おもしろ飼育コラム

<サンショウウオ日記 vol.5>ヒダサンショウウオ 
  • 企画展・特別展示
  • 日本の両生類

<サンショウウオ日記 vol.5>ヒダサンショウウオ 

次にご紹介するサンショウウオはこちら。       ヒダサンショウウオです。 金粉をまぶしたような模様がとてもきれいです。 同じヒダサンショウウオでも、模様が全然違います。   2個体とも岐阜県産のヒダサンショウウオです。 うん、まことに美しい! <昨年の夏のイベントブログの、ネタと写真の使い回しだ!というツッコミはなしでお願いします>   さて、このヒダサンショウウオは、私が岐阜県に来て、初めて野外で見たサンショウウオです。 見つけた時は、いや、厳密にいうと同行者が見つけたのを、見せてもらった(泣)時は、 ちょっと言葉にできないくらい感動でした。 「ぉおー!、うーむ、むー、ほう♪」 奇声をつぶやきつつ、こねくり回されたヒダはさぞ迷惑だったことでしょう。 ごめんなさい。   さてこのヒダサンショウウオ。 岐阜県内には、比較的広範囲に生息しており、渓流でよく幼生が見つかるためか、 当館にかかってくるサンショウウオに関する電話問い合わせで、実は質問が一番多い種です。 山に遊びに行く機会が増えるこれからの季節、今年も問い合わせが増えてくることでしょう。

<サンショウウオ日記 vol.4>ハクバその3 
  • 企画展・特別展示
  • 研究・調査

<サンショウウオ日記 vol.4>ハクバその3 

その3です。   道路沿いのゴミを除去すると同時に、道路のたまり水を、繁殖池と間違えてメスを待っているオスや、 すでに産みつけられてしまった卵のうを救出したら、次の作業です。 次は繁殖池の造成です。これが、なかなかキツイ!   毎年同じ場所に池を掘っても、たった一年で落ち葉や植物で半分以上が埋まってしまいます。 もちろんその上にはこの写真のように雪がつもっていることも。 (この写真は当時のものではありませんが、同じ場所です)   でも、繁殖に集まった成体と卵のうが観察できると、体の疲れが癒えるとは言いませんが、 一瞬喜びで疲れを忘れてしまいました。 また、この作業から数カ月後、同じ場所でたくさんの幼生が確認できた時は、ほんとにホッとしました。   そしてこの年から、アクア・トトぎふでは、ハクバサンショウウオの飼育に取り組み始めました。 残念ながら、いまだ飼育下繁殖には成功していませんが、少しづつ進展しています。   もともとゴミと一緒に捨てられてしまっていたのは、何が問題だったかというと、 「みんなそんなところにハクバサンショウウオがいるなんて知らなかった」ということです。 そもそもサンショウウオ自体が知られていないわけですから、当然です。 飼育下繁殖技術などの確立も大事ですが、実物をみて、その生物のことを知ってもらうことも、 水族館の大切な使命です。   という熱い思いを込めての、ハクバサンショウウオの初展示なのです! 

<サンショウウオ日記 vol.3>こんなに寒いとは・・・。 
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<サンショウウオ日記 vol.3>こんなに寒いとは・・・。 

それでは、話の続きです。 ハクバサンショウウオを初めて見たのは、4年前。 カスミサンショウウオの保全活動を一緒に行っている岐阜高校の先生で、 岐阜県野生動物保護推進員の高木先生に、ハクバサンショウウオの保護活動を 見に来ないかとお誘いを受けたのです。   ※当時の岐阜県レッドデータブックでは、まだヤマサンショウウオと記載されていました。 その後、ハクバサンショウウオのシノニムであるということで、名前が変わりました。   場所は岐阜県の北部、飛騨地方。水族館から車で約3時間! 私は岐阜県出身ではなく、大阪のいわば巷の子。 岐阜県って広!とこの時初めて感じました・・・。 <行く途中の風景>   いやー、景色最高!     さて、ようやく到着して、車を降りると、あれ?なんか寒いんですけど・・・。 それもそのはず、雪が見事に残ってるじゃないですか。 水族館では半袖だったのに。またも岐阜県の広さを痛感しました。   さて、到着後はすぐに活動開始です! 何をするかというと、まず道路脇にたまった落ち葉やゴミを撤去します。     雪解け水が常に道路わきを流れており、落ち葉やゴミがあると、水がたまって池のようになってしまいます。 すると、そこでハクバサンショウウオが誤って卵を産んでしまい、 そのまま流されたり捨てられてしまったりするのです。 なんてこった!!   つづく

<サンショウウオ日記 vol.2>ようやくお目見え 
  • 企画展・特別展示

<サンショウウオ日記 vol.2>ようやくお目見え 

日本に生息する小型サンショウウオは20種。 今回の特別展では、そのうち、16種を生体展示しています。 せっかくですので、順番にこのブログでご紹介できたらと思っています。   さて、一番最初に紹介する種はどれにしましょう。実に悩むところです。 どのサンショウウオも思い入れがありますが、、、、決めました! では、写真をごらんください!   わかります? 彼らと関わりだしたのは2006年の春。 早いものですね、もう4年も前の話です。 さて、彼らの名前はといいますと、   ハクバサンショウウオです! それでは次回、ハクバサンショウオとの出会いについて、お話しましょう。   つづく   <そんな話をひっぱるなっていうセリフは禁止です・・・>

<サンショウウオ日記 vol.1>特別展風景 
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<サンショウウオ日記 vol.1>特別展風景 

サンショウウオ展には、たくさんのマスコミの皆さんが取材に来てくれました。 どうもありがとうございます! 皆さんに「サンショウウオ展やってるよー。」ということを知ってもらいたいので、 取り上げてもらえるのは、大変うれしいことですね。   たいてい、サンショウウオっていうと、みなさんオオサンショウウオをイメージされます。 でも、今回はサンショウウオ科についての特別展。一般的に小型サンショウウオと呼ばれる仲間です。 (オオサンショウウオはオオサンショウウオ科に分類されます。) 日本には、この小型サンショウウオがたくさんいます。 普段は山や森の中でひっそりと暮らしているので、ふつう、野外で見かけることはありません。 そんなところも一般的に知られていない原因の一つかもしれません。   ぜひこの特別展でサンショウウオについて知ってもらいたいと思っています。     イメージは「森」。落ち葉たっぷり。 また、それぞれの種が似た姿形をしているので、今回はイラストを多用しています。 こんな感じで。   イラストはミュージアムショップの熊澤画伯にお願いしました。 さすが!

<サンショウウオ日記 vol.0>カスミサンショウウオ幼生の放流 
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<サンショウウオ日記 vol.0>カスミサンショウウオ幼生の放流 

いよいよサンショウウオ展がスタートしました! 「サンショウウオをみなさんに知ってもらいたい!」 この熱い思いを胸に、ながらく温めてきたこの企画! 完成した時は、まさに感無量・・・。   いやいや終わったわけではなく、これからスタートですから、 感傷にひたっている場合ではありません。 これから特別展とあわせて、この飼育日記でも、どんどんサンショウウオ の魅力を伝えるべく、毎日更新していきます!   いや、2~3日おき・・・。ともすれば、一週間お・・・。 できるだけ頑張ります!   さてvol.0では、以前飼育日記にも書いた、 カスミサンショウウオの保護個体についてです。 彼らもそろそろ変態間近で、感染症検査も陰性。 というわけで、先日岐阜高校自然科学部のみなさんと一緒に、 生息地に放流してきました。   繁殖地はこのコンクリート製の側溝です。もっとちゃんとした池だったら問題ないのですが・・・。   生徒のみなさんの手で放流!ちょっと名残惜しそうです。 わかります。正直、カワイイと思います。   アクア・トトぎふスタッフも生徒さんの横で放流!   この幼生の飼育・変態前の放流という保護活動は数年前から実施しており、今年初めて放流個体が産卵やってきました。そのため、この一連の活動は今年でいったん終了となります。(調査はもちろん継続しますよ)今回放流した個体が成体になって、再び繁殖のため水場に戻ってくるのは、おそらく3年後。無事に戻ってこれることを祈りつつ、ついでに、サンショウウオ展の成功も祈りつつ水族館にもどったスタッフなのでした。追)このカスミサンショウウオの保護活動と放流の様子は、新聞でも取り上げられてます。ネット配信もされていますので、ぜひご覧ください。もちろん当館のサンショウウオ展では、みっちりと取り上げています! ぜひ皆さんに興味をもっていただけたら嬉しいです。

ipadでポイントガイド
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ipadでポイントガイド

6月5日~7月4日までの土日、午後2時15分より当館2階のコンゴ川水そう付近において 5月28日に日本でも発売されたAPPLE社のipadを使用したポイントガイドを始めます。       今回ipadを使ってご紹介する生物はハイギョ。 乾季には土の中で繭(まゆ)をつくり、雨季が来るまで、 肺で呼吸しながら夏眠するという不思議な生態の魚です。   今回は、昨年当館で実施された、 ハイギョが夏眠から目覚めるまでの映像を、 ipadを使って皆さんにお見せしながらガイドいたします。   期間限定の「デジタルポイントガイド」。   この機会にぜひご覧ください!            

館内の展示を一部リニューアルいたします!
  • お知らせ

館内の展示を一部リニューアルいたします!

6月4日、新たに5つの水槽や巨大写真パネルなど新設し、 館内の一部をリニューアルいたします。   このたび、館内の工事が完了し、水槽等が設置されました。     このリニューアルにより、長良川の自然環境がより詳しく表現され、 長良川源流から河口までの旅も、新しい水槽が設置されたことで 今まで以上に緻密に、そして、わかりやすく再現されています。   新しくなったアクア・トトぎふへ、ご家族おそろいでお越し下さい!   館内リニューアルの詳細はこちら              

オオサンショウウオの緊急移動 
  • 日本の両生類

オオサンショウウオの緊急移動 

この飼育日記でも過去に書いたことがあるのですが、 毎年、大雨で流されて、水が干上がる場所に取り残されてしまった個体など、 「どうにかしてあげてくださいー!」と連絡がきます。 このままほっといては死んでしまう場合は、職員が現地に向かい対応しています。   先日、オオサンショウウオが木曽川本流から、いずれ水がなくなる水路を遡上しようとしていると連絡が入り、 緊急で本流に移動させました。 場所は水族館から車で5分程度、ご近所です。   この水門の先の水路は水が干上がります。 これ以上のぼっていかないよう、発見者のかたがしっかりガードしています。 (でも、この網じゃすくいあげることはできませんね・・・。)   オオサンショウウオは特別天然記念物のため、通常触ったり捕まえたりすることは禁止されていますが、 こういう状況ですから仕方ありません。 教育委員会等に連絡をとり、いざ移動です。   捕まえたら、まずは大きさなどを測定します。全長109cm、立派な個体です。研究のためマイクロチップが入れられている個体もいるので、チップの有無の確認もします。その後、また水門に間違ってのぼらないよう、ほんの少し上流に放流しました。 元気でくらせよと声をかけつつ、そっとリリースします。   緊急移動や保護などは、喜ばしいことではないことは、十分わかっておりますが、 すぐ近くに世界最大の両生類がすんでいることを毎度実感できるのが、 ちょっとうれしいことでもあります。      

サツキマスがやってきました!
  • アクア・トトの生き物
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サツキマスがやってきました!

水族館4階~3階の「滝壷の魚」水そうに、今年もサツキマスがやってきました!! サツキマスは、アマゴが晩秋に伊勢湾に降海し、海で大きくなってサツキの花が咲くころ再び川に戻ってきたもの(いわゆる降海型)で、長い旅を経て長良川に戻ってきたその姿は、凛々しくもあり、たくましくもあり・・・。 今年は海水温が低く、ウナギの稚魚の遡上も少ないため心配していましたが、例年通り元気な姿を見せてくれてひと安心。 このサツキマスの展示は地元の川漁師さんにご協力いただいています。 今後も追加展示していく予定ですので、みなさんお楽しみに!!

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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