みなさん、こんにちは。 今回のお話は、カピバラ飼育場に転がっている木片の役割についてです。 カピバラ飼育場にはこのような木片がいくつか転がっていますが、決してゴミが落ちているわけではありません。 ちゃんとした役割があるのです。 げっ歯類(ネズミの仲間)は歯が一生伸び続ける動物です。 その長さを調整できないでいると、噛み合わせが悪くなり、最悪の場合ごはんを食べられなくなってしまいます。 では、どのようにして歯の長さを調整しているのか。 それは、木や石などをかじって自ら歯を削っているのです。 上の写真は飼育場に置いてある流木ですが、所々に噛み跡があります。 こういった硬いものをかじって前歯を削っています。 では、奥歯はどうでしょう? もちろん奥歯も伸び続けますので、削って調整する必要があります。 でも、こんな大きな木は口に入りませんよね。 そこで、最初にご紹介した木片です。 これらを口に含んでガジガジかじって削ります。 個体によって好みがあるようで、よくかじっている木片はこんな感じで小さくなっていきます。 カピバラは世界最大級のネズミの仲間とあって、歯もとても大きく噛む力も強いため、レイアウトしている植栽や扉などの硬いものでもかじって削ってしまいます。 しかし、健康に生活する上でかじる行動は必要不可欠です。 時々かじりすぎて、前歯が折れてしまうこともありますが、すぐ伸びて元の長さに戻ります。 さて、当館にはもう1種、げっ歯類がいます。 それはカヤネズミ。 カヤネズミも歯が伸び続けますが、日本最小のネズミとあって、歯も小さく噛む力も強くはないので、カピバラと同じように木や石を上手くかじって削れません。 そこで、当館では殻がついた状態のヒエやアワ、麻の実などをごはんとして与え、それらをかじって殻をむいて食べることで歯を削っています。 げっ歯類は歯が命。 歯が伸びすぎてしまわないよう、ネズミたちには硬いものを自らかじって調整してもらっています。 毎日開催のもぐもぐタイムでは、カピバラにごはんをあげた際に、カピバラの歯を観察することができます。 皆様もカピバラの歯の状態をチェックしてみるのはいかがでしょうか? 【申込制】カピバラもぐもぐタイムのページ