今回はこの魚。
【ヨダレカケ】
個人的に大好きな魚です。
トビハゼとかヨダレカケとかこのような魚は見ていて飽きないです。
なぜ魚なのに水中にいる時間があまりなくて、岩にくっついているんだろうな~?なんてことを思いながら閉館後にじっくり観察しています。
名前の由来は、下くちびるの形が「よだれかけ」に似ていることから。
ヨダレカケは、インドネシア、台湾、琉球列島などに分布し、波に洗われる岩やテトラポッド、港の岸壁などに下唇の吸盤で張り付いて、付着藻類などを食べて生活しています。
この名前の由来になった吸盤「よだれかけ」は、波打ち際の岩などにくっつくために必要でヨダレカケの生活には必要不可欠なものですね。
そしてエラ呼吸だけじゃなく皮膚呼吸もできるから長時間陸上にいることも可能なんです。
この陸上に進出した特殊な生活スタイルのメリットには
- 水中にいる捕食者(他の魚など)から身を守ることができる。
- 他の魚が利用できないエサを獲得できる。
などが知られています。
参考)広島大学 陸上産卵魚ヨダレカケの生活戦略に関する研究
ヨダレカケって、こんな特殊な環境でも生き残れるように進化してきた魚なんですね。改めて すごい魚です!
話は少し変わりますが、
ヨダレカケが当館にやってきたすぐはバックヤードでの飼育でした。
警戒心が強く、エサもなかなか食べてくれず、どうやってヨダレカケの姿をみせられるように展示ができるのか、下唇の吸盤を見せることなんて無理なんじゃないかと心配ごとばかり。
ヨダレカケを展示している他の水族館の担当者に飼育方法や展示方法をいろいろ教えていただきました。
ところがそんな心配はどこへ?というくらい
展示が始まり、その環境に慣れてしまえばなんてことなく、水槽右側のシャワー部を登って吸盤「よだれかけ」をみせてくれるようになりました。多くの方に支えられて順調に展示ができています。みなさま、ありがとうございました。
水槽内で慣れたとはいえ、どうしても人が多い時間は、石や石の陰に隠れることもあります。
朝早めの時間や夕方の人が少ない時間は、吸盤「よだれかけ」を見られる可能性が大です。それを見たい方は時間帯を選んで見ていただくとチャンスです。
夕方は、給餌もするのでエサを食べる姿も見てくださいね。
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ではでは。
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