おもしろ飼育コラム

天寿全う
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天寿全う

現在、開催中の夜行性動物展では、 サビアユ(落ちアユ)の展示も行っています。   アユは、夏の日の一番長い時期を過ぎ、 秋になり日が短くなると繁殖期をむかえ、河口付近へと下り産卵します。 つまり、夜の時間が長くなってきたなぁとアユが感じると、 産卵期をむかえるわけです。   繁殖期を迎えたアユは成熟が始まり、体が黒くなりますが(婚姻色)、 水族館では冬もアユを展示できるように、展示水槽の照明を24時間点灯して、 秋を感じさせないようにしています。   さて、難しい話はさておき、今回の特別展示では、 本来のアユの姿を見てもらいたいということで、 サビアユ(落ちアユ)を展示しています。       そして、昨夜未明産卵したようで、 朝水槽をのぞくと、水底にはたくさんの卵が砂利にくっついていました。   アユのたまごは、0.7~1.1mmの大きさで、 1匹のメスが数万個ものたまごを産むそうです。   アユは年魚で、産卵すると死んでしまいます。 今回の卵は受精しているのかは分かりませんが、天寿を全うして、 あとは死にゆくのみです。 3カ月という展示期間よく頑張ってくれました。   しかし、展示期間は、あと2週間あります。 もう少し頑張って!!と願う今日この頃です。  ツイート

秋の企画展
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秋の企画展

こんにちは。もうめっきり秋ですね。 今は秋の企画展「のぞいてごらん夜の森を~夜行性動物展~」を開催中です。 今回の企画展は、わたしは担当していないので、毎日客観的に、企画展を眺めています。 「モワモワが多いな…」 いつもカエルだのヘビだの…、あとはエサのコオロギやアジやサバなど、ぬるっとしたものや、 つるつるっとしたものをよく扱うのですが、今回の企画展はモワモワした生き物が多い。 まずはこちら。ニホンモモンガです。 目を開けたまま寝ることがあるようで、その様子を初めて見た時は、 死んでるのかと思ってだいぶびっくりしました。 次はカヤネズミ。ちっちゃいです。サツマイモが好きです。 で、最後を飾るのは、存在感たっぷりのフクロウ。よく目が合います。 おっと、忘れてならないモワモワの持ち主がもうひとつ。 はさみ脚にモワモワがついてるモクズガニです。 川の中流から下流で生活していますが、産卵は海で行います。 甲幅6cmぐらいの大型のものがわっさわっさいます。 「やっぱりカニは、しぶくてかっこいいね~♪」って水槽を上からのぞきこむと、うっ! 臭くてげんなり…。   これぐらい大型になると、川や陸のカニって独特のにおいがします。 モクズガニについて調べていたら、「飼育するには植物質のエサを多めに与えるほうがよく、 かぼちゃを多く与える」と本に書いてありました。   かぼちゃ!!モクズガニがかぼちゃを食べるところなんて見たことないです。見たい! かぼちゃに群がるモクズガニ…魅力的です。 企画展の担当者に、かぼちゃを与えてみてもいいか聞いてみようと思います。       ツイート  

プレコの目
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プレコの目

長らく続きましたプレコ展も、いよいよ7月16日をもちまして終了となります。   私はとりたてて「プレコが大好きだ!」ってこともなく、 「どちらかといえば好き、かな」という優柔不断な立ち位置で今まで過ごしてきました。 なので、正直あまり詳しくありません。 「そんなことも知らなかったのかよ!」と言われれば、 そうなんですゴメンナサイ勉強します、と素直に反省するレベル。   とにかく、今回の特別展でその立ち位置を大幅に変更することになったわけでして、 今の気持ちは、プレコかわいいよプレコ。プレコおもしろいよプレコ、です。 (ブッシーだけはちょっと苦手…)   プレコで一番目をひく特徴は、やっぱりあの口なんでしょうが、 今回たくさんの種のプレコをみて、個人的に興味を持ったのが「目」でした。   こんな終了直前に、ブログに書くのもどうかなと思いましたが、 あと数日の間に皆さんが「プレコ観察したい!」とアクア・トトにつめかけるのでは、 という駆け込み需要を期待して(笑)   で、本題ですけれども。プレコの目はオメガアイなんて呼ばれています。 オメガ→「Ω」 こんな形をしたフタ的なものが、明るい場所だと逆向きに垂れ下がってきます。 (暗い場所だとこのフタ的なものが上がります)   とある論文で、これは光量調節を行うだけじゃなく、上部にいる外敵に発見されにくいようカモフラージュしつつも、 前方・後方の視界は確保できるぜぇ~、というのを目にしました。 「ホントかよ!」って思ったのですが、色々観察してみるとナルホドそうなのかもしれないなぁと感じております。 それでは以下写真を見てください。   ブルーフィンペコルティア   ドラゴンスタークラウン   次はフラッシュスターカイザー これ眼にも模様がついていたのがビックリしました。 確かに分かりにくくなっているのかもしれませんね。   また、これまた知らなかったのですが(すみません)、全てが「オメガアイ」じゃないのですね。 たとえば、ギガンテプレコ。   次にオレンジフィンアーマード ね。 それに、オレンジフィンアーマードの体の模様は目のような黒点があるので、 オメガアイだと逆に目立つかも。   他にもたくさんの種を展示していますので、みなさん口だけではなく目も要チェックやで。   さて、7月16日にはもう一つ大きな展示が終了します。 「コガタブチサンショウウオの幼生とタゴガエルの幼生」です。   本当に見おさめですよ、皆さん! もう見れませんよ、皆さん!   プレコのネタを、話のマクラにしたかったわけではないですよ。   ツイート    

ニホンサンキショウタンスイギョハンショクケントウイインカイ
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ニホンサンキショウタンスイギョハンショクケントウイインカイ

なにやら長~ぃタイトルですが、漢字にすることができますか? これ、「日本産希少淡水魚繁殖検討委員会」と書きます。 簡単にご説明させていただきますと・・・ 全国の動物園や水族館が会員となっている、社団法人日本動物園水族館協会の事業の一つとして 種保存事業というものがあります。 つまり、希少野生生物を保護していきましょうという活動ですね。 その中で、日本に棲む希少淡水魚を動物園や水族館などで繁殖、保存(これを生息域外保全といいます)を進めていく組織が、 「日本産希少淡水魚繁殖検討委員会」なのです。 (なかなか表立った委員会ではないので、おそらくご存じないことでしょう・・・・・・) 今年は、この委員会が設立して、20周年を迎え、 これを機に日本の淡水魚のおかれている現状や繁殖、保存への取り組み、環境保全についての パネル展示を行なうこととなりました。 ずばり「明日へつなぐ日本の自然-よみがえれ、日本の希少淡水魚-」です。           なんと!この企画は、全国一斉に開催(1/7~)されているんです!! 今回のテーマとして、「無秩序放流」と取り上げています。 外来魚の違法放流や観賞魚の放棄、自然保護の目的でありながら、他の地域からの移動放流など、 無秩序な放流によって引き起される問題点を紹介しています。 全国の動物園水族館あわせて54園館がこの企画に参加していますが、 これだけ多くの動物園や水族館が参加し、展示を行なうということは、このテーマは重要だとも言えますね。       お子様にはちょっとムヅカシイので、ぜひ大人の方に見て頂きたいと思います。そして、お子様やお孫様に自らの言葉で、 今の日本の淡水魚の現状を伝えていただけたらなと願っています。 本来あるべき自然の姿を次世代、次々世代へ残すためにも・・・・。   ツイート      

特別展開始!
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特別展開始!

皆様こんにちは。   イトヨに恋する尾崎です。   ついに12月16日より企画展「命まもる魚 トゲウオからのメッセージ」が始まりました! こんな感じです。 今回はいつもの企画展とは少し違います。どこが違うかわかりますか?       そう!水槽が壁から出てるんです! じっくりと魚を観察してもらいたかったので、 このような水槽レイアウトになりました。いつもとちがっていいでしょう? そしてもちろん愛しのイトヨも展示されています。 はじめは波動装置におびえている様子でしたが、今では落ち着いています。   他にも以前、田上さんのブログ「模型」で紹介された、 オオシマさん作のハリヨの模型なども展示されています。 ぜひ見に来て下さいね。   ツイート

ゆらめくイトヨ
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ゆらめくイトヨ

トゲウオ展ついにはじまりました。 先日のブログではオザキ氏が、長年恋焦がれていたハリヨから、あっさりとイトヨに心変わりしたと報告されていました。 この驚くほどの「女心と秋の空」っぷりに、我々は失笑を禁じえないわけですが、それはさておきイトヨ日本海型の展示水槽。 ちょっと雰囲気が違います。 その理由はここだけ海をイメージしており、ちょっとした造波装置をつけているからです。 (イトヨは海に下ります) 造波装置と偉そうに言っていますが、波を起こすというよりは、 乱流をおこすといった方がよいでしょうか。 まあ、水槽上部にいわゆる「ししおどし」を設置しています。 これは2008年8月のマンスリー水槽で、潮間帯の生物を展示した時に使用したもので、 90cm定格水槽とはいえ、少しでも雰囲気をだせないかと、適当に作ってみました。 すると、なかなかどうして、ケヤリムシとかゆらめいて非常に良い感じじゃない! もう、テンション急上昇です。   「これ良くない?ねぇ、これ良くない?」と連呼する今夜はブギーバック状態の私を、 皆は「うん、良いね。ぜひ、今度使わせて。」と、 今思うと非常に軽い返事でかわされていました。   私はホントにみんなが使ってくれると思っていたんです。しかし結果は、3年4カ月の放置。 この悲しみをどうすりゃいいの?誰が僕を救ってくれるの?と打ちひしがれる私を、 トゲウオ展担当者、ハタノ・オザキ両名がようやく救ってくれたのでした。 ゆらめくイトヨ、カッコイイです。 次にこの装置が使われるのは、これまでの流れを踏襲すると計算上2014年。 ブラジルでのワールドカップが開催される年ですね。 それでは皆様「アテ ローゴ!」 ※注:特別展は始まったばかりです。   ツイート

ひとり甲殻機動隊!part2
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ひとり甲殻機動隊!part2

では、今日は「オカガニがたべたー!」について。   オカガニは雑食なので、まぁ、基本的にはなんでも食べるだろう…と思っていたのですが、事前に、オカガニの食性について調べてみました。図鑑やインターネット、あとは文献に、ちらほらと何を食べるのかが載っていました。落ち葉や木の実、それと…サツマイモ!?サツマイモなんて食べるのか…。沖縄では「サツマイモ喰い」なんて言われることも…。ほんとかね?あとは、甲殻類なので、硬くて立派な殻を維持・形成できるように、カルシウムも大事です。さぁ、飼育環境も落ち着いて、いよいよエサをあげてみよう。ということで、まずは、エビやカニには必ず与えるオキアミから…。↓     つるつるっと食べました。4~5匹のオキアミをつるっと。とにかくエサを食べてくれたということで一安心です。では、次、サツマイモはどうでしょう?食べます食べます。サクサクっと聞こえてきます。その他、リンゴ、ニンジン、魚肉、活きたコオロギを与えて飼育しています。で、木の実もよく食べるはずなので―――――アボカドも与えてみましたが、大きい左右のはさみで、アボカドに対して「あっちいけ!あっちいけ!」と拒否。同居しているミナミオカガニは、なんの躊躇もなくアボカドを完食しました↓ こんな感じで、はじめてのオカガニ飼育は順調にいっています。 12月いっぱい展示してますからね。見に来てくださいね。   ツイート  

エボシカメレオン飼育奮闘日誌~特別展「生物のふしぎな能力」より~
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エボシカメレオン飼育奮闘日誌~特別展「生物のふしぎな能力」より~

こんにちは! 秋季特別展「生物のふしぎな能力展」も終盤です! 今回の特別展の双璧の主役 (個人的にはもう1種ミミックオクトパスだと思っています)である 「エボシカメレオン」を紹介したいと思います!         「カメレオン」と言うとおそらく… 「伸びる舌」 「バラバラに動く目」 「体色変化」などを 想像するのではないでしょうか? 不思議な能力を持ったカメレオン… 個人的には興味深く飼育をするのは面白いですが、 意外に世話が大変です… 今日はその苦労話を一つ… 展示している個体は餌用のコオロギを1日平均で約8匹くらい食べます。 餌をやる時は、カメレオンを驚かさないように 必ず「下」からピンセットで与えます。 「上」から餌を与えると「敵」だと勘違いして、 驚いて餌を食べてくれなくなる時もあります。 カメレオンの仲間は代謝が速いので毎日の給餌が欠かせません。 水を飲ませるのも工夫が必要です。 基本的にはカメレオンの仲間は 水を容器に入れて置くだけでは水を飲んでくれません。 自然界では木の枝や葉っぱに付いた水が「雫」となって、 落ちる様子を見て初めて「水」と認識します。 飼育下では、ケージの上からチューブで水がポタポタと落ちるようにしています。 カメレオンの仲間は主にアフリカ大陸やマダガスカル島に生息しています。 日本とは環境条件が全く異なるので、 カメレオンに合うように条件を合わせなければなりません。 加湿器を設置して適度に湿度を保ちます。 体を温める為のスポットライトや健康を維持する為の紫外線も欠かせません。 飼育環境が合わなければ、すぐに調子を崩してしまいます… 「特展の期間中無事に展示出来るだろうか?」 これが正直な気持ちでした。 しかし、最近は飼育環境に慣れてきましたので、 少し安心しております!観察していると 「人間のような」一面もあるので、とても面白い生物です! 餌を食べる時にガツガツしすぎて、枝を踏み外して落ちそうになったり、 移動の時には細い枝を間違えて掴んで落ちそうになることもあります。 驚いた時や警戒している時には露骨に体色も変化しますし、 世話をする時に手を入れると体は動かさないで、 「目」だけ動かしてこちらの様子をじっと観察しています。 特別展期間中の限定展示ですので、皆さん是非見に来て下さいね!   ツイート            

生物のふしぎな能力5
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生物のふしぎな能力5

こんにちわ 今回は「サバクツノトカゲ」のご紹介。 サバクツノトカゲは、危険を感じるとすばやく草むらなどに逃げ込みますが、隠れるところがない場合は、目から血を飛ばして、敵が驚いている隙に逃げることもあります。 脳の血流を制限し、目の毛細血管を破裂させることで、血を飛ばすことができるそうです。 ここまでくると、もうほとんどホラーですね。 恐ろしや・・・・     ツイート    

生物のふしぎな能力4
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生物のふしぎな能力4

こんにちは。 今回は、「ハリセンボン」のご紹介。 とても愛嬌のある姿形をしているハリセンボン。 あの大きな目が良いのでしょうか?見ていて、癒されます。 人によく慣れ、餌の時には水面まで寄ってきます・・・。     いやいや、特殊な能力についてお話しましょう。 ハリセンボンの体には、トゲがたくさんあり、危険を感じるとトゲを立たせて、身を守ります。 どうやって立たせているのかというと、口から海水を胃に送りこみ、体を膨らませてトゲを立たせているのです。 どこかの土産物屋さんに、膨らんだ状態でぶら下がってるのを見かけたことありませんか? あんな感じに膨らみます。すごいですね。痛そうですよね。 さて、ハリセンボンとありますが、トゲは千本もあるのかというと、実はありません。 もちろん個体差もありますが、350本前後のようです。 ツイート  

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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