おもしろ飼育コラム

ハサミをもった魚!?
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ハサミをもった魚!?

みなさまこんにちは。 展示飼育部の佐藤です。   今日、紹介するメコン川の魚は「ハサミのような尾」をもつ シザーステール・ラスボラという魚です。   ラスボラの仲間は東南アジアを中心に分布するコイ科の仲間たちです。 アクア・トト ぎふでは「メコン川草地水溜りの魚」水槽で展示しています。     では、「ハサミ(シザース)のような尾(テール)」とは どんな尾なのでしょうか? 写真を見ていただくと、もうお分かりだと思います。     魚体は銀色でとくに目立ちませんが、 尾ビレには鮮やかな黄色、白色、黒色の模様が入っています。   この模様と形からハサミを大きく開いたような姿に連想して 名づけられたといわれています。 これをふまえてもう一度見てみると、ハサミを横にした姿に見えますよね。     現地ではメコン川本流のような広い水辺ではなく、 支流の小さな川でよく見かける魚です。     私は、過去に東南アジアにも住んでいたことがあり その時の様子を少しご紹介します。   現地の季節は雨季と乾季に分けられ、雨が降る雨季には水辺が広がりますが その雨の影響で濁ってしまうため、魚はなかなか観察できません。     一方で乾季は雨が降らないため、 川の水は濁りにくく、黄色、白色、黒色の尾ビレをもつ シザーステール・ラスボラの姿を観察することができます。     ご来館の際には美しい尾ビレをゆっくりと動かしながら泳ぐ シザーステール・ラスボラをご覧いただき、 現地の水辺を泳ぐ姿を想像していただけると幸いです。     最後までお読みいただきありがとうございました。 それではまた!

展示水槽でチタラ・ロピスが繁殖!
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展示水槽でチタラ・ロピスが繁殖!

さかのぼること2021年11月、メコン川中流の魚水槽にて、流木に卵が産み付けられているのを発見しました。     いつもチタラ・ロピス(以下チタラ)がウロチョロしているあたりの流木だったので、 チタラの卵かな?でも1匹しかいない(当時チタラは展示水槽に1匹でした)からなあ… と思い、卵もふ化しなかったので結局何か分からずじまいでした。         時は過ぎ2024年5月8日、この日の朝は私が潜水の当番。 作業をしようと潜ると、流木に何やら白いつぶつぶを発見。     そばにはチタラがウロチョロしています。 「あ、久しぶりに産卵したな。おや…?」   よく見ると何やらちょろちょろ動いています。 すでに卵からふ化していました。     現在、この水槽にはチタラ・ロピスが2匹いますので、 卵を産み、そして見事に受精しているようです。 「あの時の卵は、やっぱりチタラだったのか!」 と、テンションがあがりました。   そして、親もしっかり世話をしています。 撮影のために卵に近づいても、私が遠ざかるとしっかり戻ってきて世話をしていました。   なかなかたくましいです。 その後も毎日観覧側からチタラの様子を見ていましたが、しっかり世話をしているようです。 こうなると次の潜水当番が待ち遠しくなります。   そして5月17日。 流木にはいない…と思い底を見ると   稚魚が集まっていました。 「わあ、成長しているじゃん!」 現在は稚魚を少し回収してバックヤードでも育てています。       オタマジャクシのようでもあり、体の後ろ半分はナイフフィッシュらしさもあります。 育つかは分かりませんが、頑張って飼育したいと思います。 展示水槽にも残しているので、いつぐらいまで親が世話をするのかなど、今後も観察するのが楽しみです。皆さまもそっと観察してみて下さい!

種名板ができるまで
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種名板ができるまで

こんにちは、展示飼育部の松下です。 先日、「コンゴ川 中流の魚」水槽にてエレファントノーズを展示開始しました。 向かって右手の流木のあたりにいることが多いです。下アゴから突起が伸びた、特徴的な姿がお分かり頂けるでしょうか。     新たな生物を展示するにあたって用意しなければならないのが種名板です。 種名板とは、生物の名前をお客様にお伝えするためのパネルのことです。 当館では種名のほかに、簡単な解説文と写真も併せて掲載しています。 水槽の近くに貼ってあるアレです。   種名板は飼育スタッフが作成しているのですが、じつはなかなか大変な手順を踏んでいるのです。本コラムでは、種名板を作成する様子をご紹介したいと思います。     まずは論文や図鑑などを参考に、解説文を作成します。最初に私が書いた文章がこちら。 「まるでゾウの鼻のように垂れ下がる肉質突起で水底にひそむ昆虫などを探して食べます。尾柄部から電気を発し、周囲を感知します。」   この文章を同じチームのスタッフに回覧したところ、おもに以下の2点を指摘されました。 ①肉質突起、尾柄部など難しい言葉が多い。 ②発電に関する説明が簡素すぎる。 そこで、表現を変更したり、説明を足したり……そうすると文字数制限に収まらなくなるので、削ったり……。試行錯誤の末、OKが出た文章は以下の通りでした。最初の文に比べてかなり分かりやすくなったのではないでしょうか。   「尾ビレのつけ根部分の筋肉から弱い電気を発し、周囲を感知します。下アゴから下方に伸びた突起で水底にひそむ虫などを探して食べます。」   ようやく解説文が完成しました! しかし、まだ終わりではありません。       次に種名板用の写真を撮影します。エレファントノーズを撮影用の小さな水槽に入れ、背景を設置し、いざ撮ろうとしたのですが……。   ちょこまかと動き、なかなか画角内で落ち着いてくれません。時間をかけてこれはという一枚は撮れたのですが、あとから私の指の映り込みや、水面の反射が発覚し、ボツになりました。     そこで、見かねた先輩スタッフが撮影を手伝ってくれることになりました。 生物が落ち着くような水槽のセットの仕方を教えてもらい、最終的に撮れたのがこちら。 生物の全身がくっきり写っており、逆に余計なものは写っていませんね。これならOKです!       というところで種名板の完成です。生物を水槽に入れ……。 ホルダーに種名板をセット。 とうとう展示開始までこぎつけたのでした。   水槽に入れたエレファントノーズは今ではすっかり環境に慣れ、突起を使って底の食べ物を探している様子も観察できるようになりました。 他の魚とは一風変わった姿、ぜひ一度見にお越しください!

ド派手なウナギ!?
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ド派手なウナギ!?

みなさまこんにちは。 展示飼育部の佐藤です。   今日、紹介するメコン川の魚は、タイヤトラック・スパイニィイールです。 メコンオオナマズが泳ぐメコン川中流の魚水槽で展示していますが、お客さまが来館される日中は土管の中に隠れていて、なかなかその姿を見せてくれません。   スパイニィイールとは「トゲのある(spiny)」「ウナギ(eel)」という意味です。背中には小さな硬い棘(きょく)とよばれるトゲがたくさんあり、体形はウナギに似ていますが、トゲウナギ科というウナギとは全く別の仲間に属します。     私が魚の調査をしていたカンボジアには7種類のスパイニィイール(トゲウナギ)がいます。しかし、それぞれ種によって好きな水辺環境がちがうため、一度にすべての種類に出会うことはありません。     今回紹介しているタイヤトラック・スパイニィイールはその中でも出会う頻度が多い魚で、水田の細い水路や広いメコン川の本流でも見ることができます。 細い水路や小さな川では手アミや投アミを使って魚採りをしますが、派手な模様をしているので、この魚がアミに入るとすぐにわかります。     また、広いメコン川では潜って調査をしますが、私は水中でこの魚を探す調査が大好きです。     この魚の名前にもあるように、タイヤ模様のような派手な体色をしているため、目立ってしまうのでは?と想像されるかもしれませんが、意外とまわりの環境に溶け込んでいる模様だと思いませんか?     水中でこの魚を見つけた時には近づいてじっくり観察します。 メコン川で水中メガネをつけて潜る人なんて、めったにいませんので、岩の隙間に隠れて生活しているスパイニィイールの多くは私に気付いても、逃げることなく、いろいろな仕草を見せてくれます。     反対に、岩などがない砂地の広い場所でウロウロしている個体に出会ったときは、 おちつかない様子でなかなか近づくこともできず、じっくりと観察させてくれません。     当館の水槽ではかくれキャラ的な存在ですが、来館されるお客さまにこの魚を見ていただくためにはどういう工夫が必要なのか? メコン川で観察してきた経験を活かして、知恵をしぼっていきたいと思います!   最後までお読みいただきありがとうございます。 それではまた!

ちびっこアジメドジョウ登場‼
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ちびっこアジメドジョウ登場‼

こんにちは。 3階「上流の生き物」エリアでアジメドジョウ幼魚の展示をはじめました。   まだ全長が2cmにも満たない、ちびっこなアジメドジョウです。   体形は成魚に近いものがありますが、アジメドジョウの特徴でもある複雑な虫食い模様にはまだまだほど遠い模様をしています。   さて、このちびっこたち、この春に当館で産まれた個体です。 アジメドジョウの繁殖に取り組むようになったのは3年ほど前からで、 2022年春に失敗。2023年の春も失敗。 3度目となった今年の春、ようやく繁殖させることができました。     アジメドジョウは、川底のさらにその奥深くの地下伏流水に潜り込んで冬を越し、潜ったその場所で春ごろに産卵すると考えられています。観察や調査が困難なことから、産卵行動や孵化した仔稚魚がどのように過ごしているのかは明らかになっていません。   そこで繁殖用水槽は、「観察しやすい場所で産ませてみたい」と考え、図のような平面的な構造にしました。 卵を見つけたのは3月17日で、卵の多くは石と石の間にありました。     見つけた時には下の写真のように、すでに発生が進んでいましたので、産んだのは3月15日か16日だと思われます。   それから2日後の3月19日 ↓   さらに3日後の3月22日 ↓   そして、3月23日に孵化がはじまりました。   大きな卵黄があるせいか仰向けで横たわっています。 こんな未熟な状態で産まれてきて、無防備に横たわっているだけって…。 孵化から2週間はこの横たわっている状態が続きました。 普通に考えたら、すぐにほかの生き物に食べられそうです。 でも、そこはさすが地下伏流水。おそらくほとんど天敵がいないんでしょう。(わたしの想像です)     4月5日 ↓   4月12日 ↓   4月21日 ↓   このような感じで育ってきました。 孵化からここまでは、なんと卵黄の栄養だけで育ちます。     他のドジョウの仲間、例えば当館で展示しているトウカイコガタスジシマドジョウやニシシマドジョウでは、孵化後2~3日もするとエサが必要になることを思えば、アジメドジョウの仔稚魚期が、どれだけユニークであるか、おわかりいただけるのではないでしょうか。     私自身も、(そういうものであるらしい)ということを知ってはいましたが、初めて観察することができて、地下伏流水という環境はよっぽど安全な場所でありカンガルーのお腹の袋みたいなものなんだな。という感想を得ることができました。     アジメドジョウの繁殖は全国の水族館で初!となります。 元気に育っているちびっこたちを、たくさんの方に見ていただけるとうれしいです。

メコンオオナマズにそっくりな魚! 
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メコンオオナマズにそっくりな魚! 

みなさまこんにちは。 今回初めて記事を書かせていただく展示飼育部の佐藤です。 どうぞよろしくお願いいたします。 さて、今回紹介する生き物はカイヤンという魚ですが、 どこの水槽に展示しているかご存じでしょうか? カイヤンは2階の「メコン川中流の魚」水槽(メコンオオナマズのいる水槽のとなり)にいます。 あまり注目されていない魚なのではないかなと思っていたので、私の初コラムはこの魚から紹介してみようと思います。   このカイヤン!よく見ると、大人気のメコンオオナマズによく似ています。 それもそのはず、水槽の上にある種名板を見ていただくとわかると思いますが、 同じパンガシアノドンというグループ(同じ属)の魚なのです。 でも、同じグループとはいっても違う種類の魚なのでうきぶくろの形や歯の形などが違います。   そんなカイヤンですが、メコンに暮らす現地の人たちにとってはどんな存在の魚なのでしょうか? では、現地の「食文化」について、ほんの少しご紹介していきます。 上の写真は市場の鮮魚コーナーの様子です。カイヤンがたくさん売られています。   日本で暮らす私たちの場合、動物性たんぱく質といえば牛肉、豚肉、鶏肉、海の魚などから摂取することができます。しかし、インドシナ半島の内陸部を流れるメコン川流域の農村地域はまだまだ近代的な暮らしとはいえず、現地の川や湖で採れる淡水魚なども重要な食料となっています。   ある報告によると、メコン川流域の人たちは動物性たんぱく質の約70%を淡水魚から摂取しているとのことで、淡水魚がとても重要な食べ物ということが分かります。 さらに、現地の人たちが食べる淡水魚の中でベスト5に入る魚がこのカイヤンなんです!   ここで自己紹介を兼ねて少し私の話を! 私はメコン川が流れるカンボジア王国に12年住んで魚のフィールド調査研究をしていた経験があり、今年で足掛け25年カンボジアの魚たちを追いかけています。   カンボジアでの魚調査では水辺での魚採りだけではなく、地方の漁村や市場を訪問して、そこで採れる魚たちを記録します。そうすると、漁師さんの家でも、市場の魚売り場でもかなりの確率でこのカイヤンを目にしました。   そんな訳でこれまで私は何度もカンボジア料理としてカイヤンを食べる機会があったのですが、その味は大きく二つのタイプ(美味しいカイヤンと美味しくないカイヤン)に分かれるということが実体験でわかってきました。 美味しいカイヤンは泥臭さや余分な脂肪分がないメコン川の天然カイヤン、臭みがあって脂肪分が多くて主に池で養殖されたのが美味しくないカイヤンです。(あくまでも私個人の意見です) カイヤンは炭火焼きか香草の効いたサワースープなどで食べることが多いのですが、15年ほど前に漁村を訪問したときのこと、特に脂がのった養殖カイヤンを村の方々にすすめられるまま食べたところ、胃もたれしてしまいました。 それ以来、その時の匂いと味を覚えた私はカイヤンを食べるのが苦手になってしまい、料理で出されても私の右手の箸はカイヤン料理をつまむことはなくなってしまいました。 ↑カイヤンのタマリンド風スープ   ここまで書いてしまうと、カイヤンは美味しくないのか?と思われてしまいそうですが、メコン川で採れたカイヤンはメコン川の流れの中でしっかり育っただけあって淡白な味でとっても美味しい魚です。   最近では日本のスーパーの鮮魚コーナーでパンガシウスと書かれた白身の切り身が売られていると聞いています。この切り身は今回紹介したカイヤンやその仲間のパンガシウス属の魚たちだと思いますので、見かけた際にはぜひ一度ご賞味し てみてはいかがでしょうか?   カイヤンは当館の水槽ではあまり目立つ存在ではないかもしれませんが、メコンオオナマズに最も近縁な魚で、現地ではとても大切なたんぱく源として人々を支えている魚です。 この記事を読んでいただいた方の中にカイヤンを覚えてくださる方が一人でもいたら嬉しいです。 ↑メコン川でとれた天然の大きなカイヤンと私です。 今後もメコンの魚たちについてご紹介させていただきますのでこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

ルリコンゴウインコが新しく仲間入りしました!
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ルリコンゴウインコが新しく仲間入りしました!

2024年3月16日より、1階のアマゾンエリアにルリコンゴウインコが新しく仲間入りしました。   工事は1月29日から始まり、それから約1ヵ月半、着々と展示槽ができていく様子を日々確認しながら、どんな展示槽になるのか楽しみでした。   さて、完成後は展示槽内のレイアウトを行い、いざルリコンゴウインコのお引越しです。 移動は問題なく、すんなり行えましたが、ルリコンゴウインコは新しい環境に戸惑っている様子で、展示が始まったあとも後ろを向いていることがほとんど…。   しかし、10日間ほど経つと新しいすみ家に慣れてくれたようで、前を向く時間も多くなりました。今ではとても活発になり、観覧窓近くの枝に止まったり、時にはアクロバティックに天井にぶら下がったりしています。   ルリコンゴウインコの特徴といえば、色鮮やかな羽と世界最大級のインコの仲間といわれる大きな体。 お客さまからは「きれいな色をしているね」、「こんな大きいインコがいるんだね」という声も聞こえてきます。ルリコンゴウインコと一緒に写真撮影されている姿もよくお見かけします。   しかし、その他にも注目してもらいたいところが、あしの指と大きなくちばしです。   多くの鳥類のあしの指は3本が前向き、1本が後ろ向きになっていますが、インコの仲間では前向きに2本、後ろ向きに2本となっています。そのため、指先が器用で上手に物をつかむことができます。 また、大きなくちばしはとても力強く、硬い殻もかみ砕いて食べることができます。   当館で飼育しているコサギとカルガモとは違った形をしていますので、見比べてみるのも良いかもしれませんね。

魚類闘病日記パート⑥
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魚類闘病日記パート⑥

みなさま、こんにちは。 今回はプロトプテルス・ドロイの治療についてです。   こちらの魚は2階の「コンゴ川 下流の魚」水槽で展示されています。     先月、予備水槽で飼育しているプロトプテルス・ドロイにある異変が確認されました。   お分かりいただけるでしょうか? からだの一部が浮き上がってしまっている状態になっています。   実は、こちらのプロトプテルス・ドロイはハイギョの仲間になります。 ハイギョは私たちと同じように、直接空気を肺に取りこんで呼吸を行います。 そのため、水面まで浮上して空気を吸う必要があります。     少しでも呼吸がしやすいよう、水槽の水位をさげました。 過去にハイギョの仲間がこのような状態になったことをみたことがあるスタッフ曰く、 水位をさげて管理しても、体が浮き上がることが治らないと死んでしまうとのこと。   何かできないだろうかと、まずは浮き上がっている原因を調べることにしました。 おそらく浮き上がっている部分に空気が入っているだろうと、 プロトプテルス・ドロイを保定して注射針を刺してみました。 すると、予想通り少し空気が抜け、下の写真のように浮きあがることがなくなりました!   しかし、数分後には元の状態に戻ってしまったことから、おそらくお腹の中になんらかの異常があるのではないかと考えられました。 空気(ガス)が貯まりそうな場所は、肺や消化管が考えられます。   ハイギョの肺や消化管の病気について調べても、ほとんど情報がなく、行き詰ってしまいました…。 そこで、ハイギョ以外の魚において浮き上がってしまう病気について調べると 鰾(うきぶくろ)の異常で同じような症状を確認することができました。   鰾の異常では、細菌や真菌、寄生虫感染が関与していると言われています。 原因を特定するためには麻酔下で肺や消化管を直接、確認する必要があり、その方法ではプロトプテルス・ドロイに負担がかかり過ぎてしまいます。 そのため、診断的治療として毎日、抗生物質の筋肉注射を行い、経過をみてみることにしました。     治療を始めてから4日目の朝、プロトプテルス・ドロイの様子を見に行くと、すっぽりと隠れ家である塩ビ管の中に入ってこちらを見ていました。 おっ!これは良くなってきたのではないかと思い、一旦、治療を中断し、摂餌欲が回復するかを観察していくことにしました。   その数日後、問題なく餌も食べるようになり、再発する様子もなく治療終了することができ、一安心!   現在も、浮き上がることなく、元気に予備水槽で過ごしています。 しかし、浮き上がってしまった原因が、肺にあったのか、消化管にあったのかは未解決のままです。 魚類の病気や治療法については、まだまだわかっていないことも多いため、このように治療に対しての経過をみて判断することもあります。 こうしたデータを蓄積して、よりよい治療をできるように努め、今後もしっかりと健康管理していきたいと思います!         (閲覧注意:魚の内臓の写真があります。) ちなみにですが、ハイギョの仲間であるプロトプテルス・エチオピクスが死亡したときに剖検したときの写真がこちらになります。 肺も消化管もお腹の中に長く分布しており、浮き上がっている部分が尾側でしたが、どちらの可能性も否定することができませんでした。  

あの淡水エイが仲間入り‼
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あの淡水エイが仲間入り‼

みなさまこんにちは。 2024年もどうぞよろしくお願いいたします。   さて、今日は、世界最大の淡水魚のひとつといわれるプラークラベーン=メコン川にすむ淡水エイが仲間入りしたお知らせです。 (古い学名からヒマンチュラ・チャオプラヤとも呼ばれます) 飼育スタッフ一同の悲願でもあったこの魚を、ついに展示することができてとてもうれしい。 英名はGiant freshwater whiprayで、体重600㎏にもなるといわれます。 といっても、今はまだ数キロしかありませんが。 本当は2020年の冬から2021年の春にかけて開催した企画展「トゲめくエイ」での展示種のひとつにしたいと考えていたのですが、実現させることができませんでした。 それが、昨年の夏の終わりごろ、奇跡的に1個体を搬入することができ、年が明けた1月の休館日に、展示デビューとなりました。   これからみなさまと一緒に、大きくなっていく様子を見守れたらと思っています。今は「メコン川の魚」水槽での展示となっていますが、大きく成長したらメコンオオナマズの泳ぐ水槽にお引越し!なんてことがあるかもしれません!! 飼育するのはどのスタッフにとっても初めてのことなので、 失敗しないように慎重に観察しながら、迫力あるビックサイズに育てたいと思います。 ぜひ見に来てください! 口先が少しとがっていて、その部位をくいっと上にあげている写真のような姿が、私は好きです。

チョウザメにごはんを
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チョウザメにごはんを

こんにちは、体験学習班の河合です。   10月の土日祝限定で販売していたシベリアチョウザメやコイなどの「大きな魚たちにごはん」は、体験されましたか? 好評につき11月30日(木)まで販売延長が決定しました。 通常のごはん(200円)に加え、大きな魚たち用の大粒のごはん(300円)を販売しています。     おすすめの魚は、シベリアチョウザメ。 今年の春に清流ふれあいプールへ仲間入りした魚ですが、今では随分と人に慣れ、ごはんが欲しい時には皆さんの手元まで泳いでくるようになりました。 映像のように1~2粒ほど手に持って、チョウザメの口元に差し出すとすごい吸引力でごはんを食べてくれます。   チョウザメは、チョウザメ目チョウザメ科の魚の総称です。   姿や形がサメに似ていることから名前にサメと付き、大きなひし形のうろこがチョウ(蝶)のような形をしていることからチョウザメと呼ばれるようになりました。   大きな魚ですし、水の中に手を入れることを躊躇される方もみえますが安心してください。口には歯がないのでかまれてけがをすることはありませんよ。   私としてはぜひチョウザメの吸引力を体験して欲しいです。     なお、以前書いたおもしろ飼育コラムにもシベリアチョウザメのことを書いていますのでご覧ください。   毎日9:30から1日50個限定で販売しています。 体験していない方はこの機会にぜひ。   では

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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