おもしろ飼育コラム

始まりました「ハイギョ展」
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始まりました「ハイギョ展」

今回の企画展の主役はタイトルのとおり、ハイギョです。 ハイギョはその名のとおり『肺をもつ魚』ですが、 発見した当初は専門家が、魚類なのか両生類なのか迷ったほど 魚らしくない特徴をもつ生き物です。   今回の企画展ではハイギョの生態・形態や ハイギョに関わる生き物などをご紹介しているのですが、 なんといっても一番のポイントは 世界にいるハイギョ全種類を展示しているのです!   展示スペースは右を向いても左を向いてもハイギョ! というハイギョに囲まれた空間になっていますので、 この不思議な魚を十分に楽しめるかと思います。  すでにハイギョファンのお客様からは 「待ってました!」とお声をかけてもらい、 初めて知ったと思われるお客様も 興味深そうに水槽やパネルを観てくださって、大変嬉しく感じております。   私としては、まずそれぞれのハイギョの顔と名前を覚えて、 ハイギョの魅力にのめりこんでいただきたいなと思っています。   それから、展示に加えてもう1つ、オススメがあります。 土・日・祝日の14時30分より、 大事なことなので二度言いますが、 土・日・祝日は14時30分 より ハイギョが食事する様子を観察できる フィーディングウォッチ 『くちゃくちゃでろ~んタイム』 を開催しておりますので、そちらも是非ご参加してみてください。 ハイギョのおもしろさの一つがここで分かるかと思います。   また驚くべきハイギョたちを、少しずつご紹介していきたいと思います。 それではみなさまのお越しをお待ちしております。  ツイート

変化
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変化

みなさん、こんにちは。   気付けば10月ももうすぐ終わり、 段々と各地で本格的な紅葉の見頃を迎える季節ですね。 気温も朝や夜は冷えて、日中は暑いような服選びに少し困るこの頃です。 私は春や夏は活発に動き、よく釣りにでかけますが 寒くなると こんな状態でコタツから出られなくなります。   季節が変わったりすると私たちと同様に、水族館で飼育している生物も 当然ながらその変化を感じ、姿や行動にあらわれます。   カエルやカニは巣穴から出てこなくなったり、 魚は活性が低くなり、餌をあまり食べなくなってしまったりと・・・ 飼育する側としてはあまり嬉しくない面もあったりしますが。 私としては、「春・夏に水族館いったよ」という方も 秋・冬とまた違った生物の姿をご覧いただきたいと思っています。   たとえば... 5月に当館へやってきたサツキマスの一匹。   凛とする中にかわいらしい印象。   次が現在のオスのサツキマスです。 秋の繁殖期に表れる特徴(ほんのりピンクの体色とオス特有の鼻曲り) がでてきて、顔つきが厳しくなりましたね。 自然とは異なる水槽内でも、自然と同じような変化が起こるということを サツキマスは感じさせてくれます。   実は季節の変化以外でも、館内の生物に変化が起きるんです。 夏に始まりました企画展「アフリカ 進化の湖」では、 展示が始まった頃とは少し違った変化があります。   展示をしている主にシクリッドは 体調・興奮状態・種間での優劣・同種間の縄張りの主張など 様々な要因で行動や体の色が変化します。   展示開始から3ヵ月以上が経過してシクリッドの状態も良好に安定し、 シクリッド間の地位が確立されてきた今が一番いきいきとしています。 例えば、 マラウィ湖のシクリッドは各種の体色の発色が鮮明になりました。 タンガニーカ湖のシクリッドの一種は、 毎日少しずつ石の下の砂を口に含んでせっせと運び、場所取りに忙しく  至る所をでこぼこにしています。 ビクトリア湖のシクリッドに関しては、 個体間での優劣や興奮状態で体色が真っ黒になってしまったり、 真っ赤に染まったり日々の体色の変化に驚かされます。     スタート時はシクリッドも新しい水槽へ移動したばかりで、 ここまでのびのびしていませんでした。 最初から多様だったのが、更に多様化したように思えます。   こんな変化がありますので 「夏に見たよー」って方も、 今一度変化した、いや見頃を迎えた生物たちをぜひご覧ください。 驚きますよ!     ツイート

ちょっと覗きますよ。2~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.9~
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ちょっと覗きますよ。2~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.9~

以前のブログちょっと覗きますよ。で タンガニーカ湖で巻貝を利用し、子育てを行う魚 “ネオランプロローグス・ブレビス” について ご紹介したのは8月頭のこと。  あの時生まれた卵が、 現在どうなっているか気になっている方も多いかと思います(多いといいな…)。 安心してください。育ってますよ! 貝殻に加工をしたことで、ブレビスの子育ては丸見えの状態。 卵が育っていく様子も、しっかりと観察することができました! 今回のブログは、ブレビスの成長についてお伝えします。 貝の中で子育てを行うのはメス親。 産卵した日(6月23日)から巻貝の入口~中を 行ったり来たりして、警戒を怠りません。 他の個体が貝の中に侵入しようとすると、 親がすばやく蓋をするように守っていました。    産卵から3日目に赤ちゃんが孵化しているのを確認しました! 尾が長く、黄色いオタマジャクシのようです。   貝の底で一か所にかたまりうごめく赤ちゃん。 親が守る様子と合わせて、動画でどうぞ。 産卵から10日目。  顔つきがはっきりしてきました。眼もくっきりとしています。 このころ、赤ちゃんたちは撮影時にともす少しの光にも敏感になり、 巻貝の中を激しく泳ぎ回るようになりました。 泳ぎ出る日も近いかも!?と思い、翌日貝の中から回収することにしました。 回収した稚魚はこんな感じ。   まだ体に卵黄がついているため、 本当はもう少しの間貝の中で過ごすのかもしれません。 ここから、親からバトンタッチして稚魚の飼育を始めました。 本来であれば巻貝の中でひっそり行われる親の保護。 なかなか見ることのできない子育ての様子を間近に見て、 ブレビスの生き抜くための進化を感じることができました。 さて、産卵からちょうど3か月ほど経って、 現在の稚魚たちの姿はというと…    まごうことなきブレビスです。体の色や模様もはっきり出ていますね! まだまだ小さいため、 皆さんにご覧いただくのは少し先になりそうですが、元気にしております! 現在、展示水槽でもちょこちょこ産卵しているので、 来館された際は要チェックです! 運が良ければ、子育て真っ最中の姿を直接見られるかもしれません。 ブレビスの小窓、ちょーっと覗いてみてくださいね♪   それではまた!   ツイート

ヒゲおじさんが選んだ変なヒゲなまず~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.8~
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ヒゲおじさんが選んだ変なヒゲなまず~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.8~

こってり真田さんからバトンを受け継いだリレーブログ  ヒゲおじさん国崎でございます。 昨年、アマゾン展の準備でアマゾン川に出張してから、 これまでずっとヒゲが伸びております。   さて、近頃夜は涼しくなってきましたね。 窓を開けて寝ると翌朝は必ず鼻水が出て喉が痛くなるほどです。 風邪をひかないように、寝る前はきちんと腹巻をしています。 もちろんヒゲも整えてから寝ていますよ(笑)   少し脱線しましたが、アフリカ展好評です! アフリカの湖にはシクリッド(カワスズメ科魚類)が大繁栄しており、 展示している魚類はシクリッドの仲間たちがほとんどです。   そのような展示の中で少しアクセントをつけるべく、 タンガニーカ湖のコーナーでシクリッド以外の 個性的な魚も展示することになっていました。   幼少時代からアクアリストで、熱帯魚図鑑ばかり見て育った私は、 ここぞとばかりにタンガニーカ湖の魚たちを思い浮かべました。 その時、ピンときたのがこのナマズです。   なんですかこの上アゴの長いヒゲ! なんか笑っているようですね。これは芸人の付けヒゲですよ! しかも先端部分はそうめんの様に平たくヒダ状に広がっていて、 おまけにカールして曲がってしまっています。 私がこのナマズと同じようなヒゲを伸ばすと どのくらいの時間と労力が掛かるのでしょうか?   名前はフェザーバーベルキャット ―羽(はね)のようなヒゲのナマズ― といいます。 餌を探す時や繁殖行動などで何か役に立っているのだと思います。   しかもナマズにしては珍しい口内保育(卵・稚魚を口の中で育てる)種です。 ふだんはシャイなので石の下に隠れていますが、 皆さん是非、探してみてください。   とても個性的なタンガニーカ湖の小型ナマズのご紹介でした。   最後に変なヒゲおじさんと変なヒゲなまずのツーショットでお別れしましょう!           ツイート

企画展「電気係り」がバックヤードをご紹介~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.7~ 
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企画展「電気係り」がバックヤードをご紹介~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.7~ 

みなさん、こんにちは。 トトで一番のさわやか系、ナカノくんからバトンを受け取りました。 トトで一番のこってり系、サナダです。 この4月に神奈川県にある「相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら」から戻ってきました。 どうぞよろしくお願いします。 ↓こちらは相模川ふれあい科学館のブログ「飼育日誌」。小さな水族館ですが、楽しさがギュっと詰まっていますよ! http://sagamigawa-fureai.com/diary/page/4/ さてさてみなさま、現在進行形の「アフリカ展」、楽しんで頂いていますか? 今回わたしは、この企画展で「電気係り」を担当しました。 ん、なに? 電気係り?? なんとも聞き慣れない担当ですよね。 そうなんです。この企画展を開催するにあたっては、さまざまな担当があるんです。 そこで今回は「アフリカ進化の湖」の裏側、バックヤードツアーにご案内いたします。 まず最初は「展示物収集担当」。 こちらはアフリカンシクリッドの生体や標本、映像を集めるのが仕事です。 シクリッドは企画展が始まる数か月前から、続々と水族館に到着。 ↓魚が無事に届いて、笑顔なヒゲのクニザキさん。 ▼写真01_魚が無事に届いて笑顔な国崎さん シクリッドは海外から空輸で届くもこともあれば、東京やつくばへ直接スタッフが車で受け取りに行くこともありました。 今回の企画展では、常設展も合わせるとおよそ65種ものアフリカンシクリッドが集結。 私たちも、はじめてお目にかかるシクリッドもいるため、 バックヤードでは予備水槽にも「種名板」を付けて、管理をしていました。 ↓バックヤードにあるマラウィ湖の予備水槽 ▼写真02_ ↓予備水槽に付けた種名板の一覧 ▼写真04_種名板一覧 つぎは「設備担当」です。 こちらは大水槽の製作をはじめ、ろ過設備の設計、電気係りなどがあります。 マラウィ湖の大水槽を裏から見ると、こんな感じです。 ▼写真05_スダちゃんと大水槽 この大水槽は高さが150cmもある特注品。移動できる水槽としては、かなりデカイ! ちなみに、隣の水槽では、口内保育のカエルレウスが泳いでいるのですが、 バックヤードに人影を見つけると、こんな風に集まってきてます。 ▼写真06_カエルレウスの視線が痛い エサ・・・だよね。ゴメン、ちょっと水温を見に来ただけなんだ・・・・。 そして、その向かい側にはタンガニカ湖の二階建て水槽があります。 バックヤードから見ると、こうなっています。 ▼写真07_タンガニカ湖の二階建て水槽 なんと、水槽台は木材を使い、展示に合わせて作ったもの。 もちろん、スタッフの手作りです。 そしておまちかね、電気係りの仕事がこちら。 ▼写真08_電気係りの仕事 いや~、美しいですね。 こんなにスッキリとしたバックヤードは、なかなか見られませんよ。 この素晴らしさ、伝わりますか? さてさて、それから最後にもう一つ、ご紹介したいものがあります。 口内保育の記念写真、いかがでしたか? この企画、スタッフのメモ書きを元に、製作したものなんですよ。 ちょっとスダちゃん、「スダノート」貸してね。 ▼写真09_スダノート+ 写真10_口内保育の記念写真 まだまだ、ご紹介したいバックヤードは、たくさんあるのですが 今回はここまで。 次は、笑顔なヒゲのクニザキさん。よろしくお願いします! みなさん、こんにちは。 トトで一番のさわやか系、ナカノくんからバトンを受け取りました。 トトで一番のこってり系、サナダです。 この4月に神奈川県にある 「相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら」から戻ってきました。 どうぞよろしくお願いします。 ↓こちらは相模川ふれあい科学館のブログ「飼育日誌」。 http://sagamigawa-fureai.com/diary/ 小さな水族館ですが、楽しさがギュっと詰まっていますよ! さてさて他館の宣伝はさておき、 みなさま、現在進行形の「アフリカ展」、ご覧になりましたか? 今回わたしは、この企画展で「電気係り」を担当しました。 ん、なに? 電気係り?? なんとも聞き慣れない担当ですよね。 そうなんです。 この企画展を開催するにあたっては、さまざまな担当があるんです。 そこで今回は 「アフリカ進化の湖」の裏側、バックヤードツアーにご案内いたします。 まず最初は「展示物収集担当」。 こちらはアフリカンシクリッドの生体や標本、映像を集めるのが仕事です。 シクリッドは企画展が始まる数か月前から、続々と水族館に到着。 ↓魚が無事に届いて、笑顔なヒゲのクニザキさん。    シクリッドは海外から空輸で届くもこともあれば、 東京やつくばへ直接スタッフが車で受け取りに行くこともありました。 今回の企画展では、常設展も合わせるとおよそ 65種ものアフリカンシクリッドが集結。 私たちも、はじめてお目にかかるシクリッドもいるため、 バックヤードでは予備水槽にも「種名板」を付けて、管理をしていました。 ↓バックヤードにあるマラウィ湖の予備水槽       ↓予備水槽に付けた種名板の一覧    つぎは「設備担当」です。 こちらは大水槽の製作をはじめ、 ろ過設備の設計、電気係りなどがあります。 マラウィ湖の大水槽を裏から見ると、こんな感じです。      この大水槽は高さが150cmもある特注品。 移動できる水槽としては、かなりデカイ! ちなみに、隣の水槽では、 口内保育のカエルレウスが泳いでいるのですが、 バックヤードに人影を見つけると、こんな風に集まってきてます。      エサ・・・だよね。 ゴメン、ちょっと水温を見に来ただけなんだ・・・・。 そして、その向かい側にはタンガニカ湖の二階建て水槽があります。 バックヤードから見ると、こうなっています。      なんと、水槽台は木材を使い、展示に合わせて作ったもの。 もちろん、スタッフの手作りです。 そしておまちかね、電気係りの仕事がこちら。  いや~、美しいですね。 こんなにスッキリとしたバックヤードは、なかなか見られませんよ。 この素晴らしさ、伝わりますか? さてさて、それから最後にもう一つ、ご紹介したいものがあります。 口内保育の記念写真、いかがでしたか? この企画、スタッフのメモ書きを元に、製作したものなんですよ。 ちょっとスダちゃん、「スダノート」貸してね。  ↓   まだまだ、ご紹介したいバックヤードは、たくさんあるのですが 今回はここまで。 次は、笑顔なヒゲのクニザキさん。よろしくお願いします!     ツイート

ビクトリア湖シクリッド研究者に出会った  ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.6
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ビクトリア湖シクリッド研究者に出会った ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.6

前回のリレーブログ にて「ペープサート監督 堀江(真)」から バトンを受け取ったロンギ(中野)です。 開催中(※8/18で終了です)の「わくわくシクリッド劇場」では、 ロンギが目立つ場面がありますので、みなさん必見です。 そのおかげもあり今はとっても有名で、 恐らく人気投票をしたらロンギが一位になるでしょう。 劇場終了後には、オールキャストが描かれた紹介資料も配っていますよ。 少しでも多くの人に楽しんでいただけたらと思い、 人形に命を吹き込み、皆様のお越しをお待ちしています。     さて、夏の特別企画展はご覧になりましたか?   タンガニーカ湖水槽には多種多様なシクリッドが、 マラウィ湖水槽には 淡水魚とは思えない色鮮やかなシクリッドが展示してありますが、 ビクトリア湖のシクリッドはどうでしょう・・・。   ここではビクトリア湖に生息するシクリッドをご紹介しようかと思います。 どんな種類がいて、どんな姿をしているのか知っていますか?   ビクトリア湖のシクリッドは、人が食用などに利用する為に放流された ナイルパーチという巨大な魚食性の魚によって食べられてしまい、 数・種類ともに激減し、大量絶滅が起きたことで有名です。 しかしどんな種類が生存しているのかはあまり知られておらず、 情報不足のため、魚を調達することは困難を極めました。   このような中、非常に貴重なビクトリアシクリッドを日本で研究している 二人の研究者の方々からお話を伺い、展示協力していただくことができました。   ここで少しだけ紹介させて頂きます。   まずはこちらの写真のシクリッドは  「ハプロクロミス・キロテス」です。 東京工業大学の二階堂先生から譲って頂いたのですが、 唇をよく見てください。  このシクリッドは「唇が肥大化」するのです。 不思議なことに、実は3つの湖それぞれに唇が厚くなるシクリッドがいるのですが、 環境に適応して唇が厚くなると考えられてはいるものの、 何のために共通してこの特徴が現れるのかは、はっきりとわかっていません。 二階堂先生はこのシクリッドを用いて、 「唇の肥大化」に関わる進化のメカニズムなどについて研究を進めています。   こちらは、国際科学振興財団の相原先生にお借りしたシクリッドです。  相原先生は、かなり混沌としているビクトリア湖シクリッドの  分類を研究しています。  ビクトリア湖のシクリッドたちはとても似ているうえ、 参考となる野生標本が絶滅などで不足していることもあり 分類がとても難しいそうです。 大絶滅がおきてから、現在シクリッドの数は少しずつ増えてきているそうですが 残念ながら一度崩壊してしまった生態系は元にもどることはないでしょう。   今回の展示水槽で、種を見つける難易度をつけたら ビクトリア湖>>>>>>タンガニーカ湖>>マラウィ湖 こんな感じになるかと思います。 正直飼育している私たちでも四苦八苦しながらやっと、といったところです。 ですが、こんなにも多くの種類が混泳するシクリッド水槽は なかなか見ることができないと思います。 ちなみにビクトリア湖水槽では、 あちらこちらで口に卵を含み育てているシクリッドの姿が見られますよ。    最後に、今回の企画展のキーワードである「進化」は わかりやすそうですが奥が深く、難しいテーマです。  子どもから大人まで幅広い世代のお客様に伝えられるよう、 色々と工夫することに努めました。 ペーパーキャップ、シクリッド劇場など、 一人でも多くの人が興味をもち 楽しく学んでいただければと思っています。 ぜひ皆さんで遊びにきてください。   次のリレーブログは「食」の達人、いや 仕事人こてこてせいじさんに語ってもらいます。     ツイート

ペープサートやりますよー ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.5~ 
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ペープサートやりますよー ~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.5~ 

こんにちは。暑い日が続きますがみなさま夏バテしてないですか? インテリ長身の野口氏からバトンを受け継ぎました。 ここでブログを書くのはちょうど1年ぶりの堀江(真)です。 その間、カエルやアシカやカワウソを飼育していた動物担当から 魚や水草、そしてエビ・カニを飼育する魚類担当に異動になりました。 以後、魚類担当の堀江(真)としてよろしくお願いします! さてさて、企画展の設営やペーパーキャップの準備・運営が 軌道にのってほっとするのも束の間、 また、新たな催し物の準備をしています。 8月10日(月)からは、ペープサート、いわゆる紙人形劇が始まります。 その名も「わくわくシクリッド劇場」。 ペープサートは過去にも一度開催していて、 その時担当させてもらったのが縁で、 今回もやらせていただくことになりました。 まずは台本作りからとりかかりましたが、 魚に対する知識がまだまだ浅いこともあり、 「これだ!!」と思う構想がなかなか浮かばず、 筆を執るまでにずいぶん日数を要してしまいました…。 さらに、 ① 難しくしない ② ウソやいい加減なことはやらない ③ お客様が途中でいやにならない この3点、非常にむずかしい。 それでもなんとか書けましたよ! ほかのスタッフにも 「こうしたらいいんじゃないか、ああしたらいいんじゃないか」 の肉づけもしてもらい、納得の台本ができました。 キャラクターのイラストや背景の絵は ショップ「フィッシュタンク」のスタッフにお願いして、 すごくいい感じに仕上がってます。 音声は、何日間もかけて台詞の読み合わせをした後、録音しました。 今は担当するスタッフたちで、 吹き込んだ音声に合わせて練習しています。 それと、本番用の人形作りも。 (練習用の人形は慣れない動作であっちこっちぶつけまくってもうボロボロですから。) こんな感じで練習しています↓    ビデオ撮影をしてもっといい動かし方はないかと模索中↓  こうした長い道のりを経て、ついに本番を迎えようとしています。 お客様がどんな反応してくださるのか 楽しみでもあり不安でもあります。 わくわくしていただけるといいんですけど…。 開催日時は 8月10日(月)~8月18日(火) 11:00~、12:30~、14:30~ です。 ぜひ見に来てください。 楽しげな雰囲気を作ってみなさまをお待ちしています。 さて、次回のブログは わたしがペープサートのシナリオを書くうえで、こちら        ネオランプロローグス・ロンギオール(※1)のキャラクター「ロンギ君」 のモデルにさせてもらった中野氏にバトンをたくします! イケメンですよ。 (※1) タンガニーカ湖にすむシクリッドの仲間。群れで生活し岩のすき間などに産卵します。   ツイート

アフリカの淡水魚 時々 日本の淡水魚。~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.4~ 
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アフリカの淡水魚 時々 日本の淡水魚。~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.4~ 

さてさて、魚卵・魚糞が大好きな須田さんからバトンを引き継いで、 第4弾を担当するのは野口です。 いつも須田さんとは机を並べて隣同士で仕事をしていますが、 隣から魚卵や魚糞の香りが漂って・・・・・はきません!! 気のせいです。   種類は関係なく、とにかく魚卵・魚糞が大好きで、見つけるとそれに一直線! 写真も撮りまくります!!パパラッチ須田です。 だいたいはこの魚が好き!とかありますけど・・・ かなり偏ってますよね(笑) ところで、皆さんはどんな魚が好きでしょうか? 自分の好きな魚はこんな感じのです。   タナゴの仲間やシマドジョウの仲間です。 タナゴの仲間はなんといっても婚姻色! そして、二枚貝の鰓の中に卵を産むという 不思議な生態を持っていることも魅力的。 タナゴの仲間は結構好きな方も多いですけど、 シマドジョウの仲間はかなりマニアックな世界なので 好きな人という以前に知らない人も多いかもしれません。 シマドジョウの仲間も色々いますが、とにかく見た目がそっくり。 なかなか見分けることが難しいです。 今まで同じ種類だと思われていたものを改めてしっかりと調べてみると、 実は別の種類のものでしたということで、 最近でもタンゴスジシマドジョウやオオヨドシマドジョウなどが 新たに発見されています。 下の写真はタンゴスジシマドジョウです。    見た目がそっくりということで同じだと思うことは、 魚からしたら結構失礼な話でしょう。 個人的に思い入れの強い魚の話をしてしまいましたが、 水族館ではこの夏からスタートした「アフリカ 進化の湖」ということで、 アフリカの湖に生息するシクリッドを展示しています。   このシクリッドもさまざまな環境に適応して進化してきた 多種多様なものがいます。 タナゴの仲間のように変わった生態をもつものや、 シマドジョウの仲間のように、 見た目がそっくりでも全く別の種類のものもいます。   全部の種類を見つけることができるでしょうか? 私は自信ないですね…(笑) 魚の見た目がカッコイイ、カワイイっていうのもヨシ! 一歩踏み込んで生態や進化的に面白いって思うのもヨシ! シクリッドはそのどちらも満たしてくれる この暑い夏にふさわしい熱い魚たちです。   タナゴやシマドジョウは その辺の川に行って自分で採って楽しむこともできますが、 アフリカのシクリッドはそうはいきませんよね。 去年は車で行ける「アマゾン」をお楽しみいただきましたが、 今年は「アフリカの湖」にも車で行けるということで、 この暑い夏は涼しい水族館で大小さまざまな水槽で泳ぐ 多種多様なシクリッドを思う存分お楽しみください。   (でも、日本の淡水魚もお忘れなく…)   次回のリレーブログは、今月の10日からスタートする ペープサート(紙人形劇)について この水族館のNo.1ペープサーター堀江(真)さんがお届してくれます。 乞うご期待!     ツイート

ちょっと覗きますよ。~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.3~
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ちょっと覗きますよ。~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.3~

魚類チームのラーメンリーダーこと波多野さんからバトンタッチ! “魚卵と魚糞を愛する”と紹介して頂きました須田がお送りします! 魚糞についても熱く語りたいところですが、 今回のお話では置いときましょうかね…! アフリカ進化の湖、私が担当することになったのは 「ネオランプロローグス・ブレヴィス」の展示でした。 ※以降ブレヴィスと表記します。  ブレヴィスはタンガニーカ湖の貝殻が集まる「シェルベッド」に生息する シクリッドの仲間です。繁殖も貝殻の中で行います。 特別展に向けて、 なんとかして「貝の中で子育てする姿」を展示することができないかと、 予備水槽での試行錯誤が始まりました。 ①とりあえず貝を入れてみよう! 加工せず、ありのままの巻貝を水槽に入れてみました。  入ってくれました! しかし、これでは中の様子はわかりません。 いったい中ではどのように過ごしているのか?気になります。 ②スケスケの貝を入れてみよう!!   この巻貝、ガラス製でなかなかオシャレなんですが、 一向にブレヴィスはお気に召さない! 全然入ろうとしません! 一度だけ、しっかり入りこんでいる姿を真田さんが目撃し、写真を撮ってくれました。 こんなふうに納まっているんですね… このまま展示出来たら分かりやすいのですが、 ほとんど利用しないため断念。 ③貝にのぞき穴をつけてみよう!!! 貝を切って、のぞくための穴をあけてみました。 貝には入るものの、すぐに通り抜けてしまい居心地が悪そうです。 風通しもとい水通りが良すぎるのかもしれません。   ちなみに、無茶しやがって…と言いたくなるような、 こんな個体もいました。      ④のぞき穴に透明の窓をつけてみよう!   これは気に入ってくれました!そしてなんと 卵を生んでくれました!!!! 感動です!体に対して卵は大きいんだなぁと感心しました。 しかしこのブレヴィス、意外と力持ちだったのです。 頻繁に貝をつついて移動させてしまうため、 この方法では観察に向かなさそう… 悩んでいたところ田上さんからアドバイスを頂きました。 その方法はというと、 ⑤透明の板に、貝をくっつけてみよう! ちょっとしたマンション感覚。   こちらも気に入って、すぐに入ってくれました。 そして 卵も生んでくれました!!! 安定感もバッチリ! 展示方法はこれに決定です!   念願の「貝の中で子育てする様子」はビデオに収め、特別展にて放映しています! ブレヴィスのおもしろい生態をぜひ、ご覧くださいね!   ブレヴィスが実際に貝に入る様子も、この小窓から覗くことができますよ! ぜひ、こっそりと覗いてみてください♪     そしてなんと今! 展示槽でブレヴィスが子育てする様子を実際にご覧いただけます!!!! 7月24日に産卵、27日にふ化を確認しています。 これまでの観察から、 産卵から10日程すると稚魚が貝殻から出てくると予想されますので、 ご覧になる方はお早めにお越しください!!   赤ちゃんブレヴィスの成長については、 改めてブログでお伝えできればと思っております! それではまた!   お次のリレーブログは、 日本淡水魚を愛してやまない長身インテリ野口さんです! お楽しみに!     ツイート

目からウロコの「ペリソーダス・ミクロレピス」~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.2~
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目からウロコの「ペリソーダス・ミクロレピス」~「アフリカ進化の湖」日記 Vol.2~

数ある麺類というカテゴリーの中で、 種分化的に独自の発展を遂げてきたラーメンという食べ物。 そして各地に根差し進化してきた、まさに適応放散的なご当地ラーメン、 そして今なお進化の途中であり続ける。 ラーメン、それはまさにシクリッド的ではありませんか・・・。 自分で書いていて嫌になりますが、 前回の田上氏のくだりを受けて、こんな出だしに。 ラーメンの進化に興味を示し、魚の変化に心を配る波多野です。   特別企画展「アフリカ 進化の湖」が始まって、1週間が経ちました。 すでに多くのお客さまにご覧いただき、ありがとうございます。 さて今回ご紹介するのは、 「Perissodus microlepis ペリソーダス・ミクロレピス」(以下 P.ミクロレピス) というシクリッドです。     元々は、富山大学の竹内勇一先生からの共同研究の申し出があり、 当館で去年の4月から飼育を開始した魚です。 そのころは、展示して皆さまにご紹介できるようになるとは 思ってもいなかったので、感慨深いですね。 そしてこの魚、おもしろいのです。 何がおもしろいかと言いますと、 この魚は、なんとウロコを食べて生活をしているのです! ウロコですよ、ウ・ロ・コ。 詳しく言いますと、他の魚のウロコを口ではぎ取って食べているのです。 しかもほぼウロコのみを食べて生活しているという変わりもの。 そのため「鱗食魚」と呼ばれたりもします。 ウロコは元々、 ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)とコラーゲン繊維(タンパク質) が主成分であり、 消化さえできれば良質な餌となるのです。 まさに生息環境をめぐる競争の中で、 他の魚にはない特徴を獲得して、生き延びてきたのですね。 さらに、このP. ミクロレピスには左右の利きがあるのです。     私たちにも、右利きや左利きといった、利き手や利き足がありますよね。 このP. ミクロレピス、ウロコを剥ぎ取るのに、 体の右側からアタックするもの(右利き)と 左側からアタッタクするもの(左利き)がおり、 アタックをする方向つまり「利き」で口の傾きが異なってくるのです。   これは顎の発達具合にも関係しており、 捕食行動と頭部形態が密接に関係しているようです。     まさにスゴワザ。 スゴ過ぎますこのP. ミクロレピス。 このP. ミクロレピスをモデルとしたシクッリッド帽子も ちゃんと口が曲がっているのにはこんな訳があるのです。     さらにさらに、このP. ミクロレピスは一般的に流通しているような魚ではなく、 ほとんど日本でお目にかかることはないと思います。 だって他の魚のウロコを食べてしまうので、混泳できないですし、 同種間でも激しく争う気性の荒さ。 そんなユニークで貴重なこのP. ミクロレピスが、当館でご覧いただけます! さらにさらにさらに、ちょうど去年の7月に工夫を凝らして繁殖に成功し、 稚魚を得ることができました。   稚魚を保護する親       稚魚   竹内先生は、 生物の持つ左右性を行動科学や神経行動学的に研究をされており、 このP. ミクロレピスをモデルにその解明に努められています。 共同研究というとおこがましいのですが、 水族館でもその一助を担えればと思っています。 そして、このP. ミクロレピスのもつ素晴らしさやおもしろさ、 これまでに分かった知見を多くの方々に伝えていくのも、 当館が担える仕事の一つではないでしょうか。 今回は、特別企画展を通して、P. ミクロレピスを紹介させていただきました。 シクリッドの多様性すごいですね、本当に。 こんなおもしろい魚、いつ見られるの? 今だけでしょ! リレーブログ、次は 魚卵と魚糞をこよなく愛す、少し偏った感性をお持ちの須田さんです!     ツイート

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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