おじいちゃんカワネズミ
こんにちは、お久しぶりのカワネズミのお話です。
(カワネズミって何だ?って人はコチラをご覧ください。ネズミじゃないぜ!)
現在展示中のカワネズミ♂(個体名称:No.4)ですが、何と!
飼育開始から2年が経過しました!!!
飼育2年と言っても、きっと何がスゴイのかピンとこないかもしれませんが、
カワネズミは飼育がとーっても難しいとされてきた生き物で、
これまでなかなか長期飼育には成功してきませんでした。
そして、カワネズミの野生下では3年程度生きた記録があります。
展示中の1頭は2012年の秋に捕獲され、
成体サイズで当館にやってきたことを考えると、
既に2年半程度は生きている
=たぶん、きっと結構なおじいちゃん。
=そんな年になるまで飼育できたよー。
ということです。
この個体(No.4)の飼育を開始した2012年の秋といえば、
当館が初めてカワネズミの飼育を開始した頃です。
(若かりし頃のNo.4)
「幻の水中モグラ」と言われるだけあって、その飼育には大変な苦労がありました。
まず、どこに生息しているのかわからない。
生息地がわかったところで、どうやって捕まえるのかわからない。
捕まえたところで、どうやって水族館まで運ぶのかわからない。
適した餌がわからない。飼育ケージがわからない。気温がわからない・・・。
「水に潜って餌を捕るんだから、水場いるべや。」
と思って水場を入れたら全身ずぶ濡れになり、
「魚食べるんだから、アジ食うべや。」
と思えば、少し齧って放置されたり...
こちらの思うようにいかないことばかり。
問題が発生すると、その都度先輩である田上氏と相談しながら、
より良い飼育環境を探る日々の連続。
(ドジョウも与えた。イマイチでした。)
とにもかくにも、基本的に上手くいかないことばかり。
そんな中での私の(たぶん田上氏も)希望が「No.4♂」でした。
他のカワネズミが搬入直後に死亡してしまったり、
原因不明の死を遂げてしまうこともある中、生き続けたNo.4。
カワネズミ飼育ド素人が手探りで用意する環境ですから、
決してカワネズミにとって心地よい環境ばかりではなかったと思います。
それでも、No.4は生きている
上手くいかないことばかりのカワネズミ飼育の中で、
その存在がどれだけ支えになったことでしょう。
この飼育方法で本当に正しいのか?大丈夫なのか?
その最低ラインが「生きている」こと。
手探りの飼育を続ける中で、
No.4は常に「正しい」方向への希望を見出してくれたように思います。
(若かりし頃のNo.4。石とガラスの間がお気に入り)
飼育開始から2年が経過した今、飼育を始めたばかりのころの日誌を見返すたびに、
どれだけカワネズミにとって不適切な環境しか
用意できていなかったかを再認識させられます。
自身の力量不足を深く反省しつつ、
カワネズミに対して自分ができることは何だろうかと問い続ける日々です。
(現在のNo.4)
不甲斐無い飼育担当の元で何とか生き抜いてくれたNo.4。
その存在によって、少しでも「カワネズミ」という存在の認知度が上がり、
興味を持ってくれる人が増えることを祈りつつ、
No.4の飼育下2年記念をひっそりと祝いながら・・・
何となく足取りが悪く、白い毛の多くなったNo.4に
「老い」を感じて早くも涙する今日この頃です。
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