おもしろ飼育コラム

カルガモのヒナ、成長中!
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カルガモのヒナ、成長中!

みなさま、こんにちは。   先月の6月20日にカルガモのヒナが誕生しました! カルガモのヒナが当館で誕生したのは今回が初めてで、すくすく成長しています。 生後1か月が過ぎ、だいぶ大きくなってきたところです。 今回はヒナの誕生から、成長を紹介いたします。     まず、親が巣作りを始めたのが5月15日、そこから1週間ほどかけて卵を産みそろえていきました。(一気に全部産むわけではなく、数日にかけて産みそろえていきます。)     そして卵を10~13個産むと、抱卵が始まります。 5月中旬ごろから卵をあたためているのを見かけるようになり、少しずつ卵のまわりに羽毛がしきつめられ、巣が出来上がっていきました。 カルガモが卵をあたためる期間は、26~28日と言われています。 ですので、6月中にはふ化することになります。 日が近づくにつれ、私たちスタッフもソワソワしていました。 「今日ふ化するかな・・・」 「今日じゃなかったね。明日かな?」 と、毎日のように思っていました。   そして、6月20日の朝のことです。 展示水槽を見にいくと、ヒナがふ化し一緒に泳いでいる姿を見ることができたのです! こんな早くから一緒に泳ぐのかと感心しました。   今回ふ化したのは2羽。残念ながら、1羽はふ化して4日後に衰弱死してしまいましたが、もう1羽は今も元気に成長しています。     6月25日 まだまだ小さく、羽がふわふわしています。     6月29日 少し成長を感じます。     7月9日 親から離れて端の方で休んでいるのを見かけました。     7月12日 いっきに成長したなと感じた日です。     7月14日     生後1か月 1か月も経つと大人とほぼ変わらないくらいまで成長するよと聞いてはいたのですが、実際に成長を見て、成長速度に驚かされました。   産まれたばかりの小さくてふわふわしたヒナを見ることができたのは、ほんの数日で見る見るうちに大きくなっていきました。 小さい時期はあっという間で、少しさびしい気持ちもありますが、無事に成長してくれて、とてもうれしく思います!     皆様にも、この先の成長を見守っていただけると嬉しいです。 ぜひ、成長したヒナにも会いに来てくださいね! お待ちしております。  

飼育スタッフおすすめの生き物たち
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飼育スタッフおすすめの生き物たち

みなさんこんにちは。 入社して1年があっという間に過ぎていた永井です。 この一年間で色々な飼育コラムがあがっていましたね。人と違うコラムを書きたいと悩みに悩んだ結果、私のおすすめの生き物たちを水族館の飼育スタッフならではの見方で紹介しようと思います!特に私は底の方にいる生き物が好きなので、多めに紹介していきます!     最初の場所は、この2個の水槽からです。 先ずは右の水槽です。ここは3階のサツキマスがいる水槽の横にあるアカザのいる水槽です。川の中のアカザは石の隙間に潜り込んでいることが多く、この水槽でもアカザは石の下に入っていて中々全体像を見ることは出来ませんが、石の隙間から見える頭に注目してみてください。     このヒゲがたくさんある顔が狭い場所に何匹もみっちりつまっていて可愛いんです! この状態は昼間に水槽をのぞくとよく見られる光景なのですが、毎回じっと眺めてしまうポイントなのです。いつまでも見てられる様子なのですが、まだまだ紹介したい生き物たちがいますので、次にいきたいと思います!     次はすぐ左隣の水槽です。こちらの水槽にはアジメドジョウとカワヨシノボリがいます。このアジメドジョウも中々愛嬌のある動きを見せてくれます。 アジメドジョウは、川底のわき水の出る石の隙間に潜り冬を越すのですが、この水槽でも下からわき水が出ているようにレイアウトをしてあるのでそこに潜る様子を観察できます。 よく観察してみると、何匹か頭を出しているのが分かりますね。     他にも、石の隙間をみると、3匹縦に並んでいたり、正面を向いていたりと色々なアジメドジョウの姿を見ることができます!       よく観察していると生き物によって、「この動き面白いかも!」というものが見つかります。是非生き物たちの様子を見に来てください! まだまだ紹介したい生き物はたくさんいますので、次回のコラムで紹介をしたいと思います!それではまた!

モツゴ稚魚とゼゼラ稚魚の展示始めました!
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モツゴ稚魚とゼゼラ稚魚の展示始めました!

みなさんこんにちは、梅雨入りしてジメジメの蒸し暑い日が続きますね。この時期は苦手な村上です。   さて、そんな季節ではありますが多くの魚が繫殖期を迎えています。   今回は当館で繫殖した魚の稚魚を新しく展示したので紹介したいと思います!   まず1種類目がこちらの魚   1種類目はモツゴの稚魚です。 モツゴは繫殖期を迎えるとオスが石や流木になわばりを持ち、そこで産卵が行われます。     展示水槽で撮影したモツゴの卵の写真がこちら       よーく観察してみると… 卵の中にモツゴの赤ちゃんがいるのがお分かりいただけるかと思います。まるで卵の中からこちらを見ているかのような目力です。     ちなみに成魚になるとこのような姿になります。         続いて、2種類目に紹介する魚の稚魚がこちら   ゼゼラです。ゼゼラも繫殖期を迎えると、オスが水草の根などになわばりを持ち、そこで産卵が行われます。     こちらは卵の写真です。丸いつぶつぶがたくさんあるのがお分かりいただけるでしょうか。卵はゼリー状になっていて、粘着性があるため産卵場所にしっかりと付着し、さらに砂や泥がくっついてカモフラージュされます。   そしてゼゼラの成魚がこちら         まだ2種類とも成魚のような模様はなく、成長と共に徐々に模様が現れてきます。現在は動物プランクトンを食べてすくすく成長中です。   そして、稚魚が日々成長していく姿を観察している私自身も勉強になり成長しているはずです、、、。   さあ、そんな2種類の稚魚は水族館3階の「里山の生き物」水槽で展示中です!         ちなみに成魚のモツゴとゼゼラも他の水槽で展示していますよ! モツゴは3階「下流の魚」の水槽         ゼゼラは3階「岐阜県の希少淡水魚」の水槽 で展示しています。今回の展示を機に成魚と稚魚の違いを見比べてみてくださいね!!! 私のコラムいかがだったでしょうか、これからも面白い出来事や発見があればコラムを通してみなさまにお伝えできればと思います。   それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!  

すくすく水草成長中 Part 1
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すくすく水草成長中 Part 1

みなさまこんにちは。山下です。   最近の山下は少し水草にハマってきています。 やはり魚をはじめとした、当館で飼育している多くの生き物は、いい感じの水槽レイアウトがあってこそ、その魅力が引き立つと考えます。そのいい感じのレイアウトに欠かせないのが水草だと思います。 これまで当館の水草はけっこう種数が少なく、同じようなものばかりだなぁ、と感じることが多々ありました。そこで、新たに育てられる水草はないかと試行錯誤しているところです。     すくすく水草コラムでは、今のところいい感じに育っている水草をご紹介したく思います。山下、本当に水草初心者です。新規水草に挑戦するためにたびたび勉強しております。学んだことをコラムに備忘録かのように書いていこうかと思いますので、果たしてPart何までいくのか、ご期待ください。     記念すべきPart1の水草はこちら! トチカガミです。秋ごろに会社の先輩が見つけてきてくださったものを、暖かくなってきたので展示に出してみました。   トチカガミはおもにため池や水路などで見られる水草です。浮葉植物といって、地面に根を張ることなく、水面に浮かぶタイプの水草です。葉っぱの裏側には浮嚢というふくらみがあります。 こんな感じです。この浮嚢、よく見ると空気が入った小さな部屋のようなものがいくつもあるような構造になっています。これは水面に浮くわけですね。試しに水中に葉を沈めてみると、一瞬で浮かび上がってきました。   図鑑を読んでみると、どうも葉が多くなりすぎると、空気中へと葉を伸ばし始めるそうです。空気中に出た葉では浮嚢は無駄な構造になるのか、あまり見られなくなるそうです。環境に合わせて変化する葉、面白いですね。     さてそんなトチカガミ、水に浮かべておくと、あれよあれよという間に大きくなっていきます。走出枝という茎のようなものが横へ横へと広がり、途中にできる節から、新たな葉が出てきます。 こちらの写真は新たな葉が出てくる様子を撮影したものです。生命の息吹を感じられてとても良いですね。     では実際にどれくらい成長しているのか、水槽に水草を入れたばかりの頃の写真と、現在の水槽の写真を比べてみましょう。 入れたばかりの頃の様子はこちら。 ちょっと寂しい感じがしますね。頑張って増えてくれ~と思いながら控えめに投入しました。     そして現在はこちら。 かなり葉が増えています!素晴らしい成長ですね。悪くなってきた葉をじゃんじゃん剪定しながらもこの状態です。次々と新しい葉が出てきます。     さらに図鑑を読んでみると、気になる記述がありました。根は根毛が発達するそうです。水槽に入れたトチカガミの根を見てみると… 確かにかなり発達しています!もうフッサフサです。可愛いですね。     水草、細かく見ていくとそれぞれに興味深い特徴があって楽しいです。そんな中で今私が待っているのは、トチカガミの花を見ることです。トチカガミの花期は8~10月だそうです。花が咲いたらSNSに写真をアップしようと思います。みなさまもSNSを楽しみにお待ちください。もちろん当館に実際に足を運んでいただき、トチカガミの成長を一緒に見守っていただけるとより嬉しく思います。   現在トチカガミは里山の生き物水槽でのみ、展示しております。今後も水槽内でどのような成長を見せてくれるのかを楽しみにしながら、日々を過ごしていきたいと思います。   最後までお読みいただき、ありがとうございました。 また次のコラムでお会いしましょう!

クロベンケイガニを育てる
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クロベンケイガニを育てる

こんにちは。 今回はクロベンケイガニの繁殖のおはなしです。   まず、クロベンケイガニとはこんなカニ。紫色のはさみ脚が特徴です。   川の下流から河口で見られ、岸辺の土手に穴を掘ってくらしています。   当館では「下流の生き物水槽」で展示しています。 隣の「河口の生き物」水槽にいるハマガニとアシハラガニは、去年と一昨年に繁殖できたので、今年はぜひとも下流の生き物水槽のクロベンケイガニ、ベンケイガニ、アカテガニのどれかの繁殖を成功させたいと思っていました。     5月3日、予備槽から母ガニを、安全に幼生を放出できる場所へ移動させました。     その2日後の5月5日に無数のゾエア幼生が産まれました。     ゾエアは海中でプランクトン生活を送りながら、さらに小さな動物プランクトンを食べます。     ゾエア期に4回脱皮をして、その4回目の脱皮でメガロバ幼生に、さらにもう一回脱皮をしてカニの姿になります。   ゾエアⅠ期→ゾエアⅡ期→ゾエアⅢ期→ゾエアⅣ期→メガロパ幼生→稚ガニ   という具合。     孵化から13日後にはメガロパに、 それから8日後にはみごとに稚ガニになりました。     甲長1mmちょっと。すごく小さくてゴマみたいですが、ちゃんとカニの姿をしています。       さて、幼生を放出した母ガニはというと…。 なんと!幼生の放出から数日後にはまたお腹が膨らんでいて卵を抱えていました。 オスがいないのにびっくりです。     クロベンケイガニやその近縁のカニの場合、交尾をしてオスの精子をメスが体内に貯めておき、それを産卵のとき(お腹に卵を抱くとき)に使って受精させるのですが、今回のように2度目の産卵にも、その貯めておいた精子が使えるということは知りませんでした。     クロベンケイガニは珍しいカニではありません。川の下流や河口に行けば必ずといっていいほど姿を見ることができる身近なカニで、これまで長い間当館で飼育していたカニでもあります。それでも、まだまだわたしが知らないことにあふれていて、改めて生き物の偉大さを感じました。     今回育った稚ガニたちはおそらく2年後ぐらいに展示水槽へデビューできる大きさになるかと。それまで大切に育てていきます。    

パンがなければパンガシウスを食べればいいじゃない
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パンがなければパンガシウスを食べればいいじゃない

みなさまこんにちは。 前回のコラムで、当館で飼育しているパンガシウスの仲間をご紹介しました。 <帰ってきたプラーテーポー>     その中で、パンガシウスの仲間は食用に養殖されており、「パンガシウス」として日本にも出荷されているということを書きました。   今回、私も食用として売られているパンガシウスを発見しましたので、その食レポ(!!)をしてみたいと思います。     こちらが、普段お世話になっているスーパーで買ってきた切り身です。 価格は99円/100gで売られており、庶民の味方、サケ(250円/100g)に比べてもとってもお得! まさに、「パンがなければパンガシウスを食べればいいじゃない」といったところ。   裏側を見ると、ベトナム産の養殖個体との記述がありました。切り身から種を同定することは難しいですが、ベトナムでは前コラムでもご紹介したカイヤンPangasianodon hypohthalmusや、バサと呼ばれるPangasius bocourtiの養殖が盛んなため、どちらかの可能性が高いと思います。   見た目はごく普通の白身魚で、においも特にありません。ただ、脂はあまり乗っていないようです。     今回は、インターネットで調べておすすめの調理法だったムニエルにしてみます。 素人料理ですが、しばしお付き合いください。     まずは、塩コショウで下味をつけ、小麦粉をまぶします。次に、フライパンに入れ、弱火でじっくりと焼いていきます。   ある程度火が通ったところで裏返しました。ここでバターをたっぷりと投入。スプーンでバターを回しかけながら焼き、両面がぱりっと仕上がるようにします。 皿に盛りつけて、完成です! ケチャップと醤油で作ったソースを上にかけてみました。きつね色に焼けており、とてもおいしそうです。     淡水魚水族館の飼育スタッフとしてあるまじきかな、ナマズを食べたことがこれまでなかったので、おそるおそる実食。 (もしかすると、「白身魚のフライ」とかで気づかぬうちに食べているかもしれませんが。)   うん、おいしー! 丁寧に焼いたおかげで、外はカリカリ、中はふっくらと仕上がっています。魚肉自体にクセはなく、バターの香りとよく合っています。これなら和食にも使えそうですね。   お値段が安く、こんなにおいしいならば、食卓の常連になりそうな予感です。   どんな味か気になった方は、ぜひ一度、購入してみてはいかがでしょうか? そして、謎の切り身「パンガシウス」がどんな魚なのか気になった方は……ぜひ、当館へ泳いでいる魚を見にお越しくださいね。 読んでくださりありがとうございました!

帰ってきたプラーテーポー
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  • 新しい展示

帰ってきたプラーテーポー

みなさまこんにちは。 少し前になりますが、「メコン川 中流の魚」の水槽にプラーテーポーを追加しました。   展示水槽でプラーテーポーが見られるのは、2022年以来になります。ぜひこれを機会に見に来てくださいね。 (下にいる細長い方はオオウナギです。念のため!)     さて、プラーテーポーを見て、メコン川の水槽にはそっくりな魚がたくさん泳いでいるなあと思われた方もいるかもしれません。これらはみな、パンガシウスの仲間たちです。   当館を代表する魚の1つ、メコンオオナマズもパンガシウスの仲間なのですね。パンガシウス科は、南アジアから東南アジアにかけて分布するナマズの仲間で、約30種が含まれています。基本的には淡水域に生息しますが、中には海水に適応したものもいます。   上の写真ですが、見れば見るほどお互いに似ています。そこで! ここでは、当館で飼育しているパンガシウス4種の見分け方をご紹介しちゃいます。     こちらのイラストをご覧ください! 永久保存版です!   上から順に、簡単にご説明しますと……。   メコンオオナマズ Pangasianodon gigas 全長3m、体重350kgまで達することもある世界最大級の淡水魚です。当館の個体は現在大きいもので全長1.8m前後ですが、それでも見ごたえばっちりです。展示水槽には全部で7匹のメコンオオナマズがおり、実はそれぞれ愛称がついています。毎日16:30よりメコンオオナマズのポイントガイドを行っていますので、ぜひスタッフに見分け方を聞いてみてくださいね。   カイヤン Pangasianodon hypophthalmus カイヤン以下3種は、現在1つの水槽で混泳して展示しています。パンガシウス科の中では、もっともメコンオオナマズに近い種ですが、体長は1.3mほどです。ベトナムでは多く食用に養殖されており、「パンガシウス」として日本にも出荷されています。   パールム Pangasius sanitwongsei メコンオオナマズと同じくらいまで大きくなりますが、その食性は大きく異なります。メコンオオナマズが主に藻類を食べると考えられているのに対し、パールムは魚類や甲殻類などを食べる肉食性です。   プラーテーポー Pangasius larnaudii 本記事の主役であるプラーテーポー。体長は1.3mほどです。パンガシウスの仲間はよく似たものが多く見分けるのが難しいのですが、プラーテーポーは胸ビレの付け根に黒くて丸いもようがあることからすぐに見分けられます。全体的にも丸っこく、かわいらしい印象です!     4種ものパンガシウスの仲間を展示している水族館はなかなかないかもしれません。ぜひ当館で比べてみてはいかがでしょうか? 読んでくださりありがとうございました!  

タカハヤの卵と孵化仔魚
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  • 日本の淡水魚

タカハヤの卵と孵化仔魚

こんにちは。 春がきましたね。   春といえば、多くの日本産淡水魚が繁殖シーズンを迎えるわけですが、今年の春一番、最初の産卵はタカハヤでした。   当館ではこれまでにも展示水槽でタカハヤが自然繁殖することがあり、ふと見ると稚魚が群れていたことがあります。砂利に潜って産卵行動をしているところも一瞬ですが一度だけ見たことがあります。   ですが、やっぱり卵を見てみたいし、孵化したての仔魚を一から育ててみたい。     そこで、予備槽で飼育しているタカハヤのお腹がふっくらと膨らんだタイミングで、産卵床となる砂利をこんもりと入れました。 産みつけられた卵への水通しをよくするため、砂利の中に水を通して湧水にしてみました。     すると、次の日にはもう卵がありました。 回収したての卵はこんな感じ↓     次の日もその次の日も、今のところ5日連続で卵が産みつけられており、300個以上の卵を回収しています。     卵にはやや粘着性があり、砂利についているものもありました。     卵は真ん丸ではなく、ちょっとだけ楕円形。ノギスを当てて測ってみたところ2.6mm×2.2mmぐらいでした。     卵は透明なので、内部の成長がよくわかります。 かわいいし、神秘的です。     そして5日目に孵化が始まりました。 こちら全長6.4mm。 じっと底に横たわっているのできれいな写真が撮れます。ありがたいです。     魚それぞれで、卵や孵化仔魚の色・大きさ・形に違いがあり、なぜこの大きさなんだろう?なぜこういう形なんだろう?と考えるのが楽しいです。今回のタカハヤの卵のおもしろいところは真ん丸の球体ではなく、ちょっと楕円体なところでした。     バックヤードツアー(事前申込制)にご参加いただくと、これからの季節は色々な生き物の卵や仔稚魚、幼生がご覧いただけます。ぜひこの機会にご参加ください。  

はじめての停電
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はじめての停電

みなさまこんにちは。山下です。入社してまだ1年が経過しておらず、日々はじめてのことでいっぱいです。 そんな中で、当館では特に大きなイベントの1つが先日おこなわれたので、ご紹介します。それは「停電」です。     停電と聞くと、ふーん、くらいに思われる方も多いかもしれません。しかし!今回約6時間電気が止まった状態を経験し、電気がない状態の無力さを痛感しました。     生き物の飼育設備は非常に多岐にわたります。シンプルな飼育設備を図示すると、下図のようになります。 生き物を飼育する水槽、そこで汚れた水を綺麗にするためのろ過槽、そして水を循環させるためのポンプ、というような感じです。 ただ、これはあくまで最もシンプルな場合の話です。これ以外にも水温を調節するための温調機器、エアレーション、照明などなど、非常に様々なものが飼育には必要です。 電気が使えないとどうなるかというと、水槽の水は汚れても綺麗にできず、飼育水の温度は外気温によって変動し、水に溶け込む空気は消費され続け、水槽は真っ暗、といった感じになり、本当に何もできなくなります。     こんなリスクを冒してまで、なぜ停電をするのかというと、電気系統に異常がないか、いったん電気を止めて検査をしないとわからないことがあるからです。検査をせずに突然機械が壊れててんやわんやするよりは、しっかり準備をして停電させ、点検するのが大事ということですね。     さあ、ではどんな準備をするのでしょうか。まず大きな水槽について。ピラルクーがいる水槽やメコンオオナマズがいる水槽などについては、水を循環させるポンプを停止し、温調機器も停止させます。 ただし、真っ暗な状態にすると暴れてしまう魚もいるので、そういった水槽には電池式の作業灯を付けておきます。そしてある程度小さめの水槽は、発電機を回すことで、温調機器も水を循環させるためのポンプも稼働させておくものと、一切を停止させるものとあります。暖かい地域に生息する魚がいる水槽などは、ヒーターを停止させると非常にまずいです。2月の寒い日に停電をおこなうので、小さい水槽ほど外気温による影響を受けて水温が低下しやすく、生き物が死亡してしまいます。そのため、ヒーターなどを稼働させたままにしておきます。各生き物が健康でいられるように、水槽ごとに用意をするわけです。     そんなこんなで準備を終え、いざ停電!館内は暗闇に包まれます。 例えばこちらの写真、昼間のピラルクーがいる水槽の写真です。作業灯が見えるだけで真っ暗なのがわかるかと思います。 このような状態の中で、飼育スタッフは何をするのか?当然見回りです。館内に異常はないか、各々ヘッドライトなどを使用して見て回ります。   ライトの明かりを頼りに、館内を歩き回ります。普段はポンプなどの機械の音が響くバックヤードも、この日は静まり返っています。とても新鮮でした。     見回り以外にも、屋外なんかは明るいので、ペンキの塗り直しといった作業もおこないました。 こちらはゾウガメ舎のペンキを塗る先輩。楽しそうです。     見回りをする中で、静かな館内以外にも大きく変化するものがあります。それは生き物たちの様子です。 昼間でもハコネサンショウウオの幼生やタゴガエルは石の影に隠れることはなく、 アカザは遊泳し、 オオサンショウウオもなんだか活動的でした。 企画展ブースでは赤い目が光っていました。   普段と違う生き物の様子が見られるのはやはり楽しいですね。     ある程度の時間が経ち、点検が終わると停電は終了します。電気が使用できるようになると一気に館内がまばゆい光に包まれます。順次普段通りの飼育設備を稼働させ、異常がないかを再度見回り、停電は終了です。     電気の使えない暗い館内も新鮮でしたが、やはり電気がないと何もできません! 明るい世界の安心感たるや…。といった感じではじめての停電を終えました。普段とは違うことをするため、1つ1つの作業にいつも以上に緊張感があり、終わったころには疲労感が押し寄せました…。しかしこれも生き物のため。今回の経験を忘れず、来年以降も無事に停電を乗り切っていきたく思います。     最後まで読んでいただき、ありがとうございました。また次のコラムでお会いしましょう!

オオウナギが…し、死んでる…
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オオウナギが…し、死んでる…

みなさまこんにちは。 本日ご紹介するのは、お客さまからご指摘いただくことの多い「あの生物」です……。     「オオウナギが……し、死んでる……」   オオウナギがひっくり返って底に横たわっていますね。お客さまからこのようなご指摘をいただくことは日常茶飯事です。 しかし安心してください、生きてますよ。   オオウナギは、全長2mに達することもある大型のウナギの仲間です。太平洋の暖かい海や周辺河川を中心に分布しており、日本では南西諸島でみられます。 野生では岩の隙間などに隠れて暮らしており、もしかしたらひっくり返ることにあまり抵抗がないのかもしれませんね。 時間帯によっては、水槽内をダイナミックに泳いでいることもあります。     さて、この写真を先輩スタッフに見せたところ、こんな会話がありました。 「私がこの水槽に潜ると、底に足がつかないんだよね。シュノーケルの先っぽも水面に出ないくらい」 「ってことは、このオオウナギ、先輩よりも大きいんじゃないですか?」 「そうかもしれないねぇ……」 そこで、全長を計測してみることになりました。     オオウナギがアクリル際にいるところを狙って、メジャーを置いてみました。 果たして結果は……。     件の先輩は152cmのため、先輩の勝利のようでした! 水槽の端の方は底砂が分厚くなっていたため水深が浅く、オオウナギが実際よりも大きく見えていたんですね。   このまますくすく育って、いつか本当に先輩も追い越して欲しいです。 ここまで読んでいただきありがとうございました。

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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