おもしろ飼育コラム

「ちがい」をわかりやすく伝えるための工夫
  • 企画展・特別展示

「ちがい」をわかりやすく伝えるための工夫

みなさま、こんにちは。   企画展「ココがちがうんです!~生き物の見分けは難しい!?~」ですが、残り約1か月となりました。 長期の企画展でしたが、始まってしまえば、あっという間に過ぎてしまいますね。 館内での展示やこちらのコラムだけでなく、インスタグラムによるライブ配信でも生き物の見分け方をご紹介してきましたが、みなさま、ご覧になっていただけたでしょうか?     1回目は、7月29日(金)にカワムツとヌマムツ、ベンケイガニとクロベンケイガニ、ミナミメダカとキタノメダカの見分け方を紹介しました。     2回目は、9月15日(木)にツチガエルとヌマガエル、タゴガエルとネバタゴガエルの見分け方を紹介しました。   3回目は、10月30日(日)にネズミ、モグラ、コウモリの仲間について紹介しました。     まだ見ていないという方は、インスタグラムにアーカイブが残っていますので、ぜひご覧くださいね!!   さて、ここからが今回のコラムの本題です。 この企画展は「生き物の見分け方」を、ご覧になっているみなさまにわかりやすく伝える必要がありました。ちがいがあるとはいえ、生き物そのものを見ただけでは、やはり見分けることは難しいです。   そこで、イラストと生き物を見比べながら観察してもらうことで、よりわかりやすくちがいを伝えることができるのではないかと考えました。   企画展の解説で使用しているイラストは、全てスタッフの手作りなんです。(知らない方も多かったのではないでしょうか?)   作成するにあたり、大変だったポイントをいくつか紹介さていただくと・・・   まず、ちゃんと「イラスト」にすることです。 作成開始当初につまづいたところなんですが、生き物の色合いや形をリアルに描きすぎると、イラストとしては、わかりづらくなってしまうんです。それなら写真で良いのでは?となってしまいます。   ちがいがあるとはいえ、似ている種を展示するので、イラストを見て、全くちがうと思われてはいけませんし、似ている中にちがいをつけるのは、なかなか苦労しました。   こちらは、ヌマムツとカワムツの最初に作成していたイラストです。   ここから、色や線を単純にすることで、わかりやすいイラストにしていきました。   最終的には、こちらのイラストになりました!     次に、ちがいの書き方です。 生き物のちがうポイントって意外と曖昧なものが多いんです。 カマツカ3種のちがいとして、模様のちがいがあるのですが、「くっきりしている」「ややぼやけている」「ぼやけている」などで表現されているんです。 これをイラストで表現するのが、とっっっても難しかったです!! なかなか納得がいかず、カマツカ3種は、何パターンも作りました。一番苦労したイラストでした。   試行錯誤を繰り返しなんとか表現できたときは、達成感がありました。   そして最後は・・・いつもよりも作成数が多いことです!! ちがいを表現するためには、最低でも2種で1組になります。いままでの企画展の倍以上のイラストを作成したのではないかと思います。 作成したイラストは、見分け方のイラストだけでも、23コでした。     途中で心が折れそうになることもありましたが、なんとか全て作成し、企画展を開催することができました。   今、「ココがちがうんだって~。」と、イラストと生き物を見比べながら水槽をご覧になっているお客様を見かけると、作成してよかったなと改めて思います。   企画展は、12月11日(日)までの開催となっていますので、ぜひ、イラストを見ながら、生き物のちがいを見つけに来てくださいね!お待ちしております。   Tweet

岐阜県のカメがせいぞろい!
  • 企画展・特別展示
  • 爬虫類

岐阜県のカメがせいぞろい!

みなさまこんにちは。 日中でも肌寒くなってきた今日このごろ。私たち人間にとっては食欲の秋ですが、当館で飼育している爬虫類たちはすっかり摂餌意欲が落ちてきたところです。   さて、10月25日より3階「里山の生き物水槽」にてミシシッピアカミミガメの展示を開始しました。アルビノのジムグリからのバトンタッチです。 向かって左側のスペースに幼体が、右側のスペースに成体が入っています。 ブースでは、今年5月に公布された外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)を改正する法律の内容を中心に、ミシシッピアカミミガメにまつわる外来種問題について解説しています。   より詳しく知りたい方は環境省のホームページをご覧ください。WoWキツネザルさんの動画などは必見です。     ミシシッピアカミミガメの展示を開始したことで、私はひっそりと満足感に浸っていました。……それは、岐阜県の野外でみられるカメ全種をお客さまにご覧いただけるようになったからです!   では、順番にご紹介して参りましょう。   まずは、ニホンイシガメです。 日本固有種で、岐阜県レッドデータブックでは準絶滅危惧種として指定されています。平野部よりも山間部でよくみられます。甲長は最大20cm程度と、他の種に比べて小柄です。     続いて、ニホンスッポンです。 水生傾向が強いカメで、産卵期のメスをのぞいて陸上を歩く姿はあまり見かけません。現在展示している個体は、今年9月から仲間入りしました。長くバックヤードで飼育されていた個体ですが、他の魚を食べてしまわないかなど慎重な観察が行われつつ、デビューに成功しました。     こちらは、クサガメです。 かつては日本在来種とされてきましたが、化石や古文献の記録が確認されないことから、現在では江戸時代以降に朝鮮半島や中国から移入したものと考えられています。捕まえるとくさい臭いを出します。     最後に、ミシシッピアカミミガメです。 アメリカ合衆国南東部およびメキシコ北東部原産で、ペットとして輸入され野外へ遺棄された個体が日本に定着しています。今では、日本の多くの河川でもっともよくみられる種です。     いかがでしたでしょうか。ミシシッピアカミミガメは期間限定ですので、この4種がそろっているのは今だけです。ぜひご来館いただき比較してみてくださいね。   他にも、岐阜県ではカミツキガメ、ワニガメをはじめとする何種もの外来のカメが発見されています。今のところ定着はしていないとされていますが、今年10月に岐阜市内でカミツキガメの幼体が捕獲されたニュースは記憶に新しく、とても心配なところです。   日本の生態系を守るためにも、ペットは生涯飼い続けられるかどうか事前に十分検討するとともに、現在飼育している生き物を野外へ遺棄することがないようにお願いいいたします。 Tweet

DLT
  • 研究・調査

DLT

初めまして、4月に入社した霜鳥です。 早いもので入社から半年以上が経ち、すっかり肌寒い季節になりました。     さて、いきなりクイズですが、11月1日は何の日でしょう?   正解は、「計量記念日」です!   1993年の11月1日に、現行の計量法という法律が施行されたことから、経済産業省によって定められているそうです。     今日は水族館での「計量」のお話をお届けします。   今回のお話の主役となる生き物は、当館でもその大きさで圧倒的存在感を放つメコンオオナマズ! そのメコンオオナマズの全長(吻端から尾びれ先端までの長さ)測定について、ご紹介します。     どのような方法で測定しているかというと、DLT(Direct Linear Transformation)法という、ちょっと特殊な方法です。   2台のカメラを使ってメコンオオナマズを撮影し、その映像から、3次元座標におけるメコンオオナマズの吻端と尾びれの先端の位置を推定し、その距離を求めます。 う~ん、なんだか専門的で難しそうですね…。   そんなことしなくても、直接メジャーでも使って測ればいいじゃないか!と言われてしまいそうですが、実はそれ、水族館ではかなり難しいお話。 多くの魚は臆病で、人や見慣れないものが近づくと逃げます。 また、無理やり捕まえると驚いて暴れてしまうことがあります。 あの大きなメコンオオナマズが大暴れすると…、想像しただけで恐ろしいですね。 麻酔などを使う方法もリスクがあり、魚への負担を減らすためには避けたいところです。 DLT法を使うことで魚に直接触らずに済むので、生きている魚にとって優しい測定が可能になるのです。 当館では2016年にも同じ方法で計測を行い、当時一番大きい個体が169.2 cmでした。 果たして6年間でどれだけ成長したのでしょうか。     測定した日は2022年8月31日。 近畿大学農学部水産学科漁業生産システム研究室の皆さまに教わりながら、今回私も撮影と解析に挑戦してみました。     こちらが実際の撮影風景です。 2台のカメラを設置し、撮影スタート!(当館のカメラと近畿大学のカメラがあるので4台になっています。)   まずは3次元座標の基準となる一辺90 cmのキャリブレーションフレームを水槽内に沈めます。 ちなみに潜水しているのは当館の館長です。 キャリブレーションフレームの基準点(角にあるオレンジの丸)がすべてカメラに映るようにしたら引き揚げます。   あとはそのまま水槽内のメコンオオナマズを撮影するのみ。 あとから見返した際に分かりやすいよう、横切った個体の識別番号を示していきます。     撮影は終了し、ここからが解析。 苦手なパソコン作業です…。   まずはキャリブレーションフレームの画像を左右それぞれのカメラ映像から抜き出し、各基準点同士の実際の長さをあてはめ、補正を行います。 解析の精度を高めるために誤差をなるべく小さくするのですが、これがなかなか難しくて時間のかかる作業で、私は3時間ほど苦戦しました…。     この作業が済んだら、これを基準にメコンオオナマズの画像解析が出来るようになります。 メコンオオナマズが体をまっすぐにして泳いでいる瞬間を探し、1秒間の映像を30枚の画像に分けて抜き出します。 そして各画像の吻端と尾鰭の先端を指定していくと…。   出ました!結果は340 cm!!   …いやいや。そんなはずはない。いくら何でも成長しすぎだし、最大で3 m程度と言われているメコンオオナマズのそんなギネス級の記録……。   落ち着いて見返してみると、左右のカメラから抜き出した画像を解析ソフトに入れるときに、左と右を逆にして取り込んでいたようです。 まさかのヒューマンエラー。 今後カメラの左右は絶対に間違えないように、本体に「左」「右」を明記しておこう。と先輩と固く誓ったのでした。     そんなトラブルも乗り越えつつ、現在解析を進めています。 飼育作業の合間をぬっての慣れない作業ですので時間がかかっておりますが、詳しい結果が出たら皆さまにお伝えしたいと思います。 皆さまは当館のメコンオオナマズ、どれくらいの大きさがあると思いますか? ぜひ直接ご覧いただき、想像していただけたら嬉しいです。     Tweet

アクアマイスターになろう! 10月の活動
  • イベント

アクアマイスターになろう! 10月の活動

皆さまこんにちは。 体験学習班の河合です。   10月の活動内容は、「川漁師になろう!」でした。   長良川で漁業を営む若手の川漁師・平工顕太朗さんを特別講師としてお招きし、長良川中流域で実施しました。 実施場所は、平工さんがふだん実際に漁をしている漁場の近くで、漁で使用している和船に乗って登場していただきました。   到着するなり平工さんが見せてくれたのは、ニホンスッポンとモクズガニ。子どもたちを喜ばせようと事前に準備してくださっていました。   これを見るやいなや参加した子どもたちのテンションは、急上昇! 興奮状態で生き物にまっしぐら、恐れることなく「すげー」「かわいい」と言いながら触れていました。 これらも漁の対象にしている生き物であることや、モクズガニが旬の食材であることを平工さんから教えていただきました。   平工さんの自己紹介を終え、ここからが川漁師になるための体験です。   魚を捕るために必要なことは「魚を見つけること」、そして「魚がとれる距離に近づくこと」だそうです。 まずは、この基本を身につける練習からです。   柄が短い小さな網や短い竹竿を使って足元にいるヨシノボリの仲間を捕獲することから始めました。 道具は、事前に平工さんと打合せをしてスタッフが自作したもので、どちらも魚の動きをよく見て、魚にそっと近づかないと捕ることができない仕様です。 基本の力を付けるにはちょうど良い道具です。     最初は網の体験から ヨシノボリを見つけたら、上からそっと網をかぶせ、手首を返して捕まえます。 魚を見つけることはすぐにできるようになりましたが、魚が逃げないように近づくことが難しかったようです。 手首を返すのも難しかったみたいで捕獲できたのは1人だけでした。     網の次は、竹竿での体験。竹竿から垂らした釣り針にミミズを付けて釣るだけです。 ヨシノボリの動きにも慣れてきたようで、こちらは参加者11名で、17匹捕獲できました。 上手な子は、一人で7匹も釣り上げました。 1匹も釣れない子もいましたが、簡単に捕れないことを知れたのも良い経験です。     体験中には、「見つけるのは簡単になったよ」「なんで逃げていくのよ~」「逃げないで、そのままじっとしててね」「場所によって水温がちがうね~」などいろんな声が聞けました。魚との駆け引きや川の性質を感覚的に学べたようです。     基本を練習した後は、乗船体験。 平工さんの漁場まで遊覧しながら移動しました。 子どもたちは、船上から見える景色も楽しんでいました。   漁場に着くと平工さんからアユの見つけ方やアユのいる場所、アユの動きなど生態や習性について詳しく教えていただきました。   そして、アユがいる瀬まで歩いて移動し、平工さんが投げ網を打つところも見せていただきました。 残念ながらアユは捕れませんでしたが、使用した網を持たせていただき、網を投げるタイミングやアユとの間合いのとり方、狙う魚の大きさと網目の大きさの関係など漁に関する話から、市場での値段の付け方や、流通システムについてなど漁で生計を立てている人ならではのリアルでおもしろい話を聞かせていただきました。       最後は、自由行動。 ヨシノボリ釣りや遊泳など、川でやりたかったことを体験してプログラムを終えました。 どれも貴重な経験になったのではないでしょうか。     水族館のプログラムでは、学問的に生き物を学ぶことが多くなりがちですが、今回は、漁師さんならではの視点から「自然の中での魚の生態」を学ばせていただきました。 旬の食材、値付け、流通など「人と魚の関わり」についてもお話しいただき、川の恵みを受けて生活していることを実感できたことと思います。   では     Tweet

用水路にいた青いメダカ
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  • 日本の淡水魚
  • 研究・調査

用水路にいた青いメダカ

みなさま こんにちは。 現在、3階の「用水路の生き物」水槽の隣で青いメダカを展示しています。     青いメダカはペット用の改良品種で、観賞魚売り場に行くと、青いメダカの他にも、白いメダカや赤いメダカ、黒いメダカなど、いろいろと売られています。 家に水槽を置いて、それらのメダカを飼ってながめるのは私も好きです。     でも、そんなメダカを野外の川で見つけた時は、ぞっとしました。   去る2021年11月、岐阜県内の、とある用水路で生き物観察をしようかな。と水に入ったとたん、水面にいるたくさんの青いメダカを見つけました。 背側が青白く光る特徴を持つ「幹之メダカ」もいました。   初めて行く場所だったので、何がいるかなぁ~とわくわくしていたのにこれです…。残念でなりませんでした。     ここは、野生の生き物たちがくらす場所。ペット用のメダカがいるべき場所ではありません。 きっと、飼っている人が、(このメダカはいらないな)と思って、この場所に捨てたんだと思います。ざっと50匹以上はいました。       もし、ここに野生のミナミメダカがいたら…   ペット用メダカと野生のメダカは容易に繁殖するので、子孫を残す可能性があります。そうなると、遺伝子が撹乱され、この地域固有の遺伝子をもつ野生のミナミメダカはいなくなってしまいます。一度失われてしまうと、もう元には戻せません。     これまで、野生のメダカは開発による生息地の消失や、農薬や生活排水による水質汚濁、そして、国外外来種のオオクチバスやブルーギルに捕食され、また、カダヤシにすみかを奪われるなどして、大幅に数が減っています。     そして、またここにきて、ペット用メダカによる遺伝子の攪乱というあらたな脅威にさらされています。     飼っているメダカが増えすぎて飼えなくなったとしても、野外の川に捨てるのは絶対にやめましょう   青いメダカを見つけたこの用水路は、近所の人曰く、小学生もよく来て魚捕りを楽しんでいく場所だそうです。小学生には、その地域で世代を重ねてきた本物の地元の魚だけを捕らせてあげたいと心から思います。 川にペット用のメダカがいるのが当たりまえ、なんて事態にならないよう、自分にできることが何かを考えた結果が、青いメダカを展示することでした。   展示しているのは、今年の8月に同じ用水路で捕まえた個体です。   去年に続き、今年も青いメダカがたくさんいました。   ペット用メダカを川に放したらなぜダメなのか、しっかりとパネルで解説したつもりです。 ぜひ読んでいただけたらなと思います。 Tweet

目が白くなったホクリクサンショウウオ
  • 治療

目が白くなったホクリクサンショウウオ

みなさま、こんにちは。獣医の小野です。 夏が終わり、もうすぐ紅葉の季節がやってきますね。     2年前のある日、飼育スタッフTさんに 飼育しているホクリクサンショウウオの中に、目が白い個体が複数いるとの相談を受けました。   実際に確認すると、目の表面である角膜という部分が白く濁っていることがわかりました。   ↓こんな感じ   目が白いといっても、様々な原因が考えられます。 白内障?細菌が感染している?寄生虫が感染している?ガンによるもの?…などなど。 目の検査を行い、調べていくと、『脂肪性角膜症』という病気であることがわかりました。     『脂肪性角膜症』とは、特に樹上種のカエルで認められる病気であり、目の角膜に脂質が沈着する病気です。 栄養過多や、繁殖に向けて貯めた脂肪を上手に消費できなかったために発症するのではないかと言われています。   長期間にわたって白くなっているということで、エサとして与えているコオロギが原因かもしれない!と思い、 まずは、コオロギに与えているエサを見直すことにしました。 何故かというと、コオロギはエサによって栄養価が変化すると言われているからです。 つまり、脂質が多く含まれているものを食べているコオロギは脂質が多くなるというわけです。     そこでまず、低脂質食で育てたコオロギを与えた個体と、これまで通りの育て方をしたコオロギを与えた個体で、角膜脂質症の経過を観察してみました。 しかし、大きな差は認められず。どうやら、コオロギに与えているエサを変更しても、病気は良くなりそうにありません。 そこで!脂質代謝に関係しているビタミンEをホクリクサンショウウオに与えてみることにしました。     すると、徐々に目の白く濁ったところが小さくなっていきます!!       予想通り、ビタミンEを与えることは治療法の1つになりそうなので ビタミンEを与えた個体と与えていない個体で比較実験を行い、本格的に治療効果について検証してみることにしました。     実験期間は2年に及びましたが、ビタミンEの治療効果を証明することができ、 この成果を先月につくばで開催された日本野生動物医学会にて、発表してきました。     発表内容について、ほかの動物園水族館の獣医師からたくさんの質問をもらいました。 これまで行われてきた治療法は、給餌制限(餌を減らすこと)だったため、病気は良くなるものの痩せてしまうことが多かったようです。 しかし、今回発表した治療法は痩せるという問題も解決でき、とても興味深い発表だったと言ってもらうことができました!     ただ、今回はホクリクサンショウウオのみで実験を行ったため、ほかの生き物については症状が良くなるか、まだわかりません。 今後、ほかの生き物で脂肪性角膜症が確認されたらビタミンEの効果を検証したいと思います!     Tweet

アクアマイスターになろう! 9月の活動
  • イベント

アクアマイスターになろう! 9月の活動

皆さまこんにちは。 体験学習班の河合です。   9月の活動内容は、「新境川たんけん」でした。 当館の北を流れる新境川で生き物調査をしました。 6月の「田んぼ調査」以来の屋外活動です。   前日が大雨だったので実施できるかどうか心配でしたが、朝には平常水位に戻ったので予定通り開催しました。 参加した子どもたちは、半ばあきらめ状態で水族館にきましたが、川に行けることを聞き大喜びでした。屋外の活動を楽しみにしているんですね。     川に行く前に、「川のどんな場所にどんな生き物がいるのか」や「魚のとり方」についてレクチャーしました。   そしてもう1つ大事なこと、川の危険についてもレクチャーしました。 川は楽しい場所でもありますが、危険もともないます。 今回は実際に調査する場所の、前日の増水している様子と当日の朝の様子を動画で比較し説明しました。 子どもたちは、動画を見ながら川の変化に驚きつつ、気を引き締めてくれたと思います。         レクチャーが終わると、ライフジャケットとヘルメットなど装備を整えて、いざ出発。   8月25日の豪雨で崩れた橋を見学してから調査地点へ向かいました。 到着後には今いちど川の様子を見て安全確認をして調査を開始しました。 最初は魚をとるのに苦戦していましたが、とり方のコツを教えると、すぐに生き物がつかまえられるようになりました。 ある程度生き物がつかまえられるようになると、「ヨシノボリがとりたい」とか「次は流れのわきにある草を狙うよ」とか自分で考えて生き物を狙うようになりました。   採集した生き物の一部を、館内の多目的ホールに持ち帰り、過去に新境川で捕獲した生き物のリストをもとに種の同定をして調査結果をまとめました。   調査結果は、 魚はカワヨシノボリ、ドジョウ、オイカワ、カマツカなど8種 魚以外の生き物は、スジエビ、モクズガニ、コオニヤンマ(幼虫)、ヒラタドロムシ(幼虫)など13種。その他、特定外来生物であるブルーギルやウシガエルも現地で確認し、見つけた生き物は合計21種(100匹以上)でした。     見落としてしまいそうは小さなトビケラ類の幼虫や落ち葉にまぎれて見つけにくいガガンボの幼虫なども見逃さず捕獲していました。       今回の調査では、大きな魚や希少種がとれたわけではありませんが、身近な川にどんな生き物がすんでいるのかが少し分かったと思います。 川には流れの緩急があり、川岸には植物の根があります。川底は石や砂、泥などと多様です。生き物の多い場所や少ない場所、また場所ごとでとれる生き物が違うということを学べた回になったのではないでしょうか。   では       Tweet

ハマガニとアシハラガニ
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  • 新しい展示

ハマガニとアシハラガニ

こんにちは。涼しくなりましたね。 そして、今年も残すところあと3ヵ月。びっくりです。   現在、開催中の企画展「ココがちがうんです!~生き物の見分けは難しい!?~」はご覧いただけましたでしょうか? 今日は、企画展で紹介しているのとは、またべつの2種のカニの見分けかた(と、そのかっこよさ)をご紹介します。   こちらは河口のヨシ原にすむカニ、左:アシハラガニ 右:ハマガニ です。     アシハラガニは、河口にいけばたいてい出会う身近なカニです。   行くところに行けばめちゃくちゃたくさんいます。 色はブルーグレーで甲は四角く幅3.5cmぐらいです。   対するハマガニは、甲に丸みがあり、前縁はオレンジ色に縁取られます。 アシハラガニよりも大きくなり甲幅5cmぐらいです。 そして、ハサミあしはきれいな紫色をしています。   大型の個体であれば、色や大きさで違いが分かりやすいですが、 小型・中型だとなかなか見分けるのは難しそう…。   そんな時、見分けるポイントとなるのは、眼の下にあるつぶつぶです。 こちらハマガニのオス ↓   メスも同じようなかんじのつぶつぶ具合です。   そして、こちらがアシハラガニのオス ↓   いかがでしょう?つぶつぶの数が全然違います。 これさえ知っていれば簡単に見分けられます。   ちなみにアシハラガニのメスは、さらにつぶつぶがいっぱい。     以前から、アシハラガニは「河口の生き物」水槽で展示していましたが、 なんと!この度ハマガニも、同じ「河口の生き物」水槽に仲間入りを果たしましたvi  iv   いかがでしょう?このいかにも強そうな風貌。   同じ水槽にいる、トビハゼやアシハラガニを、この大きいハサミあしで捕まえて食べちゃうんじゃないの!?って心配になります。でも、意外なことに、ハマガニはヨシなどの植物をおもに食べるんだそう。だから大丈夫なんです。 でもやっぱりひょっとしたら…ってこともありますので、現在の展示は1匹のみにして様子を見ています。   穴に潜ったりして見えない時間もあるとは思いますが、ぜひぜひ探してみてくださいね。存在感ありますよー!       Tweet

北海道で出会ったエゾハナカジカ
  • アクア・トトの生き物
  • 研究・調査

北海道で出会ったエゾハナカジカ

去る5月下旬、研究者と協力して北海道へ生き物調査へ行って参りました。   調査場所は北海道東部、日程は4泊5日。   飛行機から降り立つと本州で見たことがない、広大な大地が広がっていました。   5月下旬でもまだまだ寒く、昼間でも上着を着て、夜間はネックウォーマー着用という気候…   そんな寒さの中、カヌーで移動したり、   潜って生き物を観察したりと いろいろ経験できました。     そして岐阜県ではみられない生き物もたくさん見られました。         そこで出会った生き物のうちの1種「エゾハナカジカ」     水族館で展示しているカジカ大卵型とカジカ小卵型に見た目は似ていますが、 このエゾハナカジカは国内では北海道のみに分布する種で、私は見るのも初めてでした。   「これはぜひ『釧路湿原の生き物』水槽のニューフェイスとして展示したい!」 というわけで少しだけ連れて帰ることにしました。   すぐに常設展示する予定でしたが、9月のテーマ水槽を考えているときに 「魚へんに秋で鰍(カジカ)」だし、カジカを展示しよう! というわけで常設デビューの前にテーマ水槽で皆さまに見ていただくことになりました。   いかがでしょうか?   毎日見やすいところにいてくれて良い感じです。     石のすきまから顔を出す感じや、 ちょっと見上げている感じもかわいらしいです。   今回のテーマ水槽は10月3日までです。 ぜひ見に来てくださいね。       Tweet

企画展「ココがちがうんです!」のネズミ
  • 未分類

企画展「ココがちがうんです!」のネズミ

みなさま、こんにちは!   今回は、開催中の企画展「ココがちがうんです!~生き物の見分けは難しい!?~」で展示している2種のネズミの仲間をご紹介します。 今回の企画展で唯一、生体展示している哺乳類が「アカネズミ」と「ヒメネズミ」です(標本でコウモリ4種とモグラ2種、ヌートリアも展示しています)。     この2種は、日本の固有種です。 日本全国に分布していて、岐阜県にもすんでいます。   この2種を当館で展示するのは初めてのこととなります。 初めてということで、それぞれの特徴を生かせるような展示ができないかと考えました。     まず、アカネズミは、モグラの穴を使って巣を作ることもあるそうで、地中に潜っている様子を見せられるように地下にトンネルを作りました。       はじめこそよく潜っていたのですが、最近は、だいぶ展示水槽の環境に慣れてくれたようで、2匹でトンネル上のスペースで寝ていることが多いです。(観察しやすい位置にいるのでいいことなんですけどね!) たまに使ってくれていると嬉しくなります。     そしてヒメネズミは、木登りが得意で半樹上生活をしています。そこで、枝を組んで、高さのある展示にしました。   時間によっては枝に登っているので、樹上生活を再現できたのではないかと思います。 ですが、ここでひとつ問題が、、、 ヒメネズミが、元気すぎることです。   日中は、そうでもないのですが、 (寝ていることが多いです。)   夜になると、超活発になります。     フタにぶら下がっていることも!!すごいジャンプ力で、びっくりです。 とてもアクティブです笑   最近はスタッフがフタを開けると、日中でもフタにぶら下がりにくることがあるので、作業する時はドキドキです。 フタを開けた時、逃げ出さないように対策として、スタッフ二人体制で作業するようにしています。     さて、この2種ですが、どこで見分けるかと言いますと、 「足のサイズ」 で、見分けることができるのです。   成獣同士で見比べてみると、、、 アカネズミは、2.2cm以上で     ヒメネズミは、2.2cm未満なんです。   じっくり見ていただきたいと思い、剥製標本も一緒に展示しています。   2種のちがいをぜひ見つけてみてくださいね。     Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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