久しぶりの飼育コラムです。田上です。 今回はキメアラフトイモリ Pachytriton granulosus について書きます。 このイモリは中国に生息するイモリで、成体は山の中の渓流などで暮らしています。 2015年に開催した企画展「イモリ」で展示して、その後バックヤードで飼育してきました。 はい、展示していない生物ですみません…。 英名はPaddle-tailed Newt。確かに尾はパドルみたい。 個人的にとても好きな種ということもあり、バックヤードの最深部で粛々と飼育下繁殖に取り組んできて、昨年春にようやく成功しました。育ったのはたった3個体ですけど。 その育った幼体たちも随分しっかりとしてきたので、その様子も一緒にご紹介できればと筆をとった次第です。(コラム書けよ!というプレッシャーもあったとかなかったとか…) さて、昨年生まれの幼体はこんな姿。 随分親と雰囲気が違いますね。 幼体は成体とは違って陸上生活をしており、皮ふの質感も全然違います。 スローな動きですが、しっかりエサも食べています。 すばやく舌を伸ばしてエサを捕まえているのがわかると思います。 では、水中生活している成体はどうかというと、こんな風。 水ごとエサを吸い込むように食べていますね。 生活する場所がかわると捕食方法もガラっと変わっています。 幼体の頃には無くてはならない舌ですが、成体になると邪魔になるので、 成長に伴い、なんと舌は口内に癒合していきます。 それにしても舌が無くなるって、なかなかすごいですね…。 また特別展示のような形で皆様に見ていただけたらと思っています。 引き続き大事に育てていきます。 Tweet