皆さまこんにちは。 体験学習班の河合です。 10月の活動内容は、「川漁師になろう!」でした。 長良川で漁業を営む若手の川漁師・平工顕太朗さんを特別講師としてお招きし、長良川中流域で実施しました。 実施場所は、平工さんがふだん実際に漁をしている漁場の近くで、漁で使用している和船に乗って登場していただきました。 到着するなり平工さんが見せてくれたのは、ニホンスッポンとモクズガニ。子どもたちを喜ばせようと事前に準備してくださっていました。 これを見るやいなや参加した子どもたちのテンションは、急上昇! 興奮状態で生き物にまっしぐら、恐れることなく「すげー」「かわいい」と言いながら触れていました。 これらも漁の対象にしている生き物であることや、モクズガニが旬の食材であることを平工さんから教えていただきました。 平工さんの自己紹介を終え、ここからが川漁師になるための体験です。 魚を捕るために必要なことは「魚を見つけること」、そして「魚がとれる距離に近づくこと」だそうです。 まずは、この基本を身につける練習からです。 柄が短い小さな網や短い竹竿を使って足元にいるヨシノボリの仲間を捕獲することから始めました。 道具は、事前に平工さんと打合せをしてスタッフが自作したもので、どちらも魚の動きをよく見て、魚にそっと近づかないと捕ることができない仕様です。 基本の力を付けるにはちょうど良い道具です。 最初は網の体験から ヨシノボリを見つけたら、上からそっと網をかぶせ、手首を返して捕まえます。 魚を見つけることはすぐにできるようになりましたが、魚が逃げないように近づくことが難しかったようです。 手首を返すのも難しかったみたいで捕獲できたのは1人だけでした。 網の次は、竹竿での体験。竹竿から垂らした釣り針にミミズを付けて釣るだけです。 ヨシノボリの動きにも慣れてきたようで、こちらは参加者11名で、17匹捕獲できました。 上手な子は、一人で7匹も釣り上げました。 1匹も釣れない子もいましたが、簡単に捕れないことを知れたのも良い経験です。 体験中には、「見つけるのは簡単になったよ」「なんで逃げていくのよ~」「逃げないで、そのままじっとしててね」「場所によって水温がちがうね~」などいろんな声が聞けました。魚との駆け引きや川の性質を感覚的に学べたようです。 基本を練習した後は、乗船体験。 平工さんの漁場まで遊覧しながら移動しました。 子どもたちは、船上から見える景色も楽しんでいました。 漁場に着くと平工さんからアユの見つけ方やアユのいる場所、アユの動きなど生態や習性について詳しく教えていただきました。 そして、アユがいる瀬まで歩いて移動し、平工さんが投げ網を打つところも見せていただきました。 残念ながらアユは捕れませんでしたが、使用した網を持たせていただき、網を投げるタイミングやアユとの間合いのとり方、狙う魚の大きさと網目の大きさの関係など漁に関する話から、市場での値段の付け方や、流通システムについてなど漁で生計を立てている人ならではのリアルでおもしろい話を聞かせていただきました。 最後は、自由行動。 ヨシノボリ釣りや遊泳など、川でやりたかったことを体験してプログラムを終えました。 どれも貴重な経験になったのではないでしょうか。 水族館のプログラムでは、学問的に生き物を学ぶことが多くなりがちですが、今回は、漁師さんならではの視点から「自然の中での魚の生態」を学ばせていただきました。 旬の食材、値付け、流通など「人と魚の関わり」についてもお話しいただき、川の恵みを受けて生活していることを実感できたことと思います。 では Tweet