2015年7月13日、カワネズミNo.4が死亡しました。 2012年10月24日に当館に来てから993日、約2年9ヶ月目でした。 No.4は、2012年度に開催された企画展「渓流展」で、 渓流に棲む生き物を紹介するために、岐阜県内の川で捕獲されました。 カワネズミの飼育は非常に難しく、 同時期に捕獲された別の個体が死亡する中、 飼育側の力不足により痩せてしまったり、全身びしょ濡れになったりしながらも、 ここまで生き延びてくれました。 過去の野外での再捕獲記録によるカワネズミの最長生存記録は3年。 死因は感染症による衰弱でしたが、 解剖の結果、歯がボロボロで物を噛むのも難しいほどの状況が見られ、 一般にいう「老化」の特徴がみられるものでした。 (若かりし頃のNo.4) 渓流展終了後も展示が継続され、 超マイナー生物だった「カワネズミ」の存在を 多くの人に知ってもらうきっかけとなったNo.4。 しかし、展示のためにカワネズミを野外から連れ去ることは正しいことなのかと、 野生動物を扱う人間として、自問自答の日々です。 ともすれば私の飼育係生活の半分以上の時間を一緒に過ごしたNo.4。 空っぽになった水槽を眺めながら、 知識のなさ、技術のなさ、自身の怠惰を悔やみながら、 No.4が残してくれたことが次につながりますように。 と、強く願っています。 最後に、若かりし頃にNo.4が水中の魚を捕らえる映像を張り付けて終わります。 これまでNo.4を見守ってくれたみなさまに感謝申し上げると共に、 今後のカワネズミ飼育技術の発展および、 カワネズミという存在をより多くの人に知ってもらえることを祈って、 ブログを閉じます。 ありがとうNo.4。 ※哺乳類の捕獲には許可が必要です。 ※カワネズミの展示は現在も継続されています。 ツイート