こんにちは。 今日は「やっと会えた」の続報です。 4月17日に産まれたモトロの赤ちゃんは、2匹とも元気にしています。 毎日、こんなにも食べるんか!!と思うほど、たくさんエサを食べます。 先日、少し広い水槽へ引っ越したのですが、その時に体盤の大きさをはかってみました。 産まれた時には10cmだったのが、14cmになっていました。 体には厚みが出て、力強く感じられます。模様もくっきり。 2匹のドットの数は全然違いますね。 トレードマークともいえる尾の毒トゲも、ばっちり生えました。 (出生時は毒トゲはありません。) さて、魚なのに赤ちゃんを産むってどういうこと?!と疑問に思われた方もいらっしゃるようなので、少し説明します。 まず、エイはサメと同じ板鰓(ばんさい)類というグループになります。 共通の特徴として、エラ孔(あな)がスリット状をしています。 このエラ孔がお腹側にあるとエイ! このエラ孔が背中側にあるとサメ! となります。 では、繁殖についてです。 板鰓類のオスには、クラスパーというおちんちんがあります。 しかも2本あります。 これを、メスの体内に挿入して体内受精させます。 ここからが色々なんです。 大きくは、卵生(卵を産む種)と胎生(赤ちゃんを産む)に分けられます。 胎生はさらに、 ①卵黄依存型 ②卵食・共食い型 ③組織栄養型 ④胎盤型 というふうに、お腹の中で胎仔が何を栄養にして育つのかで分けられます。 ①は、卵内にたっぷり栄養があり、それを吸収して育つ。 ②は、お腹の中でお母さんが排卵した栄養卵を食べたり、胎仔同士が共食いしたりして育つ。 ③は、子宮内壁から分泌された栄養を摂取して育つ。 ④は、子宮内に形成された胎盤から、へその緒を通じて栄養をもらって育つ。 と、多様です。 しかも①→②、③→②と、組み合わせるものもいます。 モトロは、これの③にあたり、その中でも、子宮内の絨毛(じゅうもう)から分泌される子宮ミルクを飲んで育つ「子宮ミルク型」になります。 モトロの繁殖の仕組み、お分かりいただけましたでしょうか? これは、今、私の手元にある本を参考にしていますが、 板鰓類の繁殖様式については、どんどん新しいことが分かってきていますし、 研究者によっては、分け方が違う場合もあります。 それにしても、魚なのに体内でミルクを与えて赤ちゃんを育てて出産するって…。 奥が深いですね。 産んだお母さんはそれからどうしているのかというと…、おそらくまた妊娠していますよ! 次も元気な赤ちゃん産んでくれるといいなぁ。 モトロの赤ちゃんの展示は、今のところ未定ですが、いつか必ず…。 それまでは動画でお楽しみください。 Tweet ;