スタッフの私たちも「大丈夫かな?落ちないかな?」とハラハラします。 ですが実際にはしっかり支えられており、見た目よりずっと頑丈で驚かされました。今後は最初から完成までの過程を映像で記録していきたいと思います。     さて、冬になると植物は枯れてしまいこれまでのような巣を作れなくなります。そのため野生のカヤネズミは、枯れ葉を集めて地表に球状の巣をつくることもあるそうです。地域によっても違うといわれていて、これからどんな工夫を見せてくれるのか今から楽しみです。   みなさまも水族館にお越しの際には、ぜひ可愛らしい小さな大工さんの作る巣にも注目してみてくださいね。
生き物のお引越し
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生き物のお引越し

はじめまして、魚類担当の吉本です。 どうぞ、よろしくお願いします。   それでは皆様、こちらの水槽をご覧ください。 こちらは水族館2階にあるメコン川の魚を展示している水槽になります。   当館へ来ていただいた事がある方は、もしかしたら「知っているよ!」となるかもしれません。   実は、とある生き物がいなくなっております。メコンオオナマズの観察をしている時に「あの生き物がいないよ」や「もしかして…」なんて声が聞こえる事があります。 ご安心ください。     その生き物はこちらの水槽にお引越ししました!     そして、とある生き物とはプラークラベーンです! 世界最大級の淡水魚で非常に大型の淡水エイです。丸い円盤のような体はなんと2mにも達するほどに成長する魚で、これからの成長を考え、広い水槽に移動してもらいました。     休館日にこの様にして運びました。運んでいる道具は、水と一緒に生き物を移動できる便利な道具で、生き物を傷つけずに丁寧に運べます。     そして、広い水槽に移動した事によりぐんぐんと大きくなっている…気がします。 …ただ、困ったことが一つありまして。元気が良すぎるのか砂を撒き散らしてしまいます。   これが   その結果、こうなってしまいます。   隠しているものがまる見えです。     その為、魚類担当のスタッフはほぼ毎日この水槽に潜っては砂を戻し、また撒き散らされ、戻しては撒き散らされ、日々奮闘しております。   ですが、元気なのが嬉しいです!どんどんと成長してもらいましょう!その分、スタッフも頑張りますよ~!!   という訳で今回のお話は、大きなエイは移動したよ! の紹介でした。
カルガモのヒナ、成長中!
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カルガモのヒナ、成長中!

みなさま、こんにちは。   先月の6月20日にカルガモのヒナが誕生しました! カルガモのヒナが当館で誕生したのは今回が初めてで、すくすく成長しています。 生後1か月が過ぎ、だいぶ大きくなってきたところです。 今回はヒナの誕生から、成長を紹介いたします。     まず、親が巣作りを始めたのが5月15日、そこから1週間ほどかけて卵を産みそろえていきました。(一気に全部産むわけではなく、数日にかけて産みそろえていきます。)     そして卵を10~13個産むと、抱卵が始まります。 5月中旬ごろから卵をあたためているのを見かけるようになり、少しずつ卵のまわりに羽毛がしきつめられ、巣が出来上がっていきました。 カルガモが卵をあたためる期間は、26~28日と言われています。 ですので、6月中にはふ化することになります。 日が近づくにつれ、私たちスタッフもソワソワしていました。 「今日ふ化するかな・・・」 「今日じゃなかったね。明日かな?」 と、毎日のように思っていました。   そして、6月20日の朝のことです。 展示水槽を見にいくと、ヒナがふ化し一緒に泳いでいる姿を見ることができたのです! こんな早くから一緒に泳ぐのかと感心しました。   今回ふ化したのは2羽。残念ながら、1羽はふ化して4日後に衰弱死してしまいましたが、もう1羽は今も元気に成長しています。     6月25日 まだまだ小さく、羽がふわふわしています。     6月29日 少し成長を感じます。     7月9日 親から離れて端の方で休んでいるのを見かけました。     7月12日 いっきに成長したなと感じた日です。     7月14日     生後1か月 1か月も経つと大人とほぼ変わらないくらいまで成長するよと聞いてはいたのですが、実際に成長を見て、成長速度に驚かされました。   産まれたばかりの小さくてふわふわしたヒナを見ることができたのは、ほんの数日で見る見るうちに大きくなっていきました。 小さい時期はあっという間で、少しさびしい気持ちもありますが、無事に成長してくれて、とてもうれしく思います!     皆様にも、この先の成長を見守っていただけると嬉しいです。 ぜひ、成長したヒナにも会いに来てくださいね! お待ちしております。  
飼育スタッフおすすめの生き物たち
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飼育スタッフおすすめの生き物たち

みなさんこんにちは。 入社して1年があっという間に過ぎていた永井です。 この一年間で色々な飼育コラムがあがっていましたね。人と違うコラムを書きたいと悩みに悩んだ結果、私のおすすめの生き物たちを水族館の飼育スタッフならではの見方で紹介しようと思います!特に私は底の方にいる生き物が好きなので、多めに紹介していきます!     最初の場所は、この2個の水槽からです。 先ずは右の水槽です。ここは3階のサツキマスがいる水槽の横にあるアカザのいる水槽です。川の中のアカザは石の隙間に潜り込んでいることが多く、この水槽でもアカザは石の下に入っていて中々全体像を見ることは出来ませんが、石の隙間から見える頭に注目してみてください。     このヒゲがたくさんある顔が狭い場所に何匹もみっちりつまっていて可愛いんです! この状態は昼間に水槽をのぞくとよく見られる光景なのですが、毎回じっと眺めてしまうポイントなのです。いつまでも見てられる様子なのですが、まだまだ紹介したい生き物たちがいますので、次にいきたいと思います!     次はすぐ左隣の水槽です。こちらの水槽にはアジメドジョウとカワヨシノボリがいます。このアジメドジョウも中々愛嬌のある動きを見せてくれます。 アジメドジョウは、川底のわき水の出る石の隙間に潜り冬を越すのですが、この水槽でも下からわき水が出ているようにレイアウトをしてあるのでそこに潜る様子を観察できます。 よく観察してみると、何匹か頭を出しているのが分かりますね。     他にも、石の隙間をみると、3匹縦に並んでいたり、正面を向いていたりと色々なアジメドジョウの姿を見ることができます!       よく観察していると生き物によって、「この動き面白いかも!」というものが見つかります。是非生き物たちの様子を見に来てください! まだまだ紹介したい生き物はたくさんいますので、次回のコラムで紹介をしたいと思います!それではまた!
モツゴ稚魚とゼゼラ稚魚の展示始めました!
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モツゴ稚魚とゼゼラ稚魚の展示始めました!

みなさんこんにちは、梅雨入りしてジメジメの蒸し暑い日が続きますね。この時期は苦手な村上です。   さて、そんな季節ではありますが多くの魚が繫殖期を迎えています。   今回は当館で繫殖した魚の稚魚を新しく展示したので紹介したいと思います!   まず1種類目がこちらの魚   1種類目はモツゴの稚魚です。 モツゴは繫殖期を迎えるとオスが石や流木になわばりを持ち、そこで産卵が行われます。     展示水槽で撮影したモツゴの卵の写真がこちら       よーく観察してみると… 卵の中にモツゴの赤ちゃんがいるのがお分かりいただけるかと思います。まるで卵の中からこちらを見ているかのような目力です。     ちなみに成魚になるとこのような姿になります。         続いて、2種類目に紹介する魚の稚魚がこちら   ゼゼラです。ゼゼラも繫殖期を迎えると、オスが水草の根などになわばりを持ち、そこで産卵が行われます。     こちらは卵の写真です。丸いつぶつぶがたくさんあるのがお分かりいただけるでしょうか。卵はゼリー状になっていて、粘着性があるため産卵場所にしっかりと付着し、さらに砂や泥がくっついてカモフラージュされます。   そしてゼゼラの成魚がこちら         まだ2種類とも成魚のような模様はなく、成長と共に徐々に模様が現れてきます。現在は動物プランクトンを食べてすくすく成長中です。   そして、稚魚が日々成長していく姿を観察している私自身も勉強になり成長しているはずです、、、。   さあ、そんな2種類の稚魚は水族館3階の「里山の生き物」水槽で展示中です!         ちなみに成魚のモツゴとゼゼラも他の水槽で展示していますよ! モツゴは3階「下流の魚」の水槽         ゼゼラは3階「岐阜県の希少淡水魚」の水槽 で展示しています。今回の展示を機に成魚と稚魚の違いを見比べてみてくださいね!!! 私のコラムいかがだったでしょうか、これからも面白い出来事や発見があればコラムを通してみなさまにお伝えできればと思います。   それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!  
すくすく水草成長中 Part 1
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すくすく水草成長中 Part 1

みなさまこんにちは。山下です。   最近の山下は少し水草にハマってきています。 やはり魚をはじめとした、当館で飼育している多くの生き物は、いい感じの水槽レイアウトがあってこそ、その魅力が引き立つと考えます。そのいい感じのレイアウトに欠かせないのが水草だと思います。 これまで当館の水草はけっこう種数が少なく、同じようなものばかりだなぁ、と感じることが多々ありました。そこで、新たに育てられる水草はないかと試行錯誤しているところです。     すくすく水草コラムでは、今のところいい感じに育っている水草をご紹介したく思います。山下、本当に水草初心者です。新規水草に挑戦するためにたびたび勉強しております。学んだことをコラムに備忘録かのように書いていこうかと思いますので、果たしてPart何までいくのか、ご期待ください。     記念すべきPart1の水草はこちら! トチカガミです。秋ごろに会社の先輩が見つけてきてくださったものを、暖かくなってきたので展示に出してみました。   トチカガミはおもにため池や水路などで見られる水草です。浮葉植物といって、地面に根を張ることなく、水面に浮かぶタイプの水草です。葉っぱの裏側には浮嚢というふくらみがあります。 こんな感じです。この浮嚢、よく見ると空気が入った小さな部屋のようなものがいくつもあるような構造になっています。これは水面に浮くわけですね。試しに水中に葉を沈めてみると、一瞬で浮かび上がってきました。   図鑑を読んでみると、どうも葉が多くなりすぎると、空気中へと葉を伸ばし始めるそうです。空気中に出た葉では浮嚢は無駄な構造になるのか、あまり見られなくなるそうです。環境に合わせて変化する葉、面白いですね。     さてそんなトチカガミ、水に浮かべておくと、あれよあれよという間に大きくなっていきます。走出枝という茎のようなものが横へ横へと広がり、途中にできる節から、新たな葉が出てきます。 こちらの写真は新たな葉が出てくる様子を撮影したものです。生命の息吹を感じられてとても良いですね。     では実際にどれくらい成長しているのか、水槽に水草を入れたばかりの頃の写真と、現在の水槽の写真を比べてみましょう。 入れたばかりの頃の様子はこちら。 ちょっと寂しい感じがしますね。頑張って増えてくれ~と思いながら控えめに投入しました。     そして現在はこちら。 かなり葉が増えています!素晴らしい成長ですね。悪くなってきた葉をじゃんじゃん剪定しながらもこの状態です。次々と新しい葉が出てきます。     さらに図鑑を読んでみると、気になる記述がありました。根は根毛が発達するそうです。水槽に入れたトチカガミの根を見てみると… 確かにかなり発達しています!もうフッサフサです。可愛いですね。     水草、細かく見ていくとそれぞれに興味深い特徴があって楽しいです。そんな中で今私が待っているのは、トチカガミの花を見ることです。トチカガミの花期は8~10月だそうです。花が咲いたらSNSに写真をアップしようと思います。みなさまもSNSを楽しみにお待ちください。もちろん当館に実際に足を運んでいただき、トチカガミの成長を一緒に見守っていただけるとより嬉しく思います。   現在トチカガミは里山の生き物水槽でのみ、展示しております。今後も水槽内でどのような成長を見せてくれるのかを楽しみにしながら、日々を過ごしていきたいと思います。   最後までお読みいただき、ありがとうございました。 また次のコラムでお会いしましょう!
クロベンケイガニを育てる
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クロベンケイガニを育てる

こんにちは。 今回はクロベンケイガニの繁殖のおはなしです。   まず、クロベンケイガニとはこんなカニ。紫色のはさみ脚が特徴です。   川の下流から河口で見られ、岸辺の土手に穴を掘ってくらしています。   当館では「下流の生き物水槽」で展示しています。 隣の「河口の生き物」水槽にいるハマガニとアシハラガニは、去年と一昨年に繁殖できたので、今年はぜひとも下流の生き物水槽のクロベンケイガニ、ベンケイガニ、アカテガニのどれかの繁殖を成功させたいと思っていました。     5月3日、予備槽から母ガニを、安全に幼生を放出できる場所へ移動させました。     その2日後の5月5日に無数のゾエア幼生が産まれました。     ゾエアは海中でプランクトン生活を送りながら、さらに小さな動物プランクトンを食べます。     ゾエア期に4回脱皮をして、その4回目の脱皮でメガロバ幼生に、さらにもう一回脱皮をしてカニの姿になります。   ゾエアⅠ期→ゾエアⅡ期→ゾエアⅢ期→ゾエアⅣ期→メガロパ幼生→稚ガニ   という具合。     孵化から13日後にはメガロパに、 それから8日後にはみごとに稚ガニになりました。     甲長1mmちょっと。すごく小さくてゴマみたいですが、ちゃんとカニの姿をしています。       さて、幼生を放出した母ガニはというと…。 なんと!幼生の放出から数日後にはまたお腹が膨らんでいて卵を抱えていました。 オスがいないのにびっくりです。     クロベンケイガニやその近縁のカニの場合、交尾をしてオスの精子をメスが体内に貯めておき、それを産卵のとき(お腹に卵を抱くとき)に使って受精させるのですが、今回のように2度目の産卵にも、その貯めておいた精子が使えるということは知りませんでした。     クロベンケイガニは珍しいカニではありません。川の下流や河口に行けば必ずといっていいほど姿を見ることができる身近なカニで、これまで長い間当館で飼育していたカニでもあります。それでも、まだまだわたしが知らないことにあふれていて、改めて生き物の偉大さを感じました。     今回育った稚ガニたちはおそらく2年後ぐらいに展示水槽へデビューできる大きさになるかと。それまで大切に育てていきます。    
パンがなければパンガシウスを食べればいいじゃない
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パンがなければパンガシウスを食べればいいじゃない

みなさまこんにちは。 前回のコラムで、当館で飼育しているパンガシウスの仲間をご紹介しました。 <帰ってきたプラーテーポー>     その中で、パンガシウスの仲間は食用に養殖されており、「パンガシウス」として日本にも出荷されているということを書きました。   今回、私も食用として売られているパンガシウスを発見しましたので、その食レポ(!!)をしてみたいと思います。     こちらが、普段お世話になっているスーパーで買ってきた切り身です。 価格は99円/100gで売られており、庶民の味方、サケ(250円/100g)に比べてもとってもお得! まさに、「パンがなければパンガシウスを食べればいいじゃない」といったところ。   裏側を見ると、ベトナム産の養殖個体との記述がありました。切り身から種を同定することは難しいですが、ベトナムでは前コラムでもご紹介したカイヤンPangasianodon hypohthalmusや、バサと呼ばれるPangasius bocourtiの養殖が盛んなため、どちらかの可能性が高いと思います。   見た目はごく普通の白身魚で、においも特にありません。ただ、脂はあまり乗っていないようです。     今回は、インターネットで調べておすすめの調理法だったムニエルにしてみます。 素人料理ですが、しばしお付き合いください。     まずは、塩コショウで下味をつけ、小麦粉をまぶします。次に、フライパンに入れ、弱火でじっくりと焼いていきます。   ある程度火が通ったところで裏返しました。ここでバターをたっぷりと投入。スプーンでバターを回しかけながら焼き、両面がぱりっと仕上がるようにします。 皿に盛りつけて、完成です! ケチャップと醤油で作ったソースを上にかけてみました。きつね色に焼けており、とてもおいしそうです。     淡水魚水族館の飼育スタッフとしてあるまじきかな、ナマズを食べたことがこれまでなかったので、おそるおそる実食。 (もしかすると、「白身魚のフライ」とかで気づかぬうちに食べているかもしれませんが。)   うん、おいしー! 丁寧に焼いたおかげで、外はカリカリ、中はふっくらと仕上がっています。魚肉自体にクセはなく、バターの香りとよく合っています。これなら和食にも使えそうですね。   お値段が安く、こんなにおいしいならば、食卓の常連になりそうな予感です。   どんな味か気になった方は、ぜひ一度、購入してみてはいかがでしょうか? そして、謎の切り身「パンガシウス」がどんな魚なのか気になった方は……ぜひ、当館へ泳いでいる魚を見にお越しくださいね。 読んでくださりありがとうございました!
帰ってきたプラーテーポー
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  • 新しい展示

帰ってきたプラーテーポー

みなさまこんにちは。 少し前になりますが、「メコン川 中流の魚」の水槽にプラーテーポーを追加しました。   展示水槽でプラーテーポーが見られるのは、2022年以来になります。ぜひこれを機会に見に来てくださいね。 (下にいる細長い方はオオウナギです。念のため!)     さて、プラーテーポーを見て、メコン川の水槽にはそっくりな魚がたくさん泳いでいるなあと思われた方もいるかもしれません。これらはみな、パンガシウスの仲間たちです。   当館を代表する魚の1つ、メコンオオナマズもパンガシウスの仲間なのですね。パンガシウス科は、南アジアから東南アジアにかけて分布するナマズの仲間で、約30種が含まれています。基本的には淡水域に生息しますが、中には海水に適応したものもいます。   上の写真ですが、見れば見るほどお互いに似ています。そこで! ここでは、当館で飼育しているパンガシウス4種の見分け方をご紹介しちゃいます。     こちらのイラストをご覧ください! 永久保存版です!   上から順に、簡単にご説明しますと……。   メコンオオナマズ Pangasianodon gigas 全長3m、体重350kgまで達することもある世界最大級の淡水魚です。当館の個体は現在大きいもので全長1.8m前後ですが、それでも見ごたえばっちりです。展示水槽には全部で7匹のメコンオオナマズがおり、実はそれぞれ愛称がついています。毎日16:30よりメコンオオナマズのポイントガイドを行っていますので、ぜひスタッフに見分け方を聞いてみてくださいね。   カイヤン Pangasianodon hypophthalmus カイヤン以下3種は、現在1つの水槽で混泳して展示しています。パンガシウス科の中では、もっともメコンオオナマズに近い種ですが、体長は1.3mほどです。ベトナムでは多く食用に養殖されており、「パンガシウス」として日本にも出荷されています。   パールム Pangasius sanitwongsei メコンオオナマズと同じくらいまで大きくなりますが、その食性は大きく異なります。メコンオオナマズが主に藻類を食べると考えられているのに対し、パールムは魚類や甲殻類などを食べる肉食性です。   プラーテーポー Pangasius larnaudii 本記事の主役であるプラーテーポー。体長は1.3mほどです。パンガシウスの仲間はよく似たものが多く見分けるのが難しいのですが、プラーテーポーは胸ビレの付け根に黒くて丸いもようがあることからすぐに見分けられます。全体的にも丸っこく、かわいらしい印象です!     4種ものパンガシウスの仲間を展示している水族館はなかなかないかもしれません。ぜひ当館で比べてみてはいかがでしょうか? 読んでくださりありがとうございました!  
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本日の開館時間

9:30-17:00

最終入館 16:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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