さて、6月は父の日がありましたね。 今回は「お父さんが頑張る生き物」を紹介したいと思います。 人気の水生昆虫、タガメです。 タガメのオスは卵を保護し、ふ化まで世話をするという習性があります。 このような習性はタガメやコオイムシなどの、コオイムシ科の仲間でみられます。 当館で産卵が確認されたのは6月7日、この日からふ化するまで卵を守るのがオスの役目です。 水面から出ている木に産み付けられた卵が乾燥をしないように、体表に付いている水や飲みこんできた水を与えたりします。 また、当館では室内で飼育をしていますが、野性下で直射日光がさす場所に卵がある場合には、オスは何時間も卵にかぶさり、命がけで卵の乾燥を防ぐそうです。 こちらが実際に卵を保護している写真です。 ちょっと近づいたからか、前脚を大きく広げて威嚇しているようにも見えます。 タガメの習性とはいえ、一生懸命卵を守ったり、世話をしている姿をみると健気だなあなんて思います。 そしてオスが頑張って世話した卵は、無事に6月17日にふ化しました。 ふ化した1令幼虫はこちら。 この後、5回脱皮をし、成虫になります。 ちなみにこのしましま模様は1令幼虫だけにみられます。 これは水底にいることが多い1令幼虫が、泥の上で少しでも目立たないような色になっているのではないかと考えられています。 こうしてオスが頑張って世話をして生まれてきた幼虫たちを、次は私たちが立派な成虫に育てていきたいと思います。 Tweet