おもしろ飼育コラム

頭でっかち化、進んでいます!
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頭でっかち化、進んでいます!

4月26日から展示をスタートした 『実験!エゾサンショウウオの頭でっかち幼生』。 この水槽では、たくさん幼生がいる環境で育つ幼生と、 少しの幼生しかいない環境で育つ幼生の成長の違いを比べています。 実験から1週間ほど経って、さっそく幼生の姿に変化が現れてきました。 飼育密度の高い環境では、幼生の体の大きさに差が出始めています。     特に体が大きいものを選んで、飼育密度の低い環境の個体と比べてみました。 飼育密度 低   飼育密度高 横から見ても、体型にまだまだ差はないように思えますが… 同じ個体を上から見てみると、 どーん!   頭でっかち化、着実に進んでいるようです! 頭の形も、なんだか角ばっているみたい。   2つの環境の幼生には、それぞれの行動にも差があるようです。 飼育密度が低い環境では、幼生は水面や水底でじっとしていることが多く、 また泳いだとしても他個体にぶつかることは少ないです。 かわって、飼育密度の高い環境では、幼生同士の体が触れるたびにお互いが ピョンッと動きます。なので、しょっちゅう動き回っている様子が確認できます。 エゾサンショウウオの頭でっかち化は 「体に尾が当たるような振動」が引き金になっておこるといわれていますので、 この幼生同士がぶつかることが重要な刺激になっていそうですね! これからこの差が広がっていくのでしょうか。 また幼生の姿に変化があったらお伝えしていこうと思います! それではまた!     ツイート  

エゾサンショウウオの幼生を展示しました!
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エゾサンショウウオの幼生を展示しました!

2F博士の探検小屋コーナーで、 エゾサンショウウオの幼生展示を始めました! もしかすると、あの…!?と気づいて頂けた方は かなりのアクア・トト通かもしれません! 昨年、5月8日から5月24日まで、 エゾサンショウウオの頭でっかち幼生を展示しました。 ↑どちらも同じ卵のうから生まれた兄弟ですが、こんなに姿が違うんです! このエゾサンショウウオ幼生は、幼生がたくさんいる環境や、 餌となるエゾアカガエルがたくさんいる環境で育つと、 頭でっかちになる個体が現れるのです。 頭の大きくなった幼生は、 より大きな餌を食べることができるようになります。 このような現象を表現型可塑性※といいます。   ↑画像は昨年展示した幼生です。 今回は、その  頭でっかちになる過程を展示したい!!!  ということで、 実験水槽を作りました!   水槽の中には、3月16日にバックヤードで生まれた卵から育てた、 小さなエゾサンショウウオの幼生が入っています。   飼育密度を高くすると、頭でっかち幼生が現れる…はず!!! ということで、展示水槽では ・たくさんの幼生がいる水槽 ・少しの幼生しかいない水槽 の2つを作り、これからそこで育つ幼生の成長を比べていきます! 成長の様子は、水槽横にある 「観察記録ノート」で更新していきますので、 ぜひチェックしてください! さて、これから頭でっかち幼生は現れるのでしょうか!? 実は、自分が一番ドキドキしていたりします。 現れてくれる…よね…? この展示ができるのも、今年もバックヤードの エゾサンショウウオたちが繁殖してくれたおかげです。 なんと、卵のうを生みつける瞬間を 動画で撮影することに成功しましたので、ここで紹介させて頂きます。 私はこの日運悪く出勤しておらず、 「うんでるよ~」という飼育スタッフ田上さんからのメールに 切なさを覚えたことを今思い出しました。 エゾサンショウウオ幼生の展示期間は 4月26日~幼生が変態するまでを予定しています。 この機会にぜひ、ご覧ください! それではまた! ※表現型可塑性 同じ遺伝子型を持つ個体が環境の変化に応じてその表現型を変える現象 ツイート  

ブルーなアマガエル
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ブルーなアマガエル

ずいぶんと暖かくなってきました。 岐阜市内の山際の田んぼでは今、シュレーゲルアオガエルがキリキリ鳴いています。   さて、その水田のカエルたちを展示している3Fの水槽に、 最近ニホンアマガエルを追加展示しました。     青い個体を。 緑の上にのると青が生えて美しいですね。   このニホンアマガエルは、おそらく黄色色素の欠損が原因で青い体色をしています。 当館でも数年に一回は、一般の方から情報をいただいたり、譲っていただいたりします。 この個体も、昨年羽島市で発見されて持ち込まれたものですが、 搬入時はとても小さく、バックヤードでちまちま育てた結果、 ようやく展示出来るサイズになりました。   展示水槽に入れた当初は落ち着かず、水槽内をピョンピョン飛び回っていましたが、 数分後見に行くと、動かずじーっとしていました。 こんなポーズで。     ニホンアマガエルって、たまに水槽内で変なポーズをきめるんですよね…。   さて、現在この水槽には普通とは違う体色をした、 いわゆる「色変わりカエル」はこの青アマガエルと、 もう一匹、虹色色素の欠損と思われる個体の2匹がいます。 当館ウォッチャーの方から「クロちゃん」と名付けられているこの個体も、 ずいぶん大きくなりました。 これからの時期、田んぼではたくさんのカエルたちと出会えます。 また、変な色したカエルがいましたら、ぜひご連絡ください!   ツイート  

ハコネサンショウウオ幼生@スロープ水槽
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ハコネサンショウウオ幼生@スロープ水槽

皆様こんにちは。 アクア・トトぎふの4Fから3Fに下りるスロープには 3基の水槽が設置されています。 一番下の水槽にはタカハヤなど、 真ん中の水槽にはサワガニが展示されています。 それでは、一番上の水槽はというと、 これまで特に生物を飼育展示したことはなく、 岩に活着したコケ類やシダ類がメインでした。いわばイメージ水槽。  (ワラジムシの仲間であるミズムシ類が勝手に増えていましたけど)     先日、この水槽に小型サンショウウオを展示しました!!! その名はハコネサンショウウオ!!!(幼生) 河川源流部の地下伏流水の奥に潜り込んで繁殖する本種は、 この水槽にぴったりの展示種です。   本種の幼生は変態までに2年以上かかりますので、 他の種のように短期間の展示ではなく、しばらくは観察できると思います。 長らく日本に生息するハコネサンショウウオの仲間は 本種のみとされていましたが、 近年、ハコネサンショウウオの分類研究が進み、 新種記載が相次いでいます。 まだまだ新しいハコネサンショウウオの仲間が見つかるかもしれません。 わくわくしますねぇー! 岐阜県内には6種の小型サンショウウオが生息しており、 これでそのうちの5種が常設展示されました。 ということで、カピバラの展示リニューアルに負けじと、 国産両生類もビシッとアピールしていきます。 (個人的にはカピバラより2万倍可愛いと思っています) さて。 前回のブログで意気揚々とマユに包まれたハイギョをご紹介しました。 その展示一日目にして、ハイギョがマユを破って飛び出してしまい、 即バックヤードに戻されたわけですが、 結果的に発見が遅く乾燥が進んでしまったために、死なせてしまいました。 非常にくやしく反省しきりです。。 ハイギョ展期間中に再度展示することは時間的にも厳しくなり、 あきらめました。。。 楽しみにされていた皆様、誠に申し訳ありません。 2006年の特別展の際にはばっちり問題なく展示できていただけに、 ハイギョ展で展示できないのは非常に悔やまれます。 いずれ、失敗の原因を明らかにして、何かの機会に再度挑戦したいと思います。 たった一日しか使われず、すみに追いやられる悲しみのマユ水槽...。   見るたびに胸が痛みます...。         ツイート  

幸せの青いカエル?
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幸せの青いカエル?

あけましておめでとうございます!!    新しい年のスタートに、ふさわしいネタは何かなぁ…と考えた結果、 「幸せの青いカエル」が思い浮かびました。   昨年の11月末に、沖縄で発見された青いオキナワアオガエルが、 ニュースになり、ネット上でちょっとした話題となっていました。       (こちらの写真は青いニホンアマガエルです。ニュースとは関係ありません) ニュースのなかで、インドネシアのバリ島では青いカエルを「幸せの青いカエル」と言うと紹介していました。 たしかに、野外で青いカエルに出会ったら、うれしいだろう。「幸せの…」なんて言われるのもよくわかります。わたしもなんとかして見つけたい。   そんな一方で、わたしにとっては青いカエルは悩みの種でもあります。 こちらの2匹のカエル…。   2匹ともモリアオガエルです。左側の個体、青いですよね?これ、青くなっちゃったんです。   モリアオガエルを繁殖させて育てると、子どもたちはなぜか全部青くなっちゃうんです。 オタマジャクシの時はふつうに黒っぽい色をしていますが、 カエルに変態したとたん青いんです。   本来のモリアオガエルは濃い緑色のはずなんですが…。   エサが原因か、太陽光を浴びてないのがいけないのか…。 それ以外に何か原因があるのか…。   繁殖した個体と野外で捕ってきたオタマジャクシやカエルを、 いろんな条件で飼育して比べた結果、 やっぱり太陽光だなぁ。しかも幼体の頃が重要なんじゃないのかなぁ、 という仮説にたどり着いたので、 昨年の夏に変態した個体を、せっせせっせと日光浴をさせてみることにしました。       多少寒かろうが、日のあたる場所をみつけて。1日30分でもいいから、雨の日以外は、ほぼ毎日。       その結果…。青い個体と深緑色の個体が育ちました。   というわけで半分成功です。 この違いは、日光浴を開始した日にあるのではないかと思っています(たぶん)。 変態直後から日光浴した個体は深緑色で(たぶん)、 変態後、数日たってから日光浴を開始した個体は青くなってしまった(たぶん)… そんな気がします。   まだ、現段階では試しに日光浴させてみたというレベルですので、 本当に太陽光がモリアオガエルの体色に影響をおよぼすとは断定できません。   今年はしっかりデータをとって、実験としてやってみたいなと思っているところです。   ただ、もし、本当に太陽光の影響を受けるのだとすれば、 夜行性で暗いといころが好きなカエルでも、 人知れず太陽光を浴びて生きてるんだなぁとちょっとした感動を覚えますね。   新しい年のスタートに、幸運に関連したネタを書こうと思って書き始めたこのブログですが、 ただのマニアックなカエル記事になってしまいました。 こんなわたくしではありますが、みなさま今年もどうぞよろしくお願いします。   ツイート       

卵を産みに来る前に
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卵を産みに来る前に

当館敷地内にある岐阜市産カスミサンショウウオの 域外保全区域(ほったらかし飼育場)   詳しくは https://aquatotto.com/blog-diary/2012/04/post674.html  に生えるカツラもすっかり葉っぱを落として、 いよいよ冬らしくなってきました。     ごらんのような、荒れっぷりが逆にすがすがしいと巷で評判です。 産卵用の水場にもいい感じに泥やら色々な堆積物が溜まっていて、 環境的には実に良い感じです。   でも、卵や幼生をまったく観察できない状況では困りますので、 思い切って掃除を行いました。     こんな風にタモ網でどんどん堆積物をすくっていきます。   すると… もうオスが水場に入っていました!   いやー、この調子だと来年も順調に繁殖してくれることでしょう。 泥がなくなったことで、 戸惑いオロオロと水底を徘徊し続けるオスたちを見て見ぬふりして、 「よしず(鳥対策)」をかぶせて作業終了! たくさんのメスが産卵に来ることを、オスも私も期待しています。   ツイート       

モニターが設置されました
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モニターが設置されました

この飼育日記、「書きたい人が、書きたい時に、書く!」という、  各人におまかせスタイル。 だからちょっと忙しくなったりすると、 パッタリ更新しなくなる人がいるんですね。   そうです、私のことです…。 久々なので緊張しますが、いくつかご報告を。   ●色変わりカエルの展示が終了しました 長らくプレリュードで展示していました「色変わりカエル2013」。 https://aquatotto.com/blog-diary/2013/08/post814.html   白いトノサマガエル幼生が死んでしまったため、 11月8日に展示終了しました。 (当館に持ち込まれた時の写真)   白いといってもアルビノではなく、 全身が虹色色素細胞で占められているため、 白くみえているようでした。 このような個体はうまく変態できずに死亡してしまうことが多く、 結局この個体も後あしが出たところで成長がとまり、 死んでしまいました。   「淡い」改め「白いナゴヤダルマガエル」と 「青いニホンアマガエル」はバックヤードで飼育しますので、 また何かの機会に展示できればと思います。   ●4F小型サンショウウオ水槽の前にモニターが設置されてます 肝心の映像内容はというと、 「コガタブチサンショウウオの産卵シーン」! 何度も書いてますが、 コガタブチサンショウウオは地下伏流水中に産卵する種で、 野外で卵や幼生を発見するのは非常に困難な種です。 まっ暗闇の中で繰り広げられる サンショウウオの繁殖行動を撮影するわけですから、 当然、ライトオフ!赤外線撮影しました。 オスが卵のうに抱きつくシーンなんかもばっちり撮影出来ています。 また、産卵が始まると普段の姿からは想像できないくらい、 激しく動きまくっています。   飼育下でのことですので、 自然下でまったく同じような行動をしているわけではないですが、 なかなか面白い貴重な映像です。 ぜひ見に来てください!       ツイート     

秋ガエル
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秋ガエル

こんにちは。 もうすっかり秋ですね、朝はちょっと肌寒いくらいです。 なので、今日はトノサマガエルが いつでも冬眠できるように準備しました。 これからさらに、ヒキガエル、カジカガエル、タゴガエル… の冬眠準備をすすめる予定。 カエルたちには、冬はじっとしててもらいます。     ですが、今年生まれのカエルたちは、まだ小さいので、 冬にもあったかくしてエサをあたえて、 大きくなり続けてもらいます。 それが私の流儀なんでね。     今年生まれのカエルたち、 4月~5月に展示していたころに比べて、 だいぶ大きくなりましたよ。   上の写真は、 展示していたころのニホンアカガエルのオタマジャクシです。 順調に成長し、たくさんカエルになりました。   下が現在。体長は2cmほどです。   成長の差が少なく、みんな同じぐらいの大きさです。 仲良さそうにならんでいたので、 あわててカメラをとりに行き撮影しました。 お気に入りの1枚です。     カエル嫌いな女の人が、やっぱり世の中には多いようですが、 この写真でもダメですか? かわいいと思うんだけどな~…。   それではまた。     ツイート  

ミニイモリ
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ミニイモリ

こんにちは。 敬老の日にちなんで、長生きする生き物を紹介します。     「カメ!」なんてありきたりですから除外です。   ここでご紹介するのは、 みなさんご存じのアカハライモリです。     突然ですが、問題です。 アカハライモリは何年ぐらい生きるでしょうか?4択です。 ①3~5年 ②8~10年 ③20~25年 ④40年以上   正解は…③20~25年 です。 あんなに小さくて頼りなさげな生き物が こんなにも長く生きるなんて、すごくないですか?     長生きするあまり、これまで、 繁殖にまったく力を入れていませんでした。 イモリの数が減ってきたら繁殖させればいいかな~。 てな具合に思っていたのですが、 なんとなく、今、育てています。       こんな感じ。 変態してから2週間ぐらい経ちました。 小さくてプリプリしています。 手にのせると、      おーーーー!! これが、そのうちこれぐらいになる。     ちなみに小さい頃のお腹の色は、 大人に比べて淡い桃色をしています。   赤と黒のまだら模様もまだ不完全です。 さわり心地は、いっちょうまえにガサガサです。    上陸したミニイモリは、 水から離れて森や林の土壌で生活し、 3~5年たっておとなになると、水辺にやってきます。   ミニイモリたちがおとなになる頃、 私は何歳になってるかな…?   考えたくもありませんね。   ではまた。     ツイート

淡い色?
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淡い色?

早速ですが、今年も色変わりカエル情報がちょくちょく当館にも入ってきております。 また、捕まえた変な色のカエルを直接持ってきてくださる方もいらっしゃいました。 それらのカエルたちはバックヤードで育ててましたが、いよいよ展示開始したのでご報告です。   今年の色変わりカエル展示は、「青いニホンアマガエル」、「白いトノサマガエル幼生」とあと一匹。 今回のセンターです。総選挙(脳内)を勝ち抜いたカエルを紹介します。 その名も「淡い色したナゴヤダルマガエル」!             フーンって感じしますよね、わかります。 でも、他に言いようが思いつかなかったんです…。   まず当館にやって来た時はこんなオタマジャクシ。 なんとも見たことないオタマでした。 お腹がすけているので、虹色細胞の異常なんだろうとは思いましたが、 果たしてどんなカエルになるのか楽しみでした。 それが、成長するにつれてこのように。   なんか妖艶な雰囲気をまとったカエルになりそうですよ!! 次は変態完了の写真です。 このような色になりました。 ちなみに普通のナゴヤダルマガエル幼体はこんな感じ。 ね、これに比べると淡いでしょう。 なんだか淡い色から儚さが伝わってくる、まさに夏の終わりにピッタリのカエルです。   そういうわけで、いよいよ展示です。 企画書書いて、解説書いて、パネル作って、さあいよいよだ!ってここまでやった時には、   真っ白になってました…。   いや、だったら白いカエルって書いたのに!!!! とりあえず、今回は「淡い」でとおさせていただきます。まだ色変わるかもしれないですから。   ツイート      

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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