おもしろ飼育コラム

3月9日 休館日
  • バックヤード

3月9日 休館日

実はアクア・トト ぎふには定休日はありません。 河川環境楽園の休園に伴う休館日が年間7回ほどあり、2019年度最後の休館日は3月9日でした。     休館日というとガイドやショーもなくて、作業も少なくてのんびりしていると思いますよね?実は全く正反対なのです。 通常営業日にできない作業がたくさんあります。 通常営業日には水槽が濁るような大掛かりな掃除作業ができないため、お客様のいない休館日に汚れのたまっている水槽を集中的に掃除します。   この写真は、「タンガニーカ湖の魚」水槽の底砂掃除です。エアリフト式の掃除道具で汚れを取っています。 (潜水者が持っているのが底砂を吸い上げる道具で、ホースが2本つながっています。 1本は汚れを吸い上げるホースで、もう1本の細いホースからはエアが出ています。これはエアの力を使って水を上に噴き上げ、汚れも一緒に浮き上がらせるという仕組みです。   水面上にあるバケツにはフィルターが取り付けてあり、フンなどの汚れをこしとります。 フィルターはあっという間に汚れで詰まるので、交換を繰り返しながら作業します。)       こちらは「アマゾン川の魚Ⅱ」水槽です。側溝の中に底砂が入ってしまったため、たまった砂をかきだす作業の様子です。 (この側溝はろ過槽へ行く取水口につながっており、砂で詰まってしまうとろ過できなくなります。また、取水口からポンプに砂利が入ってしまう危険性もありますので、ポンプを止めて慎重に作業する必要があります。)   当然この作業を行うと底砂の汚れを巻き上げるので、水槽内は濁って魚が見えにくくなってしまうので、この作業は休館日にしかできないのです。       もう一つの大掛かりな掃除が、「アマゾン川の魚Ⅰ」の水槽の底砂掃除です。 通称「バズーカ」と呼ばれる掃除道具で、底砂の汚れをポンプの力で吸い込んで、ろ過槽で受けてきれいにします。方法は大掛かりですが、底砂はとてもきれいになります。 この掃除で底砂がきれいになっていくのを見ると、とても気持ちよくすっきりします。 (でも、この日の潜水時間は3時間近く・・・私にはかなりこたえます)         この日は「水田近くの土手の生きもの」水槽の床材が新しくなりました。カナヘビたちも心なしかうれしそう? お客様のいない休館日はスタッフがフル出勤で水槽掃除に励んでいます。 休館日の翌日は、水槽が美しいのでその日を狙って来館いただくのも良いかと思います。   Tweet  

パンタナール旅行記 スクリ川
  • 企画展・特別展示

パンタナール旅行記 スクリ川

こんにちは。 パンタナールに行った河合です。     我々は基本的にプラタ川の支流オーリョダグア川を調査していましたが、 6日目にはスクリ川、8日目にはミランダ川にも行きました。     第1章で少しだけスクリ川について展示をしましたが、あまり情報を公開していないのでここで紹介しますね。   スクリ川でシュノーケリングした時間は 1時間半から2時間弱だったかな?   とにかく短い時間でさーっと川の中を見ただけなので、多くを語ることはできないのですが、水の透明度や水温は、オーリョダグア川とそれほど変わらず、魚の数も多いという印象が残っています。 パイクカラシン(トーピードパイク)と呼ばれる魚に出会えたのはスクリ川で、第1章で展示しました。 https://aquatotto.com/blog-diary/detail.php?p=7365         さてさて、ではスクリ川ってどんなところだったのでしょうか? スクリ川に行った前日の背景から紹介します。     オーリョダグア川とプラタ川の合流地点でキイロアナコンダに遭遇してテンションが上がったのが調査5日目、スクリ川に行く前日のことです。 そして、オリバーから「明日行くスクリ川は、アナコンダがたくさんいるらしいぞ!」と言われ、さらにテンションはが上がりました! 期待に胸を躍らせスクリ川に向かいました。       こちらがRio Sucuri ecoturismoの情報です。https://www.riosucuri.com.br/ これが施設のゲート付近です。       木製のコンゴウインコ、巨大アナコンダ、ジャガーが出迎えてくれました。 この川も観光客でいっぱいでした。   「スクリ」とは現地でのアナコンダの呼び名です。 つまりスクリ川を直訳すると「アナコンダ川」ということ!アナコンダがたくさんいるのかとすごく期待しますよね。       では川の様子です。   オーリョダグア川とは違い水深が深いので足をつくことはできません。 ただただ流れるのみです。水温は25℃くらいで、体温よりも低いので30分も入っていればやっぱり寒かったです。 とにかく寒くて震えながら川を下っていた記憶があります。     そしてスクリ川には、水草の種類や数がとても多かったです。         日本でジャンボタニシと呼ばれるリンゴガイの仲間も見つけました。 もちろん野生のリンゴガイです。ここでは在来種です。       そして気になるアナコンダはというと…。 「0」という結果に。   ワニに出会うことはできましたが…     おまけの話 途中で見たフォルモーゾ川です。     本来は透明度の高い川であるらしいのですが、周辺の農場から土砂や化学肥料・農薬などが河川に流れ込んで濁っていました。 そして、周辺には薬品のような臭いがしていました。よく見るとピラプタンガの姿は見えます。 オリバーの話では「ここにはコリドラスもいるよ」ということでしたが、川には入らなかったので大好きなコリドラスに出会うことはできませんでした。     次がパンタナール旅行記 最後の投稿予定です。     残念ながら、3月29日「カピバラのふるさとパンタナール」の講演会が中止となりました。また、どこかの機会でパンタナール大湿原の魅力を、生の声でお伝えしたいと思っています。     Tweet  

パンタナール旅行記  出会った鳥たち
  • 企画展・特別展示

パンタナール旅行記  出会った鳥たち

こんにちは。 パンタナールに行った河合です。   前回は陸というか空に目を向けて出会った鳥を紹介しました。 今回はその続きです。   先に言っておきます。 鳥はすごく好きですが、詳しくはありませんので悪しからず。   水族館なので魚に話題がいきがちですが、魚以外の生き物のこともできるだけ伝えたいので紹介させてくださいね。     まずはこの鳥 ・パンタナールの象徴 ズグロハゲコウ 現地ではトヨヨ(トゥユユ)と呼ばれ、翼を広げると2mを超え、アメリカ大陸で最大級とも言われる大きな鳥です。     カンポグランデ空港にあったモニュメントの話を1月31日の投稿で書いていますので、そちらも見てくださいね。 https://aquatotto.com/blog-diary/detail.php?p=8089   最終日の最後の最後に数羽見ることができ、とても嬉しかったです。 カンポグランデに戻る途中にこんなものがありました!   トヨヨの電話ボックス         ・草原にいたのはアメリカレア 現地名はエマ。 アメリカダチョウとかナンベイダチョウとも呼ばれ、ダチョウやエミューの仲間です。 最初は「あっレアだ!」と感動したんですけど、牧草地やトウモロコシ畑ではよく見かけました。     こちらはノガンモドキの仲間で、現地ではシリエマ。 とても速く走る鳥です。ブラジルに行く前に読んでいた本に載っていて、どんな鳥なのか気になっていました。     ・人気どころだとフクロウでしょうか? これはアナホリフクロウ 僕がパンタナールにで見たかった鳥の一種です。アリ塚の頂上にひょっこりと現れ周囲を見渡している様子が観察できました。     これはウサギフクロウ   前回紹介したBuraco das Ararasの受付の近くにいました。 誰もこの鳥がいることに気が付いてなくて、僕が最初に見つけたんです。僕が写真を撮り始めるとすぐに人だかりができました。あまりにもじ~っとしているので最初はオブジェなのかと思いました。シンプルに可愛い鳥ですね。     ・オーリョダグア川の入り口で突然現れたオオホウカンチョウの家族   至近距離でじっくり観察できました。オス(黒色)のトサカがおしゃれですよね。     ・川岸や水辺で見たのはサギの仲間やウの仲間など ナンベイヒメウかな?ササゴイ、ダイサギ、ナンベイアオサギ、クビワヤマセミ       最後に行ったミランダ川の川岸にはサギやウの仲間が多かったです。 ・死んだワニに集るクロコンドル         ・リンゴガイ(日本ではジャンボタニシと呼ばれる)を食べるというタニシトビ(ネイルカイト)       ・浮草の上を歩くナンベイレンカク       ・調査に使ったドローンに興味を示し寄ってきた猛禽類の一種         ・名前が面白いミナミカラカラ。   現地ではカラカラと呼ばれています。ゴミ捨て場のゴミをあさるそうで、日本のカラスのような存在だとか…。     ・カマドドリの仲間 巣を見たら名前の由来がわかります。パン屋さんのかまどのような巣を作ることから名前が付いたと言われています。       もう少しだけお付き合いを 他にもアマゾンカッコウやタイランチョウの仲間、オキナインコ、コウカンチョウの仲間などなど。 名前が分からない鳥もいるので写真のみで紹介します。       チュウハシやヨタカの仲間、猛禽類などまだまだたくさん見たかった鳥がいます。次にブラジルに行ったときには必ずや!宿題として残しておきたいと思います。 鳥好きにはたまらない場所だと思います。   是非みなさんもパンタナールへ。 ではでは       Tweet  

カエルの産卵スタート
  • 日本の両生類

カエルの産卵スタート

今年の冬は例年になく暖かく、雪もほとんど降りませんでした。   そんなわけで、毎年水槽内で産卵するヒキガエルたちにも影響があるかと思っていましたが、特に例年と変わらない時期に産卵がみられました。     早速POPも取り付けましたので、ぜひぜひご覧ください。   日中でも水槽内はこの通り、真っ盛りな感じです。   4ペアが抱接していました! (よく見ると雌雄で種が違うペアが混ざっていますね…)   オスのたくましい前肢、「絶対に離さない!」とメスに必死に抱きつくオスの姿、時折聞こえる鳴き声など、見ていて本当に飽きません。     また同日、バックヤードでニホンアカガエルも産卵していました。   プリプリです。   こちらは現在非公開ですが、受精していて順調に胚発生がみられたら、どこかで展示したいなと思っています。 野外でもヒキガエルの産卵が始まっているようですし、ぜひ湿地などを散策して、卵やオタマジャクシ観察をしてみてはいかがでしょうか? どんな卵やオタマジャクシなのかピンとこない方は、水族館での予習をお薦めします!(…空いてるから見やすいですよ…)   新型コロナウイルスの拡大が心配されますが、現状では、感染リスクや安全面に細心の注意をはらいながら開館しております。 ※各種ガイドやイベントは中止しています。 イベントの中止状況や対策は、こちらをご確認ください。         Tweet  

新アシカショーがはじまるまで
  • アシカショー

新アシカショーがはじまるまで

皆さんこんにちは。 動物担当の平出です。   当館では、毎年春休み頃にアシカショーの内容を変更しています。 今回のブログでは、そのアシカショーがどのようにできあがるのか紹介します。     まずは、新しいアシカショーの内容(テーマ)を考え、それを元に台詞を入れた台本を作ります。 台本は1年前からスタッフで考えます。   台本が完成すると、アシカのマリンへ新種目のトレーニングを10月からはじめます。 ショーに必要な小道具など作れそうなものは、順次手作りしていきます。     マリンが新種目を覚えたら、次は人の練習です。 台詞の流れ、物を準備する動きやサインを出すタイミングなどを練習していきます。この立ち稽古は1月から実施します。   その後、1月の後半から、マリンと一緒に立ち稽古をします。   マリンと一緒の立ち稽古は、新しいアシカショーへ切り替わるまで行っていきます。 現在も毎日練習中です!     <お知らせ> 3月15日現在、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、皆様の感染リスクや安全面を考慮し、アシカショーは中止しております。 最新の情報は随時ホームページにてご案内いたします。詳しくはこちらのページをご覧ください。     Tweet  

パンタナール旅行記  次は陸上に目をむけて
  • 企画展・特別展示

パンタナール旅行記  次は陸上に目をむけて

こんにちは。 パンタナールに行った河合です。   前回は水中の様子や魚のことを書きました。 今回は陸というか空に目を向けて、出会った鳥を紹介します。   パンタナールについて書籍やインターネット、SNSなどで情報を集めてみると、いろんなことが書かれていて面白いです。   例えば 「パンタナールは、ワニの密度が世界一だと思います」とか 「パンタナール周縁部で世界の鳥類の約10%の種類が観察でき、バードウォッチャーの憧れの地だ」とか 「カピバラは、野良猫の感覚で見られる」とか これらは実際にパンタナールに行った方や在住の方の感想です。信じるか信じないかは皆さん次第ですが。   どれも面白い表現ですよね。それだけパンタナールには多くの生き物がいて、自然が豊かだということを伝えている気がします。   前回紹介したプラタ川の施設の敷地内や、プラタ川沿いの森林、ホテルからプラタ川までの移動の間では実にたくさんの鳥に出会うことができました。 私の個人的な感覚では、ベニコンゴウインコやオニオオハシは、水族館周辺で見るスズメやカラスのような感覚です。   さらにはブラジル到着から 6日目の夕方に、ホセにこんな場所に連れて行ってもらいました。 「Buraco das Araras」です。 直訳するとコンゴウインコの穴になりますが、コンゴウインコのねぐらです。 ここには深さ100m、円周500mの南米最大と言われる陥没穴があり、夕方になるとコンゴウインコたちが寝るために集まってきます。 現地のガイドによるとこの洞の絶壁には敵が来ないので、安心して寝ることができるため集まってくるそうです。こんな感じです。 この施設の生き物情報はこちら。https://www.buracodasararas.com.br/     それではここから順番に紹介していきましょう! まずはオニオオハシ   地元ではFlying Bananaと呼ばれているとか。ナイスネーミングですね。 カンポグランデ市内でも見られました。じっくり見るとくちばしから目にかけて黄色とオレンジ色のコントラストがとても美しいです。このバランスの悪さも愛嬌がありますよね。     次はルリコンゴウインコ 企画展で展示中の鳥です。 ルリを見たのは実はこの1羽だけなんです。スミレコンゴウインコも見られるはずでしたが出会えませんでした。   よく見たのはベニコンゴウインコ コンゴウインコは、くちばしや脚を器用に使います。展示しているコンゴウインコもじっくり見てくださいね。     あとは南米で見たい鳥といえば皆さんご存じのハチドリ ツバメハチドリと、もう少し小さなハチドリの2種は見ました。 とてもきれいな鳥ですが、動きが素早くてなかなか写真がうまく撮れなくて苦労しました。羽の光沢が本当に美しい!     ボリュームが多くなってきたので今回はここまで。 続きは次回にします。 次は写真多めで紹介します。 では   Tweet  

お家でものづくりワークショップ「ストーンペインティング」
  • イベント

お家でものづくりワークショップ「ストーンペインティング」

こんにちは。 学校がお休みになり、お子さんたちがおうちで退屈しているという話をあちこちで耳にします。   当館では土日祝日にものづくりWS(ワークショップ)を開催しているのですが、担当の私たちは次のワークショップのため、ネタ集めを常に心がけています。 今回はそのネタの中から、おうちで気軽にできる工作を紹介しますね。     「ストーンペインティング」   これはその名の通り、石に絵を描く遊びなのですが、幼稚園から小学生のお子さんにとても人気があります。 いろんな画材を使って石に絵を描くだけなんですが、これが結構面白いのです。   石の形を見て「魚の形みたいだなー」と思ったらこんな感じ。 これはクレヨンで描いて、最後ニスをぬってあります。     ポスカやペイントマーカーを使って描くと、色鮮やかになります。金か銀があるとゴージャスですよ。     アクリル絵の具で青一色に塗った後、白だけで絵を描くと、ちょっと大人でおしゃれな感じに。色の組み合わせを変えてもいいですね。     真っ白な小石があったら、細い油性ペンでこんな風に描いても可愛いです。     ポスカやアクリル絵の具は100円ショップにも売っています。 お絵描きの好きなお子さんがいたら、ぜひおすすめです!大人も楽しめますよ。   ※石を集めるときはマナーを守ってお願いします。     <お知らせ> 3月9日現在、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、皆様の感染リスクや安全面を考慮し、水族館でのものづくりワークショップは中止しております。 最新の情報は随時ホームページにてご案内いたします。詳しくはこちらのページをご覧ください。     Tweet  

パンタナール展の気になる魚 その⑥
  • 企画展・特別展示

パンタナール展の気になる魚 その⑥

パンタナール展第2章!もうご覧になりましたか?   第1章に続いて展示している魚種で個人的に好きな魚を、ピックアップしていきます。   企画展エリアで最初に見える水槽 -乾季の水たまり- コーナー 横からも正面からも見える水槽があります。 この水槽に魚は1匹だけ、・・・アストロノトゥスの仲間です。 現地ではカラ・アスゥと呼ばれているようです。     若かりし頃ペルーアマゾンに出向いた時(20年前の写真です…..) アマゾン川流域でアストロノトゥスたちに出会ったことを覚えています。 流れの緩い沼地や入り江のようなところに多く生息していました。   アストロノトゥスは、日本には生息していないシクリッド(カワスズメ)というグループに入ります。 特にアストロノトゥスの仲間は好奇心旺盛というか、水槽内でも物怖じせず堂々としています。 水槽に顔を近づけると、ヒレを目一杯広げたり、突然、体を横に傾けたりして寄ってくることがありますよ!   是非、ご覧ください!       Tweet  

水族館の困りごと・・・水垢、アクリルの傷
  • バックヤード

水族館の困りごと・・・水垢、アクリルの傷

最近の水族館の展示水槽には、アクリルガラスが主に使われています。   アクリルガラスは強化ガラスに比べて透明度が高く、耐久性に優れ、なおかつ軽量で加工がしやすいというメリットがあります。 このアクリル水槽ってガラス水槽ほど固くないため、汚れやすいし傷もつきやすいのが厄介なのです。     こちらの写真は水槽の上の部分です。 流れ落ちる水流の水しぶきによって、アクリル面に白く水垢が付き汚れてしまっています。 これは放っておくと徐々に広がっていき、水槽の生き物が見えにくくなります。 水槽の中には生物がいますので、薬品を使って水垢を取ることはできません。   スタッフは研磨パッドでひたすら水垢をこそぎ取ります。ただひたすらゴシゴシと時間をかけてとっていきます。 研磨パッドについている白いのが水垢です。 水垢の付き具合によりますが、きれいにするには10分~20分ほどかかる地味な作業です。 研磨パッドには粗目と細目があって、目の粗い方は水垢が良く取れます。でも粗目はアクリルも削って傷つけるので、水垢の付き具合を見極めて使い分けています。   アクリルに傷をつけないためにも、細目研磨パッドで取れるうちに、水垢を取るように努めていますが、水垢がひどくなると粗目と細目の研磨パッドを駆使してアクリル表面を整えていきます。   ひたすらアクリルをこする作業は疲れますが、きれいに水垢がとれた水槽を見ると気持ちもすっきりします。 また、展示水槽の外側(お客さん側)にも傷がつきますが、こちらは生物がいないので、自動車やプラモデル用のコンパウンドを用います。 粗目の600番くらいから傷を削っていき、傷が薄くなったら3000番くらいで周りとすり合わせをしていき、最後に8000番くらいで表面を滑らかに仕上げて傷の修復が終わります。(数字が小さいほど目が粗く、大きくなるほど目が細かくなっていきます。)   あまり深い傷はこのような方法でも修復が難しくなるので、傷が浅いうちに日々修復を繰り返しています。   生き物がよく観察できるよう、スタッフ一同、日々水槽磨きも頑張っております。     Tweet  

いよいよ川に到着です
  • 企画展・特別展示

いよいよ川に到着です

こんにちは。 パンタナールに行った河合です。   いよいよ川に入る話です。 と、その前に このままのペースでは企画展が終わるまでにすべて紹介できないことに気づきました。少し話を巻いて書いていきます。   少し横着ですが過去に魚の詳細を書いた「パンタナールに行った人の情報」の10回で紹介しているので、そちらもご覧いただければうれしいです。 3月29日に開催予定のパンタナール講演会でお話するので、ネタを残しておきたいですし…。 過去の投稿はこちらです↓ https://aquatotto.com/blog-diary/index.php?page=2&cat=特別展・企画展     諸説ありますが、パンタナールには約300種の魚類が生息していると言われています。 我々が今回調査した主な川は、プラタ川の一部とその支流オーリョダグア川で、プラタ川には59種の魚類が確認されていて、我々が今回確認できたのは約45種類でした。   こちらが今回毎日のようにお世話になった施設(Recanto Ecológico Rio da Prata)です。 ここで簡単なミーティングや昼食、休憩をしました。ベニコンゴウインコやオニオオハシにも出会えた場所です。   こちらが施設のスタッフです。僕の下手な英語とポルトガル語を理解してくれた優しいスタッフでした。   この施設から車で川の近くまで移動し、シュノーケリングで魚の調査をしました。メンバーの一人である生物学者ホセの案内によりVIP待遇で調査をすることができました。ホセには本当にお世話になりました。   僕がプレゼントしたカメレオンゴーグルをすごく喜んでくれたホセの様子を紹介します。 川そのものは誰でもルールを守れば専門ガイド付きでシュノーケリングできます。このように。 施設の詳細はこちらのホームページをご覧ください https://www.riodaprata.eco.br/ 翻訳すればなんとか理解することはできるかと…。 この様に澄んだ川に入ったわけですが、川に入った時の印象は「透明できれい」「青い」「魚が多い」まるで天然の水族館のようでした。   個人的に会いたかった魚は黄金の意味を持つドラード   ピラプタンガによく似た魚ですが顔や体の輝き、貫禄は全く違います。生息数もドラードが調査区間約2kmの間に15匹未満、ピラプタンガは数えきれないくらい多かったです。 10m四方のエリアにピラプタンガは250尾以上、クリマタ550尾以上、更に数えきれないほどの小型のカラシンが至る所で泳いでいました。   エビやタイは舞い踊りませんが多くの魚たちが出迎えてくれて、まるで川の竜宮城のようでした。 ちなみに「ピラプタンガ」は、ボニートの観光のシンボルになっていてボニートの街には大きなモニュメントがありましたよ。     みなさんからよく質問されたことは「ピラニアはいましたか?」「ピラニアに襲われないですか?」ということ。 もちろんピラニアもいましたよ。ピラニア・カタリーナという種類でそれほど大きくないですし、昼間は草陰などに隠れていて見つけるのが大変なくらいです。ナイトダイビングをした大島の話によると、昼間よりは活発に活動していたそうです。 ピラニアは臆病なので襲ってくるような印象は僕にはありません。過去にアマゾン川で何度か泳いだけど一度もピラニアに襲われたことがありませんでしたよ。 一番会いたかったドラードにも至近距離で会えたし、大好きなプレコにも数種会えたし、日本で観賞魚としてお馴染みのサーペとかキャリスタスと呼ばれる魚も、水槽内ではなかなか見られないような鮮やかな赤色をしていてとても感動しました。     奇跡的に自分の目の前を泳ぐオオカワウソやキイロアナコンダ 名前はわかりませんがいろんな種類のトンボやバッタ、ガムシ、カメムシ、サワガニ、テナガエビ、鳥にも出会えました。     今回はざっくりした話ですみません。 最後にこれだけは伝えさせてください。 オーリョダグア川から入水し、プラタ川に合流する映像です。 このようにプラタ川は濁っていました。これは川の周辺の森林が伐採され、農地となりその農地から土や化学肥料、農薬などが川に流れ込んでいる状況です。 これはプラタ川だけでなく、1日だけ訪問したスクリ川も同じでした。   パンタナールではこのような環境問題を抱えています。他にも違法な野焼き、ゴミ問題、外来種問題など多くの問題を抱えています。 このような深刻な問題があることを肌で感じることができたので、皆さんにもこんな現状があることを少しでも知ってもらえたら嬉しいです。   次回はインコのねぐらに見学に行ったことや出会った鳥の話にしようかな? お楽しみに   Tweet  

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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