おもしろ飼育コラム

2年半ごしのウグイ
  • 日本の淡水魚

2年半ごしのウグイ

こんにちは。3階「ゆるい流れの魚」水槽には、ここ最近大きくて立派でかっこよいウグイが悠々と泳いでいます。     じつはこのウグイたち、2年半前はこんな姿でした。 大きさは約1cm。     2年前の初夏に長良川の流れのゆるい場所で、水面付近を泳ぐ稚魚の群れを見つけて、 これは何の稚魚だろう?と調べるために数匹持ち帰ってきました。   調べたところ、どうやらウグイだろうということが分かり、 大きく育てて必ず展示水槽にデビューさせよう!と大切に育ててきました。     「ゆるい流れの魚」水槽には大きくて魚食性のナマズもいますから、相当大きく、25cm以上にしないとデビューは難しい。     しかし、その反面、遊泳力のあるウグイをそこまで大きくさせられる予備槽がはたしてあるか?いや、あるにはあるのですが、「なんかマイナー?」といわれがちなウグイのために、はたしてその予備槽を使ってよいものか?という懸念もありました。     みなさまご存じのように、当館にはピラルクーやメコンオオナマズやタイガーフィッシュなど大型の看板魚がいますから、大きな予備槽はそういう魚で埋まりがちです。     と、頭の中では思いつつも、大きな長良川産のウグイを展示してこそアクア・トト ぎふ。 抜け目なくベストな予備槽を確保して、育てること2年半。ついに展示デビューできるサイズにまで育てることができました。   ウグイの魅力は、オレンジ色の婚姻色ではありますが、婚姻色の出ていない時期の銀色に輝く滑らかな体も、しゅっとした鼻先も、美しい流線形も、どこをとってもかっこよい、いい魚です。 「ゆるい流れの魚」水槽前で、ウグイの魅力に「はっ!」とされるお客さまが続出するのでは?と楽しみにしています。

期間限定展示!クロホシマンジュウダイの幼魚
  • 企画展・特別展示

期間限定展示!クロホシマンジュウダイの幼魚

みなさまこんにちは。 まだまだ新入社員、山下です。   現在、期間限定でクロホシマンジュウダイの幼魚を展示しています。   今回のコラムでは、クロホシマンジュウダイの幼魚について、①どんな魚なのか、②なぜ期間限定なのかをお話していきます。     早速、①どんな魚なのかについて入っていきます。 現在展示しているクロホシマンジュウダイの幼魚は、 こんな魚です。   学名は Scatophagus argus です。 このScatophagusは、糞食者という意味を持ち、クロホシマンジュウダイの仲間が糞を食べるほどなんでも食べることからこの学名がついたと言われています。   実際に当館で飼育している幼魚も、配合餌料やアカムシ、アミエビ、ブラインシュリンプといった、様々なごはんを食べています。     続いて体の模様についてです。 上の写真のように、幼魚期はしましま模様をしています。 このしましまは成長とともに分断されていき、だんだん黒い斑点模様へと変化します。 上の写真の個体は大きさ約20cmです。 すっかり斑点模様へと変化しているのが分かるかと思います。   今回展示している個体は、木曽三川の河口で浮いた流木と一緒に漂っていた個体や、流れの緩やかな浅瀬で漂っていた個体を発見し、採集しました。   展示水槽内でも、そっと近寄ると、根っこの下でふわふわしているクロホシマンジュウダイを見ることができるかもしれません。     ではここから、②なぜ期間限定展示なのか、について話していきたいと思います。   クロホシマンジュウダイは季節来遊魚という魚の1種です。 本来は暖かい海に生息している魚が、夏から秋の海水温が高い時期に、暖流に乗って本来の生息域ではない寒い地域に流れ着くことがあります。   流れ着いた先で生き延びることができれば、そこを新たな繁殖地にすることができる可能性があります。   しかし多くは寒い冬を越えることができず、死んでしまいます。 このように、冬になると死んでしまう魚を、海水温の高い夏から秋にしか見られないことから、季節来遊魚と呼びます。 クロホシマンジュウダイも本来は暖かい海に生息しますが、幼魚はなんと北海道まで流れ着いたことがあるそうです。   しかし、北海道はもちろんのこと、木曽三川が流れ込む伊勢湾でも、クロホシマンジュウダイの幼魚が越冬しているという報告はありません。 おそらく伊勢湾まで流れ着いてきてしまった幼魚は冬を越せずに死んでしまうと思われます。   そのため、今回の展示も伊勢湾で幼魚が見られる、冬になるまでの期間限定の予定です。 今のうちにぜひ、見に来ていただけたらと思います。   それではまた次のコラムでお会いしましょう!

職場体験
  • バックヤード

職場体験

こんにちは、体験学習班の大島です。   10月から11月にかけて職場体験(特に中学校)が盛んです。 毎週のように、入れかわり立ちかわり生徒さんが来館し、展示飼育部の業務を体験しています。 今年度は、今後の予定も含めると、中学校11校、高校3校です。     中学校、高校の職場体験は2日間のスケジュールとなっており、午前中は給餌や測温など飼育業務、午後にはバックヤードの紹介や水族館の仕事についてのレクチャーなどを行っています。     水族館が好きで生き物が好きで飼育スタッフになりたい生徒さんや、そうでもない生徒さんなど熱量は様々ですが、実際に作業を行ってみて、飼育スタッフの生き物に対する大いなる愛に驚いています。     仕事の厳しさを感じながらも、生き物への興味をより一層高めて、満足して帰っていく姿を見ると、うれしく感じます。     アクア・トト ぎふが、将来の就職先の選択肢の一つになってくれるといいな~と願っています。     受け入れの人数に限りがあるため、たくさんの生徒さんに体験いただけないのが大変心苦しいのですが、来年度も職場体験の受け入れをしますので、興味のある方はぜひお問い合わせくださいませ。

カラヒガイの人工授精
  • アクア・トトの生き物

カラヒガイの人工授精

ハッピーハロウィン! 本日ご紹介するのは、オレンジと黒のしましまの魚、「カラヒガイ」です。また、先日行った人工授精の様子についてもご紹介します。   カラヒガイは中国に生息するヒガイの仲間で、親が二枚貝に産卵し、仔魚は貝の中で成長するという生態を持っています。野生では4~7月ごろが繁殖期ですが、飼育下では条件が整えば秋でも繁殖することがあります。今回はその兆候が見られたため、人工授精に挑戦することにしました。   繁殖期に入った魚の多くには、体に目に見える変化が現れます。 カラヒガイのオスがこちら。 口元に「追星(おいぼし)」と呼ばれる白いつぶつぶが出現します。これは他のオスを牽制したり、メスを刺激して産卵を促したりする役割を持つと言われています。   一方、カラヒガイのメスがこちら。 おしりから白い紐状の「産卵管」が伸びています。この産卵管は、二枚貝の入水管(貝が体に水を取り込む管)にさし込み、卵を産みつけるために使われます。卵を持っていれば伸長するため、採卵できるかどうかの目安にもなります。     さて、いよいよ人工授精の作業に入ります。 基本的な方法はオスもメスも同じです。魚をシャーレの上に取り上げ、腹部を前から後ろに向かって押し、精子、あるいは卵を放出させます。 今回私は初めて行ったのですが、力加減に苦労しました。魚体を傷つけまいと優しく押しても卵は出ません。何度もやり直すと、かえって魚に負担をかけることになります。反対に、強く押しすぎれば内臓を傷つけてしまうかもしれません。 さすがに熟練の先輩スタッフは見事なもので、1匹あたり数秒のペースで、次々と作業を進めていました。私も精進したいと思います。     こうして採取した精子と卵をシャーレで合わせれば、人工授精は完了です。人工授精直後の卵は白く透き通っており、非常に美しい姿をしています。     その後、4日ほどでふ化が始まりました。     そして現在です。ふ化からは2週間ほどが経過しており、自分でエサを取って食べられるようになりました。今はブラインシュリンプという小さな甲殻類を食べ、日に日に大きくなっています。   展示水槽にデビューするのはまだまだ先になりそうですが、引き続き大切に育てていきたいです。ところで、親は横じま模様なのに、子どもは縦じま模様なんですね。この模様がいつ変化するのか、これからの観察が楽しみです。

はじめての新規展示
  • アクア・トトの生き物

はじめての新規展示

みなさま、こんにちは。 新入社員の山下です。 どうぞよろしくお願いいたします。   今回は初めて新規展示を行った生物について紹介しようと思います。 その生物とは、こちら! そう、アメンボです。 知らない人がいないほど有名な生物だと思います。 今回はアメンボを展示しようと思った理由について、その後でアメンボの特徴についても少し紹介しようと思います。   アメンボ、本当にいろんな場所で見ることができます。 流れの緩やかな河川、水路、池、ちょっとした水たまりなどに生息する、非常に身近な生物の1種です。 しかし、その姿を間近でじっくり見たことがある人は少ないのではないでしょうか。 広い場所で観察しようとすると案外素早いです。 私も種名板用に写真を撮ろうとしたら… 残像を撮影してしまうことが多々ありました。 このように非常に身近ですが、間近での観察がしにくい生物だと感じました。   そのため、水槽にいる様子を多くの人に見てもらい、身近な生物も近くでしっかり見ると面白いことを体感してもらおうと思い、展示をしようと考えました。   一応以前にもテーマ水槽で展示したり、どこからともなくワンド水槽に飛んできたりして、一時的に展示していたこともありました。 しかし、種名版を作成しての展示は、先日20周年を迎えたアクア・トト ぎふの長い歴史の中でも初めてのことです。 なんとも意外ですね。 現在は里山の生きもの水槽のエリアで、タガメと同じ水槽で展示をおこなっています。   ここからは、種名板作成のためにアメンボについて調べた中で面白かった特徴を紹介していきます。 アメンボは水生昆虫の1種です。 水生昆虫というと、タガメやゲンゴロウのように、水中にいる昆虫の姿を想像する人がほとんどかと思います。 ここで水生昆虫の定義を調べてみると、生活史の少なくとも一部分を水中、あるいは水面で生活する昆虫のことだそうです。 アメンボは体に細かな毛が生えており、非常に軽い体を表面張力によって支え、水面に浮いて生活します。     つまりれっきとした水生昆虫なのですね。 しかし、常に水面に浮いているのかというと、そうではありません。 意外と植物に登っている姿をよく見ます。 さらに、産卵の際は潜水し、水中の植物などに産卵することが知られています。 なんとも驚きです。 そしてどうやら展示水槽内で繁殖していたらしく、新しく生まれた幼虫がたくさん孵化しています。 こんな感じです。 非常に小さいので、よーく見ないとわからないかもしれませんが、ぜひ水面をじっくり探してみてください。 成虫と比べると、こんなにも大きさが違います。 成虫の左下に幼虫が写っているのがわかるでしょうか。 幼虫は成虫になるまでに5回脱皮をおこないます。 脱皮のたびに一回りずつ体が大きくなります。 アメンボを飼育し始めたころは、脱皮殻を見て「死んだの!?」と驚いたこともありましたが、そのたびに大きく成長したアメンボを見て安心していました。     まだまだいろんな特徴がありますが、長くなってしまうのでもう1点だけ。 アメンボのにおいについてです。 アメンボという名前は、漢字で書くと「飴ん棒」、つまむと焦げた飴のようなにおいがすることからこの名前が付いたと言われています。 気になるので、実際につまんでにおいを嗅いでみました。 すると…確かににおいがします!! 焦げた飴、というのはよくわかりませんが、美味しい食べ物がいい感じに焦げたような、香ばしいにおいがしました。 アメンボは臭腺(しゅうせん)という器官をもち、そこからにおいを出すことが知られています。 普通に美味しそうに感じてしまいました…。   ここまでいくつかの特徴を紹介してきましたが、みなさんも知らないこともあったのではないでしょうか。 こんなに身近な生物にも、実は知らないこと、面白いことがこんなにあるのかと感じていただけたら嬉しいです。 そしてぜひ、展示しているアメンボをじっくり観察してみてください。   それではまた次のコラムでお会いしましょう!

ルリコンゴウインコのイベントを実施しました!
  • イベント

ルリコンゴウインコのイベントを実施しました!

みなさん、こんにちは。   10月13日(日)にルリコンゴウインコのイベント、『エンリッチメントってなあに?~ルリコンゴウインコの暮らしをよりよくしよう!~』を実施しました。   開館20周年の今年、新しく仲間入りしたルリコンゴウインコをテーマとした初めてのイベントで、内容はタイトルにもあるように「エンリッチメント」を通して、インコの暮らしをよりよくするというものです。     まず、エンリッチメントって、あまり聞き慣れない言葉ですよね。 簡単に言うと、「生き物の暮らしを豊かにそして幸せにすること」です。 みなさんは、どんな時に幸せだと感じるでしょうか? おいしいものを食べたり、友達と遊んだり、趣味を楽しんだり、考えれば色々と出てくるのではないでしょうか? 生き物たちも同じで、ごはんを探して食べたり、仲間と触れ合ったり、心惹かれる遊具で遊んだりすることで幸せを感じることができます。   このようなことができる環境をつくり、普段の生活に刺激をあたえることがエンリッチメントの一つとなります。     今回は、色々考えられるエンリッチメントの中から、「ごはんを食べる時間を伸ばして、幸せな時間を長くしたい!」ということを目標にして、フィーダーづくりのイベントを実施することとしました。   野生下では、食べるものを自分で時間をかけて探しながら食べるため、ごはんを食べることに多くの時間を費やします。ですが飼育下では、時間になるとごはんが運ばれてくるので、探すことなく食べることができます。そのため、ごはんに費やす時間が短くなり、ひまな時間が長くなってしまうんです。   そこでフィーダーを使い、食べ物を取りだしにくくすることで、ごはんにかける時間を長くし、ひまな時間を減らすことができます。しかも、「どうしたら中身が取りだせるのか?」と考えることもでき、取りだせたときには、達成感を得ることができます。   みなさんも、何かに挑戦し、達成できたときは、うれしいと感じることがありますよね?インコも同じで、自分で考え、挑戦し、達成できたときには、喜びを感じることができます。今回は、フィーダーの中の食べものを、どうしたら取りだせるのか考え、食べることで喜びを感じてもらえるようにしました。 (※フィーダーとは、ごはんをあげる容器のことです。少し考えて工夫することでごはんが取り出せる仕組みになっています。)   参加していただいた、12名の方にフィーダーを実際に作ってもらいました! フィーダーとして、利用したのはペットボトルです。 (一時的にはなりますが、インコの口に入るものなので、口に入っても害のないものを使用しました。)   中には、いつもごはんとしてあげているペレットとトウモロコシの実を入れ、これだけでは簡単に取り出して食べてしまい、ごはんの時間が早く終わってしまうので、木の枝やヤシ殻を混ぜて、少しだけ取り出しにくくしたものをあげてみることにしました。   みなさん、とても上手につくっていただきました。     つくっていただいたものを、スタッフが展示槽に置いてみると・・・ 2羽ともペットボトルをくちばしでくわえて、中のごはんをとりだそうと夢中になっていました。ペットボトルを壊すこともなく、上手にくわえて振ったり、木の上から落としたりと、考えて中身を取り出そうとしている様子を観察することができました。いつもの倍以上の時間をかけてごはんを食べてくれたので、「ごはんを食べる時間を伸ばして、幸せな時間を長くしたい!」という目標は、無事に達成です!     今回は、フィーダー作りのほかにも、ルリコンゴウインコのお話とハズバンダリートレーニングの見学も実施しました。   当館のスタッフが現地で撮ってきた写真をお見せしたり、抜けた羽を触ってもらったりしました。 体重当てクイズをして、実際に測定の様子を見学してもらいました。   予定時間を少しオーバーしてしまいましたが、無事に終了することができました。     イベント終了時には、フィーダーの中身はほぼなくなっており、インコたちは無事にごはんを食べることができたようでした。ちなみに、食べ終わったフィーダーは、いたずらをされないように全て回収し、きれいなものはまた次回使用させていただくことにしました。   今回のイベントを通して、エンリッチメントの大切さや水族館が取り組んでいる工夫・試みを知ってもらい、興味をもつきっかけとなっていただけたらうれしいです。     今後も、生きものたちへのエンリッチメントを考え、より幸せな暮らしができるよう目指していきます。そしてまた、イベントを実施し、多くの方に知ってもらうきっかけづくりをしていきたいと思います。 その際は、ぜひご参加くださいね!

名前決まりました!
  • カピバラ

名前決まりました!

みなさま、こんにちは。 HPやSNSでは報告しましたが、新しく仲間入りしたメスのカピバラ2頭の名前が決まりました。 1410通の応募をもらえましたので、その中から選ぶのはとても悩みましたが、メスということでかわいらしく呼びやすい名前を選びました。     名前は「ココナ」と「カカオ」です! どちらも南米原産の果物にちなんでいます。   名前:ココナ   名前:カカオ     名前の応募については、南米関連というテーマでしたので、なかなか考えるのが難しかったかもしれません。 ただ、様々な名前が書いてあり良く調べてくれたことが伝わってきて嬉しく思いました。 さらに応援のメッセージが書いてあるお手紙もいただき、とても感謝しています。   先月命名者の方をお招きし、命名式を行いました。   たくさんのお客様が式の様子を見守る中、カピバラ2頭はそんなことを全く気にせず、いつも通りに牧草を夢中で食べている姿はたくましかったです。     さて、せっかく素敵な名前をつけてもらえたので、みなさまに名前を覚えて欲しいという思いがあります。 改めて、特徴をご紹介しますので、参考にしてもらえたら嬉しいです。   ちなみに、2頭は異母兄弟(カピバラは1頭の雄と複数の雌で群れを作って生活する動物)ということなのかは分かりませんが、とても似ています。     こちらはココナです。   ココナは、カカオより一ヵ月産まれが早いこともあり、現時点では体が大きいです。(いずれは同じくらいになってしまうと思います) 性格は好奇心旺盛で活発に動き、”そこにいかないでー”と思うようなところにも侵入しようとします。 体毛は少し濃い茶色で、カカオは薄い茶色です。     カカオの性格はやや慎重で違和感があるといち早く警戒する様子がみられます。 よく比べると結構違うものの、かなり似ていますのでこれらの特徴から見分けるというのは、なかなか難しいよなーと思っていたところ・・・ 最近になってでてきた明らかに違う特徴を見つけましたので、ご紹介します。   それは     ココナの耳の毛量がすごく多い!!   どのくらい違うのか見比べてみますと こちらはカカオの耳です。     たまにピコピコ動いてかわいらしいです。 そしてこちらがココナの耳です     いかがでしょうか。 もはや毛に埋まってしまうのではないかという感じがして、今後どのように成長するのか個人的に楽しみですね。 迷ったらここを見てもらえれば、現時点では見分けがつくと思います。     命名者の方からは「みんなにかわいがられて、元気に育ってほしい」との願いをこめて名付けてもらいましたので、より一層愛着をこめて飼育に努めてまいります。 是非、名前の決まったココナとカカオに会いにきてくださいね。   今年9歳を迎えるリオもお隣で元気に過ごしていますよー

高校生×中学生×動物園×水族館!イタセンパラがすむ木曽川を未来に!
  • 研究・調査

高校生×中学生×動物園×水族館!イタセンパラがすむ木曽川を未来に!

秋晴れとなった3連休。その初日に水辺の清掃活動~みんなの川を未来へ~を実施しました。今回は当館のスタッフだけではなく、羽島高校、大垣東高校、羽島中学校、日本モンキーセンター、(株)建設環境研究所の方々も活動に加わってくださいました。   場所は天然記念物イタセンパラの分布域でもある木曽川の下流域で行いました。 木曽川イタセンパラの保全に関係のある方や、地域の環境教育に興味を持つ方にお声がけしたところ、このような形で実施できることになりました。多くの方にお集まりいただき、開始前から感動でした。     清掃時間は1時間と短いものでしたが、藪の中に分け入ってごみを拾うなど、みなさま本当に熱心に取り組んでくださいました。   今回のごみで多かったのは、いつもながらのペットボトルに加えて、釣り道具、それと分別しにくくてどこに捨てたらよいかわかりにくい家庭ごみでした。   私を含めた3名は水の中に入り、そこでごみを回収したり、生き物を採集したりしました。 周辺にはどんな生き物がいるのか、お見せしたかったからです。     在来種は、モツゴ、コウライモロコ、イトモロコ、ヨシノボリ、モクズガニ。 それからイタセンパラが卵を産みつける二枚貝も。二枚貝を披露すると、「おぉ二枚貝だ!!」と高校生たちから歓声が上がりました。二枚貝に歓声があがるなんてうれしい。     そして、オオクチバス、ブルーギル、カダヤシ、カムルチーといった外来種もお見せしました。「ブルーギルはテレビでしか見たことがなかったから、本当にいるんだということが知れてうれしい」と言ってくださる生徒さんもいて、清掃活動に生き物観察を取り入れた甲斐があったなぁ。と私もうれしい気持ちになりました。     清掃活動はまだ始めたばかりです。これからもいろいろな場所をきれいにしに行きたいですし、「川原はごみ捨て場じゃないぞ」っていう思いをいろいろな方と共有できたらいいなと思っています。

ハロウィンのにょろにょろモンスター
  • アクア・トトの生き物
  • 企画展・特別展示

ハロウィンのにょろにょろモンスター

みなさま、こんにちは。 涼しくなってきて、秋がやってきました。 1日の気温差が大きいため、お体に気をつけてお過ごしくださいね。   さて、10月31日はハロウィンです! ハロウィンの始まりは、ケルト人の1年の終わり(夏の終わり・冬の始まり)の日である10月31日に、この世と霊界との間にある目に見えない「門」が開き、死者の霊が家族のもとに帰ってくると信じられており、その時に一緒にやってくる悪いモンスターから身を守るために、仮面をかぶり魔除けの焚火を焚いたのがきっかけと言われています。   日本では、ハロウィンは仮装パーティーの印象が強いかもしれませんが、仮装する理由は悪いモンスターに扮して自分を守るためだったのです。     今回のテーマ水槽は悪いモンスターを由来にもつ『グレーターサイレン』を展示しています。   実は、グレーターサイレンの名前の由来は、ギリシャ神話の海のモンスター「セイレーン」だと言われています。   「セイレーン」はみなさま、ご存知でしょうか? かの有名なコーヒーショップのロゴに用いられているモンスターです。 「セイレーン」は、半人半魚(もしくは半人半鳥)の姿で、美しい歌声により航海中の人々を惑わし、船を難破させて人を襲って食べたと語り継がれています。     そんな恐ろしい伝説をもつモンスターを由来とするグレーターサイレンは、つぶらな瞳をもつ意外にも可愛らしい見た目をしている両生類の仲間です。 細長い体形で小さな前肢をもち、後肢がない姿や、驚いたりすると鳴き声を発する様子を、半人半魚で美しい歌声をもつセイレーンに関連付けたのではないかと推測されています。 また、一生を水中で過ごすため、成熟してもエラがあり、エラ呼吸のほか、直接空気呼吸を行うこともできます。     ぜひ、恐ろしい伝説と見た目のギャップをお楽しみください! 今回のテーマ水槽は、水族館のエントランスにて10月31日まで展示しています。

愛されショウキハゼ
  • アクア・トトの生き物

愛されショウキハゼ

みなさま、はじめまして。 初飼育コラムとなります、新入社員の山下です。 どうぞよろしくお願いいたします。     記念すべき山下コラムの第1弾の主役はこちら! ショウキハゼという魚です。   実はこのショウキハゼ、私山下が入社して最初に種名板を作成した魚なのです。 初めての種名板作成のみではなく、初めてのコラムもショウキハゼに持っていかれるとは、入社前の私は予想すらしておりませんでした。   種名板を作成する過程で面白い特徴がたくさんある魚だなぁと感じたので、種名板に書ききれなかった特徴を含めて、こちらのコラムで紹介していこうと思います。     さぁ、さっそく1つめの特徴を紹介していきます。 私が思うこの魚の一番の特徴は… ヒゲです! ほほから下アゴにかけてヒゲが生えている魚です。 正面から見た顔がとても可愛らしいですね。 社内でも非常に愛されている魚でして、「早くコラム書かないと私が書くよ?」と先輩に言われまして、ひいひい言いながら書きました。 上の写真は、ショウキハゼがまだ小さい頃の写真です。   そして現在の姿がこちら。 かなり大きくなっているのが顔のみの写真からでも伝わるかと思います。 大きくなっても可愛らしいです。 中国には鍾馗(しょうき)というヒゲをたくわえた神様がおり、このハゼも同じようにヒゲをたくわえていることから、ショウキハゼという名前が付いたと言われています。     続いて2つ目の特徴です。 ショウキハゼは非常にずんぐりした体型をしており、大きな頭を持つ魚です。 こちらはまだ小さいショウキハゼ。   そして現在はこちら まさにずんぐりショウキハゼです。   体は太短く、特に頭が大きいのが分かるかと思います。 このような体つきをしており、小型の魚類や甲殻類、軟体動物を捕食するとされています。 当館では、ごはんとして主にサバのミンチやオキアミなどを与えています。 タイミングが合えば、ショウキハゼがごはんを食べる様子を見ることができるかもしれません。     最後に紹介するのは、生息環境についてです。 ショウキハゼはカキ殻のある、軟泥の干潟を好むとされています。 ここで重要なのがカキ殻の存在です。 ショウキハゼはカキ殻を隠れ家として利用すると考えられています。 さらに、繁殖の際には主にカキ殻に卵を産み付けることが知られています。 自分はまだカキ殻に産み付けられたショウキハゼの卵を見たことがないので、いつか見てみたいものです。     ではこのあたりで、初コラムは終了させていただきます。 最後まで読んでくださった皆様は、もうすっかりショウキハゼが好きになっていることでしょう。   現在、3Fの河口の生きもの水槽で展示しているので、ぜひ石の下をよーく見てみてください。 ヒゲのある顔を見ることができるかもしれません。   それではまた次のコラムでお会いしましょう!

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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