おもしろ飼育コラム

重宝されるシビレエイ
  • 企画展・特別展示

重宝されるシビレエイ

こんにちは。 暦の上ではもうすぐ春になりますが、まだまだ寒いですね。 みなさま、お元気ですか?   さて、今回は現在開催中の企画展「トゲめくエイ」から。 展示しているエイのなかで、唯一トゲのない「シビレエイ」をご紹介します。   トゲはなくとも、名前から想像がつくように発電器官という武器をもつシビレエイ。 水深が150mぐらいまでのところの、海の底にすんでいます。 砂地が好きで、砂にもぐって目だけを出していることも多いです。   ゴカイをよく食べているようで、こんな歯をしています。     水族館でも生きたゴカイをエサとして与えているのですが、 エサを探すときですら、動きはゆっくりです。 下の写真をご覧ください。今のシビレエイのいる位置からゴカイにたどり着くまでに、ほぼ直線的に進んでも1分もかかります。     動画がありますので、気を長くして見ていただければと思います。     さて、このシビレエイ、いろいろと人間社会に貢献してくれている生き物なんです。   まず、古代ローマ帝国では痛風の対処療法に使われていたそう。 どうやって!!!??? 海岸で裸足になって、シビレエイ(正しくはシビレエイの仲間)を踏んでいたようなんです。 シビレエイの出す電気で、足がびりびりして感覚がなくなると痛みが和らぐんだそう…。 にわかには信じられませんが、そう書いてありました。気の毒なシビレエイ…。     そして、日本ではシビレエイの発電器官をヒントに発電機の開発がされていたり、 ごくごく最近では、シビレエイに小型の音の信号送信機を取り付けて、 その位置をプロットすることで、海底の地形探査が可能!という実験結果もでています。     たしかに、先ほどの動画のように、底をこするように移動するので、 シビレエイのいる場所をたどると、地形図になりますね。   しかも、ゆくゆくは信号送信機の動力は、シビレエイの出す電気を利用する、つまり電池いらずで長期間にわたってデータがとれる。というところを目指しているそうです。 もう、そうなったら、海底の伊能忠敬です。     シビレエイは食用に利用されることはありませんが、 底引き網漁で混獲されることが多く、IUCNでは絶滅危惧種に指定されています。   海でのシビレエイの様子や、海底の地形のことがもっと分かれば、 むやみに混獲がおきない漁の開発につながるかもしれません。 そう期待して、今後のシビレエイの活躍を応援します。     詳しくはこちら ↓ シビレエイを用いた海底地形探査 | 理化学研究所 (riken.jp)     Tweet

企画展はエイになったよ!
  • 企画展・特別展示

企画展はエイになったよ!

こんにちは。冬将軍の到来とともに、 当館では企画展「トゲめくエイ」が始まりました。   マンタ!? いません。すみません。   とはいえ、なかなか見ごたえのあるエイが集結しています。   本来は夏から開催する予定でしたが、 感染症対策による休館などにより開始時期が遅れました。   おかげで、ひとついいことがありました。 それは、展示するエイたちが大きくなったことです。   というわけで、今回の企画展コーナーは、大きな水槽が並ぶ迫力のあるものになっています。   展示するエイは8種類。私目線では、 身近なエイも、憧れのエイも、しびれるエイもそろっています。   それではいくつか、これまでのお気に入りの写真を… いかがでしょう? よく見えているエイよりも、砂に身を隠しているエイが好きです。     展示期間は4月11日までの予定です。 皆様のお越しをお待ちしています。     Tweet

産卵しました!
  • 企画展・特別展示

産卵しました!

10月14日の朝、開館前に企画展の水槽を見回っていると、 激しく動くアンダーソンサラマンダーが目に入りました。     いつもはお互い距離をとっていることが多いので、 「あれ?喧嘩でもしているのかな。」 そう思ってよく観察してみると メスに顔を近づけたり尾をくねらせたり…     「これはオスの猛アピールかも!」 と思い動画を撮りました。     動画の最後の方ではオスの総排出口が 真っ赤に膨張しているのが見えますし、 メスもよく見るとお腹が膨らんでいます。   「これは求愛行動で間違いなさそうだ。産卵するといいな!」 と少しわくわくしていました。   次の日見てみると枝や水草、水温計などに 合計100個以上の卵が産み付けてありました。     産み付けられた卵が親に食べられてしまわないように、 ほとんどの卵はバックヤードに移動させましたが、 卵の一部をこのようにポケット水槽で展示しています。     そして産卵から3日後。       少し形が変わってきました。 うまく発生が進んでくれますように…   今後の様子はTwitterでお知らせしたいと思います。 お楽しみに!     Tweet

企画展 もっと知りたいウーパールーパー
  • 企画展・特別展示

企画展 もっと知りたいウーパールーパー

さて、好評開催中の企画展「もっと知りたいウーパールーパー」はご覧になりましたか?     この企画展では多くの方がイメージするであろうリューシスティック個体はもちろん、いろいろな色の個体やウーパールーパーの近縁種など、見どころたくさんの展示になっているかと思います。   「ウーパールーパーってこんなかわいいのか!」 そう思うこと間違いありません。         その企画展からお気に入りの生き物を紹介したいと思います。   「アンダーソンサラマンダー」です。   水槽をのぞき込むとよくこちらをみてくれます。   アンダーソンサラマンダーもウーパールーパー同様、繁殖できる成体になっても見た目は幼生という「幼形成熟」する種です。     見た目もウーパールーパーに似ていますが、水かきがあるのが特徴です。       このアンダーソンサラマンダーはメキシコのサカプ湖周辺の小川と運河でしか発見されていないようです。   しかし、生息地の汚染や食料として大量に捕獲されたことで数が減っています。     皆さまもぜひお気に入りの1種類を見つけてみてくださいね。     Tweet

企画展 もっと知りたい ウーパールーパー
  • 両生類
  • 企画展・特別展示

企画展 もっと知りたい ウーパールーパー

新型コロナウイルスの影響で開始が遅れていた企画展もようやく皆様にご覧いただけるようになって、2か月ほど経ちました。   すでに皆様の中でのお気に入りの生き物は決まっていますでしょうか? 私の一番のお気に入りはというと、こちら。   グレーターサイレンです。 写真は砂に潜って顔だけ出しているところです。 自然下では、生息場所の水が枯れると地中に潜って数か月間生きることができるそうです。   そんな、グレーターサイレンですが、砂に埋もれた体がどんな形をしているのか想像つきますか?         実はこんな感じです。     細長い体をしており、後ろあしは退化しています。 奇妙な体型をしていますが、地中に潜りやすい体型なのでしょう。 毎朝、状態確認のため水槽を覗きに行くと、全身砂の中に埋もれ姿が全く見えないことも。 最初はどこへ行った?と、心配になりましたが、開館するころには顔を出してくれています。   見つからないというときは、よーく探してみてください。 顔だけ出して、こちらを見ているかもしれませんよ。     Tweet

企画展便り~ウーパールーパー変態個体について~
  • 両生類
  • 企画展・特別展示

企画展便り~ウーパールーパー変態個体について~

みなさま、こんにちは! 暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?     現在、開催している企画展『もっと知りたいウーパールーパー』の、個人的な見どころのウーパールーパー変態個体について紹介します。     そもそも、変態とは生き物が成長する過程で形態を変えることです。   ウーパールーパーはカエルと同じ両生類です。 両生類は通常、変態してエラなどがなくなります。 しかし、ウーパールーパーは幼形成熟(ネオテニー)といって繁殖ができる成体になっても、幼生の形態(外鰓、矢印)が残ります。     ちなみにですが、ウーパールーパーの成体はエラ呼吸、肺呼吸どちらも行うことができます。     では、本題のウーパールーパーの変態についてです。 ウーパールーパーは野生下では変態することはありませんが、飼育下ではまれに変態することがあります。 変態する要因として、飼育環境の変化や甲状腺ホルモン(サイロキシン)の投与があります。   企画展で展示しているウーパールーパーは、甲状腺ホルモンを投与して、変態させました。 人為的に変態させましたが、健康状態に問題はなく、元気に過ごしています。 それでは、変態する前と後を比較してみましょう。   まずは、外鰓がなくなっているのがわかりやすいですよね。(丸く囲ったところ) また、尾の高さが低くなっています。(黒矢印)     摂餌する様子はこちら。 変態する前と後どちらも、エサに対する反応はとても良く、何でも食べます。         企画展では、ウーパールーパーのエラが少しずつ変化していく様子を映像で流しています。 是非、変態したウーパールーパーにも注目してくださいね!     Tweet

企画展便り~設営編その2~
  • 企画展・特別展示

企画展便り~設営編その2~

  みなさまお待ちかねの企画展『もっと知りたいウーパールーパー』も始まりました。   新型コロナウイルス感染拡大による影響で、みなさまにもしかしたらご覧いただけないかもと心配していましたが、ようやくお披露目することができ、大変嬉しいです(^^)   今回は前回の設営編その1の続きのお話です。 前回ではパネルの設置まででしたが、今回はそこから各水槽の設置、レイアウト作成、生き物の展示になります。     少し詳しく説明しますと… パネルの枠組みに合うように架台を作成し、水槽を設置します。 次に水槽内に底砂や木材、石を配置し、生き物の過ごしやすい環境をつくっていきます。 最後に生き物を水槽内に移します。   生き物たちは、企画展が設営される前から、水族館の環境に慣れてもらうために バックヤードで飼育をしています。   飼育の様子↓ ちらっ 私たちを見ると寄ってくるほど、人にも慣れてきました。       また、今回の企画展の個人的な見どころはこちら! 詳しくは次のブログにて熱く紹介します!     Tweet  

企画展便り~設営編 その1~
  • 企画展・特別展示

企画展便り~設営編 その1~

みなさん、おうち時間いかがお過ごしでしょうか? このブログが少しでもみなさんの癒しなればと思います♬   今回は、企画展「もっと知りたいウーパールーパー」について紹介します。 何と言っても、私が入社してから初めて担当する企画展になります‼   本来ならば4月18日(土)から開催する予定でしたが 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当館も休館しておりますので、水族館の再開に合わせて企画展もスタートとなります。   しかし、休館中といえども企画展の撤収&設営作業は予定通りに行われました。設営中、普段ならお客様のご迷惑にならないように気を付けながら作業にあたるのですが、今回はどこか物寂しい中での作業となりました。   いつ再開しても大丈夫なように、準備はバッチリです。   そして、楽しみにしてくださっているお客様のために、一足お先に ブログにて企画展の様子を紹介していきたいと思います。   4月13日時点の企画展の様子です。     まずは、今回の企画展の配置に合わせたパネルを組み立てまして そのパネルに壁紙を貼ります。 壁紙のデザインは当館のデザイナーによるもので ウーパールーパーをイメージとした薄いピンク色の背景がかわいらしいですよね♪   また、企画展の入り口にはドーンと大きなウーパールーパーがいますので ぜひ、一緒に写真を撮ってみてくださいね!   また、こんなコーナーもあります! 詳細については後日お知らせしますので、楽しみにしてくださいね!   Tweet

これは何だ???
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これは何だ???

みなさんこんにちは。 パンタナール展第2章のいきもの紹介です。     ホプロステルヌム・リットラーレです。 この種に対する日本語の名前がないため、カリクティスの一種という形で紹介しています。   この魚はナマズの仲間で、長いヒゲが特徴的ですが、それ以外にも頭は固い骨質板で囲われ、体にはヨロイのような鱗があります。   その見た目から、日本では「ヨロイナマズ」、英語では「アーマードキャットフィッシュ」とも呼ばれることもあります。   この魚の実際の骨格はみたことはないのですが、近い仲間はプレコやコリドラスなどです。下の写真はプレコの仲間の骨格です。 いかにも硬そうな頭をしていて、まさにヨロイを着けているようですね。     さて、このカリクティスの一種は、とてもユニークな生態をもっています。   まず一つは腸呼吸を行うことができます。 これは沼や池などで水中の酸素が少なくなっても、生存していける呼吸方法の一つです。   水槽内は酸素不足ではないですが、たまに水面へあがって息継ぎをした後に、おならをするように泡がでてきますので、どのような環境でも腸呼吸するようです。 しばらく水槽を観察していると結構見ることができますよ。     二つ目は、産卵する際、植物の根っこや枯葉などに泡の巣をつくります。 ぜひ見てみたいと思い、植物の根や枯葉を用意してはいるものの、残念ながらまだ見ることができていません。     三つ目は、ウインクしてきます(笑) 厳密にいうと、まぶたがないのでウインクではないのですが、目がぎょろっと下へ動きます。 最初見たときは、幻かな?と思ったのですが、調べてみると「ウインクキャットフィッシュ」とでてくるので、この仲間の特徴のようです。     長くなりましたが、最後はこのお話。 お腹側の写真です。 肛門の下にちょろっとついているものが見えますか?   アップにしてみます なんだか分かりますか? 最初みたとき、なんだこれ?と思いました。 場所的には、肛門の下で、オスのみについています。 どうやらこの魚は、交尾の際オスがメスの口に放精をして、メスは精子を飲み込み一度ためてから、産卵するという特殊な繁殖方法をもっているようです。     こちらがメスのお腹側で、メスにはついていないようです。 (オスは胸びれの先端が、厚くなりオレンジ色に染まります)   同じナマズの仲間だと、コリドラスも似た繁殖方法をもっていますが、この魚もそうだとは知らず、お腹側をみて初めて気が付いたので、かなり意外な発見でした。     ただ実際のところ、本種の繁殖行動をみたことがないので、本当なのかな?とも思ってもいます。ぜひ展示期間中までに交尾を行い、産卵するところをみられたらなと思っています。 みなさんも立ち寄った際は、少し観察してみてくださいね!   Tweet  

パンタナール展より この生き物はなに?
  • 企画展・特別展示

パンタナール展より この生き物はなに?

ずーっと旅行記やパンタナールの現地のことを書き続けてきましたが、 展示中の生き物についても紹介します。     この生き物は何でしょうか?     正解はマタコミツオビアルマジロ アルマジロが正解でしたー!     この写真はアルマジロの甲羅です。 「鱗甲板」と呼ばれるウロコ状の硬いヨロイは、実はなんと「体毛」が変化したものです。天敵のジャガーやピューマ、オオカミなどから身を守ることができます。 進化ってすごいですね。   これを人の頭部で考えてみると・・・ 髪の毛が硬くなり、ヘルメットになるってことでしょうか?     以前、アルマジロの展示飼育も担当している近藤が魅力を紹介してくれました。読んでいただけましたか? https://aquatotto.com/blog-diary/detail.php?p=7655     アルマジロは夜行性で1日15時間以上寝る動物と言われています。 視力がとても弱いかわりに、嗅覚が発達していて、においでエサを探します。 虫やシロアリ、果物など、時には動物の死骸なども食べるようです。 アリなどを食べる際には、大きな爪でアリ塚や地面を掘り、粘着性のある長い舌を器用に使って捕食します。       においをかいでいる行動はこちら クンクン鼻を動かし、においをかいでいる様子が分かりますよね。     20種程いるアルマジロの仲間の中でも、ミツオビアルマジロとマタコミツオビアルマジロだけがボールのような球体になることができます。   こんな感じです。   まるで美術館の展示物のようにも見えますね。     ある朝「え?のびている」と思ってしまう姿を見かけました。 動かない どうした?元気ないのか? と心配しましたが、近くで見るとちゃんと呼吸をしています。   どうやら寝ていただけのようです。 しばらくするとこちらの気配に気づいたのか、起きて走り始めました。     起きる瞬間の映像です。       可愛いですね~。       おまけの話です。 ミツオビアルマジロとマタコミツオビアルマジロの現地名は「Tatu-Bola(タトゥーボーラ)」と言います。「タトゥー」はアルマジロ、ボーラは「ボール」の意味です。 ボールのように丸くなるアルマジロということなんでしょうね。       もうひとつおまけの話です。 サッカー好きならご存知かもしれませんが、 2014年にブラジルで開催されたワールドカップ。ブラジルが歴史的な敗退をした大会です。 その大会のマスコットに「フレコ」というミツオビアルマジロがモデルになったキャラクターがいたんですよ。   では。   Tweet  

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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