おもしろ飼育コラム

ミミクリーシリーズ第7弾
  • 企画展・特別展示

ミミクリーシリーズ第7弾

みなさんは、新幹線に乗ったことがありますか? 今や我が国において、新幹線は重要な交通手段のひとつと言えます。 そして、車両のデザインやカラーリングは、多くの鉄道ファンを魅了していることでしょう。 現在、新幹線は、そのスピードの追求より、静粛性が追求されています。 やはり近隣住民にとっては、騒音問題は重篤な環境問題でもあります。 そんな中、1997年デビュー(営業運転開始)を果たしたのが、この500系新幹線です。  すごい形をしていますね?ときんときんです。 実は、この形には理由があるのです。 それまで、新幹線は、高速でトンネルに突入した時、 その衝撃波が、トンネル内を伝わり、 その反対側(出口側)でドーンという音や振動を発生させていました。(これ、トンネルドン現象というそうです) これを解消すべく開発陣は、さまざまな実験を繰り返し、結果、この形にたどりついたそうです。 でも、この形って、何かに似ていると思いませんか? そう!カワセミです!! 並べてみると一目瞭然!!  カワセミは、水中の魚をダイブして捕えて食べます。 しかし、そのダイブの瞬間、ほとんど水しぶきが立ちません。 カワセミのくちばしは、上下合わせると鋭い四角錘形をしています。 これにより空気から水へという急激な抵抗の変化にも対応できているのです。 トンネルに突っ込む新幹線と水中に突っ込むカワセミの形状が似ていたのは、偶然ではなく、 科学的検証から導かれた答えが自然界にすでに存在していたことを示します。   この500系新幹線は、今は山陽新幹線区間での営業に限られていますが、 ぜひ、乗ってこの「カワセミ新幹線」を体感していただきたいと思います。 さらに、このシリーズの第2弾でご紹介したハニカム構造が、 この車両の外板に利用されているとのことです。 まさに今回のテーマにぴったりの新幹線です!   今回、500系新幹線の特大サイズの模型をお貸し下さいました大阪の交通科学博物館様、 ならびにカワセミの剥製をお貸し下さいました岐阜県博物館様には、 この場をお借りして御礼申し上げます。   この新幹線で、水中へダイブしてみたいなぁ・・・
ミミクリーシリーズ第6弾
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ミミクリーシリーズ第6弾

ご無沙汰いたしました。お待ちかねの第6弾です。 しかし、あっという間で、この特別企画展も残すところあと1カ月となってしまいました。 ブログ急がないと、間に合わないっ!!と焦り始めた次第です。 さて今回、ご紹介するのは、水着です。 このところ、運動不足で、たるんだお腹周りが気になるという方(私もですが・・・)に朗報です。 競泳用水着といえば、過去にシドニー五輪で、サメ肌水着が脚光を浴び、 新記録が続出したのは、記憶に新しいところです。 しかし、2005年に国際水泳連盟が使用禁止にした経緯もあって、 新たなる水着の研究は続けられていました。 そんな中、ミズノ株式会社が開発したのが、これです!   手前に写っているかっこいいカラーリングの方です。 実は、この水着は、カジキの体表面にヒントを得て、開発されたのです。 その名も、「ミズノ アクセルスーツ ウォータージーン」!!  (なんだかすごそうだ・・・) 今までの、「撥水による低抵抗」から「水との融合による低抵抗」という発想に切り替えたのです。 魚類を触ってみると、粘液でヌルヌルしていますよね? これは、水中の細菌や寄生虫から身を守る役割もありますが、 体の抵抗を減らす役目も果たしていたのです。 摩擦が生地とその表面を流れる水との関係ではなく、 ジェル化した生地表面の水と表面を流れる水との関係になるため、 抵抗を軽減することが実現されたのです。 ちょっと難しいですが、サメの次はカジキで勝負ということですね。 これを着用し、プールでタイムを競ってみませんか? 今までにないタイムを叩きだすかもしれませんよ。 今回、サンプル水着、資料、 ならびに迫力満点のカジキの画像をご提供いただきましたミズノ株式会社様には、 この場をお借りして御礼申し上げます。 うん、これ着て、プールに通ってみようかな・・・
ミミクリーシリーズ第5弾
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ミミクリーシリーズ第5弾

時季外れではありますが、「夏」「ぷ~ん」「かゆい」といえば・・・?                     蚊です。みなさんも毎年、必ず刺されていることでしょう。 でも、この蚊に刺された瞬間に気づきますか? 刺された後、痒くなって気づく方がほとんどでしょう。 蚊の口吻は、80マイクロメートル(1マイクロメートルは、1ミリメートルの1/1000)と細く、 さらにキチン質というしなやかな物質でできています。また、その表面はギザギザになっていて、 細胞との接触面積を少なくし、さらに、刺す時に針を振動させ、細胞を押しのけるように刺すので、痛みを感じないのです。 この蚊の口吻をマネして、作られたのが、これです!   株式会社ライトニックスが、開発した世界初の生分解性・生体適応材料を用いた苦痛を伴わない安全な微細針! 名付けて「PINNIX」です!!   今までの注射針は、金属と樹脂の二つの素材からできていて、廃棄するにも手間がかかっていました。   が、しかし、これはポリ乳酸という材料でできていて、なんと生分解されてしまうのです。 樹脂成型なので、こんなにちいさくてもギザギザの3D形状が可能なのです。 針にクスリを閉じ込めて、直接患部に刺してしまえば、あとは、体の中で分解されてしまうのです! 初めてこれを見た時は、とにかく「すごいっ」としか言いようがありませんでした。 ホント、兵庫県まで出張した甲斐がありました。 近い日に、さまざまな医療施設で使われることとなるでしょう。 そんな最新の注射針が、一足お先にアクアトトでお披露目というわけです。 一見の価値アリです!! 一度、自分で本当に痛くないか試してみたいと思う私でした・・・。   今回、サンプルならびに資料のご提供していただきました株式会社ライトニックス様には、この場をお借りして御礼申し上げます。 ほんっとに、ちっちゃいなぁ~
ミミクリーシリーズ第4弾
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ミミクリーシリーズ第4弾

明けましておめでとうございます。 年末年始にかけての寒波の影響で、ここ岐阜県各務原市でも雪がちらちら。 慌てて、元日にスタッドレスタイヤに交換するハメになりました。やれやれ・・・。 それにしても、毎日寒い日が続きますね。 こんな寒い日は、ダウンジャケットを着るしかないっ!! と、いうことで今回ご紹介するのは、倉敷紡績株式会社が開発した「エアーフレイク」です。 もともと、この製品のモデルとなったのは、北極圏に生息するホンケワタガモの羽毛でした。 ホンケワタガモは、厳しい寒さの中、卵を温めるために、保温性に優れた羽毛をもっています。 現地の人たちは、ヒナが巣立った後、この羽毛を採って防寒着にしていたとのこと。 種は違いますが、水族館周辺に見られるカルガモの巣も、こんな感じです。 なんて温かそうなんでしょう!     ホンケワタガモの羽毛は、アイダーダウンと呼ばれ、その保温性と希少価値から羽毛の王様とも言われているんですって!! 知らなかった・・・。 でも実際に触ってみると、軽くて、柔らかくて、温かくて、まさに王様。     この羽毛の王様をマネして、エアーフレイクが作られたのです。   それが、これです。   形こそ違えど、なんだか温かそうだ。 いくつかの試作の末、これが最新版だそうです。 防寒具の中にも生物を模倣した素材が隠されていたわけです。 このエアーフレイクを使用した就寝マフラーというものがあるようですよ。夜、寒くて眠れないという方は、一度、チェックしてみては? 今回、サンプル資料をご提供していただきました倉敷紡績株式会社様には、この場をお借りして御礼申し上げます。 う~ん、こりゃあったか~ぃ
ミミクリーシリーズ第3弾
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ミミクリーシリーズ第3弾

ご存じ!!お外遊びが大好きなワンパク少年なら知っている「くっつきむし」です。 いやぁ、私もちっちゃい頃は、よく友達の服めがけて投げつけて遊んだものです。 この「くっつきむし」もちゃんとオナモミという名前がついています。 オナモミの種子は、動物の体にくっつくことで分布を広げます。これを付着動物散布といいます。 では、なぜオナモミの種子は、くっつくことができるのでしょう? それは、種子の表面にあるトゲに秘密がありました。(・・・秘密はアクア・トトぎふにて公開中♡) この秘密を、マネして作られたのが、面ファスナーなのです!! (ちなみに、よく耳にする「マジックテープ」とか「ベルクロテープ」などは商標なのです) これは、ほんとに生活の中に普及していますよね? ちょっと水族館の中を見渡しただけでも、・・・             とか・・・                   とか・・・他にもパネルの固定とか潜水用具とか、ほんと重宝してます。   世の中に目を向けてみると、なんと!こんなものにまで!! この写真は、ハニカム構造と同じく「かかみがはら航空宇宙科学博物館」で展示しているものを撮影させていただいたものです。   犬の散歩がきっかけで、くっつきむしから面ファスナーを発明したジョルジュ・デ・メストラルさん  私たちの身の回りにも、まだまだ発明のきっかけはあるはずです。 面ファスナーのような世紀の大発明を、いつか私も・・・   「それにしても、ホント便利だよなぁ~」
ミミクリーシリーズ第2弾
  • 企画展・特別展示

ミミクリーシリーズ第2弾

みなさんはミツバチの巣を見たことがありますか?   私が、初めてミツバチの巣を見た時は、その整然と並んだ六角形に感動しました。(T〇T)/ なにか道具を使うわけでもなく、本能でこの巣を造り上げているのです。 この巣のスゴイところは、六角形であるところなのです。 つまり・・・ 同じ形を隙間なく並べて広い面積を作ることが可能な形は、正三角形、正方形、正六角形で、そのうち、同じ面積で最も周が短い形は正六角形です。これは同じ量の材料を使って、最も広い面積を作ることが出来るということです。つまり、より少ない材料で広い空間を覆うことができるため、より軽くなります。また、たくさん並べられた筒の一部が衝撃によって壊れたとしても、その破壊力が他の筒に及びにくいので、全体の破壊につながらないのです。 これが、ハニカム(ハチの巣)構造なのです。 このハニカム構造は、いろんなものに使われています。 例えば、飛行機や新幹線の外板とか通気口とか・・・     これは、アクア・トトぎふの近所にある「かかみがはら航空宇宙科学博物館」で展示しているものを写真撮影させていただきました。 そこで、ミツバチの巣を見たスタッフは、マネしてこんなものを造ってしまいました!     ・・・踏み台です。 みなさんも乗ってみてくださいね?(スタッフのなかで一番ふくよかなH氏が乗っても大丈夫!!)   「へぇ~こりゃ、丈夫だわ」 
ミミクリーシリーズ第1弾
  • 企画展・特別展示

ミミクリーシリーズ第1弾

さて、第1弾は、これっ!    ハスの葉です( 写真は展示しているハスの園芸品種)。 ハスの葉の上の水滴は、まるでビー玉のように転がり落ちていきます。 これを「ロータス効果」といいます。 この撥水構造をマネして、たとえば雨傘やレインコートはもちろん車の撥水剤、 ビルの外壁なんかにも応用されているのです。 そんなハスですが、本来ならば、シーズンオフで葉がない状態なのです。 でも、葉っぱが主役のこの展示、葉のついているハスをどうしても手に入れなければ!! と、探しまわったあげく、やっと1株手に入れることができました。 でも、館内の企画展スペースでは、照明不足や気温低下のためか、 やはり少しづつ茶色の部分が増えてきているような・・・。 (お願い!枯れてしまわないで!!)と切に願う私です。 さて、このロータス効果をみなさまに体感していただきたく、一工夫施しました。それは・・・   このボタンスイッチです。   ボタンを見るとつい押したくなってしまうのが、人の性。このボタンを押すと・・・さて、どうなることやら。それは、見に来てからのおたのしみ♪開催開始から、今日で4日が経ちますが、お陰様で、多くのお客様にこのボタンを押していただいております。そして、このロータス効果を体感していただいております。   「なるほど、これがロータス効果なのか・・・」
いよいよスタート!!
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いよいよスタート!!

さて、ついにこの日がやってきました。 12月3日・・・そう、特別企画展「自然に学べ!生きものに学べ!!」の開催日なのです。 今回のテーマは「バイオミミクリー」・・・。  といっても、「なにそれ?」という答えが聞こえてきそうなので、ここで、簡単にご説明を・・・。 バイオミミクリーとは、生きものの形や行動、さらには生きものをとりまく自然の仕組みなんかもマネして、私たちの生活に役立てようという科学分野なのです。最近、注目を集めている分野で、多くの企業や研究施設などで実用化に向けて開発が行なわれているのです。 すでに実用化されているものもたくさんあります。たとえば、おなじみのマジックテープやハニカム構造などなど・・・。    ま、このあたりの詳しいコトは、この企画展会場の解説パネルを読んでいただくとして、ここでは、会場に展示しているそれぞれのブースを連載で(・・・で、で、できるのか???)詳しくお話していきたいと考えております。 あんなモノやこんなモノまでいろいろ集め、さらには、ちょっとした仕掛けなんかも用意しています。 それは、来てのお楽しみ♪       この特別企画展を開催するにあたり、多くの企業、博物館、動物園、水族館にご協力いただきました。 この場をお借りして、お礼申し上げます。  
今日からスタート!
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今日からスタート!

特別企画展『よみがえれ!日本の水辺』が今日からスタートしました! 魚の名前を当てはめてみるブースがあったり・・・水草や貝をさわって観察しながら見分けるブースがあったり・・・奥には緑がまぶしいこんな水そうも!! この特別企画展は11月29日(月)まで!!みなさんぜひ見に来てくださいね!!
着々と準備中!
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着々と準備中!

さて、先日終了したサンショウウオ展。撤収の様子は田上氏がお伝えしたとおりですが・・・。今日も朝から作業は進行中です。ではまず今朝の様子です。手前には水そう、そして奥には何やら筒状のものがありますね。これがいったいどうなったかというと・・・。こちらは18:00の様子です。水そうには水が入り、すでに魚も入っています。奥の筒状の設置物にも何か貼り付けてありますが、これはみなさん会場でご確認ください。そして、奥のブースでは・・・。大きな写真パネルの前に、台が置いてあります。ちなみにこちらも今朝の様子です。そして現在は・・・。おぉっと!!台の上に水そうが設置されています。水そう上部には流木もレイアウトされていますね。このあとどうなるのでしょうか。次回特別企画展「よみがえれ日本の水辺」は9月10日(金)から始まります。会場の仕上がり具合をぜひ見に来てくださいね(^-^)
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本日の開館時間

9:30-17:00

最終入館 16:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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