おもしろ飼育コラム

シーナンタナゴの産卵動画
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シーナンタナゴの産卵動画

こんにちは。 3月になりました。春ですね。 卒業、入学、異動、年度の切り替わりなどをひかえ、みなさまお忙しくお過ごしではないでしょうか?   3月は、いろいろな生き物たちの繁殖シーズンとなりますので、わたしも忙しく過ごしております。   先日、シーナンタナゴの産卵の様子を動画におさめることができました。 シーナンタナゴは中国に分布するタナゴ類で、昨年末から展示に加わった新入りです。   このタナゴはシジミ類の中に卵を産みつける習性をもっていて、人工授精で繁殖はさせられたのですが、せっかくなのでシジミに産卵するところを見てみよ。 と思い試してみました。   婚姻色がでていて赤い体色をしているほうがオス、そうではないシルバーの体色をしているほうがメスです。   早業でしたね。 メスがお腹にある産卵管を、シジミの出水管に差し入れたところ、おわかりいただけたでしょうか?あの一瞬で卵をシジミのエラ部分に産みつけたと考えられます。 その直後にオスがシジミの近くで放精しているはずなのですが、それは動画で見る限りわからなかったです。   日本に生息するタナゴ類は、全てイシガイ目の二枚貝、例えば、 こんなのや   こんなの。 に、卵を産みつけるのですが、 シーナンタナゴが産卵に使用する貝は小さなシジミ類。おもしろいですね。   貝の中に産みつけられた卵は、貝の中で育ち、泳げるようになると出水管から出てきます。   貝の中での成長は見ることができませんが、人工授精により繁殖させたときに撮影した写真があります。 25日間でこんなふうに成長しました。   今回の動画の撮影は、じつはすごく簡単に撮影できたので、この調子で他のタナゴもじゃんじゃん産卵シーンを撮ってみよう!撮影できたら、水族館の展示でも大いに活用できるぞ!!   と思い、挑んでいるのですが、これがなかなか難しい…。 この春は、タナゴ類の産卵動画撮影というのを、ひとつの目標に掲げて頑張ってみようと思います。       Tweet

フグざんまいのムブの大きさは?
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フグざんまいのムブの大きさは?

みなさま、こんにちは。   企画展「フグざんまい」は、もうご覧いただけたでしょうか? 今回の企画展では、川のフグを13種類、展示しています。(一部、汽水域に生息するフグもいます)   その中でも一番大きい種類がこちら!   テトラオドン・ムブ(以下、ムブ)です。   ムブは、コンゴ川やタンガニーカ湖に生息しており、世界最大の淡水フグと言われています。体が大きいだけではなく体の模様も特徴的な種です。 幼魚の模様は網目が太いのですが、成長するにつれ、細かく複雑になっていきます。企画展で展示中のムブは、かなり大きな個体なので細かくて複雑な模様をしています。   水槽越しに見ていると、ムブが顔を寄せてくることがあります。 たまに、あくび?と思うほど大きく口を開けていることがあるのですが、その際、鋭いくちばしのような歯もよく見えます。 企画展では、近くに歯の標本も展示してあり、歯の全体像も見ることができますよ!私も実際に見て、ほんとにくちばしみたいになってる!って思いました。笑   少し話が脱線してしまいましたが、今回、注目していただきたいのはこちら↓   ムブの体の大きさです。解説には、全長67.0㎝と記載しています。(この大きさは「Fishbase」というデータベースサイトの記載内容を参考にしています)   ある日、他の飼育スタッフと話している時に、 「うちのムブって、もっと大きくない?絶対大きいよ!!」 という話になりました。 確かに、デカい!!大きな水槽で飼育していますし、エサもいっぱい食べています。そこで・・・ 実際に計測してみることにしました。     生きている魚の大きさを正確に計測するのは、実はとても難しいので、今回は大体の大きさがわかればOKということにしました。 方法はいたってシンプル。水中に長い定規を持っていき、その前をムブが通過する映像を撮り、おおよその大きさを調べてみました。         結果は・・・ 約80㎝!!!!!!!!! 67㎝を大幅に超えています! やっぱりデカかった!!!!!     企画展で展示しているムブは約70㎝。常設展示個体にはおよびませんでしたが、それでも十分大きいですよね。     ちなみに、企画展で展示している中で一番小さいアベニーパファーと、大きさを比べてみると、 こんなにも違います。(第一回目のライブ配信で使ったアベニーパファーの模型と一緒に並べて撮ってみました) アベニーパファーは、全長3.5㎝なので、23倍くらいですね。     企画展開催中に、ぜひ、確かめてみてくださいね!     Tweet

特別水槽のレイアウトあれこれ
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特別水槽のレイアウトあれこれ

只今、3F「水田と用水路の生き物」エリアの特別水槽では「アカハライモリ渥美種族」を展示しております!   アカハライモリ渥美種族とは、全国的に分布するアカハライモリの地方種族の一つで、形態や行動の違いから独自性がみとめられています。現在では知多半島の一部でのみ生息が確認され、絶滅の危機に瀕している大変貴重な生物です。   さて、本展示の準備にとりかかる際に展示飼育担当歴半年の私は初めて水槽のレイアウトを担当することになりました。   任せてもらえたことを嬉しく思ったものの、レイアウトに関してはほとんど素人。「アカハライモリ渥美種族」はかなり注目度も高いはずだし、いい水槽にしなくては……!と悩みました。   与えられた材料は石、流木、水草の三種類です。石や流木はバックヤードにストックがあり、水草は「用水路の生きもの」水槽に入っているクロモを使うことになりました。     最初に、水槽の基本的なレイアウトについて調べることにしました。すると、「三角構図」「凸型構図」「凹型構図」というレイアウトが一般的なようです。 今回使うのは30cm立方の小さな水槽なので、凸型構図でコンパクトにまとめることにしました。   次に、水槽の奥行き方向についても三つの部分に分けて考えられるということです。それぞれ前景、中景、後景と呼ばれ、部分にあったレイアウトテクニックがあるようです。なるほど。 背の低い水草がないので、前景は省略です。中景には石や流木、背が中程度の水草が置かれることが多いようですが、小さな水槽に全部詰めてもごちゃごちゃする気がしたので、石のみを選びました。後景には背の高いクロモをたくさん植えることにしました。   それではいよいよセッティングです。クロモは適度な長さに切り、下の方の葉を落として植えていきます。バックヤードの石置き場をひっくり返すように探して、い~い感じの石もゲットしました。このい~い感じの石は自立しなかったため、見えないように別の石で後ろから支えることにしました。   そして完成したのがこちら。   初めてにしてはなかなかいいのではないでしょうか! ごつごつした石がかっこいいですし、アカハライモリの鮮やかなお腹が石の黒色やクロモの緑色に映えるに違いありません。展示開始を待ち遠しく思いながら、水槽の設置日を迎えました。   ところが! アカハライモリを水槽へ入れたところ、すぐに石の隙間にかくれてしまい、さらにクロモはアカハライモリによってすぽすぽ抜かれ、水面を漂うことに。 私は涙と水槽の水で袖を濡らしながら、石を抜き水草を減らしたのでした。現在の水槽はこんな感じです。   初めての水槽のレイアウトはアカハライモリに大敗北を喫して終わり、動物の行動まで含めて考えることが大切ということを学びました。これからも日々勉強して、次こそは最初からベストな水槽を作り上げようと思います!     Tweet

第9回 トト漢字コンテスト 受賞作品発表!
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第9回 トト漢字コンテスト 受賞作品発表!

みなさんこんにちは。   昨年より募集をしておりました「第9回 トト漢字コンテスト」の受賞作品が決定しました! 「トト漢字コンテスト」は「魚」に自由な文字を組み合わせて漢字を作るアクア・トト ぎふの創作漢字コンテストです。 今回でなんと9回目を迎えました!   今回はコロナ禍という大変な状況にもかかわらず、館内応募に加えてはがきやFAXもあわせて878点ものご応募をいただきました! ご応募いただいた皆さま、本当にありがとうございます。   さて、今年の最優秀作品はどんなトト漢字でしょう!? 一般の部 <最優秀賞> 【読み方/なまえ】 ドジョウ 【説明】 泥の中にいつも入って身を隠しているので魚自体を泥の中に入るという表現をしました 君島 陽太 (17才)   <優秀賞> 【読み方/なまえ】 かまぼこ 【説明】 長い「板」の上に魚がのっている 石田 賢吾 (57才)   【読み方/なまえ】 しゃちほこ 【説明】 城の上にある2つの魚といえば 中川 真由美(50才)   <特別賞>   【読み方/なまえ】 アユモドキ 【説明】 アユなんだろうか… 堀 奈央(35才)   【読み方/なまえ】 リュウグウノツカイ 【説明】 小惑星「リュウグウ」から、試料を持ち帰りました 石川 恵祐(18才)   【読み方/なまえ】 オイカワ 【説明】 川を追いかけています 植谷 小百合(35才)   <佳作> 【読み方/なまえ】 フィッシュ・アンド・チップス 【説明】 英国を代表するファストフード 赤松 未子(18才)   【読み方/なまえ】 マス 【説明】 マス目でマスをイメージしました 村林 俊紀(43才)   【読み方/なまえ】 トランスルーセントグラスキャットフィッシュ 【説明】 体が透けていて長い2本のヒゲをしんにょうで 小森田 さくら(37才)   【読み方/なまえ】 ワカサギ 【説明】 冬の風物詩です。 井垣 暁子(41才)   【読み方/なまえ】 タツノオトシゴ 【説明】 オスのおなかの中で子育てをするときいた事がある 安尾 有里(46才)   【読み方/なまえ】 ハイギョ 【説明】 ハイギョはえらと肺を両方持った魚なので、えらを漢字にした「鰓」と「肺」を組み合わせました 伊藤 龍馬(15才) キッズの部(小学生以下) <最優秀賞> 【読み方/なまえ】 アユ 【説明】 鵜にのみこまれている様子 西谷 蒼一朗(小学3年生)   <優秀賞>   【読み方/なまえ】 ゴライアスタイガーフィッシュ(ムベンガ) 【説明】 ゴライアスは巨人、タイガーは寅という意味だから 佐分 圭介(小学5年生)   【読み方/なまえ】 アナゴ 【説明】 アナゴは、あなの中にかくれるのがすき 小栗 蒼斗(小学2年生)   <特別賞> 【読み方/なまえ】 オジサン 【説明】 オジサンと言う魚を知ってもらいたかったから 鈴木 音葉(小学6年生)   【読み方/なまえ】 カワムツ 【説明】 川が6つあってわかりやすいから 河村 佳奈(小学6年生)   【読み方/なまえ】 カマキリ(アユカケ) 【説明】 口の中が赤いから 恒川 未羽(小学1年生)   <佳作> 【読み方/なまえ】 ウナギ 【説明】 土用のうしの時にウナギを食べるから 伊藤 悠人(10才)   【読み方/なまえ】 ダンゴウオ 【説明】 ダンゴウオという名前と見ためからすぐわかる字にしました 渡辺 真帆(小学2年生)   【読み方/なまえ】 トビウオ 【説明】 Mを波にみたててなみの上をジャンプしているようすをおもいついたから 大野 友莉(小学3年生)   【読み方/なまえ】 ダルマオコゼ 【説明】 ダルマと特徴的なヒレをはわせました 黒川 綜馬(小学2年生)   【読み方/なまえ】 カメ 【説明】 体をこうらで囲んでいるイメージから 山田 悠太(小学5年生)   【読み方/なまえ】 ワカメ 【説明】 海にただようわかめに魚が隠れている様子 西谷 悠之介(小学1年生)     今年もおもしろい作品が揃いました! 受賞された皆さま、おめでとうございます! 2月中旬に賞状と副賞を送付させていただきます。楽しみにお待ちください。     入賞作品は2月中旬から水族館ガレリア(出口ゲート付近)に展示予定です。   お越しの際は展示された作品を、ぜひお楽しみください♪   Tweet

フグざんまいのライブ配信
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フグざんまいのライブ配信

みなさま、こんにちは。   少し遅くなりましたが、1月4日に行った2回目のライブ配信の様子をご報告します。 1回目のライブ配信終了後の反省会では、「画面が暗く、顔が見えない」「水槽に裏方スタッフが映りこんでしまう」「電波が悪いのか途中で配信が切れてしまった」などの課題があげられました。   これらを改善すべく、様々な工夫をして2回目に挑みました。   まず「画面が暗く、顔が見えない」ということでしたので、 照明係を増やしました!これで、画面も明るくなり、見やすさは改善です。   次に「水槽に裏方スタッフが映りこんでしまう」ですが、カメラに映らないように移動するのは大変で、どうするか考えた結果、   あえて映りに行こう!! ということで、みんなでフグの帽子をかぶることにしました。ちなみに裏方スタッフは、青いフグ帽子。   出演者は、黄色いムブ帽子をかぶっていました。   (このムブ帽子は、青いフグ帽子を加工して、私が手作りしました。結構うまくできて、満足してます!!)     そして、「電波が悪いのか途中で配信が切れてしまった」問題ですが、 チューナーを、電波の届きが良くなりそうなところに位置を移動させて、本番に挑みました。結果、どうだったかといいますと・・・配信が途中で切れるというハプニングが3回も起こり、またもや復旧後の映像しか残すことができませんでした・・・すみません。 反省を踏まえ、準備万端で挑んだのですが、とても残念です!! 機材の問題である可能性があっため、最新機材を購入しましたので、次回は大丈夫だと思います!   2回目のライブ配信では、フグ3種(パオ・バイレイ、テトラオドン・ミウルス、テトラオドン・ショウテデニィ)の紹介に加えて、給餌シーンも配信をしました。   ちゃんと食べてくれるかなぁ、視聴者の方々に動画で伝わるかなぁ、と心配していたのですが、そんな心配をよそに、フグたちは勢いよくエサを食べていました。 コメントでも、「早い!」「一瞬でエサがなくなった!」など、給餌の様子を伝えることができたとわかるコメントも多く、みなさまの反応がとてもうれしかったです。   ミウルスとショウテデニィは、公式インスタグラムで今もご覧いただくことができるのですが、バイレイの給餌シーンだけは、残すことができませんでした。 そのため、別の日に給餌シーンを撮り直しした動画をインスタグラムに載せました! そちらも確認してみてくださいね!     そして、ライブ配信の最後でお知らせした、大阪の「生きているミュージアム・ニフレル」さんとの、コラボ配信が近づいてきました!! 2月9日の「フグの日」にコラボ配信を行います!! 先程、ニフレルさんと一緒にリハーサルをしてきました。   当日はフグのことをより詳しく知ってもらうため、クイズを出題したり、私たち飼育スタッフがフグを飼育する上で大変だったことや、頑張ったことなどをお話しする予定です! はじめてのコラボ配信で今からドキドキしていますが、一緒に楽しみましょうね! では、2月9日(水)18:30から、インスタグラムでお会いしましょう!!   (今回のコラムは、フグの写真があまりなかったので最後にバイレイの写真を載せてみました。毛フグと呼ばれているのも納得ですね。)     Tweet

ニシアフリカコガタワニの同居試験
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ニシアフリカコガタワニの同居試験

今回は久々にニシアフリカコガタワニの近況についてご報告したいと思います。   昨年、6月に京都市動物園から繁殖のためニシアフリカコガタワニのノック(♂)がやってきて、半年以上たちました。 搬入時の様子はコチラ   ノックは当館の環境にもすぐに慣れたようだったので、搬入から約1カ月後の休館日に、隔離している柵を外して同居を試みました。 この時はワニ子がノック側に入るやいなや、見たことないスピードでノックに突進していき咬みつきました…。 ノックはおとなしくしているのに…。 怒り心頭のワニ子を戻すの図   すぐにワニ子を引き離して、元居た場所に戻しました。幸い、両個体とも大したケガもなかったので一安心ですが、残念ながら隔離生活再開です。   次の一手として、お互いのやる気を高めるべく、生息地の環境に合わせて飼育環境に変化をつけていくことにしました。降雨装置もその一つで、8月末から稼働させています。 すると今まで置物状態だったノックが、雨に合わせてちょくちょく鳴くようになりました。これはなんだかいい感じです。 ワニ子はというとノックの鳴き声に合わせて何か行動する、というようなことはないのですが、最初の頃のように目をギンギンにさせてノックを睨みつづけるようなことは無くなり、あまり気にならなくなってきたようでした。   時は来た。   1月11日休館日。いよいよ2回目の同居試験を実施することにしました。 観覧面にはワッチ担当がワニたちの動きを記録します。ほとんど動かないので辛いです。   柵オープン!仲良くやってよ! 全然動きません。ワッチ担当が辛そうです。   お、いよいよ動きが。先手はワニ子です。     ワニ以上に緊張している私。いつでも仲裁に入れるよう待機しています。   前回と同じようなポジションになっていますが、今回のワニ子は怒りで突進していくこともなく、ノックの横にそっと寄り添っていきます。 これは成功か!と期待した瞬間、 ガァーーーー!!! 前回とは反対に、ノックが激怒でワニ子に咬みついていきました。 今まで声をかけても、指やお腹触っても、掃除のために跨いでも、全く動かなかったノックが見たことないくらい激怒。 すぐに仲裁に入り、同居試験ストップです。 今回も両個体ともケガはなかったのでとりあえず一安心ですが、ワニ子が水中に逃げたため、仕方なくノックを右側のスペースに移動させました。 いつもと違う場所に移動させられて、たぶん怒っているノック。   水中からこちらの様子をうかがうワニ子。夜まで陸場に上がりませんでした。     なかなかうまくいきませんが、まずは同居させることが繁殖への第一歩ですので、良いタイミングを見逃さないよう引き続きよく観察していきたいと思います。 というわけで、今、展示水槽の右側にいるのがノック(♂)、左側にいるのがワニ子(♀)ですのでよろしくお願いいたします。     Tweet

おかえりボウズハゼ
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おかえりボウズハゼ

こんにちは。   昨年の11月より、長良川の展示エリアにボウズハゼが仲間入りしています。     ボウズハゼは、過去にも展示していました。 当館がオープンした2004年から、2015年ぐらいまで。 4つ並んだ「瀬と淵の生き物水槽」のうち一番上流のタカハヤ、アブラハヤを展示している水槽にいました。   ただ、当時、岐阜県でボウズハゼが生息しているという記録は残っていましたが、目撃情報が全くと言っていいほどありませんでした。そのため、生息を確かめるまで展示休止とした経緯があります。   それから月日は流れ…。   ここ3年ぐらいでしょうか。突如としてボウズハゼの目撃情報がわたしのもとに届くようになりました。「長良川の岸近くで見たらしい」「揖斐川で投網投げると入るらしい」「木曽川で潜ってたらぽつぽついる」。   こ、これは…!この目で確かめなくては!!   あるときは、投網を投げまくり、 あるときは、真冬に石の裏を探しまくり、 あるときは、子どもと川遊び♪♪のふりして泳ぎながら探し…。   それでも、なかなか出会えず。   自分のセンスのなさに嘆いていたころ、 岐阜大学地域科学部教授の向井先生より有力な情報をいただき、 ようやくボウズハゼの姿を拝むことができました。     いた!!   そして念願のボウズハゼ展示復活! ・県内での目撃情報や確認した場所 ・一緒に見られた魚 ・光が入りコケが生える場所 ・観察しやすそうな水槽 これらのことから、今回は「本流の川岸の魚」水槽を展示場所としました。   現在、展示しているのは4匹ですが、わりと見やすい位置にいることが多いです。   オスよりもメス、大きい個体よりも小さい個体のほうがよく姿を現しています。   野外での調査結果によると、ボウズハゼは冬には活動しないようなので、冬は全く見えないんじゃないかと心配していましたが、年末年始の寒かった日にも姿を見せていました。(水槽の水温が14℃前後と野外よりも高かったからだと思います。)     「あ、ボウズハゼだっ!!」とかけよると、さっと隠れてしまいますので、そーっと近づいてみてください。 石に生えたコケを食べる様子が観察できますよ。   ボウズハゼは川で産卵しますが、孵化した仔魚はすぐに流下し、海で夏から翌年の初夏までを過ごします。海では黒潮にのって大移動していると推察されており、生まれた川に戻ってくるわけではないようです。 ここ数年、岐阜県でボウズハゼがみられるようになった原因は不明で、逆に言えば、また、岐阜県から姿を消してしまうかもしれません。   ボウズハゼがいる今を楽しみながら、ボウズハゼに関するいろいろなことを知ることができたらいいなぁと思っています。     Tweet

カピバラの健康祈願
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  • カピバラ

カピバラの健康祈願

皆様、新年あけましておめでとうございます。   今年もカピバラの健康を祈願して、正月三が日に松湯を行いました。 今年は雪がちらつく中、多くのお客様にご覧いただきました。     イベント開催日のたびにカピバラのプールには約3時間かけてお湯をためます。   その間、カピバラたちはまだかまだかと、かまくら内で仲良く待機。     お湯がたまってくると、リオ(右側)は松の葉を投入する前に早々にお湯に浸かり始め、まったり気分。 ふだん、冬にプールに入ることは全くないのですが、この時ばかりはイベント開始の1時間以上前から水中で待機です。   そして、イベント開始の15:30。 スタッフのアナウンスとともにプールに松の葉とハボタン、エサの牧草が投げ入れられると、2頭とも牧草を食べながら、1時間以上も松湯に浸かっていました。     今年も一年間、動物たちには健康に過ごしてもらいたいと思います。   カピバラともども、本年もアクア・トトぎふをよろしくお願い申し上げます。     Tweet

男の子とエイ
  • アクア・トトの生き物

男の子とエイ

新年あけましておめでとうございます。 本年もアクア・トト ぎふをどうぞよろしくお願いいたします。   寒い日が続きますね。 2021年は臨時休館などもありましたが、多くのお客様に支えられてアクア・トトぎふとそのスタッフ一同は頑張ることができました。ありがとうございます。   先日もそれを身にしみて感じるエピソードがありました。   12月23日、まだ冬休み前で館内がとても静かだった日。 魚のエサが入ったかごを片手に持ち、順番に給餌をしていました。 「河口の魚」水槽の給餌は、スズキのお腹は膨らんだかな?とか、カワアナゴはどこにいるかな?など、水槽の裏側からだけでは確認しづらいので、何度か観覧側と裏側を行き来しながらエサを与えます。   途中から小さな男の子が水槽をのぞいていました。 給餌が終わり、わたしが観覧側から最後の確認をしようとした時も、その男の子は水槽をのぞいていました。 どうやらこの水槽に1匹だけいるアカエイを探していたようです。   この時アカエイは、水槽の死角にいて見つからなかったので、 私も隣にしゃがんでアカエイが姿を現すのを待つことにしました。   「今日もアカエイはいっぱいエサを食べたんだよ」 「今日のエサはサバだったんだよ」 「いっぱい食べてお腹膨らんでると思うよ」 などと話しかけていると、男の子の目が輝くのが分かりました。     そしてついにアカエイが姿を見せると、男の子は飛び上がって大喜び!! お母さんも「お腹ふくらんでるね」「見られてよかったね!」と言いながら、男の子と一緒になってアカエイの登場を喜んでくれました。   「お腹がいっぱいになった日は、午後からは砂に潜って休むんだよ」 と、お話してお別れしました。   その後、ほかの水槽の給餌をすべて終え、この場所を通りがかると、 さきほどの男の子はまだ河口の魚水槽の前に!   まだいるー!!!   しかも、今度はお母さんのスマホを借りて、カシャカシャカシャカシャと泳ぎ回るアカエイの写真を連写していました。   本当にこの水槽のアカエイを気に入ってくれてるんだなと、感謝感激です。 そしてこの男の子のペースに合わせて、待っていてくれるお母さんにも頭が下がります。   その日の午後のアカエイの様子。水槽手前の砂に潜っていました。   取材などでインタビューを受けると「飼育スタッフが一番うれしいことって何ですか?生き物が繁殖した時ですか?」ってよく聞かれます。 確かにそれもうれしいのですが、 飼育スタッフが一番うれしいことは、「いいと思っているものをいいと思ってもらえること」。 やっぱりこれです。   新しい年が始まりましたが、「水槽を見てくれる人」を意識して、精進したいと思います。   Tweet

カピバラ兄弟のゆず風呂タイムを開催しました!
  • アクア・トトの生き物
  • カピバラ

カピバラ兄弟のゆず風呂タイムを開催しました!

こんにちは。 寒波が到来し、すっかり寒くなりましたね。   12月22日は冬至でした。冬至にはゆず風呂に入る風習があります。 厄払いや風邪予防、血行を良くして冷え性を緩和したり、さらには、ゆずの皮に含まれるクエン酸やビタミンCによる美肌効果などがあるようです。   そこで当館では、12月18日、19日に「カピバラ兄弟のゆず風呂タイム」を開催しました!   ゆず風呂が完成すると、カピバラたちはすぐに中に入り、そして全身すっぽりと浸かって気持ちよさそうにしていました。     ちなみに、カピバラたちはゆずをかじることはあっても食べることはありません。   写真でもおわかりいただけるように、この日は本当に寒かったのですが、たくさんのお客さまにご覧いただくことができました。 気持ちよさそうにゆず風呂に浸かるカピバラたちの姿から季節感を味わっていただけたら幸いです。     ひょっとしたら、見逃した!見たかった!という方もいらっしゃるかもしれません。   安心してください。新年の1月1日~3日の15:30から、 「カピバラ兄弟の松湯」を開催予定です!!!   ゆず風呂同様に、プールにお湯をためて、今度は松の葉を浮かべます。 温かい松湯に浸かるカピバラたちをご覧になり、お正月気分を味わってみませんか?   皆さまのご来館を心よりお待ちしております!   Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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