おもしろ飼育コラム

わたしの自由研究
  • 企画展・特別展示

わたしの自由研究

こんにちは。夏休みも後半戦。 生きもの大好きな小学生から自由研究の進め方についての質問をたくさん受ける今日この頃です。   さて、私もこの夏の課題として、 ①カニの幼生を安定して稚ガニになるまで育てる。 ②それを展示して来館者の方々にカニの子ども時代の姿をご覧いただく。 というのを掲げていました。   カニの幼生を育てるためには、何が必要でどのようにして飼育するか…。調べて予想して、準備して。そして、実際にやってみて、記録をとって…。という過程は、まるで夏の自由研究です。   カニの幼生の育成は、河口の干潟にすんでいるハマガニとアシハラガニの2種で試してみました。   ハマガニ ↓   アシハラガニ ↓ 上の写真のように、展示水槽で卵を抱いたメスを見つけたら、隔離をしてふ化を待ちました。そして、たくさんの幼生を得ることができました。   ふ化して間もないハマガニのゾエア幼生はこんな形 ↓   ふ化して間もないアシハラガニのゾエア幼生はこんな形 ↓   同じ向きで写真を撮るのが難しくて写真からは分かりにくいのですが、見た目はそっくりです。ただ、ふ化した時点ではハマガニのほうがずっと大きいです。     そして、数度の脱皮の後にメガロパ幼生に変態するのですが、 ハマガニのメガロパ幼生はこんな形 ↓ アシハラガニのメガロパ幼生はこんな形 ↓ これも光の加減で色が違って見えますが、やはりそっくり。   メガロパ幼生になるとあまり浮遊せず何かにしがみつくので、しがみくための物と、共食いを避けるための隠れ家を用意する必要がありました。   そして、もう一度脱皮して稚ガニに変態。 稚ガニになりたてのハマガニはこんな姿 ↓   稚ガニになりたてのアシハラガニはこんな姿 ↓   すこしハマガニのほうがとげとげして見えます。     この2種のゾエア幼生を稚ガニまで育てるのは想像していたよりも簡単で、 ①カニの幼生を安定して稚ガニになるまで育てる。 という課題①はクリアできました。     そして次は課題②です。いよいよそれらをお披露目する段階になりました。 ハマガニはもうだいぶ大きくなっているので、展示するのはアシハラガニのゾエア幼生+稚ガニ。(時期によってはメガロパ幼生も)   展示場所は、成体と比較できるように、アシハラガニの展示水槽のすぐ近くにしました。   展示設備はこじんまりしていて、内部も決して立派なものではありませんが、ぜひ元気に育っているカニの子どもたちを見ていただきたいです。 みなさまに喜んでいただけたら、課題②も達成となりますので、ぜひぜひお願いいたします。   アシハラガニは干潟に行けばたくさん出会える、いわば普通種ですが、 そんな普通種の知られざる子ども時代は、見ていても育ててみてもとても楽しかったです。     Tweet  

うちわづくり好評です!
  • イベント

うちわづくり好評です!

夏休みものづくりワークショップ 『おさかなうちわをつくろう』 連日たくさんのお客様に楽しんでいただいております。 特にお盆期間はたくさんのお客様で賑わいました。 本当にありがとうございました。     夏休みものづくりワークショップは今年から毎日開催となっています。 週末やお盆期間はさることながら、平日の期間もとても賑やかで 開催して本当によかったと感じております。   ワークショップのタイトルは『おさかなうちわをつくろう』とありますが。 生き物の絵をかくのが苦手な方も、色々な生き物の下絵を用意しているので、ご安心ください。     カワウソやピラルクーなど、お客様のつくったうちわです。 少しアレンジして皆さん個性的なうちわをつくっていますよ。     これは当館のレッドテールキャットとポリプテルスですね。 とっても上手でビックリです。   8月も後半戦に突入しました。 8月末まで開催しております。是非ご参加ください。     Tweet  

トカゲの色変化
  • 爬虫類

トカゲの色変化

こんにちは、展示飼育部の松下です。 青い空に白い入道雲。夏ですね! みなさまはすでに野外のアクティビティを楽しまれましたか?   さて、先日展示水槽にヒガシニホントカゲの幼体を追加展示しました。水槽にもようやく慣れてきたようで、石の下から出ていることも多くなりました。   水槽の前を通りがかった際、お客さま同士が「うちの庭に出るやつだ!」とお話が盛り上がっているのを聞き、展示した甲斐があったと嬉しい気持ちになりました。     こちらのヒガシニホントカゲ。じつは大人と子どもで体の色が異なるという特徴を持っています。 次の写真は今年生まれの幼体です。鮮やかな青色の尾をしているのがお分かりいただけるでしょうか。 ヒガシニホントカゲは天敵に襲われた際、自ら尾を切り離し逃走します。一般的には、残った尾に注意を引くため目立つ色をしているといわれます。 しかしながら、成長するにしたがい、この青色はしだいに薄れてきます。     次の写真は、おそらく生まれてから1~2年が経過した個体です。鮮やかだった青色は少し鈍く変化しています。また、背面も黒色から褐色に代わっています。     次の写真が成体です。尾は完全に体と同じ褐色になり、全体的に落ち着いた印象を受けます。性成熟し、繁殖できる年齢に達しています。当館の展示水槽には成体が2個体入っているので、ぜひ観察してみてください。     なんだか大人は地味だな……と思った方。成体でも鮮やかな色をもつことがあります。それがこちら。 7月に野外で捕まえたオスの個体です。喉元が鮮やかな橙色に染まっています。(この個体は観察後、元の場所に返しています。) この色は婚姻色と呼ばれ、春から夏にかけての繁殖期にメスにアピールするため色が変わります。     いかがでしたでしょうか。この季節、野外へ出かけると日向ぼっこをしているトカゲを見かけることも多くなりました。近づくと逃げられてしまうので、遠くからこっそりと美しい体色を観察してみてくださいね。 野外が暑すぎるよ、という方はぜひ当館へ。成体も幼体もそろってお待ちしております!     Tweet  

美濃和紙で彩るアクア・トトの金魚展
  • 企画展・特別展示

美濃和紙で彩るアクア・トトの金魚展

みなさま、こんにちは。 暑い日が続きますが、熱中症に気を付けてお過ごしください。 先日の企画展『きんトト今昔物語~時代を彩る金魚たち~』のおもしろ飼育コラム、みなさまご覧になりましたでしょうか。 今回は、企画展の装飾についてもっと詳しく紹介していきます!   みなさまは金魚といえば、どのようなイメージがありますか? 夏の風鈴や扇子に金魚がよく用いられていることから『和』や『涼やか』といった印象があるかもしれません。 そんな金魚のイメージに合うように企画展のブースを考えよう!ということで、金魚を展示しているほかの水族館へ視察に行ったり、当館のデザイナーと話し合ったりして、少しずつイメージを固めていきました。 その中で、岐阜県ならではの金魚展にしたい!そうだ!美濃和紙だ!ということで 企画展のブースを伝統工芸品である美濃和紙をたくさん使って装飾しました。   例えば、企画展スペース入ってすぐのこちらの水槽↓   左端にある障子に美濃和紙を貼っています。 こちらは美濃和紙の中でも、本美濃和紙となっています。 そもそも、美濃和紙とは、岐阜県美濃市で作られた和紙のことをいいます。 その中でも本美濃紙保存会員が、決められた原料と製法で漉いたものを本美濃和紙といい、「重要無形文化財」や「世界無形文化遺産(ユネスコ)」に登録されています。   日本三大和紙の1つともされる美濃和紙ですが、なんといっても薄くて丈夫なところが特徴です。素人ながらですが、光に当てたときの光沢感や美しい白さが魅力的だと思います!   実は、美濃和紙について勉強するために美濃市へも視察に行ってきました。 その時に、岐阜提灯の職人さんを紹介してもらい、岐阜提灯の作り方を見学しました。 その職人さんに作っていただいた岐阜提灯も展示しています。     大きくてかわいい金魚!実はこの企画展のために作ってもらったオリジナルのものにです。   もともと、美濃和紙は障子紙として使用されていましたが、様々な工芸品に用いられるようになってきました。近年では、丈夫であること、自然素材といった特徴を活かして、アクセサリーやインテリア用品など、さまざまな用途で用いられています。 その中の1つとして、美濃和紙製の壁紙があり、金魚の新品種を展示している水槽の周りを彩るように飾りつけしています。     これらの装飾物は壊れやすいため、触ってもらうことができませんが、みなさまにも美濃和紙を実際に触って魅力を感じてもらいたいと思い、イベントを開催することにしました!   その名も、『美濃和紙でミニあんどんづくり』です! ちぎった美濃和紙を貼り付けて、オリジナルのあんどんをつくります。 8月10日(木)から8月16日(水)の10時から16時に水族館1階にある多目的ホールで開催します。 詳しくはこちらのページをご覧ください。   試作品はこちら↓     夏らしい、金魚や花火をモチーフとした自分だけのあんどんを作ってみませんか?       Tweet  

企画展「きんトト今昔物語-時代を彩る金魚たち-」
  • 企画展・特別展示

企画展「きんトト今昔物語-時代を彩る金魚たち-」

こんにちは、展示飼育部の松下です。 夏もいよいよ真っ盛りとなり、少し外に出ただけでバテてしまうような今日このごろ。 本日はそんなみなさまへ、夏らしい涼を感じるのにぴったりの空間をご紹介したいと思います。それがこちら。 7月14日より開催している企画展「きんトト今昔物語-時代を彩る金魚たち-」です。 青色を基調とした涼し気なブースで、水中を優雅に泳ぐ金魚たちをご鑑賞いただけます。     展示している金魚は全部で約30品種、100点。和金、らんちゅう、琉金など、金魚の系統を大まかにグループ分けし、さまざまな色や形の品種を観察することができます。   特に、和金のなかまが泳ぐ大迫力の水槽は必見です!     さらに、注目して頂きたいのが「桜頂天眼」というこちらの品種。   アップにするとこんな感じ。 上を向いた目に、「桜」と呼ばれる模様が特徴的です。じつはまだほとんど市場に出回っておらず、令和2年に開発された新しい品種です。今回は愛知県水産試験場のご協力のもと、特別に展示することができました。   また、本企画展では装飾にもこだわっています。 例えば金魚を上から観察できる「上見水槽」のブース。こちらの鉢は、もとはシンプルなプラスチック製だったものを、工作が得意なスタッフが美濃焼風に塗装してくれました!     他にも、ブース各所の装飾に美濃和紙、岐阜和傘など岐阜県の伝統工芸品を取り入れています。岐阜県に位置する当館ならではの展示を、というコンセプトです。 美濃和紙などについては、もう一人の企画展担当の小野さんが、後日紹介してくれるそうですので、そちらをお楽しみに。 写真撮影にぴったりのスポットも多いので、カメラを片手に廻っていただけたら嬉しいです。     暑い今年の夏、ぜひ当館の企画展へ涼みにきてくださいね。爽やかな気持ちになること請け合いです!     Tweet  

コサギが3羽に!
  • アクア・トトの生き物

コサギが3羽に!

こんにちは。   現在、水族館の3階にある「ゆるい流れの魚」水槽にコサギが増え、合計3羽の展示となりました。     実は、6月11日までは1羽のみの展示でしたが、 縁あって、大阪の天王寺動物園からコサギ2羽を譲り受けたのです。しかし、いきなり展示水槽へ!というわけにはいきません。   まずは、新しくやってきた2羽のコサギをバックヤードで飼育し、健康管理や状態の把握に努めます。   しばらくして異常がなさそうなので、展示水槽へ移す段階に入ります。 ですが、元々展示していたコサギがとても気の強い個体なので、いきなり合流させると喧嘩する恐れがありました。 そこで、まずは、元々いたコサギ1羽をバックヤードに移し、新しくやってきたコサギ2羽を展示水槽へ移し、展示の環境に慣れてもらうことにしました。 これで、元々いた個体の縄張り意識が薄まれば、3羽を一緒に展示しても、喧嘩しないのではないかと考えました。   そして、1ヶ月ほど様子を見て、7月の休館日に、バックヤードに移していたコサギ1羽を、展示水槽へ戻し、3羽の展示となりました。   その日は1日かけて、担当者で交代しながら展示水槽のコサギを「喧嘩しやんといてよ~、仲良くね!」など緊張しながら観察していました。観察を続けても大きな喧嘩もなかったためこれで本当の3羽での展示となりました。   ぜひ、ゆるい流れの魚水槽をご覧になる時は、水の中だけではなく、上の木々にも目を向けてみてください。 夏になり、頭に立派なかざり羽が生えた3羽のコサギに、ぜひ会いにきてくださいね。 お待ちしております!       Tweet  

カヤネズミの展示水槽をリニューアル!
  • アクア・トトの生き物
  • 新しい展示

カヤネズミの展示水槽をリニューアル!

こんにちは。   カヤネズミの展示槽をリニューアルしました!   リニューアルに向けて、去年の末から少しずつ準備をしてきました。   カヤネズミは、日本最小のネズミで、おもに河川敷や休耕田などの草地に生息しています。 ほとんどの時間を草の上で生活し、イネ科の植物を使って地上から高さ1mほどのところに巣を作ります。草の上を移動する時には長い尾を植物に巻きつけてバランスをとることもあります。     しかし、これまでの展示水槽は高さがなく、背の高い植物を入れられなかったこともあり、これらの行動を見ることができませんでした。   そこで、カヤネズミの本来の暮らしぶりがわかるような展示水槽を目指し、完成したのがこちら!     1m以上の高さのある展示水槽に、本物のイネ科植物のオギとチガヤを入れて、生息環境に似せたレイアウトにしました。   リニューアルの前夜、カヤネズミがどんな行動を見せてくれるかワクワクしながら、新しい棲み家となる展示水槽に20頭を収容しました。しばらく観察していると、尾を巻きつけて植物に登る姿を見ることができました。     さらに翌朝には、巣を作ろうとしている痕跡を発見!     さらにその翌日には巣が半分くらいできあがっていました。     今後も巣が増えたり、四季に応じて植物の色あいが変化したりすると思います。 ぜひ、何度も観ていただき、変化を楽しんでもらえたら嬉しいです。         Tweet  

みんな釘付け!見どころ満載の水生昆虫大水槽
  • アクア・トトの生き物

みんな釘付け!見どころ満載の水生昆虫大水槽

当館の水生昆虫水槽がリニューアルして早くも2ヵ月が過ぎました。     お客様の反応はどうかなと思っていましたが、 休日には水槽の前に列ができるほど見ていただいたり、 SNSなどでもたくさん投稿されていたり、 「なかなか人気じゃん!」 と嬉しく思っています。     今回は一番大きな水槽(下の写真)の見どころをご紹介したいと思います。       まずはゲンゴロウ。   泳ぎが得意なゲンゴロウの仲間たちですが、 いつでもビュンビュン泳いでいるわけではありません。   底でじっとしたり、植物につかまっていたり…       ゲンゴロウの仲間は水面上の空気で呼吸をするため、定期的に浮上します。   ですので、数分間水槽の前にいるとゲンゴロウが泳いでいる姿が見られます。   腹部の先端を水面に出して呼吸をします。   そのビュンビュンと泳ぐ姿がこちら。       ゲンゴロウの仲間はにおいに敏感で、水槽にアカムシやコオロギを入れると この時もやはりビュンビュン泳いでエサを探します。     給餌の時間は決まっていませんが、今の時期はほぼ毎日与えていますので、 タイミングが良ければ見られるかもしれません。     次はガムシ。     ガムシの成虫はおもに植物食で、水槽に植えてあるクロモをよく食べています。   この写真はクロモを食べながら緑色のフンをしています。   よく食べて、よくフンをする、そんな印象です。     ガムシの仲間は水面から取り入れた空気を腹面に貯めておくので、 下からのぞくと腹面が空気の膜できらきらしています。     最後にマツモムシ。 マツモムシは背泳ぎで生活している昆虫で、水面付近にいます。       このようにゲンゴロウ、ガムシ、マツモムシの泳ぐ様子や 食事の様子が目の前で見られます。     他にも、ときどき水から出た場所で甲羅干し(甲羅ではなく翅ですが、 カメの甲羅干しから水生昆虫でも甲羅干しということが多いです)をしたり、     最近ではゲンゴロウやマツモムシが交尾していることもあります。     見どころ満載の水生昆虫水槽、ぜひ見に来てくださいね。     Tweet  

カピバラのアグアについて
  • 治療

カピバラのアグアについて

みなさま、こんにちは。獣医の小野です。 気温が高くなり、暑い夏がやってきました。熱中症に気を付けてお過ごしください。     今回は、カピバラのアグアについてのお話です。   アグアは2016年に当館にやってきた7歳のカピバラです。 カピバラの平均寿命は8~10年といわれており、高齢のカピバラになります。     アグアは約1年前に糞便の状態が悪くなり、軟らかい便を排泄するようになったと同時に体重が少しずつ落ちてきました。消化管の病気を疑い、整腸剤や抗生物質を投与して治療を試みましたが状態が改善しなかったため、より詳しく検査を行いました。   その結果、炎症性腸疾患という病気であることがわかりました。   炎症性腸疾患という病気はあまり聞きなれないかもしれません。 この病気の明らかな原因は特定されていませんが、遺伝や免疫システムの異常などが考えられています。炎症性腸疾患は、腸粘膜に対して、自分の免疫細胞が攻撃してしまい、炎症を起こす病気です。 (じつは、アグアと兄弟のパンタやラーゴも炎症性腸症を起因とする形質細胞腫という腫瘍によって死亡しています。)     現在、アグアは免疫システムを抑える薬剤を投与して治療を行っています。 この薬剤の影響でからだの一部で脱毛が認められ、また小さな傷でも治りが遅く、悪化しやすい状態になっています。 しかし、治療を中止すると、腸粘膜の状態が悪化し、栄養や水分を腸から吸収できなくなり、衰弱してしまいます。   そのため、薬剤の影響を最小限にするよう薬剤の量をアグアの状態に合わせて調整したり、傷が治りやすいように軟膏を塗ったり、脱毛が広がらないようにブラッシングを行ったりして対応しています。   また、最近の研究で健康なカピバラの糞便を移植することで症状が改善したという報告があり、そちらについても取り組んでいます。     なぜ、病気のカピバラを展示しているのかという疑問があるかもしれません。 カピバラは自然界では平均10頭の小さい群れをつくって行動しています。この群れになわばりのようなものが存在して行動範囲がかぶらないようになっています。   当館ではアグア以外に兄弟のリオも飼育しています。 アグアとリオは兄弟ですが、治療のため、別々に飼育した後に再び同居させると、けんかになってしまいます。最悪の場合は、命に関わることもあります。 このため、アグアをバックヤードへ移動せずに、リオと顔を合わせられる距離で飼育を続けています。   これからも、飼育スタッフと協力して、アグアの病気が快復するよう、最善をつくしていきます。アグアのことを温かく見守っていただけると嬉しいです。     Tweet  

古代生物がやってきた!~ミズクラゲ~
  • 企画展・特別展示

古代生物がやってきた!~ミズクラゲ~

企画展「古代生物がやってきた!~時を超えた生き物たち~」の展示期間も残りわずかとなりました。   最後にどうしても皆さまにお伝えしたい、私が個人的に大好きな生き物をご紹介します。 それはこちら、ミズクラゲです!     クラゲのゆったりとした動きは、見ていてとても癒されるなぁと感じます。   企画展のテーマは「古代生物」ですが、クラゲはいつ頃、地球上に現れたのでしょうか?   古代生物のことを知るには、化石を調べるのが一般的な方法かと思います。 しかし、クラゲの体には骨などの硬い組織が無く、ほとんどが水分でできているため、化石に残るのは稀なことです。 この企画展では、クラゲの化石が見つかっている例として、アメリカ・イリノイ州のメゾンクリーク生物群がある地層の年代に合わせ、石炭紀(約3億5890万年前)の生物として紹介しています。   ですが、それ以前の時代の化石からもクラゲと思われる生物やその痕跡が見つかってきており、また、クラゲ類が属する刺胞動物門や有櫛動物門は動物界のなかでも原始的なグループとされているので、数ある動物たちのなかでもかなり初期に誕生したのではないか、とも考えられています。   そんな大昔からクラゲの仲間が暮らしていたのも驚きですが、その生命力や増え方にも驚かされます。     ある日、いつものようにミズクラゲの状態をチェックしていると、水槽の壁面やネットにオレンジ色の粒々したものがくっついているのを見つけました。 それがこちら。     なんだかイソギンチャクのような形をしていますよね。 これはポリプと呼ばれるものです。 一般的にイメージされる丸くてふわふわ漂うクラゲは、ミズクラゲの生活史のなかのほんの一部の世代です。 クラゲのオスとメスが出会い受精卵を作ると、それがプラヌラという世代を経て、岩などに固着して暮らすポリプに変わります。 ポリプは分裂して増えていくのですが、この水槽内の環境がポリプにとって良かったのか、気がついたら数えきれないほどびっしりとついていました。   漂うクラゲたちから少し目線をそらして壁面を探していただくと、見つけられるかと思います。     さらに、実は今、もう1種類、クラゲがいます。 そのクラゲを見られるのはここ、ヌタウナギの水槽です。     水槽のアクリル面に小さなものがついているのですが、拡大するとこんな感じ。   これはハイクラゲという種類のクラゲです。 ミズクラゲのように泳ぐことはなく、名前の通り這うようにして移動します。   潮間帯の海藻などにくっついて生息するのですが、水族館の水槽にもたびたび発生する、神出鬼没のクラゲです。 いつまで見られるか分かりませんが、ぜひこの機会に観察してみてください。   企画展は7月9日までとなっております。 普段の当館では見られないクラゲ!じっくりご覧くださいね。   Tweet  

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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