おもしろ飼育コラム

ハマガニを育てる
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ハマガニを育てる

こんにちは。 うららかな気候となりましたね。   昨年の10月に、ハマガニが「河口の生き物」水槽に仲間入りしましたとお知らせしましたが、その後、ハマガニはどうしているのでしょうか。 みなさま気になっているはず。と思いますので、近況をお伝えします。   まずは1匹のオスから展示をスタートして、   12月の初めごろには、2匹目(メス)が仲間に加わり…。   そして、年が明けた1月の終わりごろ、   メスがお腹に卵を抱いている!!!   わーどうしよ。 カニ幼生の育成といえば、じつは夏にベンケイガニで失敗しているのです。 1匹も育てられなかったという苦い経験をひきずっていて、正直まだ傷が癒えていない。   でも今回こそは!と再起を誓い、2月8日、お腹の大きなメスをバックヤードに移動させました。   卵を抱いたお腹は見る度に大きくなっていき、 私はといえば、月の満ち欠け🌕🌓🌒🌑が気になり…。というのも、ハマガニは満月や新月ちかくの大潮の日に、卵を孵化させて幼生を河口近くの水中に放出するからです。   🌓半月の時は平常心、🌕満月や🌑新月の時はハラハラしながら日々を過ごしていました。   そしてついに、無数に漂う幼生発見!   3月7日のことでした。 この日は満月で、月がとてもきれいな夜でした。 残念ながら幼生を放出する場面は見ることができませんでしたが、 元気そうなゾエア幼生(以下、ゾエちゃん)を手中におさめる事ができました。   ゾエちゃんのためにあらかじめ用意していた飼育ケースに収容し、 水流や塩分濃度、給餌量を探り探りしながら、現在育成中です。   このコラムを書いているのは孵化から1週間経過した3月14日なのですが、 なんとゾエちゃん、1回目の脱皮をしたんですねぇ~。   というわけで、今のところ元気に育っていると言えそうです。   ゾエア幼生は脱皮のたびに形を変えていき、 ゾエアⅠ期→ゾエアⅡ期→ゾエアⅢ期→ゾエアⅣ期→メガロパ幼生→稚ガニ と成長します。 まだまだここからが勝負ではありますが、1回目の脱皮を無事に終えて、ひとまずほっとしました。   稚ガニになるまでに1ヵ月以上かかるそうなので、 続きはまた、そのうちに。 よい報告ができるようにがんばります。     Tweet

展示更新!川でみられるゲンゴロウの仲間
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展示更新!川でみられるゲンゴロウの仲間

先日、3階「里山の生き物水槽」の展示替えをしました。     今回は「川でみられるゲンゴロウの仲間」ということで モンキマメゲンゴロウとキベリマメゲンゴロウです。     ゲンゴロウの仲間は国内に150種ほど生息しており、田んぼや池、川など環境によってみられる種類が違います。   今回展示している2種は川などの流水環境に生息しており、岐阜県でも見られる種類です。   「模様がきれいでかわいらしいし、展示してみたいな」 と思い続け、ようやくこの水槽で展示することができました。     さて、この2種ですが、1㎝に満たない小さいゲンゴロウです。 ピンぼけですが、サイズ感はこんな感じ。   この小さいゲンゴロウを展示するとなると、水草や流木で複雑なレイアウトにしてしまっては確実に隠れて見えません。   「枝だけを使ったすっきりした感じのレイアウトにすれば見えるでしょ!」 と安易に考えていましたが、思った以上に隠れてしまいます。   そこで、水場を狭くし、太めの枝をなくしたり、水温を調整したりと 毎日レイアウトなどを修正し、ようやく、見えるようになりました。   この2種は、小さいですが翅の模様ですぐに見分けがつきます。   黄色の斑紋があるのが「モンキマメゲンゴロウ」、     翅が黄色く縁どられているのが「キベリマメゲンゴロウ」。       名前にも入っているようにマメみたいでかわいらしいです。   小さいのでぜひ水槽をのぞきこんで探してみてください。   枝に上って翅を乾かすことも…     この展示は春ごろまでを予定しています。 ぜひ見に来てくださいね。     Tweet

スナヤツメ展示再開!
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スナヤツメ展示再開!

みなさまこんにちは。 朝晩はかなり冷え込み、布団から出るのがつらい季節になりましたね。本コラムの主役も、普段砂にもぐってなかなか出てこない生き物です。   さて、12月5日より当館3階「岐阜県の希少淡水魚」コーナーにて、スナヤツメ北方種の展示を開始しました! 開館当初はスナヤツメとして常設展示していました。 その後、スナヤツメには北方種と南方種がいることが明らかにされ、岐阜県にはそのどちらも分布していることが報告されました。今回はスナヤツメ北方種として常設展示にカムバック。じつに10年以上の歳月を経てお客様に再びご覧いただける運びとなりました。   ところで、本題のスナヤツメという生き物。あまり馴染みがないかもしれませんが、みなさまはご存知でしょうか。それでは、こちらの写真をご覧ください。   なんだこの生き物は!? 本当に魚なのか!?……というのが、素直な感想でしょうか。それもそのはず、スナヤツメはほかの多くの魚類(硬骨魚類や軟骨魚類)と系統的に大きく離れた、原始的な脊椎動物の特徴を残す生き物なのです。   簡易な脊椎動物の系統樹を書いてみました(絶滅した分類群を省いたり、多系統群を一本の枝で表したりしている点をご了承ください)。     この図の通り、スナヤツメは私たちの祖先にあたる生物がアゴの骨を獲得する以前に分岐した生き物です。そのため、アゴがなく、「無顎類」や「円口類」と呼ばれることがあります。   こちらがスナヤツメの口もとを拡大した写真です。私たちのような上下に開く口ではなく、左右に開く頭巾状の口をもっています。   上に掲載した写真はスナヤツメの幼体です。砂の中にもぐり、有機物を食べて成長します。約3年間の幼生期を経て、変態し成体となります。それでは、成体の写真もご覧ください。   成体は目が発達し、ヒレが伸長してよく泳げるようになります。口は吸盤状になり、岩などにくっつくことができるようになります。しかし、消化管を失うため一切食事をとらず、産卵して一生を終えます。 目の後ろに、七つの鰓孔が開いているのがお分かりいただけるでしょうか。名前の「ヤツメ」とは、本当の目を入れて八つの目を持っているように見えることに由来しています。   ほかの魚とはちょっと変わった特徴をもつスナヤツメ。ぜひ当館へお越しいただき、直接観察してみてくださいね。     Tweet

魚たちのはじめまして
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魚たちのはじめまして

こんにちは。 気付けば今年もあと1か月とちょっと。 当館では、恒例のデンキウナギのクリスマスツリーや、クリスマス限定スタンプラリーを開催しています。今年まだアクア・トトに行ってないなぁ~という方はぜひぜひお越しください!   さて、先日Twitterでお知らせしたとおり、メコン川エリアにオオウナギが仲間入りしました。 日本にも分布しているのに、なぜメコン川エリア?と思われるかもしれませんが、オオウナギは分布域が広くメコン川にもいるんです。 (※念のためですが、オオウナギはニホンウナギの大型個体というわけではありません。オオウナギとニホンウナギは別の種類の魚です。)   オオウナギを展示水槽に移動すると、最初の数分間は水槽の隅に身を潜めていました。   それに気づいたのは大型のスネークヘッド、チャンナ・アウロフラメア(以下チャンナ)でした。   オオウナギをぴったりマークして、全身をすみからすみまで、なめるように観察していたチャンナ。   どちらかが本気で噛みついたら、結構な傷になりそう…。 結局、噛みつくことはなく、気が済んだチャンナは離れていきました。 ほっとしたのも束の間、今度はオスフロネムスに囲まれたオオウナギ。   流木の奥に身を隠し、オスフロネムスをやり過ごしました。 チャンナとオスフロネムスのはじめましてのご挨拶はここまで。   自由になったオオウナギは自分の居場所をもとめてうろうろして、 ここ数日はこんなかんじで、土管がお気に入りです。   尾部が収まりきってないですね。笑   しかし、土管に入ってばっかりじゃオオウナギがどんな姿をしているのかわかりません。オオウナギの立派な姿をみなさまに見ていただけるよう、ちょっとずつレイアウトを変えてみようと思っています。 新しい仲間が加わって、見どころの増えた「メコン川中流の魚」水槽。ぜひ見に来てくださいね。   Tweet

ハマガニとアシハラガニ
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ハマガニとアシハラガニ

こんにちは。涼しくなりましたね。 そして、今年も残すところあと3ヵ月。びっくりです。   現在、開催中の企画展「ココがちがうんです!~生き物の見分けは難しい!?~」はご覧いただけましたでしょうか? 今日は、企画展で紹介しているのとは、またべつの2種のカニの見分けかた(と、そのかっこよさ)をご紹介します。   こちらは河口のヨシ原にすむカニ、左:アシハラガニ 右:ハマガニ です。     アシハラガニは、河口にいけばたいてい出会う身近なカニです。   行くところに行けばめちゃくちゃたくさんいます。 色はブルーグレーで甲は四角く幅3.5cmぐらいです。   対するハマガニは、甲に丸みがあり、前縁はオレンジ色に縁取られます。 アシハラガニよりも大きくなり甲幅5cmぐらいです。 そして、ハサミあしはきれいな紫色をしています。   大型の個体であれば、色や大きさで違いが分かりやすいですが、 小型・中型だとなかなか見分けるのは難しそう…。   そんな時、見分けるポイントとなるのは、眼の下にあるつぶつぶです。 こちらハマガニのオス ↓   メスも同じようなかんじのつぶつぶ具合です。   そして、こちらがアシハラガニのオス ↓   いかがでしょう?つぶつぶの数が全然違います。 これさえ知っていれば簡単に見分けられます。   ちなみにアシハラガニのメスは、さらにつぶつぶがいっぱい。     以前から、アシハラガニは「河口の生き物」水槽で展示していましたが、 なんと!この度ハマガニも、同じ「河口の生き物」水槽に仲間入りを果たしましたvi  iv   いかがでしょう?このいかにも強そうな風貌。   同じ水槽にいる、トビハゼやアシハラガニを、この大きいハサミあしで捕まえて食べちゃうんじゃないの!?って心配になります。でも、意外なことに、ハマガニはヨシなどの植物をおもに食べるんだそう。だから大丈夫なんです。 でもやっぱりひょっとしたら…ってこともありますので、現在の展示は1匹のみにして様子を見ています。   穴に潜ったりして見えない時間もあるとは思いますが、ぜひぜひ探してみてくださいね。存在感ありますよー!       Tweet

北海道で出会ったエゾハナカジカ
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北海道で出会ったエゾハナカジカ

去る5月下旬、研究者と協力して北海道へ生き物調査へ行って参りました。   調査場所は北海道東部、日程は4泊5日。   飛行機から降り立つと本州で見たことがない、広大な大地が広がっていました。   5月下旬でもまだまだ寒く、昼間でも上着を着て、夜間はネックウォーマー着用という気候…   そんな寒さの中、カヌーで移動したり、   潜って生き物を観察したりと いろいろ経験できました。     そして岐阜県ではみられない生き物もたくさん見られました。         そこで出会った生き物のうちの1種「エゾハナカジカ」     水族館で展示しているカジカ大卵型とカジカ小卵型に見た目は似ていますが、 このエゾハナカジカは国内では北海道のみに分布する種で、私は見るのも初めてでした。   「これはぜひ『釧路湿原の生き物』水槽のニューフェイスとして展示したい!」 というわけで少しだけ連れて帰ることにしました。   すぐに常設展示する予定でしたが、9月のテーマ水槽を考えているときに 「魚へんに秋で鰍(カジカ)」だし、カジカを展示しよう! というわけで常設デビューの前にテーマ水槽で皆さまに見ていただくことになりました。   いかがでしょうか?   毎日見やすいところにいてくれて良い感じです。     石のすきまから顔を出す感じや、 ちょっと見上げている感じもかわいらしいです。   今回のテーマ水槽は10月3日までです。 ぜひ見に来てくださいね。       Tweet

ワラゴ・ミクロポゴンの歯
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ワラゴ・ミクロポゴンの歯

先日、メコン川エリアの水槽で展示していたワラゴ・ミクロポゴンが残念ながら死亡しました。 いつものように担当スタッフと獣医師が体長などの測定と、解剖をして病気の有無などを調べたあと、体験学習班スタッフに魚体が引き渡されました。 貴重なサンプルですので、耳石や歯を調べ、標本にすることにしました。   これがワラゴ・ミクロポゴンの上あごの歯です。 鋭い歯がたくさん密集していて、おろし金のようですね。ワラゴ・ミクロポゴンは魚食性で、大きな口で他の魚をバクリと食べるのですが、歯はすべて喉の方向に曲がっていて、くわえた獲物を逃がさない作りになっています。   いかにも痛そうな歯なので、おそるおそる触ってみたところ・・・あれ、意外と弾力があります。歯の向きにそってなでると、ゴムのような手触りです。 居合わせた他のスタッフにも触ってもらったところ、 「犬用のブラシみたい」とのこと。   これなら噛まれても大丈夫?と歯を逆なでしてみると、痛い痛い!!鋭い歯の先がガリガリとひっかかって結構痛いです。魚食性の魚の歯を甘く見てはいけませんでした。     生きている間は、なかなか歯を見ることはできませんが、こうして調べてみると意外な発見がたくさんあります。 またおもしろい観察ができましたら、このブログで皆様にもお伝えしますね。     Tweet

アシシロハゼの共同作業
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アシシロハゼの共同作業

こんにちは。いよいよ夏休み! でも、雨がたくさん降りますね。 雨の日、外で遊べなくてお困りの場合は、ぜひアクア・トト ぎふへ!   さて、今回はアシシロハゼの巣穴掘りの様子をお届けします。 アシシロハゼは、皆さまよくご存じのマハゼの近縁種で、 川の下流や河口の砂地にすんでいます。 産卵は石の下などに巣穴を掘り、天井部分(石の裏側)に卵を産みつけます。   当館では「下流のカニ」水槽で展示していて、時々巣穴を掘る行動が観察できます。   手前がオスです。手前中央の砂のくぼんだ所をさらに堀り進めたい様子。 奥がメスで、鼻先は婚姻色で黒くなっています。   オスの作業を見守るメス。   そして、メスも巣穴掘りに参加しはじめました!!   ちょっとメスがヘタクソすぎて、手伝うどころか邪魔してましたね。 おまけに大きな石まで落としちゃって…。 でも、怒らない心の広いオス。 この後、オスはがんばって大きな石を運び出していました。   産卵用の穴掘りはオスの役目と思っていたのですが、 過去の動画を見てみても、アシシロハゼはメスが掘る場合もあるようです。   体の小さなハゼの仲間が、よいしょよいしょと巣穴を掘る行動がものすごく好きです。また何か、おもしろい動画が撮れたらご紹介しますね。     Tweet

バトンタッチ
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バトンタッチ

皆さまこんにちは。   今年も暑くなってきました。 梅雨が明けたと思ったらいきなりの酷暑。 外で作業することも多い私たちにとっては、かなり大変ですが、負けずに乗りきろうと思います! 皆さまも体調にはくれぐれもお気を付け下さい。   さて、今日は日本最小のネズミ、カヤネズミについて書いていきますね。   当館では3階カワウソの巣穴展示の横でカヤネズミを展示しています。   水槽の端っこで集まっていたり、真ん中にある木の下に隠れていたり、その日によってカヤネズミのポジションはさまざまです。   エサは、小鳥フード(アワやヒエ、キビなどの雑穀類)、ひまわりの種、キャベツ、リンゴを与えています。 飲水器はなく、リンゴやキャベツから水分を摂取しています。飲水器でも良いのですが、床材が濡れてしまい床材を交換する頻度が高くなってしまうため、当館ではリンゴやキャベツから摂取できるようにしています。   実は、現在展示水槽にいるカヤネズミは、今年の4月22日に世代交代をしています。   以前展示していたカヤネズミは2020年6月22日生まれのオスの兄弟7頭でした。 カヤネズミの寿命は、野生下で1~2年ほど、飼育下では2~3年ほどといわれており、今年でもう2才・・・すっかりおじいちゃんになりました。 そこで、バックヤードでゆっくり過ごしてもらおうと思い、総入れ替えを行い、 現在もバックヤードでまだまだ全頭元気に過ごしています。   新しく展示した個体は、性成熟している個体を選びました。その理由は、移動や環境の変化がストレスとなることもあり、性成熟していない個体は、まだ小さくストレスに弱いためと考えたからです。 ちなみにカヤネズミは生後40~50日ほどで性成熟するといわれています。生後2週間ほどで離乳したと思ったら、あっという間に大人の仲間入りです!人と比べると、いかに成長が早いかおわかりいただけるかと思います。     老齢か若齢か、私たち飼育スタッフは見慣れていることもあって毛並みや毛の色で見分けることができます。 皆さんにも見分けてもらえるよう写真付きで少し比較してみました。   上の写真は、左側が老齢個体、右側が若齢個体です。 毛の色が、高齢個体の方は濃い茶色、若齢個体は薄い茶色で若干灰色がかっています。   毛並みは、高齢個体は少しボサボサしており、若齢個体はしんなりしています。 アップも撮影しましたので見比べてみてください。(体についているのは床材です。)   ↓高齢個体   ↓若齢個体   いかがでしょうか? 少しでもなるほど!!と感じていただけたら幸いです。   現在展示しているカヤネズミも来年には高齢個体です。体毛の変化にもぜひ注目してみてくださいね。     最後におまけをどうぞ! 先日、6月5日に産まれたばかりのカヤネズミと母獣(母親)の写真です。 仔獣はまだ母親の半分にも満たない大きさで、離乳したばかり。 これから大きくなり、いつか展示デビューを果たすその時まで健康に育ってくれますように・・・。           Tweet

オスフロ・デコイ作戦
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オスフロ・デコイ作戦

こんにちは。   「メコン川中流の魚」水槽に‶チャンナ・アウロフラメア″が仲間入りしました。   昨年のこの時期に企画展「極色蛇頭魚」で展示していた大型のスネークヘッドです。 企画展では‶コブラスネークヘッド”として展示しておりましたので、本コラムでも、なじみのあるコブラスネークヘッドとしてご紹介します。   企画展終了の時点では、メコン川中流の魚水槽に入れるには、まだ小さかったため、とりあえず大きくしよう!…ということでバックヤードで育ててきました。   そして、9カ月たった今年の4月、大きく太くなったので「もういけるんじゃないか!?」と判断し、展示水槽に移すことにしました。 展示予定の水槽には、ワラゴ属やチタラ属など、口の大きい強者がそろっています。当館で最も殺伐とした水槽です。そのためコブラスネークヘッドが傷つけられないか、気を付けなければいけません。   そしてやっぱり。 心配した通り、日に日に尾びれに傷がふえていき、コブラスネークヘッドも所在なさげに水面近くでじっとしてばかりいました。     傷の感じからすると、犯人ならぬ犯魚はオスフロに違いない。   犯魚↓   仕方なく、1週間ほどで展示を終了し、バックヤードで傷が癒えるのを待つことにしました。   それからおよそ1ヵ月。作戦をたてました。 ① 空気呼吸がしやすい場所にかくれ場所をつくる ② 新たなオスフロも仲間入りさせて、オスフロの興味をそらす     オスフロは見た目ほのぼのとした雰囲気の魚ですが、組み合わせしだいでは同種間で激しく闘争します。   新入りオスフロ vs 古参オスフロでにらみ合っている合間に、 コブラスネークヘッドが自分の居場所を作って堂々としてくれれば、オスフロにつつかれる心配はまずないでしょう。   そして移動日。まずはオスフロから。     続いてコブラスネークヘッド。   コブラスネークヘッドはすぐに用意しておいたかくれ場所にすっぽり収まってくれました。 いい感じです。   でも、かくれ場所から外へ出ると、オスフロたちの注目の的に。 ヒヤヒヤな日が続きます。   それでも1週間もすると、コブラスネークヘッドはだいぶ慣れた様子で、かくれ場所から出てきて、流木の陰に隠れたり、広い場所を泳いだりするようになりました。 色つやもいいし、傷もできてない。もう大丈夫そうです。     仲間入り成功です!!   ところで、新入りオスフロはというと、古参オスフロに少しつつかれることはありましたが、それももう収束したようで、こちらも無事に仲間入りをはたしました。   スネークヘッドは一般的にじっとして動きが少ない魚ですが、 こちらの水槽に来てから、この個体はよく動きます。 見ていておもしろい、オススメの1匹になりました。       Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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