おもしろ飼育コラム

2019年生まれのナガレタゴガエル
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2019年生まれのナガレタゴガエル

4Fで展示しているナガレタゴガエル。繁殖期のオスは皮膚がたるんでビロビロになることで有名です。当館では展示水槽内で毎年産卵していますが、ここ数年は未授精でした。   そこで少し環境を変えてあげたところ、今年は受精卵を得ることができました。幼生は餌を与えなくても変態するし、上陸幼体もコオロギの幼生を食べれる大きさだし、最高!と言いたいところですが、1点だけどうしても困ることがあります。   幼体の動きがとても早いのです…。まるで残像が見えるようなレベル! 飼育しているプラケースのフタを開けた刹那、複数個体が四方八方にジャンプして逃げていったときの恐怖といったら。 それ以降、フタを大きく開けて管理作業をするときは、捕獲担当スタッフを配置しています。     さて、展示水槽内のナガレタゴガエルたちの現在はというと、野生個体同様、水中にいることが多いため少し見えにくいのですが、2月くらいになると水槽内でもこのように抱接シーンをご覧いただけると思いますので、ぜひお楽しみに。       Tweet

お尻の穴の話
  • アクア・トトの生き物
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お尻の穴の話

開催中の企画展「ブラジルパンタナール大湿原~第2章残された森~」には、大きなハイギョ「レピドシレン・パラドクサ」を展示しています。   ハイギョは、足のように細長く伸びた胸びれと腹びれが特徴です。 ある日このレピドシレンを眺めていたところ、右の腹びれの後ろにピンクのおへそのようなものを発見しました。 これは総排泄口、つまりお尻の穴です。 人間はおしっことウンチが別々の穴から出ますが、魚類や鳥類などでは同じ一つの穴から出ます。この穴が総排泄口です。   それにしても普通、お尻の穴というものは、生き物の体の正中線(真ん中)上にあるものですが、このレピドシレンのは右に偏っていますね。 調べてみると、ハイギョはオスもメスも、写真のように総排泄口が左右どちらかにかたよっているのだそうです。 しかも聞くところによると、右に寄るか左に寄るかは、1匹ずつ違うのだとか!   ものすごく気になったので、バックヤードにいる別のレピドシレン・パラドクサを見てみました。 するとこちらは左寄りでした!   右と左、割合は半々なのか? それとも右が多いとかあるのか?? 地域によって割合に差があったりとかするのか??? もっとたくさん調べてみたくなりました。 本当に個体によって違うのですね。面白いなあ・・・。   みなさんもどこかでハイギョをご覧になったら、お尻の穴をチェックしてみてくださいね。 そして、「どこそこのハイギョの総排泄口は右だった」と私に教えてください。 Tweet

ニューフェイス展示しました!
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ニューフェイス展示しました!

今回は「アマゾンの魚Ⅰ」水槽に新しく展示した魚を紹介します。 名前はブリコンといいます ぶり大根とは違いますよ   夏から第1章、12月からは第2章とロングランで開催中のパンタナールの企画展の中で、映像や写真にも登場してきた、ピラプタンガという魚がいますが、ピラプタンガは現地名であり、ブリコン属(Brycon)というグループになります。 ブリコンの仲間は40種ほどが確認されているようです。けっこう種類がいますね。 今回は、アマゾン川水系のコロンビア産のピラプタンガが仲間入りしました。   実はこの魚、数か月も前からバックヤードで養生してきたのです。 予備水槽に搬入されてからというもの餌をまったく食べず、驚いて水槽の壁面に突進することもありました。 遊泳力がとても強く、水槽内の空間把握などができていないようです・・・ 人影に驚かないよう黒いシートを貼り、突進の衝撃を抑えるために水槽の隅を柔らかい板で覆い、飼育を続けました。     このような環境で光や音、人影にも少しずつ馴れ、摂餌もするようになってきたのです・・・。 いよいよ展示水槽にお目見えの日・・アロワナのいる1階「アマゾンの魚Ⅰ」水槽にデビューです。 網から放たれると戸惑いを感じながらも徐々に馴れ隅々まで遊泳します。 バックヤードの300リットルの水槽から30トンの水槽に放たれた姿はまさに水を得た魚であります。         是非、見に来てくださいね!       Tweet

ニューカマー
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ニューカマー

今回は、最近新たに「コンゴ川の河口」水槽へ仲間入りした生き物をご紹介したいと思います。   まずは2Fのニシアフリカコガタワニがいる水槽。 ポリプテルス・オルナティピンニスを展示しました。水槽の底あたりに注目です。 展示した個体は大きいもので全長50~60㎝くらいあり、かなり見ごたえがあります。カメラを向けると寄って来たり、呼吸のために水面に上がったりと、意外とアクティブで見ていて飽きません。   展示水槽に移動させたら、動画のようにイイ感じになっていましたので、うまくいけば繁殖するかもしれません。   オルナティピンニスを写真におさめようとカメラを向けると、セバエ達が邪魔しにくるのは、この水槽のあるある。     次は1Fの水槽ですが、ロココヒキガエルからアマゾンツノガエルに展示替えしました。この水槽でツノガエルを展示するのは、かれこれ13年ぶりくらいになります。 ちなみに、今年の春の企画展「美しきカエルの世界」で展示していた個体です。結構大きくなりました。   バックヤードでは写真のようにイイ感じでしたが、展示水槽にいれたら抱接をやめてしまいました。残念。 ちなみに以前展示していたロココヒキガエルはバックヤードで元気にしていますよ。     Tweet

カピバラのゆず風呂タイム!
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カピバラのゆず風呂タイム!

皆さん、こんにちは!   今年も本格的に寒くなってきましたね。 この時期は家から出たくないと毎日のように思っています。。。   さて、今回紹介する生き物はこちら。カピバラです。       12月22日は冬至でした。 冬至にはゆず風呂に入る習慣があります。 ということで! カピバラ達にもゆず風呂をプレゼント!   ゆず湯はもともと、運を呼び込む前に厄払いのための禊(みそぎ)として行われていたそうです。 ゆず風呂には、冷え性を緩和したり、美肌効果もあるそうで。。。 冷え性なのでぜひとも、私も入りたい。。。 あわよくば美肌も。。。なんて思ってしまいます。   実はこのイベント去年も行っています。 その様子がこちら。 気持ちよさそうですね。 お湯が冷めてしまうまで浸かっていました。   今年もやるぞ!ということで なんと、ゆず風呂、、、、 バージョンアップしました! 去年までは専用の樽を用意して、お湯をはっていましたが、今年は、大きいプールにお湯がはれるようになりました!   ついに!!   去年をご覧になった方のなかで、もしかしたら、「この大きいプール使わないの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。。。   お待たせしました! 今年からは大きいプールで気持ちよさそうにゆず風呂に入るカピバラをご覧いただけます。   カピバラのゆず風呂イベントは先週の12月21日(土)・22日(日)からスタートしています。 次は12月28日(土)・29日(日)の2日間のみの開催となっておりますので、皆さんぜひ可愛いカピバラ達に会いに来てくださいね。   では、最後に!!! 先週のカピバラゆず風呂イベント終了後に動物担当者で撮影した、28日(土)・29日(日)にむけた予告動画をどうぞ!!! (※音声が流れます)   それでは、 お待ちしております!!!! (先週のゆず風呂イベントの写真です)     Tweet

クリスマスイブの夜に
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クリスマスイブの夜に

当直です。   みなさまこんばんわ。 今夜は雲一つない、星のきれいなクリスマスイブの夜です(これを書いている日)。 空を見上げたらサンタとトナカイも見れちゃいそうな澄んだ空。   私の目線の先には、カピバラです。 けっこう”ぽちゃり”なので、空を駆け上がっていくトナカイにはなれそうにありません。   当直は生き物や、水槽の設備などに異常がないか見回りをしつつ、スタッフの制服やタオル類などの洗濯、あとはこうしてパソコンに向かって何かしらやっています。   今日はブログを書く日!それでは、先ほど見回りをしながら生き物の様子をいろいろ撮ってきましたので、ご紹介していきます。 見回りの時も、生き物を驚かせないように、暗めの懐中電灯を使います。 間近でライトをあてないように注意を払っていますので、少し見えづらい画像ばかりになりますがお許しを…。   まずは長良川上流エリアから。 アカザです。 アカザのアルビノ(生まれつき黒色色素をもたない)個体。 1匹だけですが、2018年9月から展示しています。 昼間は石の下に隠れていて、尾だけとかヒゲだけしか見えないことが多いのですが、夜はご覧の通り全身丸見え。 この個体はエサ食いがとてもよく、1年ちょっとでずいぶん体格がよくなったような気がします。     隣の水槽には無防備なアジメドジョウたち。 昼間は砂にもぐっていることが多いのですが、夜はわらわらと地表にあらわれて、じっとしています。 光を当てても全く動じない。昼と夜とで、様子が全然ちがうアジメドジョウです。     続いて希少淡水魚コーナーです。 夜のホトケドジョウ。 こちらも夜は丸見えです。 ケガや病気をしている個体はいないかどうか、夜に観察するようにしています。     河口の水槽ではアシハラガニがお食事中。 石についたコケかなにかを器用にハサミあしでつまんで、口元に持っていきます。 アシハラガニは夜行性ですから、夜は堂々としていて活動的!魅力的!     こちらのアシハラガニは…何をしているのかな? 楽しそうですし、気持ちよさそうですね。     最後にバックヤードのビリンゴ繁殖水槽から。 現在はこんな感じです。あのかっこいい婚姻色(※1)はまだ出ていませんが、良い状態で真冬を迎えることができたので、春にはまた産卵がみられるかもしれません。期待できそうです。     みなさまいかがでしたか?夜の水族館は。 毎日見ているわたしでも、生き物の昼と夜のちがいはおもしろいので、この場で少しだけですが紹介できてよかったです。   さて、今年も残すところあとわずかとなりました。 1年間本当にありがとうございました。 来年も、清々しい雰囲気で、家族で楽しめて、生き物を尊く感じられる、そんな水族館を目指してがんばりますので、どうぞよろしくお願いします。     Tweet

季節はクリスマス
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季節はクリスマス

クリスマスが間近に迫ってきたこともあり、クリスマス特別水槽のご紹介。 例年通り、エントランスのテーマ水槽は、デンキウナギ。 デンキウナギの発電に反応してツリーのライトを光らせます。     さらに、入館してすぐのところには、クリスマス特別水槽を設置しています。 今年は「雪降る街」と「いちごのクリスマスケーキ」と「赤鼻のトナカイ」をモチーフに展示しています。 カラフルなエビたちがツリーを装飾します。     甘党の私には欠かせない、クリスマスケーキ。     クリスマスソングと言えば、赤鼻のトナカイ。   今年もホワイトクリスマスになりますように。       Tweet

企画展 第2章はじまるよ~
  • 企画展・特別展示

企画展 第2章はじまるよ~

パンタナールに行ってきた河合です。   7月13日から始まった、パンタナールを紹介する企画展の第1章が終了しました。 第1章では「澄みわたる泉」と題し、南パンタナールの水源地になっている青く透き通ったプラタ川の環境と魚を紹介しました。   多くの方にブラジルにもこんな清流があることを知っていただけたのではないでしょうか。     12月14日からはこちら ※4月12日まで 第2章「残された森」がスタート!   第1章では水中のパンタナールを。 第2章では陸上のパンタナールを。   視点を変え、7月13日から4月12日までの間、2部構成で、パンタナール大湿原という生き物の楽園を紹介します。   12月8日の閉館後に第1章の展示を撤収し、1週間かけて第2章の展示を設営しました。 ではどんな感じで設営していくのでしょうか? 第2章の展示が出来ていく様子を紹介します。   こんな感じで会場が出来上がっていきました。   第2章の見どころは、魚はもちろんインコやカエル、アルマジロ、トカゲなどいろんな生き物を展示。 どれも見ごたえある生き物ばかりでシンプルに楽しいです。     現地に行ったスタッフのコメントや、フォトコーナー、トト・ラボに展示している思い出話などもあり、見所がいっぱいです。     とにかくこの会場に来て、パンタナール大湿原がどんなところか感じてほしいです!!   何度も足を運んで、パンタナールのことを楽しみながら知っていただけたら嬉しいです。 それでは お待ちしています。       Tweet

水族館での困りごと・・・巻貝駆除
  • アクア・トトの生き物

水族館での困りごと・・・巻貝駆除

時として、展示水槽内に巻貝が爆発的に増えることがあります。 写真のように1匹、2匹ならまだ気にならないのですが、増えすぎるとアクリル全面についています。すると、展示生物が見えにくくなってしまいます。   そこで登場するのが、皆さんご存知の「コイ」です。 「コイ」って巻貝を食べるの?と思うでしょう。 コイは雑食性で水草、貝類、甲殻類、昆虫類、ミミズなどいろいろなものを食べています。コイの口に歯はないですが、喉の奥に咽頭歯という歯があり、硬い貝の殻もこの歯で砕いて食べることができます。   そこで、巻貝を食べてもらうために、巻貝が増えすぎた水槽にコイを投入することにしました。 現在は3階のハリヨの水槽と、2階の草地水溜まりの魚(雨季)、雲南省の魚Ⅱの水槽にコイが入っています。     何度も来館されているお客様には、「この水槽にコイが入っているのはなぜですか?」と質問を受けることもありますので、「巻貝駆除用です」と答えて納得していただいています。 通常これらの水槽にはコイはいないため、「今だけですよ。」の説明ポップもつけています。     この写真のように底砂に口を突っ込んで、底砂の中の巻貝を捕食する姿が見られるかもしれません。そんなコイに注目して観察してみてください。 コイを入れると2~3日で、水槽のアクリル面に巻貝が付くことはなくなります。コイの食欲おそるべしです。巻貝がコイに食べられているのもありますが、コイを避けるように巻貝たちも底砂の中に潜って出てこなくなります。 増えた巻貝を手作業で駆除していたことを考えると、コイの巻貝駆除効果は絶大で、コイ1尾入れただけで水槽から巻貝の姿が無くなります。 今後も巻貝が増えている水槽に、コイを順次移動して駆除していきますので、いつもはいないコイが水槽に入っていたら、「巻貝駆除中!」と思ってください。 Tweet

パンタナール展の気になる魚 その⑤
  • 企画展・特別展示

パンタナール展の気になる魚 その⑤

いよいよパンタナール展第1章も12月8日で終了! 最後になりますが展示されている魚種で、個人的に好きな魚をピックアップしてみます。   今回は、「プラタ川の小枝と流木」水槽と「石場」水槽にいる魚です。     口は大きく、体は細長い魚・・・パイクシクリッドの仲間です。 現地ではジョアニーニャと呼ばれているようです。 肉食傾向が強い魚で、当館では魚肉の切り身を中心に与えています。     こちらも10周年企画展での調査で、ペルーアマゾンに出向いた時、 アマゾン川流域の至る所で、たくさんのパイクシクリッドたちに出会うことができました。   パイクシクリッドの仲間は94種ほどが確認されているようです。大きなグループですね! 吻先(口の形)が尖っていたり、丸みを帯びたりと、種によっていますが、体色のも微妙に違っているのも特徴的です。 企画展の2種、ペルーアマゾンで捕まえた4種のパイクシクリッド(写真参照)との違いが分かりますか?   是非、見に来てください!   Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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