おもしろ飼育コラム

<サンショウウオ日記 vol.5>ヒダサンショウウオ 
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<サンショウウオ日記 vol.5>ヒダサンショウウオ 

次にご紹介するサンショウウオはこちら。       ヒダサンショウウオです。 金粉をまぶしたような模様がとてもきれいです。 同じヒダサンショウウオでも、模様が全然違います。   2個体とも岐阜県産のヒダサンショウウオです。 うん、まことに美しい! <昨年の夏のイベントブログの、ネタと写真の使い回しだ!というツッコミはなしでお願いします>   さて、このヒダサンショウウオは、私が岐阜県に来て、初めて野外で見たサンショウウオです。 見つけた時は、いや、厳密にいうと同行者が見つけたのを、見せてもらった(泣)時は、 ちょっと言葉にできないくらい感動でした。 「ぉおー!、うーむ、むー、ほう♪」 奇声をつぶやきつつ、こねくり回されたヒダはさぞ迷惑だったことでしょう。 ごめんなさい。   さてこのヒダサンショウウオ。 岐阜県内には、比較的広範囲に生息しており、渓流でよく幼生が見つかるためか、 当館にかかってくるサンショウウオに関する電話問い合わせで、実は質問が一番多い種です。 山に遊びに行く機会が増えるこれからの季節、今年も問い合わせが増えてくることでしょう。

オオサンショウウオの緊急移動 
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オオサンショウウオの緊急移動 

この飼育日記でも過去に書いたことがあるのですが、 毎年、大雨で流されて、水が干上がる場所に取り残されてしまった個体など、 「どうにかしてあげてくださいー!」と連絡がきます。 このままほっといては死んでしまう場合は、職員が現地に向かい対応しています。   先日、オオサンショウウオが木曽川本流から、いずれ水がなくなる水路を遡上しようとしていると連絡が入り、 緊急で本流に移動させました。 場所は水族館から車で5分程度、ご近所です。   この水門の先の水路は水が干上がります。 これ以上のぼっていかないよう、発見者のかたがしっかりガードしています。 (でも、この網じゃすくいあげることはできませんね・・・。)   オオサンショウウオは特別天然記念物のため、通常触ったり捕まえたりすることは禁止されていますが、 こういう状況ですから仕方ありません。 教育委員会等に連絡をとり、いざ移動です。   捕まえたら、まずは大きさなどを測定します。全長109cm、立派な個体です。研究のためマイクロチップが入れられている個体もいるので、チップの有無の確認もします。その後、また水門に間違ってのぼらないよう、ほんの少し上流に放流しました。 元気でくらせよと声をかけつつ、そっとリリースします。   緊急移動や保護などは、喜ばしいことではないことは、十分わかっておりますが、 すぐ近くに世界最大の両生類がすんでいることを毎度実感できるのが、 ちょっとうれしいことでもあります。      

カスミサンショウウオ幼生の保護開始
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カスミサンショウウオ幼生の保護開始

先日、岐阜市産カスミサンショウウオの幼生が、水族館に搬入されました。 その数は約500匹!   岐阜市では、カスミサンショウウオを希少野生動植物種に指定しており、 許可なく、捕まえたり、飼育することは禁止されています。 それというのも、岐阜県で現在確認されているカスミサンショウウオ生息地は、たった2か所しかなく、 そのうちの一つ、岐阜市の生息地は個体数も少なく、繁殖する水場は駐車場の側溝で、 とにかくとっても危機的な状況です。   そこで、アクア・トトぎふでは、数年前から岐阜市・岐阜高等学校自然科学部生物班と一緒に 保護活動に取り組んでいます。 今年度も変態する直前まで飼育し、カエルツボカビ症の検査を行った後に 放流する予定です。 今年は今まで確認されていなかった若い個体も繁殖に参加しており、 保護活動の成果が出てきました。  

待ちに待った春
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待ちに待った春

  ぽかぽか陽気の日が続き、本格的に春がやってきました。先週末に満開を迎えていた近隣の桜も、今は道路をピンク色に染めています。 さて、水族館ではこの春を待ちわびていた生き物が元気に活動を始めました!           3階「水田と用水路のいきもの」水そうに展示中のトノサマガエル。先日水そう前を通りかかったときには写真のように水の中をスイスイ泳いでいました。なんとも気持ちよさそうですね。 トノサマガエルの見事な「平泳ぎ」についつい見入ってしまいました(^-^;)

予備水槽にも春のきざし
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予備水槽にも春のきざし

  3月に入り、日中はずいぶん暖かくなってきました。   予備水槽でもそろそろ、いろいろな両生類が繁殖期を迎えます。まずは、クロサンショウウオ。昨年は3月中旬に産卵が見られましたので、そろそろかなと思います。繁殖期を迎えて、体の形もすっかり変わっています。ちなみに下の写真は普通というか、繁殖期じゃない時。 では、次に繁殖期のオスの姿です 先ほど撮影してきました。 どうですか!! この貫禄。体がふくれて、尾もビロビロです。体がふくれるのは、メスが産んだ卵のうを独占するのに有利だからだと考えられています。産卵したら、このブログでご紹介いたします。ちなみに、クロサンショウウオの水槽の横では、ナガレヒキガエルが冬眠中です。昨年に続き、今年も繁殖に成功するか楽しみです。数日前の夜の巡回時、オスが一匹起きだしていましたが、まだ早かったようですね。 こちらはモリアオガエルが冬眠中。まだまだ起きだす気配なし。 さて、今年は何種繁殖するのやら。 春っていいですね!花粉がなければ最高なのに・・・。  

ニホンアカガエル産卵数調査その②
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ニホンアカガエル産卵数調査その②

先日、おもしろ飼育日誌にのせた、ニホンアカガエルの産卵数調査。 その時はまだ産卵していなかったのですが、 昨日の調査で、たくさんの卵塊を確認することができました。 その数、ざっと60以上!   こんな感じです。   無事ふ化したら、一面オタマジャクシですね。最高です。 サギ類の足跡もみられました。彼らにとって、オタマジャクシは餌ですから、ふ化を心待ちにしていることでしょう。   ※さも自分が見てきたように書いておりますが、実は今回の調査、私行っておりません。 今回は別のスタッフが行ってきました。 自分の時にはさっぱりだったのに、「いっぱい産んでいたよ」なんて言われたので、若干悔しいです・・・。 早速、自分も行ってきます!      

ニホンアカガエルの産卵調査
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ニホンアカガエルの産卵調査

  先日、ニホンアカガエルの産卵調査に行ってきました。 この寒い季節に産卵?と思われるかもしれませんが、 ニホンアカガエルやヤマアカガエルは、まだ雪が残っていることもあるこの季節に産卵します。 <水族館で展示しているニホンアカガエル>   調査地点は岐阜市のとある場所。 里山保全活動も行われていて、とっても気持のよい場所です。 仕事はお休みだったので、ゆっくり時間をかけて、見て回りましたが、 まだちょっと早かったようで、卵塊は見つかりませんでした。   昨年、岐阜県のレッドリストが改訂され、ニホンアカガエルは「準絶滅危惧」に指定されました。 人里近くにすむニホンアカガエルは、人間の活動の影響をうけやすい生き物です。 アカガエルの卵塊がいつまでも観察できるよう、水族館で啓発活動に取り組んでいきたいと思います。   また、産卵が確認できたらご報告します。    

岐阜市産カスミサンショウウオが産卵
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岐阜市産カスミサンショウウオが産卵

  12月29日に4Fの展示水槽でカスミサンショウウオが産卵しました。       アクア・トトぎふでのカスミサンショウウオの繁殖は、  毎年のように成功していましたが、 やはり、水槽内で繁殖が見られたときの喜びといったら、 何度経験してもうれしいものです。   しかも、今回は岐阜市産のカスミサンショウウオです。   岐阜県ではカスミサンショウウオが絶滅危惧Ⅰ類に指定されており、 確実な生息地はたった2カ所しかありません。 そのうちの一つ、岐阜市では条例によって保護されており、捕まえたり、 飼育したりすることは禁止されています。   岐阜市のカスミサンショウウオ繁殖地は、湿地や休耕田などではなく、 なんと駐車場を取り囲むコンクリート製のU字溝です。 水がなくなったりすることもしばしばみられ、非常に不安定なところなのです。   そのため、もしもの時に備え、平成19年に岐阜市からの依頼によって 幼生を保護しました。 その幼生こそ、今回繁殖した親個体なのです!   岐阜市では例年3月頃に繁殖が確認されていますので、 幾分早い産卵となりましたが、お腹の中に卵をもったメスが残っていますので、 まだ、産卵を観察するチャンスがありそうです。     展示は下の写真のように、小さな水槽をガラス面に取り付けていますので、 卵のうをしっかり観察できますよ。     オスが邪魔ですね(笑)    

ミニサイズ!ナガレヒキガエルのこども
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ミニサイズ!ナガレヒキガエルのこども

先日お伝えしましたナガレヒキガエルのオタマジャクシですが、ご覧の通りカエルになりました。体長は5ミリほどの小さな小さなカエルです。ナガレヒキガエルのあしには吸盤がなく、水槽の壁にうまくはりつくことができません。写真のように、ほかの個体をふみ台にしてピラミッドのように壁にくっついています。上陸したてのこの時期は。今まで水中で生活していたのが、陸上での生活に変わり、今までとは違ったエサを食べ、違った場所で生活します。カエルのくせに溺死することも少なくありません。一番不安定なこの時期をうまくのりこえられるといいんですけど・・・。ちなみに全部で3500匹以上もいます。ちょっと多すぎ。

すごいぞ!ナガレヒキガエル
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すごいぞ!ナガレヒキガエル

水族館の入口ちかくにナガレヒキガエルのオタマジャクシを展示しています。「な~んだ、オタマジャクシか・・・」と思ったアナタ!ナガレヒキガエルのオタマジャクシはタダものではありません!そこらへんの田んぼでぷかーっと暮らしているオタマジャクシたちとはわけが違います。ナガレヒキガエルの名前のナガレとは、オタマジャクシが流れのあるところで生活することから付けられています。そうなんです!川の渓流で水の流れと日々闘いながら暮らしている勇敢なオタマジャクシなんです。そんな場所で生きていくために口が吸盤状になっていて流れないように岩にくっつくことができます。そしてその口で岩などについたコケを食べます。右の写真は、コケ付きの石によってたかってむらがって、みんなで食事をしているところです。ちょっとグロイ?もう今ではほとんどが無事に成長しカエルになりました。続編をお楽しみに!!

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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