おもしろ飼育コラム

新人広報なつめ 【特別展取材日記 Vol.5】
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新人広報なつめ 【特別展取材日記 Vol.5】

みなさんこんにちは。   ちょっと暖かくなったと思って油断をしていたら また雪が降りそうな、さむ~い日が続いていますね。   今日はそんなさむ~い日に、冷た~い!! 取材レポートです。    1月17日(木) 下を向いて夢中な男の子がひとり。   「何してるの~?」   中に何かが入っている様子…。   「つ、つめたい。。。」   はい、こちらの冷た~い展示は 渓流の水の冷たさを体感してもらうコーナーなんです。   しかも!ただ冷たいだけじゃありません! 水の中にはいくつも、水生昆虫の封入標本が入っていて 取りだして観察し、種類ごとに分けることができます。     先日、サナダ氏の渓流展ブログで紹介された封入標本は こんな風に使われていたんですね。   封入標本がどんなものか気になっていた方! ぜひ、冷た~い水に手を入れて!! じっくり観察してみてください☆   特別企画展示「渓流 命の旅のはじまり」は3月10日(日)まで まもなく終了ですので、お見逃しなくー。   それでは、また!    ツイート  
ナガレタゴガエル産卵しました。
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ナガレタゴガエル産卵しました。

先日、ナガレタゴガエルのメスを展示水槽に移動させたとお伝えしたばかりですが、 早速産卵しました。 観察しやすいよう&オスが卵塊をブチ壊さないようにしっかりガードして展示しています。   これにより、オスたちの定位置に変化が見られています。   定位置を奪われ、「そこは俺の場所だ!」と悔しがるオス(ウソ)。 定位置を奪われたショックで、卵塊の上で茫然とするオス(ウソ)。   なにはともあれ、よく見える位置にいてくれるとありがたい。   受精していることを願います。 今回はいわゆる「持ち込み腹」での産卵ですので、何も自慢できることはありませんが、 いずれはこの卵から育てたナガレタゴを飼育下繁殖させたいですね。   産卵後のメス。お腹ペッコリ。 お疲れ様でした。    ツイート  
渓流展ブログ11「封入標本」
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渓流展ブログ11「封入標本」

みなさん、標本は好きですか?   みなさん,標本は好きですか? わたしはこれまで,正直,標本の面白さが分からない人でした・・・・ 標本は,学術的に貴重な資料ですが, 少し黄ばんだ液体の中に,何やら生き物が入っていて それを少し不気味に感じていたのです. でもでも,それは封入標本に出会う前の話. 今ではすっかり「標本好き」になりました. 今回の渓流展でも,水生昆虫を封入標本にして展示しています. ■写真001 封入標本は,透明なプスティック樹脂で標本の周囲を固めているので, 色々な角度から,生物を観察することができます. ■写真002 また,標本なのに,とってもキレイなんです. これなら虫嫌いの方でも,「ちょっと虫ってステキかも・・・」 と思ってくれるに違いありません! そこで今回は,この封入標本の作り方をご紹介したいと思います. まず,標本の主役である水生昆虫を採集して,エタノールに置換します. ■写真01 この作業で,生物の体内に含まれる水分を完全脱水して,標本に使います. 今回はエタノールの濃度を80%から99%に,3週間ほどかけて脱水しました. さて,脱水が完了したら,いよいよ封入作業です. 材料はこちら ■写真03,02 不飽和ポリエステル樹脂と硬化剤は, ネット通販で入手しました. それから,樹脂を入れるタッパー. 100円ショップで,ポリプロピレン製のものを使用しました. 容器は耐熱温度が120度以上で,内側に凹凸や刻印がないものがオススメです. ではでは,封入作業です. まずは,一層目に樹脂を流し込みます. ■写真04 これは標本を置く土台になるので,薄すぎないことがポイントです. 一層目がある程度硬化した時点で,標本を置きます. ■写真05 この時,テンプラの衣を付ける要領で, 標本の周りに樹脂を付けると,空気の混入が少なくなります. 一層目と標本が硬化したら,三層目を流し込みます. ■写真06 この時,硬化が不十分だと,標本が浮いてしまうので,要注意です. そして,数日後・・・ ■写真07 樹脂が完全に固まったら,完成です! 容器のお尻を軽く叩くと,樹脂がぽろっと外れます. もっとも嬉しい瞬間です. 最後は研磨. ■写真08 これが最も大変な作業で,根気のない私は,ここをサボってしまいます. バットに水をはり,耐水性のサンドペーパーで, 80番→400番→1000番→1200番と数字を上げて行きます. そして仕上げは,台所でよく見かける研磨剤を布に付け,磨き上げたら完成です. 封入標本マイスターの当館スタッフ・河合さんによると エタノールで置換する際,纏足(てんそく)して足の形を整えると ステキな封入標本ができるそうです. ■写真09 ではでは,みなさんも 封入標本を通じて,水生昆虫の世界を楽しんで下さい!みなさん,標本は好きですか わたしはこれまで、正直、標本の面白さが分からない人でした・・・・ 標本は、学術的に貴重な資料ですが、 少し黄ばんだ液体の中に、何やら生き物が入っていて それを少し不気味に感じていたのです。   でも、それは封入標本に出会う前の話。 今ではすっかり「標本好き」になりました。   今回の渓流展でも、水生昆虫を封入標本にして展示しています。   封入標本は、透明なプスティック樹脂で標本の周囲を固めているので、   色々な角度から、生物を観察することができます。   また、標本なのに、とってもキレイなんです。   これなら虫嫌いの方でも「ちょっと虫ってステキかも・・・」 と思ってくれるに違いありません!   そこで今回は、この封入標本の作り方をご紹介したいと思います。   まず、標本の主役である水生昆虫を採集して、エタノールに置換します。   この作業で、生物の体内に含まれる水分を完全脱水して、標本に使います。   今回はエタノールの濃度を80%から99%に、3週間ほどかけて脱水しました。   さて、脱水が完了したら、いよいよ封入作業です。 材料はこちら↓   不飽和ポリエステル樹脂と硬化剤は、   ネット通販で入手しました。   それから、樹脂を入れるタッパー。   100円ショップで、ポリプロピレン製のものを使用しました。   容器は耐熱温度が120度以上で、内側に凹凸や刻印がないものがオススメです。   ではでは、封入作業です。 まず、一層目に樹脂を流し込みます。   これは標本を置く土台になるので、薄くしすぎないことがポイントです。     一層目がある程度硬化した時点で、標本を置きます。   この時、テンプラの衣を付ける要領で、   標本の周りに樹脂を付けると、空気の混入が少なくなります。   一層目と標本が硬化したら、三層目を流し込みます。   この時、硬化が不十分だと、標本が浮いてしまうので、要注意です。     そして、数日後・・・   樹脂が完全に固まったら、完成です!   容器のお尻を軽く叩くと、樹脂がぽろっと外れます。 もっとも嬉しい瞬間です。   最後は研磨。   これが最も大変な作業で、根気のない私は、ここをサボってしまいます。   バットに水をはり、耐水性のサンドペーパーで 80番→400番→1000番→1200番と数字を上げていきます。 そして仕上げは、台所でよく見かける研磨剤を布に付け、磨き上げたら完成です。   封入標本マイスターの当館スタッフ・河合マイスターによると エタノールで置換する際、展足(昆虫の標本の形を整えること)して足の形を整えると ステキな封入標本ができるそうです。       ではでは、みなさんも 封入標本を通じて、水生昆虫の世界を楽しんで下さい!      ツイート  
水面下の熱き戦い
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水面下の熱き戦い

渓流展のナガレタゴガエル水槽には5匹のオスがいます。 中心に配置された石を囲むように、奥に2匹、手前に3匹が定位置になっています。 日中はだいたいいつもこのポジションなので、ほとんど動きません。   しかし、夜になると一転、活発に活動しだします。 そう、メスをめぐる熱きバトルを夜な夜な繰り広げているのです(注 メスはいません)。 突然、相手に組みかかっていく姿が見られます。 メスだろうがなんだろうが、動いたものに敏感に反応して、とりあえず抱きつこうとします。 イワナなどの渓流魚に抱きつくこともあるそうです。   夜間、これだけ熱いバトルを繰り広げようとも、残念ながら水槽内にはメスはいません。 抱きつくもの全て他のオスばかり。 それでもめげない君たちの熱い思いは充分伝わった!!   ということで、バックヤードに1個体だけいるメスを展示水槽にだすことにしました。 (バックヤードで別のオスが抱接していましたが、ひっぺがして移動です。ゴメンネ)   さあ、いよいよ展示水槽にいれます。 この5匹、どの個体がメスに抱きつけるのか、目が離せません。 勝負は一瞬でした。逆に抱きついてますが、大丈夫。 ちゃんと一分後には下の動画のように抱接しており、 他のあきらめきれないオスのアタックに耐えています。 逆向きで抱きついても、タイミングを見計らって他のオスが離れたところで、 サッと方向転換していました。いやー、うまいもんでしたよ。華麗な体さばき。 映像は撮り損ねたんですけどね ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \   ということで、今なら抱接シーンがご覧いただけます。 あとは渓流展開催中に産卵してほしいですね。        ツイート  
渓流展ブログ10「水生昆虫」
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渓流展ブログ10「水生昆虫」

  こんにちは。真田です。 みなさん、水生昆虫を捕まえたことがありますか? 私がカワイイ子どもだった頃、住宅地の一角に、水道管が漏れていたのか いつも水浸しになっている空き地がありました。 そこには、ゲンゴロウやタイコウチ、ミズカマキリなどが棲んでいて 毎日のように、友達と水生昆虫を捕まえに行った記憶があります。 今、思えば、この場所は「ビオトープ」 (ここでは、水溜りなど、人工的につくられた生物の生息空間をさします) のさきがけだったように思います。 さてさて、これらは「止水性」の水生昆虫ですが、 今回、ご紹介したいのは「流水性」の水生昆虫です。 そお、流れの速い渓流には、たくさんの水生昆虫が棲んでいます。 河川に棲む主な水生昆虫は、3つの種類がよく知られています。 まずは、カゲロウ類。 (写真:カゲロウ) 平らな体と、2本から3本ある尾が特徴です。 そして、カワゲラ類。 (写真:カワゲラ) マダラ模様で強そうですね。 脇のあたりを見ると毛が生えています。 これはワキ毛ではなく、エラなんですよ。 もうひとつは、トビケラ類。 (写真:トビケラ) イモムシみたいですね。 小さな石をくっつけて、巣を作る種類もいます。 これらの水生昆虫。 実は、河川の環境について、メッセージを私たちに教えてくれます。 岐阜県の方なら「カワゲラウォッチング」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。 川に棲んでいる虫を調べることで、川の環境や水質の状態を知ろうという活動です。 カワゲラ類の多くの種類は、水のキレイなところに棲んでいるので、 この虫が採集されれば、川の水はキレイという指標になります。 また、カワゲラの多くは肉食なので、その場所には 他の水生昆虫も多く棲んでいることが分かります。 その他に、トビケラ類の中には、携巣(けいそう)型といって 砂利や砂を使って、巣を作る種類がいます。 この虫が採集されれば、川に砂や小石が正常に流れている状態であることや その場所は、砂などがたまりやすい、緩やかな流れてあることが分かります。 川の水質を調べるには、パックテストなどの化学分析を用いることもあります。 ただ、化学分析では、水を採集した一瞬の状態しか知ることができません。 一方、水生昆虫は数ヶ月から数年間、その川に棲んでいるので、 もう少し長い時間の状態を知ることができます。 水生昆虫って、スゴイ!こんにちは。真田です。 こんにちは。真田です。 みなさん、水生昆虫を捕まえたことがありますか?   私がカワイイ子どもだった頃、住宅地の一角に、水道管が漏れていたのか いつも水浸しになっている空き地がありました。   そこには、ゲンゴロウやタイコウチ、ミズカマキリなどがすんでいて 毎日のように、友達と水生昆虫を捕まえに行った覚えがあります。   今、思えば、この場所は「ビオトープ」 (ここでは、水溜りなど、人工的につくられた生物の生息空間をさします) のさきがけだったように思います。   さてさて、これらは「止水性」の水生昆虫ですが、 今回、ご紹介したいのは、流れのある場所にすむ「流水性」の水生昆虫です。 そお、流れの速い渓流をはじめ、河川には、たくさんの流水性の水生昆虫がすんでいます。   この仲間には、主に3つのグループがよく知られています。 まずは、カゲロウ類。 平らな体と、2本から3本ある尾が特徴です。 写真は幼虫ですが、成虫になると口がなくなるため、何も食べれません。 ・・・私はカゲロウになれそうもありません。   つぎに、カワゲラ類。 マダラ模様で強そうですね。 脇のあたりを見ると毛が生えています。 これはワキ毛ではなく、エラなんですよ。   そして、トビケラ類。 イモムシみたいですね。 写真はヒゲナガカワトビケラとう種で 小さな石をくっつけて、巣を作ります。   さて、これらの水生昆虫、 実は、河川の環境について、メッセージを私たちに伝えてくれます。   岐阜県の方なら「カワゲラウォッチング」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。 川にすんでいる虫を調べることで、川の環境や水質の状態を知ろうという活動です。   カワゲラ類の多くの種類は、水のキレイなところにすんでいるので、 この虫が採集されれば、川の水はキレイという指標になります。 また、カワゲラの多くは肉食なので、その場所には 他の水生昆虫も多くすんでいることが分かります。   その他に、トビケラ類の中には、携巣(けいそう)型といって 砂利や砂を使って、巣を作る種類がいます。 こちらの写真は、ヤマトビケラが小石でつくった巣です。 このような種が採集されれば、川に砂や小石が正常に流れている状態であることや その場所は、砂などがたまりやすい、緩やかな流れてあることが分かります。   川の環境を調べるには、パックテストなどの化学分析で水質を調べる方法もあります。 ただ、この方法では、水を採集した一瞬の状態しか知ることができません。 一方、水生昆虫は数ヶ月から数年間、その川にすんでいるので、 もう少し長い時間の状態を知ることができます。   水生昆虫って、エライ!      ツイート    
渓流展ブログ9 「こぼれ話」
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渓流展ブログ9 「こぼれ話」

みなさん、こんにちは。 アマゴの稚魚もすっかり卵黄を吸収して、泳ぎ出しています。      渓流展ブログもいよいよ佳境に差し掛かってきました。 ブログのネタが心配されるところです。 ですので、今回は直接特別展には結び付きませんが、 これまでに渓流で出会った、いや出会ってしまった生きものをご紹介します。      渓流を歩いていると、背後に気配が。  振り返ってみても誰もおらず。 でもやはり気配が・・・。    で、肩の上で「こんにちは」と頭を下げるやつ。         そうヒルです。    これには参ります。 このヤマビルは動物の血を吸うのです。 吸われて痛いわけではないのですが、血液凝固を防ぐヒルジンを出すので 中々血が固まりません(昔、教科書に載っていたような)。 渓流域を歩く時は気を付けて下さいね。    そして更に歩くと、前方にただならぬ気配が。 近くに人を寄せ付けないようなオーラ。 これはひょっとして。       そうです、マムシです。 猛毒を持っていますので、近づかないように。   渓流の岩の上で日光浴している姿を見かけます。 そりゃもう、これは要注意です。 近づかないに、こしたことはありません。 直ぐに逃げましょう。 フィールドに出掛けるにはやはり事前の準備が大切ですね。   ヒルもマムシたちも、人間から見ればちょっとやっかいですが、 渓流に生き、生態系を司る大切な生きものたちです。   まだまだ特別展では紹介しきれない生きものがいる渓流。 特別企画展示「渓流 命の旅のはじまり」をまだご覧になられていない方は、 3/10(日)までの開催ですのでお早めに!     ツイート    
新人広報なつめ 【特別展取材日記 Vol.4】
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新人広報なつめ 【特別展取材日記 Vol.4】

皆さんこんにちは。 また、ここ数日雪が降りましたねえ。 だいぶ解けましたが、やっぱり岐阜の冬は侮れないなあと痛感しました。。   さて、飼育スタッフによる『渓流展リレーブログ』で、 いくつか特別展の紹介がされてきましたが… 今回新たな企画が始まったということで!   さっそく取材にいって参りました!   29(火) 多くのお子様で賑わった“落葉プール”。 あれ?? なんか、落葉が減ったような…。 魚がいるような…?!   そうなんです! 実は27(日)に、落葉プールから“テンカラ釣り”コーナーへ変わりました!   “テンカラ釣り”とは 毛鉤(けばり)といって、水生昆虫に似せた釣り針を使用して 渓流を主な釣り場とする、日本伝統の毛鉤釣りです。   こんな風に 羽が釣り針についているんです。 (キッズコーナーでは、針の代わりにマグネットです)   早速、1人のお子様が遊んでくれています。     「何が釣れましたか~?」   「おーさーかーなー!」     「アマゴ」「サツキマス」「イワナ」など、 結構リアルな渓流魚が釣れちゃいます!   本日遊んでくれていたお子様も、落葉プールを目的に遊びに来てくれたんですが、 テンカラ釣りコーナーに変わっていましたので、 こちらのコーナーで楽しんでくれました。   テンカラ釣りコーナーは企画展終了(3/10)までありますので、 ぜひ遊んでみてくださいね♪   それでは、また!      ツイート  
渓流展ブログ7 「ハコネサンショウウオ」
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渓流展ブログ7 「ハコネサンショウウオ」

渓流展も始まって、早1ヶ月。みなさん、お忘れではないですか? 渓流と言えば…。   そう、「流水性小型サンショウウオ」。   まさに満を持してのリレーブログ登場です。 流水性小型サンショウウオと言っても、結構種数がいます。 今回どの種を展示するか非常に悩みましたが、ここはやはり岐阜県にすむ流水性サンショウウオで、 しかも常設展示していないということで、ハコネサンショウウオに決定。   ちなみに、冊子型詳細解説には京都大学の西川先生に執筆していただきました!必読!   さて、ハコネと言えば、2009年夏の「サンショウウオ展」以来、2度目の展示となります。 サンショウウオ展の時は幼生を展示しましたが、今回は幼体と成体を展示しています。   ハコネサンショウウオといえば、日本にすむ両生類で唯一肺を持っていないこととか、 繁殖期にはオスの後肢が野球のグローブを着けたように厚く膨らむこととか、 <非繁殖期> <繁殖期>   郷土料理(下の写真は燻製)として利用されていることとか、 (卵持ってるメスなんですよね、この個体…)   くわしく紹介したいトピックはたくさんあるんですけれども、とりあえずは今回は写真だけで、 話のメインは、明日26(土)に追加展示するコレのお話しをば、聞いていただければ嬉しく思います。   <コレ> ズバリ、ハコネサンショウウオの卵嚢!!!   これはね、ヤバいですよ。展示は日本初ですよ(たぶん)。 ハコネサンショウウオの繁殖場所は河川源流部の大きな岩の裏や、地下伏流水中とあって、 繁殖場所の確認例はわずかしかありません。 正直、カワネズミは野外で見ることがあっても(それもまぁレアな体験ですが)、 ハコネ卵を見つけるなんてことは、まぁ無いでしょう。 それくらいスゲーのです。   上は産卵直後(昨年9月初旬)の写真です。 無精卵を産ませることにかけては右に出るものがいない、 「未受精のファンタジスタ」と全く有り難くない二つ名をもつ私ですがご安心ください。 展示するのは受精卵で、現在はこのようになっています。   今の飼育水温ですと、孵化に約5カ月ほどかかると思いますので、   あと一カ月は卵嚢に包まれた胚の成長をご覧いただけます。   なんだか、自然繁殖させたみたいなのでちゃんとお話しておきますと、 今回は人工的に繁殖させたものなのです。 麻酔後、腹腔内にホルモン剤を注射した親個体を、暗くしたコンテナに入れて産ませました。   (注射中。もちろん、親個体は今でも元気にしていますよ。)     数日後、こんな風に産卵していました。     実は、70年以上前の文献でハコネサンショウウオの飼育下での繁殖行動が紹介されていたり、 NHKさんの映像でも繁殖行動が撮られています。コチラ   今年は自然繁殖を目指します。そんでもって繁殖行動も観察&撮影したいなーと思っています。 中村定八 1941.函根山椒魚の生態に就いて.植物及動物,9(11):422-426;9(12) :515-521.    ツイート
渓流展ブログ6 「落ち葉」
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渓流展ブログ6 「落ち葉」

みなさん、こんにちは。サナダです。   みなさん、こんにちは。サナダです。 渓流の主役といえば、イワナやアマゴ。いいですね?。 また、今回の渓流展ではカワネズミの株が上がっているようです。 しかし、今日は渓流の隠れた主役である「落ち葉」について、 紹介したいと思います。 渓流の周囲には「渓畔林」とよばれる森林が発達しています。 そのため、川の中に太陽の光がほとんど届きません。 この写真は,魚眼レンズで川から空を見上げて撮影したものです. ご覧の通り,渓畔林で覆われているため,ほどんど空が見えません. 渓流の川の中は、水草や藻類にとって光合成ができない、とっても厳しい場所なんですね。 そんな厳しい渓流なのですが,ここで救世主が登場. そぉ.「落ち葉」です. 渓流では、落ち葉が命の出発点になっています. ちなみにこの落ち葉などの有機物は、「POM」といいます. ピーオーエムやポムと言ったりしますが、 粒子状になった有機物のこと(Particle Organic Matter)で, 川にすむ虫たちのエサとして利用されています。 また,このPOM,渓流や上流では,有機物の粒子が粗い(coarse)のでC-POM. 中流では,細かく(fine)砕かれたF-POMとよばれ,形を変えて生き物に利用されています. 渓流展の落ち葉プールは,まもなく別の展示に入れ替える予定です. あと少しですが,落ち葉の世界をお楽しみください!みなさん、こんにちは。サナダです。 渓流の主役といえば、イワナやアマゴ。いいですね~。 また、今回の渓流展ではカワネズミの株が上がっているようです。   しかし、今日は渓流の隠れた主役である「落ち葉」について、 紹介したいと思います。   渓流の周囲には「渓畔林」とよばれる森林が発達しています。 そのため、川の中に太陽の光がほとんど届きません。 こちらをご覧ください。 この写真は、渓流で、魚眼レンズを使い空を見上げて撮影したものです。 ご覧の通り、空の大部分は、渓畔林で覆われていることがわかります。   渓流の川の中は、水草や藻類にとって光合成ができない、とっても厳しい場所なんですね。   そんな厳しい渓流なのですが、ここで救世主が登場。 そぉ。「落ち葉」です。   渓流では、この落ち葉が、渓流にすむ生き物にとっての「命の出発点」になっています。   ちなみにこの落ち葉などの有機物は、「POM」といいます。 ピーオーエムやポムと言ったりしますが、 粒子状になった有機物のこと(Particle Organic Matter)で、 川にすむ虫たちのエサや巣材として利用されています。   また、このPOM、渓流や上流では、有機物の粒子が粗い(coarse)のでC-POM。 中流では、細かく(fine)砕かれたF-POMとよばれ、形を変えて生き物に利用されています。   渓流展の落ち葉プールは、まもなく別の展示に入れ替える予定です。 あと少しですが、落ち葉の世界をお楽しみください!        ツイート
渓流展ブログ5 「渓流魚」
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渓流展ブログ5 「渓流魚」

みなさんこんにちは。    渓流展も開催から1ヶ月が過ぎ、色々と変化もありました。 そんな中、今日は「渓流魚」について書いてみたいと思います。   渓流にすむ魚と言えば、アマゴやヤマメ、ニッコウイワナやヤマトイワナなどの いわゆるサケ科の魚たちが良く知られていますね。   これらサケの仲間は主に水の冷たい環境でなくては生きていけません。   渓流域では、夏場でも川岸にある森(渓畔林)によって日射が遮られ、水温が低く保たれており、 そのため日本の本州では、 河川上流の一年を通して水温の低い渓流域がアマゴやイワナの 主な生息場所となっています。     他にも森は、渓流魚の餌となるような落下昆虫や、水生昆虫の餌となる落ち葉も供給し、 大きく育った水生昆虫は渓流魚の大切な餌ともなります。 まさに森がないと渓流魚も生きてはいけないのです。    またアマゴやヤマメの一部は海に下り、大きくなって産卵のために 上流域へ遡ってくるという回遊生態を持っています。 川の上流から海までつながっていないとこのような回遊は遮断されてしまい、 その生態系を維持出来ないのです。    次に習性について少し。 渓流魚のすむ川の上流は水が透き通り、良く見渡せます。 そのため渓流魚たちも、目を良く使い、餌を追います。 水面に落ちてきた餌には瞬時に反応し、物陰から一気に水面へとび出してきます。       では今回は、アマゴの頭をご紹介しましょう。 まずは上から         そしてこちらを開くと、このように魚の脳が見えてきました。    アマゴなどのサケ科の特徴としては、目を使い獲物を捕えるので、 視蓋という視覚に係わる部位が脳の中でも発達しています。 脳の形を見るとその魚の生態を良く反映していることが分かります。   本当は他にナマズの脳などと比べられると良いのですが、 写真を持っていませんので、またご紹介出来ると良いですね。    このようにアマゴなどの渓流魚は目を使い獲物を追う習性があるので、 毛バリやルアーなどで釣ることが出来るのですね。   そして今回特別展では、アマゴの受精卵を展示しておりました。     アマゴは秋になると産卵をし、二ヶ月程した冬に孵化が始まります。  アマゴは見たことあっても、受精卵や孵化した仔魚を見る機会は少ないのではないでしょうか。    特別展で展示していました受精卵も12月下旬に孵化が始まりました。     日々成長をする姿、この機会にぜひご覧下さい。    特別企画展「渓流 命の旅のはじまり」は3月10日(日)まで開催しております。   長々とお付き合いありがとうございました!      ツイート  
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本日の開館時間

9:30-17:00

最終入館 16:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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