おもしろ飼育コラム

さぶい・・・
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さぶい・・・

さて、いよいよ寒くなって、冬本番を感じさせるようになってきましたね。 休日の昼間っから親子共々毛布にくるまって、寒さをしのいでいる有様です。 (そんな姿を見て、嫁は「ぐうだら親子」と呼びます)   しかし、ちょっと前まで、なかなか寒くならないから、 「今年の冬はどうなってしまうのだ~」と心配になってきていたところ(もちろん仕事上の解釈)です。 なぜなら、日本に分布している淡水魚(魚に限りませんが)は、もちろん四季を感じつつ生きている訳です。 そんな日本産淡水魚(特に希少種と呼ばれる種)を繁殖させようとするならば、 魚たちに四季を感じさせないと上手くいかないのです。 春に繁殖期を迎える種は、その前の冬(低温期)を過ごすことが重要なのです。   現在、アクアトトぎふには、館内にこんな感じで予備槽が並んでいます。   しかし、室内なので、ヒーターが入っていない水槽でも水温変動はほとんどありません。 主に熱帯性淡水魚の予備個体の飼育や日本産淡水魚の稚魚育成などに充てています。 (文字通りぬくぬくと飼育されているわけですなぁ)   では、繁殖用の予備水槽とは、こんな感じ・・・   はい。お外なのです。 濾過循環はなく、井戸水の注水のみで飼育しています。 飼育水温は、井戸水の注水量と気温に左右されるので、注水を絞り気味にすると この時期どんどん水温は下がっていきます。(水槽によっては、氷が張るところも) ちなみに本日の水温は、だいたい7℃前後・・・。 自然下での水温データを基に、冬季の水温の調節を行なっているんですよ。   今年度、繁殖に挑戦する種は、イタセンパラ、ネコギギ、カワバタモロコ、ホトケドジョウ、ウシモツゴ、デメモロコなどなど・・・ 日本産の希少淡水魚の繁殖技術の確立は、種の保存、生息域外保全の一端を担っている訳です。 そんな重責を感じつつ、来春の繁殖に期待する冬であります。   寒がりの私が、寒さを欲するなんて・・・(苦笑)   ツイート    

受精率0.5%のその後
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受精率0.5%のその後

6月15日のブログで、 「ツチガエルが産卵しましたが、受精率はわずか0.5%、5匹のオタマジャクシしか産まれませんでした。」 お伝えしましたが、その後どうなったかというと・・・     こちら↓↓↓ 無事にカエルになりかけています。 まだ尾が少し残っていますが…。 あと、顔の表情もカエルというよりはオタマジャクシに近いです。 今も5匹は健在で、その後の生存率は100%です。 よかった~。         Tweet

受精率0.5%
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受精率0.5%

バックヤードでツチガエルが繁殖しました。 5月2日のブログ記事「ほうせつ特集」で、 ツチガエルがなかなか産まないとぼやきましたが、産んでくれました。当館では初のことです。ツチガエルのたまごを見たのは初めてだったのですが、たまごが予想以上に小さくてビックリ。   1mmしかありません。 まさに「・」です。   これだけ小さいと、さすがにたまごの数を数える気にはなりませんでしたが、ちょっとずつ水槽内のあっちこっちに。ありとあらゆる物に、からみつけて産んでいました。こんなかんじで。     さらにこんなかんじで。    黒い「・」「・」全部たまごです。 図鑑によればたまごの数は1000個ぐらいだそうです。しかーし、発生したたまごはたったの5個。なぜだろう??5個だけって…。受精率は5/1000ってことで0.5%でした。この受精率の低さを今後の課題として、来年がんばります。   無事にふ化した5匹のツチガエルのおたまじゃくしは元気に育っています。         Tweet  

サンショウウオ近況報告
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サンショウウオ近況報告

個人的な話で恐縮ですが、私は今、カメ展で頭がいっぱいです。 寝ても覚めてもカメカメカメ。。。   こんなに入れ込んでいては冷静な判断&よい仕事ができません。 カメ展を良いモノとするべく、ちょっとサンショウウオで頭を冷やしたいと思います。 それではお付き合いください。   その① 「岐阜市のカスミサンショウウオを今年も保護しております」 岐阜市のカスミサンショウウオについては、現状について知ってもらいたいという思いから、 活動内容については、過去の飼育日記や特別展、常設展示の解説文など、何度も取り上げております。 そして、保護活動を続けてきた結果、産卵数も飛躍的に増え、 今まで見られなかった若い個体も確認できるようになりました。 また、今年もこれまでの活動結果検証のため、一時的に幼生を保護しております。   これがその保護個体を飼育している場所の様子です。今年は約1000個体!もいます。 ここはバックヤードツアーでも見ることができない、秘密の場所にあるのですが、 GWの特別イベント≪プレミアムバックヤードツアー≫に参加されたお客様にはご案内いたしました。   このように、産出された卵のうごとに分けて飼育しています。 これは研究試料として組織採取する可能性があるためです。     今年は活動を始めた当初に比べて、産卵数は3倍以上です。 来年の春が待ち遠しいですね(まだ5月ですけど)     その② 「コガタブチサンショウウオの繁殖に成功しております」 何度でも言います。繁殖に成功したのです。もう今年はこれで8割方満足しております。 昨年の悔し泣きは、今年嬉し泣きに変わりました。皆さんもこの写真でもらい泣きすることでしょう。     なんなんでしょう、このなんとも神々しい感じは! 産卵する環境が地下伏流水中ということもあり、 どの程度の刺激まで大丈夫なのかも手さぐり状態ですので、 とりあえず今は地下伏流水を再現した繁殖槽に収容したままです。 観察頻度も今年は週一回と決めております。 その時は、手早く胚の成長を撮影したのち、思わず手を合わせてしまうのも、仕方のないことです。   そういう訳で胚のそだつ様子はちょっと展示できそうにありませんが、 来年は皆さんに見てもらえるよう頑張ります!     いやー、すっきりした。 それでは、カメカメカメカメカメカメ・・・・・   Tweet

大きくなりました
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大きくなりました

2年前の春に、バックヤードで繁殖に成功したナガレヒキガエルですが、 その後、生まれた子どもたちは今、どうしているのかというと、 ゆっくりではありますが、着実に大きくなっています。 大きいものだと、体長7cmにまでなりました。   というわけで、3匹だけ、展示デビューすることにしました。 本当は、20匹ぐらいデビューさせてもいいのですが、 ナガレヒキガエルは、そんなに簡単に見つけられる種類ではないので、 水槽内にうじゃうじゃいれてしまうと、ナガレヒキガエルの品格が台無しになりますからね。   展示水槽で、自分たちの伯父さん叔母さんと一緒になりました。 写真の左に写っている2匹が、新米です。 右にいるのが伯父さんか、叔母さん…。やっぱり大きくて貫禄あります。 新しいすみかで、伯父さん叔母さんにもまれながら、 たくましく成長してください!!

1mmの成長
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1mmの成長

 こんにちは。 みなさんも気になって仕方がないのではないかと思い、  先日のチビっこのサワガニの続編を書きます。   10月のはじめと11月のはじめにぞくぞくと脱皮しまして、 ちょっと大きくなりました。2回脱皮したわけです。   今、甲幅が、6~7mmぐらいです。  前回(10月4日)のブログでは、5mmぐらいでしたから、わずかに1mm成長しただけですが、 ぱっと見た感じでは、だいぶ大きくなった気がします。 捕まえて手にのせると、多少重みを感じるようになりました。 また、大きくなったらお知らせします。    隣の水槽には、ちびっこたちの父親と母親たちが入っているのですが、 来年の繁殖に向けて、現在、栄養蓄え中です。 こちら、さかさまになってエサのオキアミを食べているのはメスです。  で、下の写真がオスです。オキアミ2匹キープしています。 オスとメスの違いはわかりますか? お腹をよく見てくださいね。 オスのお腹にもメスのお腹にも「ふんどし」とよばれる三角形があります。 ペロンと伸ばすと、そこには呼吸器官のエラが付いているんですが、 そのふんどしの三角形が長細いとオスで、 お腹いっぱいにひろがっているのがメスです。 メスはその部分に卵を抱くわけですから、大きいふんどしの方がいいですよね。   ちびっこたちでもお腹を見れば、もうオスかメスか判別できるのかな? デリケートですからね。まだ今は見るのやめておきますが、 近々、確かめてみようと思います。   では、また。

ヘビ小考
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ヘビ小考

先日ご紹介しましたシロマダラですが、無事エサも食べて、元気にしております。 (スタッフの自宅庭にいたニホンカナヘビをエサにしました。展示しているカナヘビじゃないですよ。) さて、次は展示をどうするかという話ですが、いかんせん、小さな個体です。 おそらくみえないだろうし・・・。来年かなぁ。 とりあえず、検討中ということでお願いいたします。   それにしても、ヘビの展示は、いろいろと気を使うことが多いです。 ちょっとした隙間があれば脱走しますし、神経質な個体はストレスで拒食することもよくあることです。 何より、一番の悩みは、ヘビが苦手という方がダントツに多い点です。 当館のスタッフにもヘビ嫌いはチラホラいますし、そういえば私の母もそうでした。 その昔、自慢げに捕まえたシマヘビを母に見せたら、 絶叫に近い悲鳴と、バカ息子への怒号が、近所中に響き渡りました。 まぁ、これは良い思い出です。   常設展示しているアオダイショウや、エメラルドツリーボアの種名板の写真をみるだけで、 「気持ち悪い」と目をそむける人も中にはいます。 「気持ち悪い」とアクリル面を持っているステッキでこづいている お客様を見たこともあります。(これは悲しかった)   また、ほとんど動かない生物です。 ちょっとでも動かそうとアクリル面をたたかれることは、本当によくあること。 (もちろん、じっくりと観察してくれる人が大多数です。嫌いな人も多いですが、人気が高いのも特徴です。)   ゴールデンウィークには、毎年コーンスネークを使って、ヘビのふれあいを行っていますが、 こちらは本当に大人気。 苦手な方は、恐る恐る触るところからスタートしますが、だんだん平気になって、 いろいろ質問してくれるようになります。 ヘビと来館者の間に、「インタープリター」が介在するとまったく問題ありません。 しかし、常に水槽の前にたっているわけにもいきませんからね・・・。   ヘビは、もう全てが洗練された素晴らしい生物だと思っています。 全員とまではいかないまでも、嫌いな人も好きな人も、展示しているヘビに興味を持って 観察していただけるように、まだまだ工夫が足りないということ。頑張らねば。   と、シロマダラを見ながら、思ったことをつらつらと・・・。

チビっこのサワガニ
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チビっこのサワガニ

サワガニの子どもが産まれました。 大きさは甲幅(こうらの横幅)5mmぐらいです。 親に比べるとなんだか少し、あしが長くてスレンダーなスタイルな気がします。 そしてすばらしい脚力の持ち主!垂直の壁でもぐんぐんよじ登っていきます。 20匹ほどの稚ガニたち、無事に育ってくれればいいんですけど。   さて、話はさかのぼり、ちょうど1年前のこと。サワガニを繁殖させてみようと思いたちました。 その以前から、たま~にサワガニが交尾しているのは知っていました。 そして、お腹に卵を抱いた母ガニの姿を見かけたこともあります。 ですが、稚ガニが誕生することはありませんでした。 というわけで、サワガニ専用の繁殖槽をせっせと作り、 体が大きくて立派なオスとメスを選んで繁殖槽へと移しました。 冬が過ぎ、 春が来て、 5月になった頃、 繁殖槽のメスたちが一斉にお腹に卵を抱いていました。 「よーし!!」と喜んだのもつかの間、 私に見られた母サワガニはポイポイと卵を捨ててしまったのです。 どうやら、私に見られる=多大なストレスだったようです。 そのことに気づき、繁殖槽のサワガニを見ないようにしました。 朝、照明をつけて、夕方消す。 たったそれだけにしました。 その結果、稚ガニが誕生したのです。 飼育係としては、実に寂しい繁殖技ではありますが…。 来年は、なんとかもう少し観察できるように工夫してみます。 この写真は、先日、野外で見つけたサワガニ誕生の瞬間です。 こんなふうに観察できるといいんだけどなぁ。  

珍しいお客様
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珍しいお客様

夏休みもほぼ終わりに近づいた8月30日。 ちょっとびっくりなお客様が水族館に来館されました。 そのお方とは・・・。     シロマダラ(幼蛇)さんです!!! なんと水族館のバックヤード廊下をピョロピョロ這っていたのです。 何故そんなところに・・・。 もちろん嬉々としてゲット。   水族館のある公園内には、3種のヘビがいるのは知っていましたが、 まさかシロマダラまでいたとはびっくりしました。 このシロマダラが餌としている生物は、トカゲ・カナヘビ・ヘビです。 よくよく考えてみると、餌としている生物は公園内にたくさんいます。 とくに今年の夏はニホンカナヘビの当たり年。 アシカショーの最中、小道具を箱から取り出そうとしたら、カナヘビさんこんにちは。 ステージの床の上でも、カナヘビさんこんにちは。 そして、マリンよ。カナヘビは餌ではないので、ショーに集中しなさい。 ということが何度もありました。   おっと、カナヘビの話ではありませんでしたね、シロマダラの話に戻りましょう。 とまぁ、公園内にいてもおかしくないなということです。   さて、先ほども書いたとおり、餌は爬虫類ですので、 飼うためにはこれらを捕まえなくてはなりません。   ふっふっふ。 こんなこともあろうかと、私はね、ちゃんと準備していたんですよ。 過去に、展示しているニホンカナヘビが尾を自切してしまった時が何度かあり、 その「尾」をこんな時のためにラップにくるんで、冷凍していたのです! なんという準備の良さ!さぁ、今こそ出番だ。カナヘビのしっぽよ!       ・・・。 すっ、捨てられてる・・・ (´;ω;`)ブワッ     つづく(のか?)

レンゲ
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レンゲ

久しぶりのコツメカワウソについてです。   当館には4頭のコツメカワウソがいますが、今は3頭しか展示していません。 広いところにいるのはナガラとミナミ。 となりのスペースにいるのがエナ。 これがエナ。衣装用ケースのプールに、よくこんな感じで浸かっています。   もう一頭は…?   もう一頭の名前はレンゲ。エナの姉妹です。   以前はエナとレンゲは仲良しで一緒にいたんですが、 ある時、何の前触れもなく大喧嘩をするようになりました。 実はこの喧嘩は、縄張り争いのようなもの。 大人になったってことですね。 互角の勝負で、両者傷だらけになってしまい、引き離しました。 今ではもうすっかり傷も癒え、元気でやってます。   そうだ!レンゲをブログ記事にしよう!と思って、 カメラを構えると… カメラに興味しんしん。これじゃ写せません。 はいもう一枚。  今度はカメラについてる、ひもが気になった様子。 はいもう一枚。 撮れました。レンゲです。結構整った顔つきです。   展示はしていませんが、元気でやってます。皆様、ご安心ください。 それでは今日はこのへんで。 

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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