おもしろ飼育コラム

「特別ガイド開催中!!」かくれじょうず通信④
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「特別ガイド開催中!!」かくれじょうず通信④

こんにちは! 現在開催中の企画展「かくれ上手な生き物たち」も残すところあと、1カ月をきりました。 みなさんはもうご覧になっていただけたでしょうか? かくれ上手なだけあって、普段はなかなか動かない生き物ばかり(よく動いているやつもいますが・・・)ですので、見つけるのも苦労した方も多いのではないでしょうか? そんなかくれ上手な生き物たちですが、エサを食べるときはとても俊敏な動きをする生き物が多いんです! そこで!! みなさんに動いているかくれ上手な生き物を見ていただこうと、特別ガイドを実施することにしました!! その名も 「かくれ上手が動き出す!?」 です。 そのまんまの意味ですね。 かくれ上手が動き出します。   6/16(土)~7/8(日)の16:00から、企画展スペースで実施いたします!! (もう始まってます) 実はこのガイド、毎回エサをあげる生き物が違うんです。 1回のガイドで3~4種類の生き物のガイドをする予定なんですが、毎回同じとは限りません。 ちなみに 16日は、リーフフィッシュ・ポットベリーシーホース・ヒラメ・アマモ水槽のガイドを行いました。 17日は、オニダルマオコゼ・ヒラメ・アマモ水槽でした。 アマモ水槽は、毎回エサをあげる予定にはしていますが、他はランダム! 私たちの采配で決めていきます。 少し様子をお見せしますと・・・ 水槽の前でガイドをします。 裏では他のスタッフがスタンバイし、エサをあげていきます。 こちらは、オニダルマオコゼのエサやりの様子です。 最後にアマモ水槽のガイドです。 アマモ水槽は、いっせいに生き物たちがエサを食べだすのでスタッフも食らい付いて見入ってしまいます。 アマモ場を再現した水槽になっていますので、いろんな生き物たちがいるんです!! たまに、種名板にのっていない生き物を見つけることもあります。それもまた、面白いですよね!!!!!!! (ちなみに、アマモ水槽ですが、企画展が始まったころは小さかったエビやカズナギがこの期間中に成長してとても大きくなりました!探したけど見つけられなかったという方は、今がチャンスです!!)   みなさんに夢中になって見ていただき、ガイドをする側としてもとても楽しく実施することができました!! 残り6回、どの生き物のガイドをするか楽しみにしててください!! ぜひ、見に来てくださいね!! お待ちしております!!! Tweet

「砂に溶け込む魚」かくれじょうず通信③
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「砂に溶け込む魚」かくれじょうず通信③

みなさん、こんにちは!! 企画展ブログ第3弾は、砂に溶け込む魚、「ヒラメ」の紹介です!! 誰もが一度は見たこと、あるいは、聞いたことがあるのではないでしょうか? 「左ヒラメに右カレイ」なんて、よくいいますよね? ヒラメは、両目が左側についている魚です。   そして、大きな口に鋭い歯も持っているんです。   そんなヒラメが砂に溶け込んでいる姿を、みなさんは直接ご覧になったことがあるでしょうか?   そんな姿をご覧いただこうと思い、あえて、レイアウトはせず、砂砂砂の水槽にしています!! (※レイアウトがめんどくさくて、砂しか入れてないわけじゃないんですよ!!!)   まわりの色に合わせて体色を変化させることのできるヒラメは、私たちの思惑通り、見事に砂に溶け込んでくれました。 いるのに、わからない!!   というレイアウトを目指している今回の企画展で、砂しかない水槽で見事にそれを成し遂げたヒラメに感動です。   しかし、若干砂の中に入り込んだりもしていて・・・ かくれんぼレベルは5段階中「3」ですが、わたしたちも探すのに苦労することがあります・・・。 そこで、見つけるヒントをひとつ、みなさんにも教えちゃいましょう!! それは ヒラメの目です!!   どんなに上手に隠れていても、周りを見るために両目は外に出しているんです!! こんな風に・・・ 小さな石に見えなくもないですが、水槽の中をのぞくと、キョロキョロと周りを見回していることも多いので是非、静かに動いているヒラメたちの目を探してみてくださいね!!!   では、最後に・・・ ヒラメはどこにいるでしょう? 探してみてくださいね!!!!!   あ。 全部で4匹いますので!!!       Tweet

「レタス似の魚?ハナオコゼ」かくれじょうず通信② 
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「レタス似の魚?ハナオコゼ」かくれじょうず通信② 

こんにちは。 今日、企画展からご紹介するのはこちら、ハナオコゼです。 うーん、なるべく分かりやすいように写真を撮ったつもりなんですが・・・。   青い線で囲ってみました。左を向いています。 ハナオコゼはあたたかい海に生息し、1匹ずつ模様がちがいます。海をただよう海藻にまぎれて暮らし、小魚などを食べます。 色やヒレの形もそうですが、体にひらひらした突起(皮弁)がたくさんついていて、海藻によく似ています。   企画展を準備しているとき、このハナオコゼの写真を探そうと、あるサイトで画像検索(写真をもとに、似ている写真を探し出す)をしてみたことがありました。 すると、ハナオコゼではなく、リーフレタス(↓)の写真がたくさん見つかりました。   確かにこのフリル感が似ている、かな・・・? 検索サイトもだませるほどのハナオコゼ。自然ってすごいなあ。   以来、スーパーなどでこの野菜を見かけるたびに「あ、ハナオコゼ」と思うようになった私です。 ハナオコゼはかくれんぼレベル2です。今回の企画展の中では探しやすい生き物ですよ。   でも水槽の中だから見つけられるけど、実際に海で見たら、分からないだろうなあ・・・。 さあ、ハナオコゼはどこにいるでしょうか??       Tweet

「動く枯葉!?」かくれじょうず通信 ①
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「動く枯葉!?」かくれじょうず通信 ①

みなさん、こんにちは。 4月14日より始まりました企画展「かくれじょうずな生き物たち」はもうご覧になりましたか。   今回展示した生き物は、どれも周りのものなどに隠れる(擬態する)ことに特化しているので、もしかしたらお客様が見つけられず、諦めて素通りされてしまうかもと思ったのですが・・・・。   むしろ、通りがかる人が吸い込まれるように「どれどれ見つけてやろうか」と水槽をのぞく姿をみて、企画展担当スタッフとしては「やったかいがあったなー」と思っています。 そして、生き物を一生懸命お探しになっている横で「そこそこ、そこにいるよー」と教えたそうな顔をしている人や、本当にそこだけかなー?とニヤっとしている人がいたら、その人はきっと企画展担当スタッフです。   さて、今回から「かくれじょうず通信」と題して企画展を担当したスタッフが、展示している生き物をご紹介していきます。 第1回目、私がご紹介する生き物はこちら。 リーフフィッシュです。 どこにいるかわかりますか?   ここです。 このリーフフィッシュが擬態するものは「枯葉」です。「枯葉」に擬態する生き物の中でも、より魅力的な点をご紹介します。 リーフフィッシュはアマゾン川に生息しており、主に流れがゆるやかで枯葉がたまるような環境の表層で生活しています。   それでは、全身をよく見ていきましょう。 体の色、全体がもう枯葉に似ていますが、こまかく見ると目の周辺やヒレの先までしっかり枯葉の模様があります。 また、口の先にあるヒゲのようなものは、皮弁と言われる皮膚の一部で葉っぱの葉柄に似せているのではないかとの話もあります。 更に驚くのは、遊泳するために必要なヒレには模様はなく、透明で見えません。透明なヒレは胸ビレ、背ビレ、尻ビレ、尾ビレですが、しっかり全体が枯葉のフォルムになるよう一部は模様がついたりしています。 そして行動については、基本的に枝や枯葉にぴったりとくっついて擬態しているので、じっと動きません。 しかし、この「動かない」というのは視た側からであり、実はリーフフィッシュ自身は結構動いているんです!! その動画を是非見てください。   みえましたか? 動かしているのは主に胸ビレです。 確かに魚はヒレを動かして泳いでいないと浮かんだり、沈んだりしてしまいますよね。 更に枝や漂う枯葉に似せようとすると、その場から動かないようにしたり、ちょっとズレたりして修正するために移動する必要があります。   この擬態に対する必死さに最初に気づいたときは、感服する一方で、擬態する生物は、決まってじっと動かないという固定概念を覆されました。 他にも、擬態に対する特筆すべき体の構造があるのですが、今日はこのくらいにして次にいきます。。。   もう一つのおもしろい行動について。それは、捕食です。 リーフフィッシュが擬態する理由の一つには、天敵に見つからないようにすることがありますが、もう一つは獲物に対しても見つからないようにすることもあります。 自然界では小型のテトラ類を獲物としていて、夜になり枯葉などが集まる流れがゆるい場所へ休息にきたところを襲って食べているようです。 想像しやすいですが、捕食シーンを撮影しましたのでご覧ください。   ひらりひらりと水中を漂う枯葉のように近づき、一瞬で飲み込む。 恐るべし、吸引力。 獲物である魚からしたら、休息する場所の周りの枯葉が、実はリーフフィッシュだらけだったとなると恐ろしいですね・・・・ ここまで来ると、リーフフィッシュがこのような枯葉に擬態するように進化した過程を想像するだけで話が尽きませんね。   ど派手でいつも目立つような生物とは反対に、目立たないように隠れている生物は飼育員泣かせな一面があるのですが、今回の企画展では、思う存分隠れることで存在感をアピールしてもらいたいです。   それでは最後に。リーフフィッシュはどこにいるでしょう。 ぜひ探しに来てくださいね。 (10匹はいますよ)         Tweet

企画展「みつけてみよう かくれじょうずな生き物たち」   
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企画展「みつけてみよう かくれじょうずな生き物たち」   

4月14日より企画展「みつけてみよう かくれじょうずな生き物たち」が始まりました! この企画展は、タイトルからお分かりのとおり「かくれる」生き物をテーマにしています。 自然界の生き物の中には、まわりの風景に体の色や形を似せ、敵や獲物から身を隠しているものがたくさんいます。 今回はその中から、石にそっくりなあの生き物や、どう見ても枯れ葉にしか見えないこの生き物など、選りすぐりの「かくれじょうず」な生き物を集めました。 それぞれの生き物は、見つけにくさに応じて「かくれんぼレベル」1から5にランク付けしてあります。 レベル4や5の生き物は、私達飼育スタッフでもしばらく探さないと見つけられないほどのかくれじょうず。 企画展を設営している最中にも、 「この水槽、もう生き物入れた?」 「さっき入れたよ」 「え、いないよ?・・・・・・・・・・・あ、いた!」 と、作業の手が止まってしまうこともしばしばでした。     他にも、写真を見て生き物を探すクイズや、木の皮にそっくりなガになれる変身コーナーもあり、体験しながら楽しめる展示になっています。   さあ、あなたはすべての生き物を見つけることができるでしょうか? ぜひチャレンジしてみてください!         Tweet

企画展からお便り12 ~オジサン~
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企画展からお便り12 ~オジサン~

12月16日からスタートした企画展「そのなまえヘンテコリン~へんな名前の生き物たち~」も今週で終了です。 企画展の中で伝えきれなかったことをブログで伝えてきましたが、こちらもいよいよ最後の紹介です。 ラストは満を持して 知名度が高いこの魚を紹介!! 会場の様子を見ていても、みなさんよくご存じのようですね。 本当は「オジサン」と一緒に「オバサン」も展示したかったのですが… 入手も困難、展示もできずで、今回の企画展のつかみとして写真での紹介としました。 つかみとしては最高でした。 皆様も企画展のエリアに入るなり「オバサンだって~」「ババアもいる~」と爆笑でした。   オジサンの紹介の前に、写真展示のこの2種を紹介します。 【タナカゲンゲ】 島根県以北の日本海の水深300~500mに生息し、主に冬、底曳網で漁獲され食用になる魚です。 タナカゲンゲの名前は、魚類学者の田中茂穂氏に由来しているそうです。 鳥取県(一部の地域)の漁師の間で「ババア」と呼ぶそうです。 正面から見た顔がおばあさんに似ていることが由来だとか。 最近では「ばばあ」だとイメージが悪いということから「ばばちゃん」と呼ばれるようになっているそうです。   【ヨシキリザメ】 熱帯から温帯海域に広く分布し、日本では最も水揚げ量が多いサメの仲間です。 かまぼこやフカヒレの原料に利用されます。 ヨシキリザメの由来は、フカヒレの材料で「足(ヒレのこと)を切り取るサメ」でアシキリザメというのが語源のようです。 千葉県では、外観がオバサンぽいから「オバサン」と呼ばれているそうです。   「ババア」も「オバサン」もはっきりした由来はわかっていないそうですが…。   【オジサン】 インド洋、太平洋のサンゴ礁に生息し、日本では関東以南で見られます。 「オジサン」は「ババア」「オバサン」の別名(地方名)とは違い、標準和名という正式な名前です。 名前の由来は、下あごのヒゲがまるで人間のおじさんのように見えることから名付けられました。英名は、「goatfish」でひげの様子をヤギに例えています。 「オジサン」のひげには、味蕾(みらい)という味を感じる器官があり、ひげを動かして甲殻類や軟体動物などのエサを探し捕食します。 エサを探す様子はこちら 2017年12月16日からスタートしたこの企画展も4月8日で終了です。 ブログとともに企画展の展示もご覧いただき、ありがとうございました。   今回紹介したヘンテコリンな名前の生き物ですが、決して生き物がヘンテコリンなわけではありません。 生き物の名前には、「見た目」だけでなく「におい」「味覚」「鳴き声(音)」など、先人たちが経験した生き物たちとの関わりに基づき、生き物の特徴を上手く表現したものが数多くあります。 生き物の名前を考えることで生き物の特徴がわかるかもしれません。 これを機会に生き物の名前にも興味を持っていただければと思います。 ではでは。   次回の「かくれじょうずな生き物たち」にバトンタッチします。     Tweet

企画展からお便り11 ~ギギ~
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企画展からお便り11 ~ギギ~

この魚、鳴きます!? ギギ ギギは、「ギーギー」と音を出すことから、この名前が付きました。 企画展のコーナーでは、展示と合わせて実際にギギの音をご紹介しています。 ギギは胸ビレのトゲとその付け根の骨をこすり合わせることで、音を発することができます。   この鳴き声を、一番良く聴くことができるのは、ギギを釣り上げた時です。 水族館のイベント「アクア・スクール 初めての釣り教室」では、木曽川で釣れたギギが、あちこちで「ギーギー」鳴いていたとか。   さて、音をだす魚は、ギギのように「骨部を摩擦して音を出すもの」の他に、ピラニアのように「特別な発音筋を振動させて音をだすもの」もいるようです。   ところで、魚類担当の飼育スタッフは水槽掃除のため、魚が泳ぐ中で潜水作業を行なっています。その時、聞きなれない音が、水中から聞こえてくることがあります。   例えば、水族館3階のコイの水槽では「カチカチ」という金属音に似た音が聞こえたり、2階のメコンオオナマズの水槽では「パチン」という甲高い音が聞こえることがあります。   はたして、これが空耳か、魚の鳴く音なのか。真相はいかに。     Tweet

企画展からお便り10 ~ウッカリカサゴ~
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企画展からお便り10 ~ウッカリカサゴ~

今回はこの魚 【ウッカリカサゴ】 企画展のブース内にある「こよみ水槽」から。 この水槽は、みなさまに少しでも多くの生き物を知ってもらいたい、また、年間パスポートをお持ちのお客様に少しでも長く企画展を楽しんでいただきたい、そんな思いで季節に応じて生き物を変え展示しています。 ちなみに 12月16日~1月31日は、干支にちなんで、犬の牙を持つ魚「アルマータス・ペーシュカショーロ」。 2月1日~3月14日は、バレンタイン、ホワイトデーにちなんで、キスをする魚「キッシンググラミー」。 今回の3月15日からは、春のぽかぽかした季節にありがちな春ボケにちなんで... 季節の変わり目は、体調を崩しやすく、ぽかぽか陽気にさそわれて、ついうっかり物忘れをしたりしませんか? そんなことから「ウッカリカサゴ」を選びました。 (強引ですかね…) さてさてなぜこんな名前をつけられてしまったのでしょうか? この魚がウッカリ者ではございません!   「日本の魚類学者がカサゴとの違いに気付かずウッカリしていたため」 「研究者がウッカリしてカサゴと同じ種類だと間違えていたことから」 「うっかりするとカサゴと区別がつかないカサゴ」   これらが名前の由来のようです。それぞれニュアンスが微妙に違いますが…。 とにかく「ウッカリ」は、魚ではなくて人間の方なんです。 ウッカリカサゴは、宮城県以南、東シナ海、朝鮮半島南部の沖合に生息するカサゴによく似た魚です。 外見上の違いを自作のイラストで簡単に紹介します。 ①側線付近に白い斑点があり、斑点には明瞭な縁取りがあります。 ※カサゴには側線付近に白い斑点がないか、斑点があっても縁取りがない ②胸ビレの軟条(ヒレのすじ)が18~20本(19本が多い) ※カサゴは、17~20本(18~19が多い) このような違いがあります。   他にもカサゴに比べ沖に生息することや、カサゴが30cmくらいに対してウッカリカサゴは40cm以上になり大きい。こんな違いもあります。   昔から漁業関係者や釣り人などの間では、深場にいて大きくなるカサゴを「オキガシラ」「オキアラカブ」「アンポンタン」「カンコ」などと呼び、カサゴとは区別しています。また、市場では「カサゴより美味しくない」と言われ安価で取り引きされる。こんなエピソードがあるんですよ。 いつか、カサゴとウッカリカサゴの食べ比べをやってみたいですね。 今回、展示している個体は石川県能登半島にある「のとじま水族館」からやってきました。(のとじま水族館の皆様 お借りしたウッカリカサゴは元気です)   更におまけ情報。 企画展の中でこんな昆虫を展示しているのをご存じですか? オオアカカメムシ(別名:ジンメンカメムシ) おすもうさんのような顔をしているカメムシの仲間です。 この顔のような模様は、1匹ずつ違います。 そこでトト・ラボにこんな遊び道具を置きます。 顔はめパネルです。 インスタ映え間違いなし!! みなさん、ジンメンカメムシになってみてくださいね。 キーホルダーも販売中です。 ではでは。     Tweet

企画展からお便り9 ~ヨダレカケ~
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企画展からお便り9 ~ヨダレカケ~

今回はこの魚。 【ヨダレカケ】 個人的に大好きな魚です。 トビハゼとかヨダレカケとかこのような魚は見ていて飽きないです。 なぜ魚なのに水中にいる時間があまりなくて、岩にくっついているんだろうな~?なんてことを思いながら閉館後にじっくり観察しています。   名前の由来は、下くちびるの形が「よだれかけ」に似ていることから。 ヨダレカケは、インドネシア、台湾、琉球列島などに分布し、波に洗われる岩やテトラポッド、港の岸壁などに下唇の吸盤で張り付いて、付着藻類などを食べて生活しています。 この名前の由来になった吸盤「よだれかけ」は、波打ち際の岩などにくっつくために必要でヨダレカケの生活には必要不可欠なものですね。 そしてエラ呼吸だけじゃなく皮膚呼吸もできるから長時間陸上にいることも可能なんです。   この陸上に進出した特殊な生活スタイルのメリットには 水中にいる捕食者(他の魚など)から身を守ることができる。 他の魚が利用できないエサを獲得できる。 などが知られています。 参考)広島大学 陸上産卵魚ヨダレカケの生活戦略に関する研究   ヨダレカケって、こんな特殊な環境でも生き残れるように進化してきた魚なんですね。改めて すごい魚です!   話は少し変わりますが、 ヨダレカケが当館にやってきたすぐはバックヤードでの飼育でした。 警戒心が強く、エサもなかなか食べてくれず、どうやってヨダレカケの姿をみせられるように展示ができるのか、下唇の吸盤を見せることなんて無理なんじゃないかと心配ごとばかり。 ヨダレカケを展示している他の水族館の担当者に飼育方法や展示方法をいろいろ教えていただきました。   ところがそんな心配はどこへ?というくらい 展示が始まり、その環境に慣れてしまえばなんてことなく、水槽右側のシャワー部を登って吸盤「よだれかけ」をみせてくれるようになりました。多くの方に支えられて順調に展示ができています。みなさま、ありがとうございました。 水槽内で慣れたとはいえ、どうしても人が多い時間は、石や石の陰に隠れることもあります。 朝早めの時間や夕方の人が少ない時間は、吸盤「よだれかけ」を見られる可能性が大です。それを見たい方は時間帯を選んで見ていただくとチャンスです。 夕方は、給餌もするのでエサを食べる姿も見てくださいね。     ではでは。   Tweet

企画展からお便り8 ~スベスベマンジュウガニとモクズショイ~
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企画展からお便り8 ~スベスベマンジュウガニとモクズショイ~

こんにちは 河合です。 第8弾はこちらの水槽から。 今回は、スベスベマンジュウガニとモクズショイ。   まずは 【スベスベマンジュウガニ】 饅頭のように体が丸く、マンジュウガニの仲間の中では、体には突起などが何もなく滑々しているように見えることが名前の由来と言われ、漢字では「滑々饅頭蟹」と書きます。   なんて美味しそうな名前なのでしょうか? よだれが出そうな名前ですが、実はこのカニ、テトロドトキシン(フグ毒)など数種類の毒を持つ危険生物です。毒の強さは地域差や個体差がありますが、食べたら命を失うことがあるので絶対に食べてはいけないカニです! 名前に惑わされちゃだめですよ。 ※毒は主に筋肉中や外骨格(=殻)に含まれています。   このカニは、インド洋から太平洋西部に広く分布していて、日本でも関東から沖縄の太平洋岸のサンゴ礁や岩礁帯で見られます。体のわりにはしっかりした大きなハサミを持っていて、そのハサミで海藻やゴカイ、貝などを食べてくらしています。 磯採集で捕まえることができるカニなので、絶対に食べちゃダメですよ。   小学生から教えてもらった情報ですが 某テレビ局の某番組「みんなの○○」でこんな歌があります。 「恋のスベスベマンジュウガニ」 この中には、モクズショイ、バフンウニ、スカシカシパンなど変な名前の生き物が紹介されていますよ。興味があればインターネットなどで検索して聞いてみてくださいね。   【モクズショイ】 体にかぎ状の毛が生えており海藻やカイメン、ゴミなどをつけて擬装することが名前の由来と言われ、漢字では「藻屑背負」と書きます。 「モズクショイ」と呼び間違える人も多いみたいですが…。 「モクズショイ」ですからね!! 英名では「Decorator crab(デコレータークラブ)」と言い、飾りつけるカニという意味です。 毛先がマジックテープのようにかぎ状になっていて、いろんなものがくっつけやすくなっているんですね。 また「Spider decorator crab(スパイダーデコレータークラブ」とも呼ばれます。 スパイダーとはクモのことですがクモガニ科のカニで脚が長くて確かにクモの体形に似ています。 モクズショイは、インド洋~太平洋西部、オーストラリアに広く分布していて、日本でも関東から沖縄のサンゴ礁や岩礁帯の岩間に生息しており、磯でも見つけることができます。 ただ、体に海藻やカイメンなどをつけて周りの景色に溶け込んでいるので見つけにくいんだとか…。 そういえば国語の教科書1年生「海のかくれんぼ」でもこのカニが教材として紹介されていますよ。   最後に 小さなハサミ脚で器用にデコレーションする様子をご覧ください。     ではでは。   Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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