こんにちは。 昨年の11月より、長良川の展示エリアにボウズハゼが仲間入りしています。 ボウズハゼは、過去にも展示していました。 当館がオープンした2004年から、2015年ぐらいまで。 4つ並んだ「瀬と淵の生き物水槽」のうち一番上流のタカハヤ、アブラハヤを展示している水槽にいました。 ただ、当時、岐阜県でボウズハゼが生息しているという記録は残っていましたが、目撃情報が全くと言っていいほどありませんでした。そのため、生息を確かめるまで展示休止とした経緯があります。 それから月日は流れ…。 ここ3年ぐらいでしょうか。突如としてボウズハゼの目撃情報がわたしのもとに届くようになりました。「長良川の岸近くで見たらしい」「揖斐川で投網投げると入るらしい」「木曽川で潜ってたらぽつぽついる」。 こ、これは…!この目で確かめなくては!! あるときは、投網を投げまくり、 あるときは、真冬に石の裏を探しまくり、 あるときは、子どもと川遊び♪♪のふりして泳ぎながら探し…。 それでも、なかなか出会えず。 自分のセンスのなさに嘆いていたころ、 岐阜大学地域科学部教授の向井先生より有力な情報をいただき、 ようやくボウズハゼの姿を拝むことができました。 いた!! そして念願のボウズハゼ展示復活! ・県内での目撃情報や確認した場所 ・一緒に見られた魚 ・光が入りコケが生える場所 ・観察しやすそうな水槽 これらのことから、今回は「本流の川岸の魚」水槽を展示場所としました。 現在、展示しているのは4匹ですが、わりと見やすい位置にいることが多いです。 オスよりもメス、大きい個体よりも小さい個体のほうがよく姿を現しています。 野外での調査結果によると、ボウズハゼは冬には活動しないようなので、冬は全く見えないんじゃないかと心配していましたが、年末年始の寒かった日にも姿を見せていました。(水槽の水温が14℃前後と野外よりも高かったからだと思います。) 「あ、ボウズハゼだっ!!」とかけよると、さっと隠れてしまいますので、そーっと近づいてみてください。 石に生えたコケを食べる様子が観察できますよ。 ボウズハゼは川で産卵しますが、孵化した仔魚はすぐに流下し、海で夏から翌年の初夏までを過ごします。海では黒潮にのって大移動していると推察されており、生まれた川に戻ってくるわけではないようです。 ここ数年、岐阜県でボウズハゼがみられるようになった原因は不明で、逆に言えば、また、岐阜県から姿を消してしまうかもしれません。 ボウズハゼがいる今を楽しみながら、ボウズハゼに関するいろいろなことを知ることができたらいいなぁと思っています。 Tweet