おもしろ飼育コラム

もうすぐ終了…ゲンゴロウの仲間たち展示
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もうすぐ終了…ゲンゴロウの仲間たち展示

8月に「ゲンゴロウの仲間たち!」というコラムでお知らせしましたように 3F「水田と用水路の生き物」エリアで「ゲンゴロウの仲間たち」の 展示をしています。   展示を開始してから、こちらの水槽ではクロゲンゴロウの幼虫が 続々とふ化しました。     以前にもバックヤードでぽつぽつと産卵しており、 展示水槽でも下の写真のように交尾している様子が見られたため、 もしかしたら産卵するかな…とは思っていましたが、やはりしていました。     クロゲンゴロウは水生植物の茎をかじって穴を開け、 その中に産卵することが知られています。   どんな水生植物でも良いというわけではなく、クロゲンゴロウがかじれる硬さで、 茎の中は空洞ではなく、スポンジ状の植物に産卵します。   こちらの水槽に一時期コウホネの仲間を植えていたことがあり、 その茎に産卵したのでしょう。   さて、ふ化したクロゲンゴロウの幼虫ですが、 「そういえばクロゲンゴロウを幼虫から育てたことなかったな」と思い、 育ててみることにしました。   飼育経験があるこちらのゲンゴロウ(他のゲンゴロウ類と区別するために ナミゲンゴロウなどと呼ばれることが多い)     と近縁であるため、飼育方法はそんなに変わらないはず…。     ですが、実際に育ててみると、1令幼虫の小ささに少し苦労しました。   ナミゲンゴロウのふ化時の体長が25mmほどであるのに対し、 クロゲンゴロウは17mmほどです。 このサイズの8mmはかなり違います…。   ナミゲンゴロウの1令幼虫には、エサとなるコオロギをピンセットで与えましたが、 クロゲンゴロウにはそうもいかず、生きているミズムシという水生のワラジムシの仲間を与えて飼育しました。   クロゲンゴロウの幼虫は、2回脱皮をし、3令幼虫になってしばらくすると土の中に潜ります。 そして、土の中で蛹室を作り、その中で蛹になります。 その後羽化して成虫になります。   下の写真の個体は、かなり浅いところで蛹室を作ってしまったのか、 蛹の姿が観察できました。     そして羽化。羽化後は体が固まるまで土の中で過ごし、固まると出てきます。 なのでこちらの羽化の写真も本来は土の中の様子です。     あと数日で土の上に出てくるでしょう。     水中で生活していたゲンゴロウの幼虫が水からあがり、 土に潜って蛹室を作り、誰にも見られないところで蛹になり、 羽化して地上に出てくる…。 ここが、私がゲンゴロウを好きな理由の1つでもあります。 幼虫の時期に時間をかけて世話をした分、土から出てきた成虫の姿を見ると 自然と笑みがこぼれてしまいます。     「クロゲンゴロウが羽化したらコラムを書こう!」 と思っていたらかなりギリギリになってしまいました…笑   展示期間は10月27日までと残りわずかですが、水族館にお越しになった際は ぜひゲンゴロウ水槽も注目してみてくださいね!   Tweet

よーく見るといますよ! 
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よーく見るといますよ! 

1階アマゾン川エリアの水槽。   ご覧の通り展示種数が多い水槽であるため、種名板を貼るスペースが足りません。   そのため、実は紹介できていない隠れキャラ的な魚がおります。 そのうちの一種を紹介します。   水槽底の中央には魚たちの隠れ家として流木を設置しています。 その流木の下にいつも鎮座している魚がいます。   それでは流木を動かして、見てみましょう。     この魚はバクーペトラ Lithodoras dorsalis というナマズの仲間です。 別名、岩石魚と呼ばれたりもします。 体のシワというか、ひび割れのような模様が特徴的です。   英名もロックバクと、岩石のような名前がついていて、見た目も硬そうに見えますが、体表のひび割れのような部分を触ってみると以外に弾力があって柔らかいです 。   この魚はドラス科 というグループに分類されます。体側中央に沿って硬い骨板という組織が並んでいるのが特徴です。   バクーペドラの骨板です。 同じ水槽にいるボドワードや、隣の水槽にいるオキシドラスもドラス科のナマズなので立派な骨板をもっています。   展示槽のオキシドラスとボドワード・・・骨板がよく目立っていますね。 現地で実際にボドワードを捕まえたことがありますが、捕獲の際に骨板に触って痛かったことを思い出します。 こんな岩石模様と骨板が魅力的なバクーペドラ。 時々、写真の流木の間を移動していますよ。 ※このあたりにいます     タイミングがいいと見られるかも!     Tweet

小さくてもイトモロコ
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小さくてもイトモロコ

こんにちは。   こちらは3階の「岐阜県の希少淡水魚」コーナーで展示しているイトモロコです。 当館では2年おきに繁殖させています。     繁殖のさせ方はいたってシンプル。 普段から屋外にある水槽で群れ飼育させており、 その中に水草の代わりとなる人工藻を入れるだけです。   人工藻を入れるのは梅雨時期の大雨の時が狙い目です。 汚く見えますが、いい感じに藻などが生えて魚が落ち着ける環境になっています。   翌日この人工藻をとりだして、別の水槽に入れてエアレーションをしておけば、 4日目ぐらいで孵化します。 とはいえ、卵は1mmほどと小さく無色透明なので、 相当頑張らないと卵を見つけることができません。       孵化仔魚も同じく見つけるのが大変。   小さな動物プランクトンをエサとして与えます。   大きさが1~2cmの時は尾の付け根にある黒点が目立ちます。   まるで目玉模様(眼状紋)のようです。 もしかしたら捕食者をはぐらかしたり、驚かせたり。というような役わりがあるのかもしれません。どうなんでしょうか?   ふ化から3ヵ月たった今では   大きさ3.5cmほどになりました。もうすっかりイトモロコです。   育ったうちの100匹を、屋外の予備水槽に移動し、 15匹ぐらいを展示水槽に移そうと思っています。   展示個体数が減ったわけではありませんが、今年産まれのピチピチな個体が仲間入りすると、 ちょこまかとよく泳いでくれるので、水槽に動きが出て、なんかいいんですよね。   営業再開日までに移しておきます!     Tweet

ゲンゴロウの仲間たち!
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ゲンゴロウの仲間たち!

3F「水田と用水路の生き物」エリアのこちらの水槽。 「マメガムシ」から「田んぼでみられるゲンゴロウ」へ展示替えをしました!   ですが、展示開始早々、休館となってしまいました…。 残念ですが仕方ありません。せっかくですので、ブログで紹介させてください。     当館では常設展示でこちらのゲンゴロウ(他のゲンゴロウ類と区別するためにナミゲンゴロウなどと呼ばれることが多いです)を展示していますが、 実は、ゲンゴロウの仲間はもっとたくさんいて、日本国内に150種ほど生息しています。   田んぼや池、川の源流域や中流域など生息地によってみられる種類もさまざまです。     以前から「ナミゲンゴロウ以外も展示したい!」と思い続けてようやく、展示することができました!   その中でも今回は「岐阜県内の田んぼで見られるゲンゴロウ」4種を展示しています。   まずこちらの「ハイイロゲンゴロウ」 水族館周辺でもよく見られ、田んぼのほかにもプールや一時的な水たまりなどにもよく集まります。 泳ぎ方も他のゲンゴロウたちはスイスイ泳ぎますが、このハイイロゲンゴロウは落ち着きがない泳ぎ方をするなあなんて思います。 また、ゲンゴロウの仲間は体を乾かし身軽になってから飛びますが、このハイイロゲンゴロウは水面から濡れたままの体でいきなり飛び立つことができるという能力を持ちます。 身近なのに、不思議なゲンゴロウだなあというのが私のイメージです。     次に「ヒメゲンゴロウ」   「コシマゲンゴロウ」 この2種も田んぼなどでよく見られますが、近年は数が減ってきているようです。 どちらも似たような色や大きさをしていますが、コシマゲンゴロウにはきれいなしま模様があるので簡単に見分けがつきます。     最後にこちらの「クロゲンゴロウ」 こちらはかなり数が減ってきており、最近ではなかなか目にすることができない種です。 角度や光の入り具合によっては黒味を帯びて見え、また2cmを超える大型種であり、かっこいいゲンゴロウの1つではないかと個人的に思います。     水槽を覗いてみると、スイスイ泳ぎ回ったり、植物のすき間に隠れていたり、   植物にぶら下がって日光浴をしたり、   葉っぱの上に乗っている個体もいます。     アカムシを与えると匂いに反応してみんな姿をあらわしました!   このように、ゲンゴロウたちの色々な姿が観察できて、ずっと見ていられる水槽になったのではないか!?と思います。     休館となってしまいましたが、再開した際はぜひ見に来ていただきたいです!     Tweet

ニシアフリカコガタワニが増えました。
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ニシアフリカコガタワニが増えました。

6月21日に京都市動物園から、ニシアフリカコガタワニを搬入しました。 長らくメス1頭で飼育していましたので、待望のオスです。 大きさ約160cm、体重約30kgと、もともといたメスと比べて、かなり立派です。京都市動物園にいたころの愛称は「ノック」。   ニシアフリカコガタワニの搬入は、それこそ水族館オープン前の1度しかなく、約17年ぶりです。 水槽に収容する直前の様子。 160㎝の小型なワニとはいえ、ちょっと緊張しますね。     水槽の入口が狭いため、最後は抱きかかえて収容しました。 特に暴れることもなく、無事終了です。   搬入当日の夜の様子。ちょっとだけ水に浸かっていました。     さて、以前からいたメスの方はというと、搬入直後からもうノックが気になって気になって仕方がない様子。 水槽内で隔離できるように製作した仮柵付近を行ったり来たり。 「置物?」と呼ばれ続けてきたのがウソのようです。   2日目は柵の下の砂をものすごい勢いで掘っていくので、急遽、板を取り付けてガードしました。 搬入から2週間ほど経ち、最近は少し慣れてきたのか、落ち着いてきたように見えます。 でも、頻繁に近くに行ってノックを見ています。 先日、ノックの摂餌も確認できました。 移動直後なので、1か月くらいエサを食べないかと想定していましたが、思いのほか落ち着いているのかもしれません。   今回、ノックはブリーディングローン(繁殖を目的に、動物園や水族館の間で動物を貸したり借りたりする制度)で当館に来ました。 そのため、次は柵の一部を取り外して同居となるのですが、果たしてうまくいくでしょうか…。 ノックの方がかなり大きいので、大きな事故にならないよう細心の注意を払って実施したいと思います。   さて、ここまで書いて(読まれて)、お気づきの方も沢山いらっしゃると思いますが、   メスに名前、つけてません… (もちろん名前はつけていなくても、大事に飼育しています)。   SNSでは「ワニ子」さんと呼んでくれているようです。   ワニ子…。   いいかも。 とりあえず今後は私もワニ子と呼ぶことにします。 ワニ子とノックの繁殖がうまくいくよう、しっかり飼育管理していきますので、今後にご期待ください。       Tweet

カワアナゴの日常
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カワアナゴの日常

こんにちは。 今日は、わたしが愛してやまないカワアナゴのいつもの風景をお伝えします。   カワアナゴと聞いて、にょろ~んと長い魚を思い浮かべる方がいらっしゃるかもしれませんが、 そうではなく、ハゼの仲間です。しかもめちゃくちゃかっこいいやつ。   これがカワアナゴです。 大きい個体は20cm以上になります。   特徴は下あごが出ていることや目の後ろに短く入る黒いライン、そして、写真のようにツートンカラーな色合いです。   この色合いと形から、(削る前の)鰹節に似てると言われたりします。   この特徴的なツートンカラーは、時によっては単なるまだら模様だったり、   ただただ黒かったり、   反対に白っぽいこともあり、いろいろと変わります。     川の下流から河口にすんでいて、当館では「河口の魚」水槽で展示しています。   動きが少なく、「川穴子」という名の通り「穴」に隠れているので、 少し探さないと見つけられないかもしれません。   最近はこの3か所がお気に入りの様子。   ①   ②   ③     エサの時間も、基本的には隠れたまま。 いつもよりは穴から顔を出して、エサが落ちてくるのを待っていますが、そんな程度ではほとんどエサにありつけません。   いいところに落ちた!と思っても、たいていシマイサキがかっさらっていきます。   そのため、こんなふうにして、エサを与えています。   上手に食べさせることができた時は、とてもうれしい気持ちになります。   いかがでしたでしょうか?カワアナゴの日常は。   写真や動画だけでは伝わらないかっこよさがありますので、ぜひ当館にお越しの際は、カワアナゴを探してみてくださいね。     Tweet

ヒガイ
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ヒガイ

こんにちは。早くも梅雨入りしましたね。   雨がたっぷり降るこの時期は、多くの日本産淡水魚にとっての、大事な大事な繁殖期でもあります。   というわけで、現在、バックヤードでは、ゼゼラやカワヒガイなどの繁殖を手掛けています。   ところでカワヒガイという魚、みなさまはご存じですか?   これがカワヒガイ。上がメスで、下がオス。   オスの顔がピンクに色づいているのは、繁殖期に見られる婚姻色です。     一方、メスのお腹には、卵を二枚貝の中に産みつけるための白い産卵管が伸びていて、タテボシガイやササノハガイなどの二枚貝の中に産卵します。   当館では、二枚貝は利用せず、よりシンプルな方法として人工授精により繁殖を行っています。   魚が暴れて傷ついたりしないように、麻酔をかけた状態で、お腹を押して、卵と精子を採取して受精させます。   そして、これが受精から1日後の卵です。   4日後には目や体ができ、卵のなかでくるくると動くようになります。   少しばらつきがあるのですが、だいたい1週間後ぐらいに孵化します。 孵化した翌日にはうまく泳ぐことができ、エサも食べます。   孵化から数日後はこんなふう。     ところで、下の写真は中国にすむカラヒガイの稚魚です。   同じヒガイ属というだけあって、形は似ていますが、 ラインの入り方など、黒色のところは結構違いがありますね。   当館にはさらにもう1種、中国にすむコヒガイもいるのですが—――、   こんな写真しかなかった…。これじゃ見比べられない。反省です。   しかし!よく見てみると尾びれの付け根が黄色いですね。 卵の中にいる個体も、同じところが黄色くなっています。 コヒガイの仔魚にはこんな特徴があったとは。今まで気が付きませんでした。   さて、このようにして、カワヒガイの次世代をしっかりと確保することができたわけなのですが、 展示水槽では4歳以上のシニアチームが、まだまだ現役と言わんばかりに元気に泳ぎ回っています。おかげで、おチビさんたちの展示デビューはちょっと先になりそうです。     Tweet

歯が生え変わる魚
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歯が生え変わる魚

コンゴ川中流水槽に展示しているゴライアスタイガーフィッシュ(Hydrocynus goliath)(写真下)とタイガーフィッシュ(Hydrocynus vittatus)(写真上)   ゴライアスタイガーフィッシュの歯が5~6ヵ月周期で定期的に生え変わることについてはツイッターなどでお知らせしていますが、 先日、タイガーフィッシュの歯の生え変わりも観察できました。     タイガーフィッシュの歯の生え変わりについては報告されていますが、 ゴライアスタイガーフィッシュと比べて歯が小さいことから分かりにくく、 気に留めていなかったこともあり、開館当初から展示していた個体では生え変わりに気づきませんでした。   残念ながらその個体は2018年12月6日に死んでしまいましたが、 その後、約1年半ぶりとなる2020年7月28日にタイガーフィッシュの展示を再開しました。   ゴライアスタイガーフィッシュの経験から歯の生え変わりがあると分かったので、タイガーフィッシュでいつ生え変わりがみられるのか、 わくわくしていました。     展示を再開してから約半年後の12月27日、 「お、抜けてるじゃん。」     歯が小さく動きも早いので写真が撮りづらいですが、これはもう抜けそうです。 1度抜けると、次の生え変わりが楽しみです。   報告されている論文では「6ヵ月間で2回、歯の生え変わりが観察された」 と書かれていましたが、はたしてどれくらいの周期なのか気になります。 (例えば1ヵ月目と3ヵ月目かもしれないし、1ヵ月目と6ヵ月目なのかもしれない)     そして2021年3月20日、 「お、抜けてるじゃん。」 前回の生え変わりから約3ヵ月後でした。   これも今にも抜けそうです。     上の写真から2日後、やはり小さくて見づらいですが、 だいぶ生え揃っています。   歯茎が腫れて見えますが、これもタイガーフィッシュの歯の生え変わりの特徴のひとつです。         そして1週間後には生え変わりは完了します。     まだ2回の観察なので何とも言えませんが、もしかしたら3ヵ月周期くらいで生え変わるのかもしれません。   となると展示再開してから12月27日の生え変わりまでの間に1回どこかで抜けていたのだろうか、 飼育環境が変わったことで生え変わりの周期が変わったのだろうか、 そもそも不定期に生え変わるものなのだろうか、   など考えられることはたくさんあります。   次はいつ生え変わりがみられるのか、とても楽しみです。     Tweet

卵はどこに??
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卵はどこに??

以前、2階「コンゴ川 中流の魚」水槽で飼育しているオーケノグラニス・オキシデンタリスという、大型のナマズの仲間の幼魚の発見をお伝えしました。   本種は一般的にオーネイトキャットと呼ばれているので、これ以降はこの名前で呼ぶことにします。 オーネイトキャットは繁殖の際、水底に巣を作って卵を産み、卵を保護するという生態を持つのですが、この時にはそのような行動を観察することができませんでした。いったい、どのように産卵し、成長していたのか疑問でした。   そんな中、昨年11月の初め頃に一番大きなオーネイトキャットが水槽の奥のほうで砂利を盛り上げ、そこに陣取るようになりました。 私が、清掃のために潜水した際、この場所に近づくと威嚇して追い払おうとしてきました。普段は温和な魚なのですが…   もしかしたらこの個体は、砂利を盛り上げて作った巣に卵を産んでいて、卵を守ろうとしているのかもしれません!   陣取った場所の上で胸ビレをパタパタと動かし、卵に新鮮な水を送っているかのような行動もしていました。   卵があるのかを確かめるために、その巣らしき場所に突撃してみました! オーネイトキャットの威嚇におびえながら巣の中を探したのですが……卵は見つかりませんでした。   その後も何度か潜水し、卵を探したのですが見つからず、1か月ほどしたらこの場所から離れて水槽の手前に出てくるようになってしまいました。「結局、産卵はしていなかったのかな」と残念に思っていたのですが…   12月末、この水槽に他の飼育スタッフが潜水した際、オーネイトキャットの幼魚を発見しました。 「じゃあやっぱりあの時産卵してたの!?!?」と年末にがっくりとしてしまいました。     「いったいどこに産んでいたのか…またチャンスがあれば今度こそは卵を見てみたいな…」 と思っていたらチャンスは意外と早く来ました。     今年の2月の中頃、前回巣らしきものを確認した同じ場所でオーネイトキャットが雌雄一緒にいるところを発見しました!   「もしやまた産卵するのでは?」と観察を続けていたところ、その約一週間後には前回と同じ個体が巣を作り、胸ビレをパタパタさせながら陣取るようになりました!チャンスとばかりに、巣の奥のほうまで探したところ、ついに卵を発見することに成功しました!   「やったー!」   これが採取したオーネイトキャットの卵です。   卵の大きさは約3 ㎜くらいでした。 中央の黄色い部分が卵黄で、外側の白い部分が胚(魚の体になる部分)です。胚が成長してきていることからちゃんと受精した卵であることが確認できました。     卵を採取した2日後にはふ化が始まりました!大人の姿とは全然違いますね!   そしてふ化後5日目には色素ができはじめ、ナマズの特徴であるひげがはっきりと観察できるようになりました。   そしてふ化後9日目には餌を食べる様子も観察できました。成長の早さに驚いています!   今後も飼育を続けてオーネイトキャットの成長を記録していきたいと思います!     Tweet

アルジの主
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アルジの主

こんにちは。   今回は、メコン川エリアのアルジをご紹介します。 当館のメコン川エリアのアルジ=主といえば、メコンオオナマズですが、   今回は、その主ではありません。   今回はこちらのアルジです。 アルジイーター Algae(藻類)-eater(食べる者)です。   伸び縮みする吸盤のような口を使って、名前の通り石の表面に生えた藻類などを食べます。   “水槽の掃除屋さん”として、ご家庭の水槽でもよく飼育される魚で、 小型の温和な魚というイメージをもたれている方が多いのではないでしょうか。     しかし、この魚、Fishbase(魚の情報が記載されてるデータベース)では、なんと最大体長28cmとされています。28cmって!!   しかも、大型の個体は市場に並べられ食用とされるんだそう。 (小さい個体もプラホックprahocというペースト状の塩辛の原料にされるそうです。)   アルジイーターって28cmにまで成長するの!? それはぜひ見てみたい。と思い、以前、にわかに挑戦したことがあります。   広い水槽に収容して、たっぷりのエサを与えVIP待遇で育ててみたものの、 10cmをこえると、そこからはなかなか大きくならず、諦めてしまっていました。   ところがです。 28cmとはいきませんが、現在22cmぐらいにまで育った個体がいます。   2Fのメコン川エリア、小型のグラミーが泳ぐ水槽です。   どうでしょう? ちょこまかしたイメージのアルジイーターの面影はなく、堂々たる面構え。     体が黒ずみ、模様はほとんど消えていて、すご味を感じます。   なんかちょっと「特急ラピート」みたいだな。って思ってます。ほんのちょっと。     ちょこまかしたアルジイーターよりも、こちらのほうが私は好きです。 もっともっと大きくなってほしい。目指せ28cm!!   グラミーの泳ぐ水槽の擬岩に張り付いてますので、ぜひ探してみてくださいね。     Tweet

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本日の開館時間

9:30-17:00

最終入館 16:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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