パンタナールに行った河合です。 10回目の情報です。 どうしても伝えたいことがありまして、今回はこの魚レポリヌスの仲間(現地名ピアーバ)です。 調査したオーリョダグア川のいたる所で、数種のレポリヌスを見ることができました。 水槽で飼育してみると、すごく臆病ですぐに物陰に隠れ、人が見ているとなかなかエサも食べてくれず… 神経質な魚です。 展示が始まってからも水草や石の陰に隠れるため、隠れないようにレイアウトを工夫してもやはりどこかに隠れてしまいます。エサは、配合飼料を与えますがそれほど反応が良いわけでもなく、近くで観察していると警戒してなかなか食べてくれませんでした。 そんな時にふとこれを思い出しました。 それがこの映像です。 巻貝をもぐもぐと口にくわえている。 そしてこの写真 いたるところに巻貝の貝殻が落ちていることを思い出しました。 ひらめいちゃいました!! 「巻貝だ!」と ピアーバの展示水槽の隣にある「緑のじゅうたん」と題した水槽。ここにいる水草を食べてしまう巻貝に注目したんです。 いつもは水草のトリミングや掃除をするときに駆除していましたが、もしかしたらこれをレポリヌスに与えたら食べるのではないかと! そこで駆除した巻貝を投入した映像がこちら なっ なんと好反応!!! 今までこんなに積極的にエサを食べることなんてなかった魚が! レポリヌスは、巻貝が好きだったのだと確信しました。 巻貝に対する嗜好性が高かったんですね。 駆除した貝をこんなに積極的に食べてくれるなんて、うれしい限りです。 しかも貝を食べるようになってから、水槽の隅っこにはいるけれど、あまり隠れることなくいつも見える位置にいてくれます。好きなものを食べてメンタルが強くなったのでしょうか?(笑)この個体のメンタルのことはさっぱりわかりませんが…。 飼育するにあたって、生き物が自然の中でどのように暮らしているかを知ることは、とても大切だと改めて感じた瞬間でした。 本や文献だけでなくフィールドでも生き物をよく観察し、あらゆる角度から生き物を知ること、これが大事なんですね。 今回はこれにて 12月14日から第2章が始まります。 第1章は水中をテーマに魚を展示しましたが、第2章は陸上に目を向け、魚類だけでなく哺乳類、鳥類、爬虫類などいろんな生き物を展示する予定です。 第1章と第2章の両方をご覧になればパンタナール大湿原のことがよくわかります。 第1章をまだご覧になっていない方は是非ご来館ください!12月8日までですよ。 それでは Tweet