おもしろ飼育コラム

パンタナール展の気になる魚 その④
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パンタナール展の気になる魚 その④

現在のパンタナール展は12月8日で終了! 展示されている魚種で個人的に好きな魚を、今月もピックアップしてみます。   今回は、きれいなスクリ川水槽です。 この水槽に魚は1種類だけ。海水魚のカマスのような魚・・・パイクカラシンの仲間です。 現地ではペイシ カショーホ(犬の魚、犬のような牙を持つ魚)と呼ばれているようです。   こちらも10周年企画展の調査でペルーアマゾンに出向いた時、 アマゾン川流域の至る所で、たくさんのパイクカラシンたちに出会うことができました。   どれもまさに犬の牙ですね! パイクカラシンはピラニアに代表されるようなカラシンというグループに入ります。 アゴと歯がよく発達しているため、肉食性であれば犬歯が、草食性傾向が強ければ、噛み砕いてすり潰すような歯がよく発達しています。噛む力もとても強いです。   是非、ご覧ください!     Tweet

パンタナールに行った人の情報⑧
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パンタナールに行った人の情報⑧

パンタナールに行った河合です。 8回目の情報です。   今回は企画展会場内で展示している魚たち オーリョダグア川(プラタ川支流)で見た魚たちの様子です。     まずは 現地名:マトグロッソ 直訳すると「深い森」 流通名はサーペ(キャリスタス)と呼ばれる魚で、熱帯魚の定番種です。 水槽の中でもきれいな赤色にはなりましたが、現地ではもっと赤くて驚きました!     現地名:モスィーニャ 直訳すると「お嬢さん」 ゼゼラのような体形の魚で、ちょこまかと良く動いていて、かわいらしい魚でした。 水槽の中で見ても泳ぎがかわいいので、じっくり見てくださいね。 映像は流れに耐えている様子です。       現地名:カスクード 現地ではコクリオドンとも呼びます。 現地ではプレコの仲間のことをカスクードと呼んでいます。おそらく体が硬いナマズのことを、そのように呼ぶのではないかと思います。 細めの木や流木があれば見つけることができ、口の吸盤で木にくっついています。 展示している個体は小さいですが、木の枝をよく探すと見つかります。 この魚は、たまにペットショップでアカプレコという名で売られています。     現地名:ピラーニャ カタリーナ 現地ではピラーニャや、カタリーナとも呼びます。 ずばりピラニアです。 ピラニアがいる川なんて大丈夫ですか?と質問されますが、襲われることなんてありません。 夜になると、草や枝の陰から出てくるそうですが、昼間は隠れていてほとんど見つけられません。じっくり探さないと出会えなかったです。 水槽を見ていただければ、どんな感じで生息していたのかイメージできますよ。     現地名:カスクード アロンガード アロンガードは直訳すると「細長い」 つまり細長くて硬いナマズの仲間ということなのでしょう。 日本ではファロウェラと呼ばれ、マニア向けの魚です。 現在、展示している魚の中では、みなさんじっくり探して、「わ~っいたいた」と声が上がる、とても人気の種類のように感じます。どこにいるのかじっくり見ないとわからないので、よく探してくださいね。 例えていうなら、枝にそっくりなナナフシを探すような感じでしょうか。   今回はここまでにします。 引っ張るつもりもないのですが、また次回もお楽しみに!   Tweet

驚きの赤さ!
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驚きの赤さ!

みなさん、こんにちは。   7月より始まりました企画展も、終了まで残り1か月ちょっとになりました。     企画展では、実際にパンタナールで様々な種類の魚を発見した環境を再現し、展示していますので、水槽一つ一つにテーマを設けています。 そのテーマごとに違った種類の魚を展示しているのですが、実は1種類だけ2つの水槽に展示している魚がいます。     それがこちらの真っ赤な魚 「マトグロッソ」です!     なぜ2つの水槽に展示しているのかといいますと、水槽のテーマにあります。 水草が生い茂った場所で発見したこと。   小枝などがたまっているところでも発見したこと。 とても色が派手で綺麗なのですが、飼育展示して初めて、同じ種類の魚なのに違う点がでてきました。     それがこちらで、 水草で明るめの水槽のマトグロッソ。   小枝がたまっている、少し暗めな水槽のマトグロッソ。     体の色が全然違うのです。 水草水槽の方は、驚きの赤さです!   アップにして比べてみると こんなにも違います。     オスとメスの違いではないようです。また、同じ餌を与えているので餌の違いでもありません。 この2つの水槽の水質や照明の明るさなど飼育環境が違うので、その影響が大きいことが考えられますが、それでも同じ種類の魚で、ここまではっきり変わってしまうとは驚きです!   ちなみに、どのくらいの時間で色が変わるのかと試してみたところ、個体を入れ替えると半日もしないうちに、他の個体と見分けがつかなくなるので、更に驚きです!   残りの期間内に、もう少しこの種について調べてみますので、結果が得られたら報告したいと思います。 ぜひ、この2つの水槽にいるマトグロッソを、見比べてみてくださいね。     Tweet

パンタナールに行った人の情報⑦
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パンタナールに行った人の情報⑦

パンタナールに行った河合です。 7回目の情報です。 前回の続きで、展示できなかった魚や生き物の紹介です。   パロドン(Parodon nasus) 現地名はドゥーロドゥーロ   何匹かの群れで泳いでいることが多く、流れが速いところもスイスイ泳ぎ、石についたコケをしょっちゅうモシャモシャしていました。 体側中央にある黒いラインが特徴的で、ムチムチしたこの体型も愛嬌たっぷりでした。展示したかった魚です。映像もあります。     レポレルス(Leporellus vittatus) 現地名はわかりませんが… レポリヌスに似ていますが口の形が少し違います。 体形は、どことなくウグイやズナガニゴイに似ていて、こんなストライプのウグイが日本にいたら、人気が出そうなのにな~って思いました。水深が浅い砂地や砂礫の場所で見かけました。     ホーリー(Hoplias malabaricus) 現地名はトライーラ このホーリーの仲間は、熱帯魚ファンなら知っている人気のある魚だと思います。 写真のこの位置からほぼ動くことなく、毎日同じ場所にいました。たまに人に驚きどこかに行ってしまいますが、しばらくすると同じ位置に戻ってきて、これまたかわいらしい魚でした。     ざっくりとですが カラシンの仲間(Steindachnerina brevipinna) 現地名はサグァイロ 歯がないカラシンの仲間です。コイ科の魚みたいだなという記憶はありますが、正直語るほどの記憶は…。     シクラソマ(Cichlasoma dimerus) 現地名はカラ この魚もすごく地味ですが、どこにでもいたわけでなく、水際の木の根が茂るような場所に隠れていて、じっと待っていると出てくる魚でした。       そのほかにも、小枝のような細長い魚ファロウェラの卵     テナガエビの仲間や     サワガニの仲間 日本の川と同じように石の下に隠れていました。       企画展では映像だけでの紹介でしたが オオカワウソや、キイロアナコンダにも出会いました。     次回は展示している生き物の写真紹介をします。 トンボもたくさんいたので、虫も少し紹介しようかな?     ~追伸~ 企画展のモニター映像も、2か所変更したので是非ご覧ください! 内容はこちら 1)なぜこんなに澄んだ水なのか 2)キイロアナコンダに遭遇 です。 是非会場でお楽しみください。   ではまた     Tweet

パンタナール展の気になる魚 その③
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パンタナール展の気になる魚 その③

パンタナール展、ご覧になられましたでしょうか? 展示されている魚種で個人的に好きな魚を、またまたピックアップしてみます。   今回はプラタ川の砂地で、調査したスタッフが目にした「かわいい小さな魚たち」の水槽。   この水槽は以前、ロリカリアを紹介した水槽です。 水底でじっとしているロリカリアと対照的に、すばしっこく泳ぐ少し丸っこい魚がいます—アスティアナックスの仲間です 現地ではランバリと呼ばれています。   こちらも開館10周年企画展での調査で、ペルーアマゾンに出向いた時、アマゾン川流域の至る所で、たくさんのアスティアナックスたちに出会うことができました。 このグループは160種ほどが確認されているようです。大きなグループですね! 体高のある丸っぽいカラシンですが、常設展示のミロソマやメチニスなどのパクーの仲間と比べて、このグループは体が少し小さめで、全長10~15㎝程です。今回、展示することができたパンタナール産のアスティアナックスも渋いですね・・・   是非、ご覧ください!   Tweet

パンタナールに行った人の情報⑥
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パンタナールに行った人の情報⑥

パンタナールに行った河合です。 6回目の情報です。 今回は何を書こうか迷いました。   展示している魚を順番に書いていくのもよいのですが、ほかの飼育スタッフが少しずつ紹介していくれているので、展示できなかった種について紹介しましょう。 プラタ川には59種の魚類が確認されています。参考までに、パンタナール全体には約300種の魚類が生息していると言われています。(※一緒に調査した魚類学者のレアンドロ達の情報)     そしてこれが貴重なデータです。 ほんの一部だけお見せします。     そして我々が何かとお世話になったプラタ川の施設「Recanto Ecológico Rio da Prata」のHP https://www.riodaprata.eco.br/trilha-e-flutuacao プラタ川の概要はこちらで確認できます。 誰でも観光で行けるところなので、どんなところかチェックしてみてくださいね。 ちなみにポルトガル語なので、翻訳ソフトを使えば何となく書いてあることは解読できると思います。   これは余談でしたが 今回のプラタ川調査で確認できた魚類は約45種でした。 夜間の調査がもっとできれば、ナマズの仲間なども確認できたことでしょう。     お客様とお話してご質問をいただく内容で多いのが「現地で捕まえた魚を展示しているのですか?」と。 「はい!」とお答えしたいのですが実は違います。そこにはブラジルの事情があるのです。     開館10周年のアマゾン展の時は、スタッフが捕まえた魚も展示していましたが、今回訪れたパンタナールは… いろんな法律や規則があり、捕獲することはもちろんNG、魚の輸出もNGです。 川で生き物に触ることも許されませんでした。 と、こんな厳しいところだったので入手ができず、我々が現地で見てきた魚をすべて展示できないのです。   ついつい前置きが長くなってしまいました。 それでは紹介します。 全種は紹介できませんが、うまく撮影できた魚を順番に!   奥にいる3匹 縦じまの魚がレポリヌスの仲間(Leporinus striatus)現地ではピアーバと呼びます。とてもきれいで特徴的な魚だったので展示したかったです。残念! 手前の背びれとしりびれが赤い魚はモンクホーシャの仲間(Moenkhausia bonita)現地名はランバリです。種小名にボニータ(美しいの意味)とついています。その名の通り美しい魚でした。 これも皆様に見ていただきたかった魚です。 これもレポリヌスの仲間(Leporinus friderici)現地名はピアウです。 個人的にはあまりときめかなかった魚ですが、40cmくらいになるので大きな個体は見ごたえがあります。小さな口で巻貝をくわえてずっともぐもぐしていました。   これはブッシープレコの仲間(Ancistrus sp.)現地名はカスクード。同定は難しいみたいなのでぱっと見わかりませんが、別の模様のブッシープレコもいたような気がしました。大好きな魚です。   今回の紹介は長くなりすぎるのであと1枚。 少し頭の下が白くなっている魚に注目してください。 これはピラプタンガ(Brycon hilarii)現地名もピラプタンガです。訪問先のボニートと言う街の、観光のシンボルフィッシュになっている魚です。 この頭が白い部分は、ドラードに襲われた傷跡らしいですよ。 ついでに手前にいるうろこの大きい魚がクリマタ(Prochilodus lineattus)現地名はクリンバタです。40cmになる魚で大きなクリマタにはたくさん出会えました。     次回も続きを書きます。 今回は長文になってしまったので、次回はあっさりと生き物紹介をします。 お楽しみに!     Tweet

違う視点で
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違う視点で

みなさんこんにちは。 いよいよ待ちに待った秋が来ましたね。 特に釣りをする方なら、秋の夜長に釣り三昧で、とても楽しみですよね!   さて、今回は現在開催中のパンタナール展のお話です。   スタッフが実際に取材に向かったパンタナール湿原の美しい自然の一つでもあり、それを何とか再現しようとしたテーマの一つに「水草の楽園」があります。       透明度の高い水に、緑の絨毯のように生い茂った水草はとても美しく、 それを再現しようと考えました。       現地で生えている水草は何なのか? 入手は可能なのか?どのような組み合わせが良いのか?   そして、あーなのか?こーなのか?と考えた結果   最初は このようなレイアウトで展示をスタートさせました。     のですが、 現在スタートより、約3か月・・・・・・・・・・・・   このレイアウトは、かなり変わった形になって落ち着いております! 最初にご覧くださった方も、もう一度お越しいただければうれしいです。         しかし、また考えが少し行き詰まったりした際に、いつもとは違う視点で みてみようということで、魚目線で動画を撮影してみました。 レイアウトは奥が深くてすごく悩みますよね。   Tweet

パンタナール展の気になる魚 その②
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パンタナール展の気になる魚 その②

10月に入り涼しくなってきました。パンタナール展は連日賑わっております。 展示されている魚種で、個人的に好きな魚をピックアップしています。   今回はプラタ川での小枝や流木を再現した水槽     ここでの主役はタイトルの通り、枝にそっくりな魚ファロウェラですが、私のお気に入りは流木や枝の間を縫うように泳ぐ丸っこい魚・・・、それはシルバーダラーです。   日本で使われているこの名前は、ーアメリカ1ドル貨幣のような銀色に輝く丸っぽい魚からーきています。       開館10周年企画展での調査でペルーアマゾンに出向いた時、アマゾン川の支流でこの魚に出会うことができました。     体高のある丸っぽいカラシンは、常設展示のミロソマやメチニスなどのパクーの仲間と同様に、私のお気に入りの魚のひとつであります。カラシン類はアゴや歯が発達しています。 シルバーダラーも丈夫なアゴと歯を持っていて、植物の葉や茎など植物質のものも食べることができます。   常設展示にもなんとシルバーダラーがいますよ!ご存知でしたか? 1階アマゾン川の魚Ⅰ シルバーアロワナのいる水槽です。   大型のパクーたちの影に隠れている感じはありますが、水槽の一番奥側、浮いている流木が集まっている場所の下に、数尾ですがいつも群れています。 もう何年も飼育していますから、大きい個体は全長15㎝位にはなっているでしょうか。 是非、探してみてくださいね!   画像が粗くてすいません。中央にいるのがシルバーダラーです。 Tweet

モンキヨコクビガメ
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モンキヨコクビガメ

現在のテーマ水槽、 主役はモンキヨコクビガメ。   顔の黄色い模様がとてもキュートです。 成長に伴い、特徴的な頭部の黄色い模様は薄れていきますが、現在展示中の個体たちは甲長6㎝ほどの幼体なので、実に鮮やかな色をしています。   普段は流木の上で寝てることが多いのですが、エサを察知するとすごい勢いでアピールしてきます。       こんな顔で見られたら通りがかっただけでも、ついつい、エサをあげてしまいますね…。     さて、モンキヨコクビガメの展示は9月30日までです。 あどけない姿も今月末で見納めですので、ぜひぜひお越しください。   アマゾン川にも生息している本種。 いずれはシルバーアロワナやパクーが泳ぐ水槽で、常設展示できればなぁと思っています。   はたして何年後になるかわかりませんが、こうご期待!   Tweet

パンタナールに行った人の情報⑤
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パンタナールに行った人の情報⑤

パンタナールに行った河合です。 5回目の情報です。   今回は予告通りドラードについて紹介しましょう。 今回の調査で私が一番会いたかった魚が、ドラードです。 ※ドラドとも呼びます。 ドラードは、アマゾン川流域やパンタナールの河川に生息する大型のカラシンで、肉食性が強い魚です。 パンタナールでは観光用のスポーツフィッシングも盛んで、この魚は特に「釣り人の憧れ」になっています。   ドラードという名前は「黄金」という意味。現地では”Rei dos rios”=「川の王様」という異名もあるそうです。   現地で見たドラードは、その名の通り黄金に輝きとてもきれいで泳ぐ姿も貫禄があり、王様の風格もありましたよ。 4日目の調査で、クリンバタとピラプタンガの個体数調査をしたのですが、その後にオリバーの発案でドラードが何匹いるのか数えようぜということになり、各自でスタートからゴールまでの間に見たドラードを数えることになりました。数えることを忘れていたメンバーもいますが…。     ホテルに戻り結果発表! オリバーは13匹、私は12匹、レアンドロは11匹、大島は13匹と言っていたので、平均をとって12匹だったということにしましょう。 オーリョダグア川2.2kmの区間に生息していたドラードは、12匹という結果になりました。 出会えたドラードのサイズは20cm~60cmでした。 50cmを超えるさすがに迫力と貫禄がありました。 でも最大サイズは100cm。最大サイズのドラードってどんな感じなんだろう?   ということで 企画展会場で100cmのドラードと写真が撮れます。     本当は、今回のパンタナール行が決まった時に現地でたくさん魚を釣ろうと考えていました。もちろん巨大ドラードも。   しかし、今回訪問した場所は、生き物の保護に関するルールが厳しい場所で釣り道具や採集道具は持ってきたらダメよと言われたので早々に断念しました。 しかし、パンタナール全域が釣り禁止ではありません。 リリースサイズの設定など様々な規則が定めれていて、そのルールの下では釣りOKの場所があります。釣り目的でパンタナールを訪問する人も多いと思います。     20年前にパンタナールの北部に個人旅行したときにクイアバ川で20cmのドラードを1匹釣りました。 パンタナールではない別の場所サンフランシスコ川で50cmオーバーのドラードも釣り(夜釣です)ました。   おそらくパンタナールのドラードとは別種です。     前回のブログで紹介した水族館でもドラードが展示されていたので紹介します。 パンタナールに生息するドラードはこちらです。 水槽で飼育するとなぜか金色が薄くなるような気がしますが、まるまる太った立派なドラードでしたよ。     話は変わりますが現在は第2弾の準備とりかかっています。 少しだけブログの更新が遅れるかも…。 そこはあたたかく見守ってくださいね。   次回もお楽しみに!       Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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