おもしろ飼育コラム

古代生物がやってきた! 
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古代生物がやってきた! 

みなさま、こんにちは 4月15日(土)から新しい企画展「古代生物がやってきた!~時を超えた生き物たち~」が始まりました。   「ヒキガエル」の次は「古代生物」の企画展です。   「古代生物」といえば、恐竜?アンモナイト?マンモス?それとも… 古代生物は絶滅した生き物だけではありません。 オオサンショウウオやカブトガニ、チョウザメなど「生きている化石」と呼ばれるものも古代生物です。 この企画展では、人類の誕生よりもはるか前から、姿かたちをほとんど変えていない生き物を、出現した時代ごとに並べて紹介しています。   また、当館では初めての試みとして、株式会社KADOKAWAの図鑑「角川の集める図鑑GET!」とコラボレーションしました。 リアルテイストのイラストや図鑑内に登場するキャラクターをふんだんに使用しているので、まるで図鑑の世界に入り込んだような感覚になり、楽しく学べるようになっています。   担当のおすすめとしては、まずこの導入部を読んでいただきたいです。 これを読んだ後に展示を見ると生命誕生の歴史がわかります。   企画展ブースの一角には、迫力満点、ほぼ原寸大のメガロドンのイラストがあります。ぜひ一緒に撮影してくださいね。   さらに展示は、企画展エリアだけでなく3階ではアロサウルスの頭骨(複製)を展示し、   2階と1階には常設展示している古代生物を紹介したPOPを設置しました。 メコン川やコンゴ川、アマゾン川の水槽で展示している古代生物も探してみてくださいね。   企画展を見た後は、ぜひトト・ラボや清流ふれあいプールに足を運んでみてください。 巨大アンモナイトにさわれるコーナーや、企画展で紹介しているシベリアチョウザメに直接ごはんをあげることもできますよ。もちろんコラボしたGET!の図鑑もあります。   盛りだくさんで迫力ある展示は必見です! 7月9日(日)までの開催予定ですので、ぜひ遊びに来てください。   展示期間中には、裏話や飼育情報などもこのコラムで紹介していきます。 お楽しみに。     Tweet

箱をあきらめて~2022夏~
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箱をあきらめて~2022夏~

「輸送箱が届いていない・・・!?」     それは展示するオオヒキガエルを捕獲するため石垣島へ旅立つ前夜、 協力者から投げかけられた言葉でした。 今回はオオヒキガエル捕獲の顛末についてお話しいたします・・・。     ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   ヒキガエルの企画展を計画するにあたり、   「日本に生息しているヒキガエル5種類は全部展示したい!」   と強く考えていた私。   外来生物として定着している石垣島へ出張し、 現地の状況を視察するとともに、展示個体を捕獲することにしました。     オオヒキガエルは外来生物法で「特定外来生物」に指定されているため、 飼養、栽培、保管、運搬をすることができません。 研究や展示などの目的の場合、許可を得て飼養等をすることが可能とされています。     許可を得るためには、飼育する施設の場所、飼育ケージや展示水槽の写真や図面、そして今回は石垣島で捕獲し、飛行機で運ぶため、輸送箱の写真や図面など、たくさんの書類が必要となります。   今回輸送に利用する航空会社にも、事前に輸送ケージを確認してもらいました。     今回の石垣島出張では、現地在住で生き物イラストレーターのさちこさんに協力してもらえることになっていました。   出張日も決まり、事前にオオヒキガエル輸送箱もさちこさん宅へ送らせてもらい準備万端。   ウキウキです。     そして出張前夜。 冒頭のセリフを口にすることになりました。     私「明日からよろしくお願いします!」 さちこさん「よろしくお願いします! ところで輸送箱が届いていませんが大丈夫ですか?」 私「・・・・・え?輸送箱が届いていない・・・!?」   (そんなバカな!一週間前には送ったはず!) あわてて配送状況を確認すると、なんと、輸送箱はまだ岐阜にあることになっているではありませんか。   オオヒキガエルを輸送するには、あの輸送箱でなければなりません。 輸送箱がなければ、捕獲することもできず、私が石垣島へ行く意味がありません。 「どうしようどうしよう…」と珍しく食事が喉を通らないほど狼狽え、 私の顔は石垣島の海よりも青ざめたまま、中部国際空港を飛び立ったのでした。   後から分かったのですが、送るものの大きさやその時の状況で船便に振り分けられることがあること。   船便だとだいたい10日はかかるということ。   そして、配送状況は石垣島に着くまで更新されないということ。     自分の準備不足、確認不足で後悔しきりです。 しかし、もう届かないものは仕方がありません。   もう一つの目的、オオヒキガエルの生息状況や現地の様子をしっかり観察して、 展示に活かすことだけは達成できるように気持ちを切り替えました。       さちこさんの案内で、市街地を走ると早速ブロックの上にオオヒキガエルが!       他にもサトウキビ畑沿いの道路にも大小さまざまな個体がどんどん見つかります。     石垣島の平野部では、増え続けていることを実感しました。   結局、最終日まで輸送箱は届かず、石垣島を飛び立ちました。       翌日、さちこさんから連絡がきました。 「輸送箱が届いたよ」と。   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   いかがでしたでしょうか、私のオオヒキガエル捕獲未遂顛末記。   その後、さちこさんや他のスタッフに協力してもらいながら、なんとか展示にこぎつけました。   私の様々な思いがつまったオオヒキガエルの展示は4月9日(日)まで。 あと少しで終了です。ぜひ見に来ていただければ嬉しく思います。       Tweet

花柄模様のエイ
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花柄模様のエイ

こんにちは。 3月14日からのテーマ水槽は、桜や花を連想させる‶花柄模様のエイ”を展示しています。 題して「サクラサク!花咲くエイ」。 満開の桜をイメージした水槽にお目見えしたのは、フラワータイガースティングレイ。   そうです!まだ記憶に新しい企画展「トゲめくエイ」(2020年12月~2021年4月開催)で、展示していた個体です。   当時の展示では、神経質で↓こんなふうに砂に潜ってばかり。 食べ物のえり好みが激しく、しかも、人前ではあまり食べず、誰も見ていないときにこっそりと食べる個体でした。   あれから2年が経ち、今では砂に潜ることもなくなり、色々なものを食べるようになりました。   ちょっと大きくなりましたよ。   フラワータイガースティングレイの英名は、Rosette river stingrayなので、花飾り模様の淡水エイ💛という意味合いになるのでしょうか。 この機会にぜひ、美しい淡水エイにうっとりしていただきつつ、「ちょっと大きくなったねぇ!」と懐かしんでいただけたらと思います。     Tweet

ひな祭り!!
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ひな祭り!!

みなさま、こんにちは。   早いもので2023年が始まって、もう2ヵ月が過ぎようとしています。あっという間ですね。   さて、1月はお正月、2月は節分とイベントが続いていますが、3月も大事なイベントがありますよね?   そうです! 『ひな祭り』です!!   女の子がいるご家庭では、ひな人形を飾られるところが多いのではないでしょうか。 ということで今回は『ひな祭り』がテーマの水槽です!   いかがでしょう? 華やかに見えませんか??   こちらの水槽は2月22日より当館のエントランスにて展示しています。   普段はこの水槽、満タンに水を張り展示することが多いのですが、今回は水位を2/3ほどに下げて展示を行っています。   たまにしかないレア仕様です。笑   なぜこうなっているかと言いますと・・・     女雛と男雛をイメージして、現在開催中の企画展『新ヒキガエルのすすめ』からミヤコヒキガエルのペアに出張してきてもらっているのです!!     堂々たるたたずまい、決まっていますね!   そして水中には『バルーンモーリー』を展示しています。     この水槽をどのようなものにしようかと考えている時に、ひな祭りの飾りとして「つるし雛」というものがあると知りました。     つるし雛は、江戸時代から伝わっている伝統的な風習で、ひな人形がとても高価なものだったため、一般家庭ではこの「つるし雛」が好まれたそうです。   今回の展示では、そのつるし雛の1つ1つをイメージしてバルーンモーリーを抜擢しました!   丸いフォルムが可愛らしい魚で、つるし雛と一緒に水槽内に華を添えてくれています。   まだ寒い日がありますが、華やかなこのテーマ水槽をご覧いただき、一足先に春を感じていただけると嬉しいです!   展示は3月13日まで行っておりますので是非お越しくださいね!!     Tweet

狛ガエルがいる神社
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狛ガエルがいる神社

企画展が始まって早くも2か月近くになりました。 前回の「ヒキガエルの企画展がはじまりました」コラムには たくさんのいいねやコメントありがとうございます。   返信はできませんが、コメントには目を通しているので、 たくさん投稿してもらえると嬉しいです!     さて、話は変わりますが、アクア・トト ぎふのある各務原市には「日吉神社」という神社があります。   昔は境内に池があり、毎年ヒキガエルが産卵に来ていたそうです。   現在は埋め立てられてしまいましたが、 かつて池があった場所は、石でかたどられています。     そしてこの神社には「狛(こま)ガエル」がいたり、 「ヒキガエル伝説」というものがあったりします。       そして、毎年4月には「げえろ祭り」というお祭りが行われ、 カエルのおみこしを担いで町内を歩いたりする行事もあります。 (2020年からコロナ禍のため中止となっています)   そんなヒキガエルにまつわる神社については、もちろん今回の企画展で紹介しています。 企画展ブース終わりのこちらの部屋(トト・ラボ)です。       日吉神社やヒキガエル伝説、げえろ祭りなど、パネルや動画で解説していますので、ぜひ見てくださいね。     この神社は、水族館から車で10分ほどのところにあるんです! 水族館を見学した後は、日吉神社にも足を運んでいただけたらと思います。     そしてそして、日吉神社紹介の隣では、こんな展示もやっています。   「#私のヒキガエルのすすめ」     皆さんが思う 「ヒキガエルのここがかわいい、好き!」 という投稿を展示しています。   皆さんが撮った写真がとてもすばらしく、コメントも愛にあふれているものばかりで、 投稿を見るだけでほっこりします。   なかなか水族館に遊びに来られないという方も、ぜひTwitterやInstagramで このタグを検索してみてくださいね!     Tweet

2月3日は何の日?
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2月3日は何の日?

みなさま、こんにちは。   いきなりですが、2月3日は何の日でしょうか? そう!節分の日です。   節分の日には、豆をまいて鬼を追い払い、無病息災を祈りながら歳の数だけ豆を食べるという慣習があります。鬼が嫌うイワシや痛そうなヒイラギの葉を魔除けとして、玄関に飾ることもあります。   さらに!大阪出身の私は、その年の良い方角、つまり恵方(今年は南南東)に向かって恵方巻(巻き寿司)を食べることも行っていました。 てっきり、全国的に恵方巻を食べる習慣があると思っていましたが、調べると関西地方が発祥で、近年に全国に広まっていた慣習だったそうで驚きました。     前置きが長くなってしまいましたが この恵方巻をテーマにした展示を、水族館のエントランスにて開始しました。   主役はファイヤースパイニィイールというトゲウナギの仲間で、背中に鬼の苦手なトゲトゲがある魚です。   もともと穴に隠れる魚のため、巻き寿司の中に細長いからだで入ってくれて、このテーマにピッタリの魚ではないでしょうか!       早速、展示に向けて準備を進めていきます。生きものに害のない材料を使って巻き寿司をどのように作製していくかは難しく、他のスタッフにアドバイスをもらうことにしました。   私のプランでは、お米や海苔はパイプに直接スプレーや絵具で描き込もうと思っていましたが、 「米粒の食品サンプルを接着して、よりお米感をだしてみるのはどうか」、 「黒色の寒冷紗をパイプに巻いてみるのはどうか」等々、アドバイスをもらい、下の写真の巻き寿司が完成しました!   そして、こちらの巻き寿司、今年の恵方である南南東に向いて設置しています!(本当は、たまたまです…。お客様に質問されて初めて気付きました。)     じつはこちらの魚、2階にある『メコン川 中流の魚Ⅱ』の水槽で常設展示しています。 アクア・トト ぎふのシンボルフィッシュであるメコンオオナマズを展示している水槽です。 ファイヤースパイニィイールは、砂利や水槽奥の暗い場所に隠れていることが多く、目立たないこともありますが、時々、下の写真のように泳いでいることもあります。   私は、つぶらな瞳と細長い鼻が特徴的なファイヤースパイニィイールの顔が大好きです。 この機会にぜひ、みなさまにも近くでじっくりと見てもらって、ファイヤースパイニィイールの魅力のとりこになってもらえたらな!と思っています。     Tweet

ヒキガエルの企画展が始まりました
  • 企画展・特別展示

ヒキガエルの企画展が始まりました

12月17日より企画展「新ヒキガエルのすすめ」が始まりました。   タイトルの通り「ヒキガエル」の企画展です。       みなさんヒキガエルは好きですか?   私はとても好きです。 大きくてたくましい体はとてもかっこ良く、 ちょっと怒っているような顔つきはとてもかわいらしいです。   しかし、大きくてイボイボの体がちょっと…と見た目で敬遠されてしまうことも 少なくありません。     今回の企画展で、まずはそんなヒキガエルたちの暮らしぶりなどを 知ってもらいたいと思っています。   そして、 「ヒキガエルってかわいい!」 「意外といいかも!」 「健気だな。」 など何か感じてもらえたら嬉しく思います。   では、ざっと展示内容をご紹介。 まずは岐阜県にも幅広く分布しているアズマヒキガエル。   2022年生まれの幼体も展示しています。 「ヒキガエルの幼体ってこんなに小さいんだ!」 という声をよく聞きます。     そして、日本に生息する他のヒキガエル4種類も展示しています。       下の写真のオオヒキガエルは外来生物法で「特定外来生物」に指定されており、 原則として飼育などが禁止されている生き物です。     今回の飼育展示も、もちろん許可を得て実施しています。 展示しているオオヒキガエルは石垣島に定着している個体で、 捕獲のために実際に石垣島に足を運びました。 捕獲の話はまた後日、飼育コラムで紹介できればと思います。   そして、ヒキガエルの毒や保全活動についてもパネルで解説していますので、 ぜひ読んでいただきたいです。     展示期間は4月9日までです。   そして、今後もこのコラムでヒキガエルのあれこれをお伝えしていきたいと思います。 お楽しみに。     Tweet

「ちがい」をわかりやすく伝えるための工夫
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「ちがい」をわかりやすく伝えるための工夫

みなさま、こんにちは。   企画展「ココがちがうんです!~生き物の見分けは難しい!?~」ですが、残り約1か月となりました。 長期の企画展でしたが、始まってしまえば、あっという間に過ぎてしまいますね。 館内での展示やこちらのコラムだけでなく、インスタグラムによるライブ配信でも生き物の見分け方をご紹介してきましたが、みなさま、ご覧になっていただけたでしょうか?     1回目は、7月29日(金)にカワムツとヌマムツ、ベンケイガニとクロベンケイガニ、ミナミメダカとキタノメダカの見分け方を紹介しました。     2回目は、9月15日(木)にツチガエルとヌマガエル、タゴガエルとネバタゴガエルの見分け方を紹介しました。   3回目は、10月30日(日)にネズミ、モグラ、コウモリの仲間について紹介しました。     まだ見ていないという方は、インスタグラムにアーカイブが残っていますので、ぜひご覧くださいね!!   さて、ここからが今回のコラムの本題です。 この企画展は「生き物の見分け方」を、ご覧になっているみなさまにわかりやすく伝える必要がありました。ちがいがあるとはいえ、生き物そのものを見ただけでは、やはり見分けることは難しいです。   そこで、イラストと生き物を見比べながら観察してもらうことで、よりわかりやすくちがいを伝えることができるのではないかと考えました。   企画展の解説で使用しているイラストは、全てスタッフの手作りなんです。(知らない方も多かったのではないでしょうか?)   作成するにあたり、大変だったポイントをいくつか紹介さていただくと・・・   まず、ちゃんと「イラスト」にすることです。 作成開始当初につまづいたところなんですが、生き物の色合いや形をリアルに描きすぎると、イラストとしては、わかりづらくなってしまうんです。それなら写真で良いのでは?となってしまいます。   ちがいがあるとはいえ、似ている種を展示するので、イラストを見て、全くちがうと思われてはいけませんし、似ている中にちがいをつけるのは、なかなか苦労しました。   こちらは、ヌマムツとカワムツの最初に作成していたイラストです。   ここから、色や線を単純にすることで、わかりやすいイラストにしていきました。   最終的には、こちらのイラストになりました!     次に、ちがいの書き方です。 生き物のちがうポイントって意外と曖昧なものが多いんです。 カマツカ3種のちがいとして、模様のちがいがあるのですが、「くっきりしている」「ややぼやけている」「ぼやけている」などで表現されているんです。 これをイラストで表現するのが、とっっっても難しかったです!! なかなか納得がいかず、カマツカ3種は、何パターンも作りました。一番苦労したイラストでした。   試行錯誤を繰り返しなんとか表現できたときは、達成感がありました。   そして最後は・・・いつもよりも作成数が多いことです!! ちがいを表現するためには、最低でも2種で1組になります。いままでの企画展の倍以上のイラストを作成したのではないかと思います。 作成したイラストは、見分け方のイラストだけでも、23コでした。     途中で心が折れそうになることもありましたが、なんとか全て作成し、企画展を開催することができました。   今、「ココがちがうんだって~。」と、イラストと生き物を見比べながら水槽をご覧になっているお客様を見かけると、作成してよかったなと改めて思います。   企画展は、12月11日(日)までの開催となっていますので、ぜひ、イラストを見ながら、生き物のちがいを見つけに来てくださいね!お待ちしております。   Tweet

岐阜県のカメがせいぞろい!
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岐阜県のカメがせいぞろい!

みなさまこんにちは。 日中でも肌寒くなってきた今日このごろ。私たち人間にとっては食欲の秋ですが、当館で飼育している爬虫類たちはすっかり摂餌意欲が落ちてきたところです。   さて、10月25日より3階「里山の生き物水槽」にてミシシッピアカミミガメの展示を開始しました。アルビノのジムグリからのバトンタッチです。 向かって左側のスペースに幼体が、右側のスペースに成体が入っています。 ブースでは、今年5月に公布された外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)を改正する法律の内容を中心に、ミシシッピアカミミガメにまつわる外来種問題について解説しています。   より詳しく知りたい方は環境省のホームページをご覧ください。WoWキツネザルさんの動画などは必見です。     ミシシッピアカミミガメの展示を開始したことで、私はひっそりと満足感に浸っていました。……それは、岐阜県の野外でみられるカメ全種をお客さまにご覧いただけるようになったからです!   では、順番にご紹介して参りましょう。   まずは、ニホンイシガメです。 日本固有種で、岐阜県レッドデータブックでは準絶滅危惧種として指定されています。平野部よりも山間部でよくみられます。甲長は最大20cm程度と、他の種に比べて小柄です。     続いて、ニホンスッポンです。 水生傾向が強いカメで、産卵期のメスをのぞいて陸上を歩く姿はあまり見かけません。現在展示している個体は、今年9月から仲間入りしました。長くバックヤードで飼育されていた個体ですが、他の魚を食べてしまわないかなど慎重な観察が行われつつ、デビューに成功しました。     こちらは、クサガメです。 かつては日本在来種とされてきましたが、化石や古文献の記録が確認されないことから、現在では江戸時代以降に朝鮮半島や中国から移入したものと考えられています。捕まえるとくさい臭いを出します。     最後に、ミシシッピアカミミガメです。 アメリカ合衆国南東部およびメキシコ北東部原産で、ペットとして輸入され野外へ遺棄された個体が日本に定着しています。今では、日本の多くの河川でもっともよくみられる種です。     いかがでしたでしょうか。ミシシッピアカミミガメは期間限定ですので、この4種がそろっているのは今だけです。ぜひご来館いただき比較してみてくださいね。   他にも、岐阜県ではカミツキガメ、ワニガメをはじめとする何種もの外来のカメが発見されています。今のところ定着はしていないとされていますが、今年10月に岐阜市内でカミツキガメの幼体が捕獲されたニュースは記憶に新しく、とても心配なところです。   日本の生態系を守るためにも、ペットは生涯飼い続けられるかどうか事前に十分検討するとともに、現在飼育している生き物を野外へ遺棄することがないようにお願いいいたします。 Tweet

用水路にいた青いメダカ
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  • 研究・調査

用水路にいた青いメダカ

みなさま こんにちは。 現在、3階の「用水路の生き物」水槽の隣で青いメダカを展示しています。     青いメダカはペット用の改良品種で、観賞魚売り場に行くと、青いメダカの他にも、白いメダカや赤いメダカ、黒いメダカなど、いろいろと売られています。 家に水槽を置いて、それらのメダカを飼ってながめるのは私も好きです。     でも、そんなメダカを野外の川で見つけた時は、ぞっとしました。   去る2021年11月、岐阜県内の、とある用水路で生き物観察をしようかな。と水に入ったとたん、水面にいるたくさんの青いメダカを見つけました。 背側が青白く光る特徴を持つ「幹之メダカ」もいました。   初めて行く場所だったので、何がいるかなぁ~とわくわくしていたのにこれです…。残念でなりませんでした。     ここは、野生の生き物たちがくらす場所。ペット用のメダカがいるべき場所ではありません。 きっと、飼っている人が、(このメダカはいらないな)と思って、この場所に捨てたんだと思います。ざっと50匹以上はいました。       もし、ここに野生のミナミメダカがいたら…   ペット用メダカと野生のメダカは容易に繁殖するので、子孫を残す可能性があります。そうなると、遺伝子が撹乱され、この地域固有の遺伝子をもつ野生のミナミメダカはいなくなってしまいます。一度失われてしまうと、もう元には戻せません。     これまで、野生のメダカは開発による生息地の消失や、農薬や生活排水による水質汚濁、そして、国外外来種のオオクチバスやブルーギルに捕食され、また、カダヤシにすみかを奪われるなどして、大幅に数が減っています。     そして、またここにきて、ペット用メダカによる遺伝子の攪乱というあらたな脅威にさらされています。     飼っているメダカが増えすぎて飼えなくなったとしても、野外の川に捨てるのは絶対にやめましょう   青いメダカを見つけたこの用水路は、近所の人曰く、小学生もよく来て魚捕りを楽しんでいく場所だそうです。小学生には、その地域で世代を重ねてきた本物の地元の魚だけを捕らせてあげたいと心から思います。 川にペット用のメダカがいるのが当たりまえ、なんて事態にならないよう、自分にできることが何かを考えた結果が、青いメダカを展示することでした。   展示しているのは、今年の8月に同じ用水路で捕まえた個体です。   去年に続き、今年も青いメダカがたくさんいました。   ペット用メダカを川に放したらなぜダメなのか、しっかりとパネルで解説したつもりです。 ぜひ読んでいただけたらなと思います。 Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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