おもしろ飼育コラム

赤外線サーモグラフィーの獣医医療への活用
  • 治療

赤外線サーモグラフィーの獣医医療への活用

みなさん、こんにちは。 獣医の小野です。   今回は、赤外線サーモグラフィーを用いた検査についてのお話です。 赤外線サーモグラフィーとは温度が測定できる映像装置です。 撮影する対象物から放射される赤外線を検出し、その赤外線エネルギー量により 温度分布を測定し、色によってそれを表現します。 温度が高いところは赤く、温度が低いところは青くなります。 実際にカピバラを撮影すると、下の写真のようになります。   では、これをどのように獣医医療に利用するかといいますと みなさんが風邪を引いたときに熱がでるように動物たちも同じです。 細菌やウイルスなどの悪いものが体の中に侵入すると免疫が反応して その過程で熱が発生し、悪いところが周りと比較して温度が高くなる傾向があります。 その特性を利用して、動物たちを赤外線サーモグラフィーで観察し、悪い部分を特定します。     例えば、今回の症例はこちら。   カピバラのラーゴがある日、左前肢をかばって歩いているとの報告を受けました。 ラーゴの両肢を赤外線サーモグラフィーで確認すると   1つの指だけが黄色くなっているのがわかりますでしょうか。 ここで細菌感染が起こっていて、痛みが生じて、肢をかばう原因となっているようです。   そのため7日間、抗生物質と痛み止めを投薬した後、 再度、赤外線サーモグラフィーにて確認すると 周りとの温度差もなく、完治したことがわかりました。   このように、赤外線サーモグラフィーは、対象動物に直接触ることなく 温度がわかり、手で触っただけではわからない細かな温度変化も知ることができます。   動物たちは私たち人間のように『お腹が痛い』や『足が痛い』などと痛いところを教えてはくれません。私たちの五感に頼るだけでなく、この赤外線サーモグラフィーのような検査機器を使うことで、言葉が通じない動物たちの異変を少しでも早く気付くことができるようになればと考えています。   Tweet  

そんなバナナ
  • バックヤード

そんなバナナ

ある日のことです。   私は、13:00からのカワウソのポイントガイドの担当でした。 カワウソのポイントガイド担当者は、バックヤードなどにいる全てのカワウソたちにエサを与え、ガイドが終わると、次の回のエサを準備します。   その時間は、カワウソのエサを準備する私の他にも、カピバラや鳥類のエサを準備している後輩が隣にいました。   すると突然、   後輩 「ぷぷっっ!!」   と、笑い出したのです!!!!!   私  「!?!?!?!?」   驚いて隣を見てみると、ちょうど、バナナを切っていました。   私  「どうしたの?」   と、たずねてみると   後輩 「バナナが・・笑」 私  「?」 後輩 「バナナが、人の顔みたいで!!!笑笑笑」   と、顔を真っ赤にして大爆笑していました。   はじめは、この子は何を言っているんだろうか・・・と 思っていましたが、   実際にバナナを見てみたら、   「笑笑」       人の顔みたいでした。笑   以上、作業中のぷぷっと笑える一コマでした。 笑       Tweet  

救世主になるのか?ならないのか?ハゼの紹介
  • アクア・トトの生き物

救世主になるのか?ならないのか?ハゼの紹介

こんにちは 河合です。   パンタナールの企画展をご覧いただきありがとうございました。 新型コロナウイルス(COVID-19)の関係で予定よりも早く終了することになり、とても残念でしたがパンタナールのことは多くの方に伝わったと思っています。     現在も新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界中で多くの人が苦しみ、日本国内でも大変な事態になっています。   そんな中、インターネット上で「アマビエ」という妖怪にまつわる言い伝えが話題になっています。ご存じでしょうか? ※甘エビではありません。   このアマビエのイラストが、厚生労働省のホームページ上でも若者に向けた新型コロナウイルスの感染拡大防止のアイコンとして使用されています。 話の本筋は「アマビエ」の話ではないので、詳細については検索していただくことにして…     このヒゲもじゃのハゼなんですがご存じですか?   名前は、ショウキハゼ 漢字では「鍾馗沙魚」と書きます。   このハゼは、主に有明海や八代海の汽水域に分布するとされていますが、詳細は不明で伊勢湾でも確認されています。   さて「鍾馗(しょうき)」と難しい漢字ですが、「鍾馗」とは中国に伝わる神様のことです。鍾馗様はヒゲ面で怖い顔をしてるのですが、そのヒゲ面から名づけられたと言われています。   「鍾馗様」の伝承は云々ありますが、疫鬼を追い払う神として信じられていて、それが日本にも伝わりました。端午の節句では子どもを病魔から守り、頭が良くなるよう、受験の守り神として飾るようになったそうです。   こんな素敵な神様の名前が付けられたハゼ。 新型コロナウイルスの感染拡大に「勝機(しょうき)」が見出せればという思いを込めて   そして   このショウキハゼもアマビエのようにコロナの終息に一役買ってくれるといいな~という思いも込めて紹介しました。   残念ながら当館では展示しておりませんが、この機会に普段あまり注目されることが少ないマニアックなハゼの存在を知っていただければと思います。   この写真を携帯電話の待ち受けやアイコンなどにも使用していただければ幸いです。       Tweet  

アジメのヒストリー
  • アクア・トトの生き物
  • 日本の淡水魚

アジメのヒストリー

みなさん、こんにちは~! 去年の10月に入社した新人の平井です! コロナウイルスの影響で館内はとても寂しくなっていますが、魚たちは毎日エサをモリモリ食べて変わらず元気にしています。   個人的な話ですが、私は魚のお食事タイムを見るのが至福のひと時でして…特にドジョウがエサを食べる様子は、私流に表現するなら「ツマツマ食べている」感じです。この様子がたまらなく好きで見とれてしまいます…♪   ひょい! 暗がりの中からこんばんは~♪ こちらのドジョウの名前はアジメドジョウと言います。   他のドジョウより全体的に細いフォルムと、頭に細かいブチの模様がたくさんあるのが特徴です。     生息している環境も泥や砂地ではなく、川の流れが強めで、なおかつ礫がごろごろしている場所にいて、礫についた藻類などを食べて暮らしています。     今回はそんなアジメドジョウの豆知識~!なお話を、みなさんに2つご紹介したいと思います。     ➀神の使い!?   岐阜県高山市にある飛騨一ノ宮水無神社ではアジメドジョウが神の使いとして知られています。 その昔、社殿の前を流れる宮川を挟んで対岸にある大幢寺では、川のせせらぎの音が読経の妨げとなっていました。そこで、水無神社の祭神がアジメドジョウに命じて川の水を地下に潜らせて読経の邪魔にならないようにさせたという伝説があり、アジメドジョウが神の使いとされています。(こんな伝説を秘めているとは凄いですよね…)       ②味がうまい珍味である♪   アジメドジョウは味が良いことから「味女」をその名の由来とし、美味な魚として知られています。こちら岐阜県の飛騨地方や美濃地方などでは昔から食用として珍重されており、メニューとしては、天ぷらや唐揚げ、下呂市では甘辛く煮付けたものを飯に乗せホオノキの葉で包み「朴葉寿司」にするなど、アジメドジョウの食文化はとても奥が深かったりもするんですね。(生きてるうちに私は絶対食べてみたい…)     以上が2つのお話でした~♪ アジメドジョウを見たときに「そう言えば…」と思い出してもらえたら嬉しいです♪ 是非ひとつの豆知識に…♪   また皆さんに魚たちのディープなお話を配信していきますね~ ではでは♪         Tweet  

企画展便り~設営編 その1~
  • 企画展・特別展示

企画展便り~設営編 その1~

みなさん、おうち時間いかがお過ごしでしょうか? このブログが少しでもみなさんの癒しなればと思います♬   今回は、企画展「もっと知りたいウーパールーパー」について紹介します。 何と言っても、私が入社してから初めて担当する企画展になります‼   本来ならば4月18日(土)から開催する予定でしたが 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当館も休館しておりますので、水族館の再開に合わせて企画展もスタートとなります。   しかし、休館中といえども企画展の撤収&設営作業は予定通りに行われました。設営中、普段ならお客様のご迷惑にならないように気を付けながら作業にあたるのですが、今回はどこか物寂しい中での作業となりました。   いつ再開しても大丈夫なように、準備はバッチリです。   そして、楽しみにしてくださっているお客様のために、一足お先に ブログにて企画展の様子を紹介していきたいと思います。   4月13日時点の企画展の様子です。     まずは、今回の企画展の配置に合わせたパネルを組み立てまして そのパネルに壁紙を貼ります。 壁紙のデザインは当館のデザイナーによるもので ウーパールーパーをイメージとした薄いピンク色の背景がかわいらしいですよね♪   また、企画展の入り口にはドーンと大きなウーパールーパーがいますので ぜひ、一緒に写真を撮ってみてくださいね!   また、こんなコーナーもあります! 詳細については後日お知らせしますので、楽しみにしてくださいね!   Tweet

アジサバ搬入
  • バックヤード

アジサバ搬入

アクア・トトでは生き物たちのエサとして、アジとサバを使っています。 これらは冷凍のものを専門の業者さんから購入していて、2か月に一度、まとめて持ってきてもらいます。     搬入当日。 朝一番で冷凍トラックが水族館の裏口に横付けされます。 業者さんが荷台から冷凍アジとサバの箱を次々と下ろしてくれるので、みんなで手際よくパレットに積み上げていきます。   箱の重さは1つ20kg。 持ち上げるとずっしりきますが、飼育スタッフは男女問わずみんな力持ちなので、ひょいひょい運んでいきます。 入社したばかりの女性スタッフに、大丈夫?重くない?と聞くと、 「このくらい全然楽勝っす。いいウォーミングアップですよ」 頼もしいですね。   上の写真、左端のスタッフは箱の表面に「アジ」と書いているところです。 箱には中身の表記がないので、後でごちゃごちゃにならないよう、こうやって目印をつけておきます。   ある程度積んだら、油圧式のパレットジャッキで運びます。 写真奥、右手にエレベーターがあり、2階の調餌室にある冷凍庫まで持っていきます。   みんなで運ぶこと15分。約2.5tのアジ+サバがあっという間に冷凍庫に収まりました。 アクア・トトで飼育している生き物たちの、2か月分のエサです。   この搬入作業は開館前に行うので、皆さんの目に触れることはありません。でも調餌室の冷凍庫は、バックヤードツアーに参加していただければ見ることができますよ。 冷凍庫が満タンだったら、 「搬入があったばかりなんだな」 すかすかだったら、 「お、だいぶん使ったな。そろそろ搬入があるな」 と思ってくださいね。     Tweet  

選手交代
  • 日本の淡水魚

選手交代

こんにちは。   チチブです。   岐阜県の希少淡水魚コーナーで展示していた個体です。 ごらんのとおりでっかくなりました。 一番でっかい個体は18cm!! いくつか図鑑を見てみても、8~10cmのものが多いので、 規格外の大きさといえるかもしれません。   2016年6月生まれの、間もなく4歳になろうかという個体です。     生まれたときはこんなふうでしたよ。   このまま展示を続けていくと、 老齢によりヒレや体が曲がるなどしてしまいますので、一旦任務完了です。   希少淡水魚コーナーは2019年生まれの若いチチブたちと交代。 でっかくなったチチブたちはというと、広い水槽で脇役として再デビューを果たしています。 寿命が尽きるその時まで、お客様を楽しませてくれますように。     Tweet  

お家でものづくりワークショップ②「ぴょんぴょんガエル」
  • イベント

お家でものづくりワークショップ②「ぴょんぴょんガエル」

外に出られなくて退屈している子供たちに、こんな手作りおもちゃはいかがでしょう? トト・ラボにも置いてあるのですが、幼稚園くらいのお子さんを中心に人気があります。お家にあるものですぐ作れますよ。   材料は厚紙(牛乳パック)、輪ゴム、紙、ペンや色鉛筆。のりとハサミも用意してくださいね。     <作り方>   ①まず厚紙を長方形に切り、二つ折りにします。牛乳パックは開いて、写真のように長方形を切りとります。     ②紙にカエルの絵を描き、厚紙に貼りつけます。     ③二つ折りにして、両端に切れ込みを入れます。     ④写真のように、ばってんに輪ゴムをかけたらできあがり。     ⑤二つ折りにして手を放すと、ぴょんと飛び上がります!     カエル以外にもウサギやバッタなど、ジャンプする生き物をたくさん作っても楽しいですよ。   輪ゴムを二重にしたり、太いものを使ったりすると飛距離が伸びます。が、あまりゴムを強くすると、厚紙が折れてしまうので注意です。     Tweet  

カワバタモロコ
  • 日本の淡水魚

カワバタモロコ

こんにちは。 感染症対策で、たくさんの方が不安で不自由な日々を過ごされていると思います。 はやく日常が取り戻せるとよいですね。     さて、4月になりました。 春真っ盛り。 当館のバックヤードではカワバタモロコが繁殖期を迎えています。   カワバタモロコは、オスとメスで大きさが違います。 大きいほうがメス、小さいほうがオスです。     繁殖期には明らかにメスのお腹がふくらみますし、普段は銀色っぽいのですが、オスには金色の婚姻色がでて、なんかいつもと違う。 やる気を感じるぞ! となったら繁殖期です。   ということで、キンランと呼ばれる人工産卵藻を水槽に入れておきました。   翌日キンランに卵がついていないか、よーく見てみると、 ありました。   その翌日。 ちなみに卵の大きさは1.0mmで、日本のコイ科魚類の中で、もっとも小さい卵なんだそう。     孵化したばかりの仔魚はこんなふう。 「田んぼと用水路の生き物」水槽と、 「岐阜県の希少淡水魚」コーナーに展示するのと、 再来年の親用に、200匹ぐらい育てようと思っています。     ところで、このカワバタモロコ。 2月に「種の保存法」により特定第二種国内希少野生動物種に指定されました。 これは「商用目的で捕獲、譲渡してはいけません!」ということです。 同時にタガメも指定され、ニュースで取り上げられていたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。   特定第ニ種は、「生息・生育の環境が良好に維持されていれば、繁殖による速やかな個体数の増加が見込まれる(※環境省HPより抜粋)」という位置付けです。   カワバタモロコは、体は小さいですが病気になることもほとんどなく、 仔稚魚も問題なく育つ丈夫な魚です。 特定第二種国内希少野生動物種に指定されたことで、生息・生育の環境が良好に維持されれば、きっとまたたくさん見られるようになると思います。   がんばれカワバタモロコ!     Tweet  

カメのあたま
  • アクア・トトの生き物
  • 爬虫類

カメのあたま

みなさん、こんにちは   春のポカポカ陽気が多くなり、もっと陽が長くなれーっと日々思うようになってきました中野です。   水族館の生き物たちも、春の訪れを感じて、活発的になってきました。   特にゾウガメたちは、小屋から外に出られる日が多くなり、日なたを目指してよく動いていますよ。       企画展にて展示中のアカアシガメも、紫外線ライトの下でよく日光浴をしています。   カメたちがだらーっとした姿で日なたぼっこしているのを見ると、とても癒されます。この癒し効果のおかげか、お客様が和んだ様子でご覧になっている姿も見かけます。     基本的にカメは臆病な性格なので、首や足をだらんと出しているときはリラックスしている状態ですが、飼育下のカメは危険が無いためか、リラックスしすぎだよと思うときもあります。 ブロックの上に乗ったスッポンが、だらんとしているところです。       カメたちが頭を引っ込める状況は、何か自分の身に危機を察知したときですので、自然下と比べて危険が少ない水族館の中では、逆に頭を引っ込めている姿の方が少ないかもしれません。     カメたちは種類によって色々な頭の引っ込め方をしており、そこが特徴的で面白いという一面もありますので、今回は少しだけご紹介します。 まずはイシガメです。 身近な種類ですので、知っている方が多いかと思いますが、頭や手はすっぽりと甲羅の中へ入ってしまいます。 リクガメの仲間のアカアシガメも同じように頭はすっぽり入るのですが、硬く丈夫な鱗のついた前足でフタをするようにしまいます。 (写真撮影では、そこまで危機を感じていないのでフタをしてくれませんでした。)     甲羅が比較的小さく、頭の大きいオオアタマガメはこの通り   頭は入りきらないです。 この仲間は性格も荒い傾向があり、頭を入れて防御!というよりも 頭は入れず口を大きく開けて威嚇してきます。       食用で有名なスッポンも頭を入れて防御というより、長い首が柔軟に曲がり噛みついて攻撃しながら防御するようで、性格も荒い傾向があります。       最後にこちら ヨコクビガメの仲間で、日本にはいない種類です。 名前の通り、首を横にして甲羅にすっぽりと頭を引っ込めます。 そして、頭を引っ込めた後は片目でじーーと観察してくるのが特徴的で、甲羅にこもってじっとしているのではなく、常に片目で観察をし、隙をみてダッシュで逃げ出す隙をうかがっているのではないかと感じます。     ユニークなカメたちの頭の引っ込め方、世界にはまだまだ色々な種類のカメがいますので、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。     Tweet  

33ページ(全154ページ)

本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

年間パスポート
のご案内