おもしろ飼育コラム

オニオオハシのオレンジくん
  • 企画展・特別展示

オニオオハシのオレンジくん

みなさん、こんにちは。 7月から始まった企画展「ワイルドアマゾン アマゾン最高!」もうご覧になったでしょうか?   魚類や爬虫類などのアマゾンの生き物を展示していますが、そのなかでも唯一の鳥類として「オニオオハシ」の展示をしています。 掛川花鳥園様よりお借りしているオニオオハシのオレンジくんです。 オレンジ色のくちばし、青色の目、白と黒の羽が特徴で、ご覧になったお客様も見とれてしまうほど美しい鳥です。     このオニオオハシの展示で、不思議な出来事がありました。   オレンジくんは、朝と夕にごはんを食べています。ごはんを置く専用の台があるのですが、ある日、その台の上に大量のヤシ殻(床材)が盛られていました。 なんでこんなに盛られているのかと不思議に思っていたら… 後日、また大量にヤシ殻が盛られていたんです。 オレンジくんが運んだのかと思い、しばらく観察をしてみても運ぶ様子はみられません。ですが、オレンジくん以外にヤシ殻をごはん台に乗せるなんてしないと思い、それ以降、色々な時間帯に様子を見に行くようにしました。     そして、ある日のお昼ごろ… ついに現場を目撃! [video width="1280" height="720" mp4="/wp-content/uploads/2024/12/1202.mp4"][/video] ヤシ殻を運んでいたのは、やっぱりオレンジくんでした。 大きなくちばしを上手に使い、ヤシ殻を台まで運んでいました。運んだヤシ殻をくちばしで一つずつくわえ、遊んでいる様子も観察できました。     くちばしを使う様子は、ごはんを食べるときにも観察ができます。 大きなくちばしを器用に使い、ペレットやフルーツを一つずつ上手にくわえて食べているので、ごはんの時間に遭遇したら観察してみてくださいね。 朝のごはんは開館直後、夕のごはんは午後なら見ることができるかもしれません!     あと、個人的に注目していただきたいのが、くちばしの裏です。 くちばし裏の付け根に、三角形の切り込みが入っています。 あまりにもきれいな三角形で、どうして切り込みが入っているのかと不思議に思っていたんです。 掛川花鳥園の飼育員さんに聞いてみたところ、大きなものを飲み込みやすくするために切り込みがはいっているそうです。ごはんを食べるときに見ていたら、切り込みがあることで、ものをうまく飲み込めていることに気づきました。 みなさんも、観察してみてください。   展示期間もあと少しです。ぜひ会いに来てくださいね。 お待ちしております。
期間限定展示!クロホシマンジュウダイの幼魚
  • 企画展・特別展示

期間限定展示!クロホシマンジュウダイの幼魚

みなさまこんにちは。 まだまだ新入社員、山下です。   現在、期間限定でクロホシマンジュウダイの幼魚を展示しています。   今回のコラムでは、クロホシマンジュウダイの幼魚について、①どんな魚なのか、②なぜ期間限定なのかをお話していきます。     早速、①どんな魚なのかについて入っていきます。 現在展示しているクロホシマンジュウダイの幼魚は、 こんな魚です。   学名は Scatophagus argus です。 このScatophagusは、糞食者という意味を持ち、クロホシマンジュウダイの仲間が糞を食べるほどなんでも食べることからこの学名がついたと言われています。   実際に当館で飼育している幼魚も、配合餌料やアカムシ、アミエビ、ブラインシュリンプといった、様々なごはんを食べています。     続いて体の模様についてです。 上の写真のように、幼魚期はしましま模様をしています。 このしましまは成長とともに分断されていき、だんだん黒い斑点模様へと変化します。 上の写真の個体は大きさ約20cmです。 すっかり斑点模様へと変化しているのが分かるかと思います。   今回展示している個体は、木曽三川の河口で浮いた流木と一緒に漂っていた個体や、流れの緩やかな浅瀬で漂っていた個体を発見し、採集しました。   展示水槽内でも、そっと近寄ると、根っこの下でふわふわしているクロホシマンジュウダイを見ることができるかもしれません。     ではここから、②なぜ期間限定展示なのか、について話していきたいと思います。   クロホシマンジュウダイは季節来遊魚という魚の1種です。 本来は暖かい海に生息している魚が、夏から秋の海水温が高い時期に、暖流に乗って本来の生息域ではない寒い地域に流れ着くことがあります。   流れ着いた先で生き延びることができれば、そこを新たな繁殖地にすることができる可能性があります。   しかし多くは寒い冬を越えることができず、死んでしまいます。 このように、冬になると死んでしまう魚を、海水温の高い夏から秋にしか見られないことから、季節来遊魚と呼びます。 クロホシマンジュウダイも本来は暖かい海に生息しますが、幼魚はなんと北海道まで流れ着いたことがあるそうです。   しかし、北海道はもちろんのこと、木曽三川が流れ込む伊勢湾でも、クロホシマンジュウダイの幼魚が越冬しているという報告はありません。 おそらく伊勢湾まで流れ着いてきてしまった幼魚は冬を越せずに死んでしまうと思われます。   そのため、今回の展示も伊勢湾で幼魚が見られる、冬になるまでの期間限定の予定です。 今のうちにぜひ、見に来ていただけたらと思います。   それではまた次のコラムでお会いしましょう!
ハロウィンのにょろにょろモンスター
  • アクア・トトの生き物
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ハロウィンのにょろにょろモンスター

みなさま、こんにちは。 涼しくなってきて、秋がやってきました。 1日の気温差が大きいため、お体に気をつけてお過ごしくださいね。   さて、10月31日はハロウィンです! ハロウィンの始まりは、ケルト人の1年の終わり(夏の終わり・冬の始まり)の日である10月31日に、この世と霊界との間にある目に見えない「門」が開き、死者の霊が家族のもとに帰ってくると信じられており、その時に一緒にやってくる悪いモンスターから身を守るために、仮面をかぶり魔除けの焚火を焚いたのがきっかけと言われています。   日本では、ハロウィンは仮装パーティーの印象が強いかもしれませんが、仮装する理由は悪いモンスターに扮して自分を守るためだったのです。     今回のテーマ水槽は悪いモンスターを由来にもつ『グレーターサイレン』を展示しています。   実は、グレーターサイレンの名前の由来は、ギリシャ神話の海のモンスター「セイレーン」だと言われています。   「セイレーン」はみなさま、ご存知でしょうか? かの有名なコーヒーショップのロゴに用いられているモンスターです。 「セイレーン」は、半人半魚(もしくは半人半鳥)の姿で、美しい歌声により航海中の人々を惑わし、船を難破させて人を襲って食べたと語り継がれています。     そんな恐ろしい伝説をもつモンスターを由来とするグレーターサイレンは、つぶらな瞳をもつ意外にも可愛らしい見た目をしている両生類の仲間です。 細長い体形で小さな前肢をもち、後肢がない姿や、驚いたりすると鳴き声を発する様子を、半人半魚で美しい歌声をもつセイレーンに関連付けたのではないかと推測されています。 また、一生を水中で過ごすため、成熟してもエラがあり、エラ呼吸のほか、直接空気呼吸を行うこともできます。     ぜひ、恐ろしい伝説と見た目のギャップをお楽しみください! 今回のテーマ水槽は、水族館のエントランスにて10月31日まで展示しています。
ジャウーの展示は大変
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ジャウーの展示は大変

皆様こんにちは。   おかげさまでアクア・トト ぎふは2024年7月14日に開館20周年を迎えることができました。 今回は20周年特別企画展「ワイルドアマゾン アマゾン最高!」のお話しをしたいと思います。 今回の企画展担当3名も全員オープニングスタッフの20年選手。メンバーはオジサンですが、意気込みは20年前と変わりません!たぶん!     特別企画展のテーマは「アマゾン」。 担当となった段階で、すぐに私の頭の中ではメインとなる展示生物が思い浮かびました。 ジャウー。アマゾン川に生息する大迫力巨大ナマズです。   2004年のオープン時にはピラルクーなどと一緒に展示していたのですが、持ち前の貪欲さを発揮し、夜な夜な同居している魚たちをパクパク食べてしまうことから、展示水槽ではなくバックヤードの大きな水槽で飼育し続けていました。     そう、ジャウーも我々とおなじ20年選手です。 しかも、バックヤードでも順調に成長しており、全体像は潜水しないと見えない水槽ですが、相当な大きさに育っていました。     さて展示するとなると大きな問題が。そもそもジャウーをちゃんと展示できる水槽なんて無いわけで…。 ということで、水槽製作から始めました。     ジャウーがゆったりと飼育できる大きさで、しかもバックヤードの狭い場所を通せるギリギリのサイズを狙いました。ベテランが検討を重ねて決めたサイズですからね、余裕でしょう!   企画展開催の2週間前、水槽が搬入されました。 ユニック車で運ばれてきた水槽を見て、ベテランは思いました。 「これは…、入らんかもしれん…」   心中は動揺しまくりです。 入らないかもしれない不安と、調子にのって大きすぎる企画展用水槽を作ったことを後悔する日々を過ごし、いよいよ設営当日。     「ええい、ままよ」と動かし、あまりの重さにカーペットを巻き込んで軒並みひっぺがしつつもなんとか据え付けに成功しました。     急いで配管作業をし、水張りテストをし、OKとなったところで、ふと気づきました。 そういえば、ちゃんとジャウーの全身を見ていなかったなと。 箱メガネでジャウーのサイズを確認し、20年選手は思いました。   「これは…、捕まえる際に無事でおれんかもしれん…」     バックヤードの水槽は非常に作業がしにくい構造で、移動用バッグにジャウーをうまく誘導できるのか、そのあと持ち上げることができるのか、不安がつのります。     いよいよ移動日当日。 「ええい、ままよ」と水槽に入りバッグに誘導します。 なんとかバッグに追い込んだところまではスムーズにでしたが、ジャウーが少し体をひねるだけで体は振り回されます。     そして水面に持ち上げると重いこと重いこと…。四十肩と五十肩コンビにはなかなか辛い作業でした。   狭い企画展バックヤードを抜けて、   いよいよ水槽へ。動画でどうぞ。 [video width="1920" height="1080" mp4="/wp-content/uploads/2024/08/0810.mp4"][/video] ※映り込みがひどくてすみません…。     なんてカッコいいナマズなんでしょう。心躍ります。 大きさを比較するために今年入社した若いスタッフに寝転んでもらいました。 ジャウーが随分小さく見えますが、大きさは1.6~1.7mくらいあります。   彼、身長が189㎝もあるんですね。 こういう場合は背が低い人の方が良いようです。   まだまだ勉強の日々です。
小さなクラゲの世界
  • 企画展・特別展示

小さなクラゲの世界

企画展「クラゲに夢中!」ももう終盤となりました。 普段はなかなか見られない、個性豊かなクラゲの世界をお楽しみいただけましたでしょうか。   さて、以前のコラムでもお知らせしましたが、 今回は展示するクラゲの一部を伊勢湾で採集してきています。 3月にはアカクラゲやミズクラゲ、カミクラゲ、ドフラインクラゲなど、比較的大型のクラゲがたくさんとれました。   6月に入り、出現するクラゲの種類も変わったかな?と、先日、改めて採集に行ってきました。     ただ、パッと見た感じでは目に見えるサイズのクラゲが見当たらなかったため、海中に目の細かい網を入れ、水面の近くでゆっくり曳いてみました。     海水と一緒に持ちかえり、観察です。 さて、クラゲはいるかな??     最初に「あっ!」と気付いたのはこちら。   オオタマウミヒドラです。 傘の大きさは2mmほどでしょうか。 とても小さいですが、企画展でも展示し見慣れていたので、すぐに見つけることが出来ました。     続いてはこちら。 [video width="1280" height="720" mp4="/wp-content/uploads/2024/07/1.mp4"][/video] ニチリンクラゲです。 漢字で書くと「日輪」。 触手が放射状に伸びて、まさに太陽のような形にみえます。 まじまじと観察したのは初めてだったのですが、透明感がすごい!! 透明すぎて何度も見失いながらスポイトで回収してみましたが、全部で25個体もいました。 今回の採集で一番たくさんとれたクラゲです。     お次はこちら。 [video width="1280" height="720" mp4="/wp-content/uploads/2024/07/2.mp4"][/video]   ぴょこんとした動きがかわいいですね。 図鑑をパラパラめくりながら、小さいし形も似ているのは「コツブクラゲ」かな?と思ったのですが、正解は「タマクラゲ」でした。     新江ノ島水族館のスタッフと連絡をとりながら同定を進めていたのですが、口触手という、口(傘の内側にある丸い部分)から生えている触手があるよー、と教えてもらいました。     他にも、オベリアクラゲの仲間や [video width="1280" height="720" mp4="/wp-content/uploads/2024/07/3.mp4"][/video]     正確な種類までは分かりませんが、有触手綱(カブトクラゲやツノクラゲ)の幼生?など…。 [video width="1280" height="720" mp4="/wp-content/uploads/2024/07/4.mp4"][/video]     合計8種類のクラゲを見つけることができました!   いずれも5mmに満たない、目視で狙って捕まえるのは難しいようなクラゲです。 それが、海に少し網を入れてみるだけで、こんなにたくさんのクラゲに出会えるなんて! そしてこんなに小さな生き物たちの世界が見られるなんて! とても心躍るできごとでした。     今回採集したクラゲたちは、展示に出すことはできませんでしたが、現在企画展で展示しているクラゲにも、1 cm以下の小さなエボシクラゲという種類がいます。   ぜひじっくりと水槽をのぞきこんで、観察してみてくださいね。  
帰ってきたオワンクラゲ
  • 企画展・特別展示

帰ってきたオワンクラゲ

1月のある夜に、伊勢湾に面した港でオワンクラゲを見つけました。 [video width="1280" height="720" mp4="/wp-content/uploads/2024/05/0505.mp4"][/video]     傘の直径が20センチほどありそうな、とても立派な個体です。 緑色の蛍光タンパク質を持つことで知られているオワンクラゲですが、自然界で見るのは初めてでした。 触手を長く伸ばして悠々と泳ぐ姿はとても美しく、私は一瞬で虜になってしまいました。   この時すでに、現在開催中の企画展「クラゲに夢中!〜きっとあなたも、好きになる♡〜」で伊勢湾のクラゲを展示することが決まっていたので、この美しいオワンクラゲもぜひお客さまにお見せしたい!と思いました。   しかし、いざ飼育方法を考えてみると…。 オワンクラゲは比較的大型のクラゲ。 そして他の種類のクラゲを食べ、時にはオワンクラゲ同士で共食いをすることもあります。 そのため、それなりの大きさのある水槽で適切な水温と水流を保ちながら、単独で飼育し、オワンクラゲが満足するだけのごはんを与え続けなければなりません。   淡水生物専門の当館で、その条件を満たしながら飼育するのはなかなか難しい…。   そこで、設備が整うまでの間、コラボレーションという形で企画展にご協力いただいている “新江ノ島水族館”(以下、えのすい)に、オワンクラゲを「一時預かり」してもらうことにしました。   じつは、オワンクラゲは伊勢湾ではよく見られるのですが、えのすいのある神奈川県の江の島周辺ではほとんど見ることができないそうです。 何個体かお送りしたところ、えのすいの展示用としても活躍してくれたようでした。     そして先日、企画展のブースを設営し、オワンクラゲ用の水槽も準備万端に。 ついにえのすいからオワンクラゲが帰ってきました!     元気そうな姿を見て、手厚く飼育してくださったえのすいのスタッフに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。 飼育方法のアドバイスもたくさんいただき、本当に頭が上がりません。   ゆったり泳いだり、触手をふわ〜っと伸ばして流れに身を任せたり、色々な姿を見せてくれます。   長い距離を旅した、「伊勢湾生まれ、えのすい育ち、アクア・トト在住」のオワンクラゲ! ぜひこの機会にご覧ください。  
ついにスタートです!
  • 企画展・特別展示

ついにスタートです!

4月13日から企画展『クラゲに夢中!~きっとあなたも、好きになる♡~』がスタートしました。 企画展のスペースが、海をイメージした青い空間へと様変わりしましたよ。 そして今回の企画展では、それぞれのクラゲの魅力が伝わるようにと、かまぼこ型の特大水槽や円柱水槽、八角形の水槽、台形の水槽など、いつもの四角い水槽ではないものを使用して展示しています。       そして、一番の注目はこちら!   ミズクラゲと一緒に写真が撮れる水槽です!! この水槽はクラゲ用に作られた水槽ではないので、クラゲが飼育できるように水流の向きや強さなどテストを繰り返し、あれこれ試行錯誤した結果、絶妙な水流を作り出すことができました。 ゆったりと回るミズクラゲと一緒に素敵な1枚を。 7月7日までの開催となっております。みなさま、ぜひクラゲの魅力に夢中になってくださいね。
今年の春は、“クラゲ”にご期待ください!
  • 企画展・特別展示

今年の春は、“クラゲ”にご期待ください!

まだ肌寒い日も続きますが、世間はすっかり春休みモードですね。 館内でもお客さまの賑やかな声を聞くことができ、なんだか嬉しくなってしまいます。   さてみなさま、今回は一足早く、4月から開催予定の企画展について、少しだけご紹介させていただきます。   アクア・トト ぎふは2024年7月14日に開館20周年を迎えます。 <もうすぐ20周年特設サイト>     4月13日からの1年間を “20周年”として、みなさまに楽しんでいただけるよう、さまざまなイベントや新規展示を準備しています。 すでに公開が始まっているものもありますが、私が注目していただきたいのは、全3回実施される特別企画展。 その第一弾、4月13日から始まるのは“クラゲ”をテーマにした企画展です! その名も、「クラゲに夢中!~きっとあなたも、好きになる♡~」!   淡水魚の水族館でクラゲの展示は、かなりレアなのではないでしょうか。 今回はクラゲで有名な神奈川県の新江ノ島水族館(実は当館と同じ会社「㈱江ノ島マリンコーポレーション」が運営しています)に全面的に協力をいただき、多種多様なクラゲの世界を、みなさまにご紹介いたします。 奥深くておもしろいクラゲの魅力に、みなさまも夢中になっていただきたいな~と思いながら準備を進めている今日この頃です。     昨秋から、どのようなクラゲを展示しようかな?と構想を練っていましたが…、やはり当館は木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)の生き物をテーマに展示を行っていますので、木曽三川が流れ着く“伊勢湾”で見られるクラゲは外せない!と思いました。     そこで、展示に向けてクラゲ採集です。 先日、新江ノ島水族館のスタッフと一緒に伊勢湾へ採集しに行きました。   漁港などで岸壁に沿って歩きながら、海面を見てみると、意外とたくさんのクラゲが見つかります。     目に見える大きなサイズのクラゲは柄の長い柄杓を使って、水ごとそっとすくって採集します。     さらに、目の細かい網を海中でゆっくり動かしてみると…。     1 cmに満たないような小さなクラゲもたくさんとれました。     江ノ島のスタッフはさすがクラゲのプロ、クラゲを探す際のコツや採り方のポイントなど、たくさんのことを教えていただきました。   採集したクラゲはバックヤードで大事に育てながら、企画展でみなさまにお披露目できるのを待っているところです。   もちろん、伊勢湾のクラゲ以外にも、たくさんのクラゲを展示します。 淡水ならではのあのクラゲも! どうぞお楽しみに。   ぜひこの春は、アクア・トト ぎふの“クラゲ”に会いに来てくださいね!
魚へんに砂糖
  • 企画展・特別展示

魚へんに砂糖

こんにちは。春ですね。 水族館周辺は3月20日あたりから桜が咲くそうです。 例年ですと、ちょうどそのぐらいの時期に展示槽のヒキガエルたちも産卵するので、みなさまお楽しみに。 さて、今日は現在開催中の企画展「Discovery!! ~新種はどうやって見つかるの?~」で展示している、かわいらしい魚の紹介です。 「魚へんに砂糖」という創作漢字を与えてもらった「コンペイトウ」です。 しかし、このコンペイトウ、ある時はナメフウセンウオ、そしてまたある時はコブフウセンウオと呼ばれています。 なぜ3つも呼び名があるのか?!   じつは、この魚、成長段階や性によって体の表面のコブの具合が変わるんです。   そのため、見た目の違いから3種の魚(コンペイトウ、コブフウセンウオ、ナメフウセンウオ)と考えられていました。 しかし、卵から育てて飼育してみたところ、コブフウセンウオもナメフウセンウオも、じつはコンペイトウだった!という驚きの発見が、北海道大学の研究グループによって2015年になされました。   今回の企画展で紹介しているのは近年新種として記載された生き物で、たとえば1種だと考えられていたもののなかに複数種がいた。という経緯で新種記載につながった生き物が多いのですが、コンペイトウだけは(新種ではなく)その逆のパターン、3種だと考えられていたものが1種だったという逆の研究成果もありますよ。ということをお伝えするために展示しています。   企画展のテーマがちょっと難しく、解説文もややこしいものが多い中で、 このコンペイトウの存在はちょっとした「癒し」となっているようです。   みなさま、たくさん写真を撮ってくださいます。   そういう私も、 といった具合に、たくさん撮っています。   たくさんの水族館で飼育されている人気者のコンペイトウ。 この先も、ずっと展示してみなさまに楽しんでいただけるようにと、(一社)日本水族館協会の魚類繁殖委員会において、水族館同士が連携して魚の繁殖技術の確立を目指す対象種に選定されています。 ※くわしくはリンクをご覧ください。水族館同士の連携から生まれたコンペイトウ | 一般社団法人日本水族館協会のプレスリリース (prtimes.jp)   今回展示している10個体も、その取り組みの中で産まれたものです。 ぜひご覧いただいて、お気に入りの1枚を撮影してくださいね。
企画展のダイダイイソミミズハゼ
  • 企画展・特別展示
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企画展のダイダイイソミミズハゼ

こんにちは。寒い日が続きますね。 今日は、現在の企画展で展示しているダイダイイソミミズハゼをご紹介します。   そもそもミミズハゼの仲間が、どのような生き物なのかといいますと、 呼び名の通り「ミミズのような体つきをしたハゼ」です。夜行性であり、石の下にかくれていたり、地面を何十cmも掘らないと発見できなかったりで、目立たないくらしをしています。人目につきにくいくらしぶりのせいか、調査・研究の途上にあり、学名がつけられていない種類がたくさんいます。 国内のどこにどの種がすんでいるのかもわかっていないことが多く、捕まえたミミズハゼが、一体なにミミズハゼなのか、識別できる人はなかなかいません。   なにミミズハゼ? なにミミズハゼ? わたしも目下のところ勉強中です。 これまで当館では、企画展や「河口の生き物」水槽で短期間の展示をしたことがありました。その際も、なにミミズハゼなのかの判断に困り「ミミズハゼの仲間」として展示しました。   しかし、今回の企画展ではピシッ!と和名と学名を添えて展示しています。 展示しているのは「ダイダイイソミミズハゼ」。 この展示は和歌山県自然博物館にご協力いただきました。 2019年に新種記載された種で、沿岸の浅い磯礫中などから見つかっており、眼の下に数本のヒゲ状突起があるのが特徴とのこと。 拡大してみても目の下のヒゲ状突起の存在は確認しづらく、肉眼でぱっとわかるものではなさそうです(おそらく矢印で示したところだと思います)。   明るい展示槽では、下の写真のように隠れてしまい、なかなかお客さまに全身を見ていただくことができていません。 給餌したら(活発な捕食シーンをご覧いただけるかも…。)と思い、試したのですが残念ながら全くの無反応。『食欲 < 隠れ欲』でした。 というわけで、いつも夕方の消灯時間前後に給餌することにしています。 暗がりでは活発に動いて、しかも、けっこうたくさんの量の餌を食べます。   [video width="852" height="480" mp4="/wp-content/uploads/2024/01/ダイダイイソミミズハゼ(ブログ用).mp4"][/video]     いかがでしたでしょうか?   ミミズハゼの仲間を知らなかった、見たことがなかったという方に、ぜひ見ていただきたいです。
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本日の開館時間

9:30-17:00

最終入館 16:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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