おもしろ飼育コラム

ロリカリアのその後
  • アクア・トトの生き物

ロリカリアのその後

前回の続きです! ロリカリアの稚魚たちは、その後親とは別の水槽に移動しました。 稚魚の育成は初めての経験で、 餌の種類やその回数など毎日が試行錯誤。 なかなか上手く育てることが出来ずに悩んでおりました。   ふ化から2か月ほどしたあるとき、大先輩の国崎さんから 「親の水槽のろ過槽に、ロリカリアの稚魚がいるよ!」 というお言葉。 あわててそのろ過槽を覗くと…   いたー!しかも2匹!!   親を飼育している予備水槽はこちら。   水槽の中にある管を通ると、その行先はろ過槽です。 どうやら卵を取り上げる前にふ化した稚魚が、 いくつかネットの隙間から流れていた模様です。   こちらがろ過槽。   中はこんな感じになっています。   驚くことにろ過槽にいた稚魚は、 卵を取り上げた先の水槽で育てていたものより大きく、 体つきもしっかりしています。 何だか違う魚みたい…   ろ過槽にいることに気が付かなかったこと、 そしてほったらかしになっていた方が状態がよさそうなことに 自分のふがいなさを強く感じながら、 まずはたくましく無事育ってくれていたことに感動しました。   比べてみてください、この尾ビレの先(フィラメント)を…   水槽で育てたロリカリア稚魚↓ ろ過槽で育っていたロリカリア稚魚↓ フィラメント、長ー! (なんでしょう、この悔しさは…)   たくましく育っていたろ過槽の環境を考えると、 ・光が少ない ・1匹あたりの水槽面積が広い ・底砂がたっぷり ・水流は強め   などなど、飼育のヒントがたくさんありました。 さっそく水槽にいるロリカリアたちに底砂をしき、 暗がりになるような流木を入れてみました。 水流も少し強めに…   思わぬハプニングでしたが、偶然に得られたヒントを大事に 今いる稚魚を育てていこうと思います。  いずれは展示を目指して…!   ちなみに、ろ過槽のロリカリアは取り上げて、 親のいる水槽で暮らしています。 元気にしておりますのでご安心くださいね。   ツイート

ロリカリアのたまご
  • アマゾンの生き物
  • バックヤード

ロリカリアのたまご

水族館の入り口にあるエントランス水槽。   現在は企画展「赤い清流」に合わせ、 アマゾンに生息する魚たちを展示しています。   その水槽の中から、今回紹介するのはこの魚! ロリカリア(の仲間)です! モジャモジャの口が特徴的な、ナマズの仲間です。   水族館にこの魚がやってきたのは5月。 このたびのアマゾン展にむけ、 バックヤードの予備水槽にてしっかりと調子を整えてきました。 あるとき、予備水槽を何気なく見てみると…     なんと!体の下に卵塊を抱えているではありませんか! どうやらあのモジャモジャの口でくわえている様子です。 これはまたとない機会!? すぐに卵を回収するのではなく、 ふ化する直前まで親に育ててもらうことにしました。 観察していると、 胸鰭を動かして卵に水を送るような行動も観察できました。 卵を発見してから約1週間…    卵塊はピンク色に! よく見てみると、一粒一粒に赤ちゃんの眼が見えています。 上手く育っているようです!   そろそろふ化するかな…? と思うところで親を捕まえ、卵塊を回収しました。   卵の感触は、弾力のあるイクラのようです。 アップで見てみましょう! みっちり。   回収した際の刺激からか、直後にふ化も始まりました。       お腹に卵黄をつけているものの、姿は親とそっくりです。 いっちょまえに口もモジャモジャしていますね!   驚いたのは、卵黄の吸収の速さ。 ポッコリしていたお腹も、生まれて次の日にはすっかり無くなり、 よりロリカリアらしい姿になりました。   ふ化してから10日目の稚魚はこんな感じです。   ロリカリアの稚魚たちは現在も裏側で過ごしています。 育てているうちにちょっとした事件もありましたので、 それは次回のブログにてご紹介したいと思います!   それではまた!       ツイート

アマゾン企画展、好評です!
  • 企画展・特別展示

アマゾン企画展、好評です!

みなさんこんにちは! お盆も過ぎ、ようやく館内も落ち着いてきたと思いきや…。 企画展 赤い清流 ~水族館スタッフが見た!生のアマゾン体当たりリポート!~ はまだまだ熱い状況が続いております。       魚好きな水族館スタッフである私が、好奇心を頼りに見てみた アマゾンでの採集やいろいろな体験を、 私の等身大の言葉でリポート風に仕上がっております。       さらに会場には、私の等身大のパネルが設置してあります・・・。   時々、その隣に実際に立ってガイドをしているのですが 私に気付くと結構みなさんビックリされます。   「もしかして、本人ですか?」 「そうです、本人です・・・」   まずはこのような会話で始まります(笑) 会場で私を見かけたら、是非声をかけて下さいね。 熱帯魚の聖地アマゾンを熱く語ります!     ツイート

パールムを施術しました。
  • アクア・トトの生き物

パールムを施術しました。

2階『メコン川中流』水槽には、 ナマズの仲間の「パールム」という魚が4匹展示してあります。 その中の1匹の顔に、ある目立つものがあり これまで、よくお客様に「これは何ですか?」と聞かれていました。   それがこれです。  水槽のアクリル面に同じ部分をいつもこすり付ける為、 皮膚が厚くなってしまったものだと思われます。 飼育環境の改善を試み何度か治癒したのですが、再発を繰り返していました。 自然に治癒するのが一番で様子を見ていましたが、症状が変わらないため 思い切ってパールムを取り上げて施術を行うことにしました。   準備した器具類はこれです。   心配だった点はいくつかあるのですが、 体長1m前後ある大型個体だけに 『どのくらい暴れるのかがわからない』ことと、 『切除する部分からどのくらいの量の血がでるか』という点が 特に懸念されていました。   いよいよ始めます。 潜水者3名(捕獲)、獣医師1名、補助3名で手順を確認します。 ネット等を用いて追い込みます。 なんとか捕獲。かなり暴れるため、大人3人で抑えます。 あっ、あのアマゾン展で有名な国崎さんだ。 じゃなくて、捕獲後落ち着いてきたので、いよいよ切除を始めます。 ハサミを使って切除です。 眼が近いので慎重に・・・。 切除しました。 あっ・・血が・・・ 止血します。 熱々にしておいた鉄板で切除部を焼灼(しょうしゃく)します。 止血完了。 しっかり止めることができました。 今回切除されたものです。   みなさんにはご心配をおかけしましたが、 観察結果から人間にもよくできる いわゆるたこだということがわかりました。 よかった・・・。 そっと解放。 予想よりも血の量も少なく、おとなしくしてくれたおかげで ひとまず無事終了することができました。 上が施術前で、下は施術後です。 まだ痛々しいです・・・。 こちらが現在の様子で、徐々に治ってきました。   施術して終わりではなく、今後の観察が大事ですので 引き続き様子をみていきます。 良かったら施術後のパールム見に来て下さいね。 同じ水槽にいるミクロポゴンも、 施術中は珍しく身を寄せ合ってじっとしていました。 「あいつ、無事だといいな。」そんなことを言っていそうです。 お騒がせしました。今後も仲良くやってください。 ツイート

1回200円です
  • アクア・トトの生き物

1回200円です

こんにちは。お盆まっ只中です。 今年は雨が多いですね。 せっかくの長期休暇なのに雨ばかりでがっかりの方も多いと思いますが、 雨だからこそ、普段以上の力を発揮している3匹がいます。3頭かな。 彼らです。   1F屋外スペースにいるアルダブラゾウガメです。 アクア・トトぎふでは、 5~9月限定で、ゾウガメの餌やりをお客様に体験していただいています。 開催期間はいつもなら土日祝だけなのですが、お盆休みは毎日開催!! 例年は、ある程度お腹がいっぱいになると、 「暑い~」って感じで木陰で休んでしまい、 途中終了もやむなしといった事態になるのですが、 今年は、雨や曇りの日が多く、 制限時間(12:00~16:00)いっぱいまで、 休むことなく食べ続けています。     まだ、ゾウガメにエサやりしたことがない方! まだ、ゾウガメが動く姿すら見たことがない方! ぜひ足を運んでエサやりにチャレンジしてみてください。 Lサイズのコマチ、Mサイズのデコ、Sサイズのチョコが 首を長くしてお待ちしています♪   ツイート

つぼみ成長期2
  • アシカショー

つぼみ成長期2

みなさん、こんにちは。 なかなか更新できていませんでしたが、 最近のつぼみの近況報告です。 さてさて、アクア・トトにやってきてからもう5か月くらい経ちました。 前のブログでは、いろいろと出来るようになった種目を お伝えしましたが覚えてますか? 練習中だったお辞儀も出来るようになり、 お散歩も少しずつですが上達しております。 そして今、練習中なのがこちら↓ 倒立です! はじめは、寝ころんだままで 後ろ脚を動かすことすらしなくて、どうしようかと苦労しました。 ですが、少しずつ分かってきたようで ようやくここまで出来るようになったんです!! こう、写真で見ると立派ですね! ちゃんとやってます! いやー、できるようになってくれるととってもうれしいですね! あとは、この状態をしばらくキープ できるようになってくれたら完成です♡   つぼみのトレーニング時間は基本的に、 1日3回程度行っています。 運が良ければ、ショーのあとに遊んでいるところを 見て頂くこともできるかもしれません。 頑張ってトレーニングしていますので応援してあげてくださいね! それではまた、報告しますね。 お楽しみにー!   ツイート

ぐんぐん成長!
  • アクア・トトの生き物

ぐんぐん成長!

この間お話しした、タナゴの赤ちゃんの展示水槽。 お客さまが展示を見ている姿を見て、 にやにやしているスタッフがいたら高確率で私です。    今回アクア・トト ぎふで初展示となる シロヒレタビラの仔魚(タナゴの赤ちゃん)は、 写真中央にあるビーカーの中にいます。 赤ちゃんの成長はとっても早いため、 来館されるたびに違った姿が見られるかもしれません。 こちらは生まれて3日目、ふ化したての赤ちゃん。 まだ頭も眼もありません。 大変未熟な状態でふ化しますが、この体でニョロニョロと動きます。 動く様子を少しだけお見せしましょう! こちらは生まれて8日目の赤ちゃん。      頭と眼が出来て少し魚らしくなったでしょうか? 動く様子はというと… 3日目のものより、なんとなく力強さを感じる動き方をします。 こんな感じで、ぐんぐん成長していくタナゴの赤ちゃん。 休み明けにバックヤードにいるタナゴの赤ちゃんたちを覗くと、 もうそんなに大きくなったの!?とびっくりするほどです。 解説パネルを見て頂くと、 ビーカーの中にいる赤ちゃんの成長度合いがわかるようになっていますので、 実物と比べてみてくださいね。 シロヒレタビラの赤ちゃんの展示は7月31日(木)までを予定しています! この機会にぜひ、ご覧ください!   ツイート

クレストはイラストで。~イモリもりもり「イモリ」展~
  • 企画展・特別展示

クレストはイラストで。~イモリもりもり「イモリ」展~

皆さん、こんにちは。 バックヤードにいるマダライモリの幼生たちが続々と変態してきました。 現在展示中の幼生は、まだ特徴的な色と模様は出ていませんが、 変態が近付くにつれて徐々に出てきて、変態後はこの通り。 これからどんどん鮮やかな色がでてくることでしょう。 こちらは成体のオス。美しいですね。   さて、イモリの仲間の多くは、 繁殖期のオスで二次性徴があらわれ、体型が変化します。 このマダライモリでは クレストと呼ばれるヒレのようなものが背中にでてきます。   下の写真、ミナミクシイモリもクレストが発達することで有名な種です。  普段はこんな見た目ですが、繁殖期になるとこの通り。   ギザギザ!! クシイモリの名前由来はこの櫛のようなクレストからつけられたそう。 ミナミクシイモリの恐竜のようなクレストは本当にかっこいいです。 もう10年以上前になりますが、初めて見たときは衝撃的だったなぁ・・・(遠目) ミナミクシイモリの展示個体はまだ若く、 この姿を見せることはできないのですが、 マダライモリはなんとか展示できるかもと、イモリ展開始前に展示を決意。 オスのやる気スイッチを入れるには冷やさなくてはなりません。 でも、なかなかいい温度の場所ってないんですよね。 作業の邪魔になってもいけませんし。 かといって当時真冬ですので、外に出すわけにもいかず・・・。 結果的に微妙に冷えない、中途半端な場所で冬を越すことになり、 オスのクレスト姿はイラストで紹介とあいなりました。 でも、イラストもいいでしょう? 今回のイモリ展、今までにも増してイラストを多用しています。 解説に目を向けてくれる人が多いのも、 素敵なイラストのおかげかなと思っています。 実物の展示は今後の課題ということで! さて、3月から始まったイモリ展も、6月30日をもって終了となります。 皆さんぜひ見に来てください。 28日・29日はイモリトークもやりますよー! (追伸) アカハライモリの水槽を上からのぞいたら、「エサ?」って顔をだしてきました。 可愛すぎたので、親バカ気分で無理やり紹介して筆をおきたいと思います。     ツイート

タナゴの赤ちゃんを展示しました!
  • 新しい展示

タナゴの赤ちゃんを展示しました!

アクアトト3階のコサギがいる水槽…   の!向いにご注目! 「タナゴの赤ちゃんを展示しました!!」 期間限定で、タナゴのなかまである“シロヒレタビラ”の 仔魚、稚魚、成魚を同時にご覧にいただけます。 シロヒレタビラ   タナゴのなかまは、自然下では二枚貝に卵を産みつけます。 赤ちゃんが泳ぐことができるようになると、 二枚貝の中から出てくるのですが… その泳ぎだす前のタナゴの赤ちゃんを見る機会というのは まず、ないと思います。   それが、見れてしまうんです!!   このビーカーの中には、生まれたばかりのタナゴの赤ちゃんがいます! そのめまぐるしく成長する姿に、何度も通いたくなること間違いなし!? アクア・トトでどうやって生まれたの!? 赤ちゃんはどうやって育てているの?  気になるポイントはパネルにて解説しています! ブログでも、この展示について 少しずつ紹介していきたいと思いますので、今後をお楽しみに♪ ※生物の状態などにより、変更する場合もございます。予めご了承ください。   ツイート

カニに会いに
  • アクア・トトの生き物

カニに会いに

こんにちは。毎日暑いですね。 先日、陸ガニに会いに行ってきました。 陸ガニってなんだ? 陸ガニとは、ふだんは川の近くの陸地にすんでいて、 産卵の時だけ海に移動する、 おもにベンケイガニ科のカニをこのように呼ぶようです。 本州で代表的なのは、 アカテガニ、クロベンケイガニ、ベンケイガニといったところです。 アカテガニやクロベンケイガニなんかは、木登りもするそうで、 「さるかに合戦」にでてくるカニのモデルはアカテガニとも言われています。 なぜ、そんな陸ガニたちに会いに行ったのかというと、好きだから。 ってのもありますが、本当の目的は写真を撮るためです。 この日も暑かった。日差しも強い。 陸ガニがいるであろう地点についたのはちょうど正午ごろ。 こんな熱い昼間にカニたちは何をしてるんだろう? 巣穴にもぐりこんでて、見えないんじゃなかろうか? と不安になりつつ、車を降りて川沿いの土手を見てみると、 わー、いい感じ。カニの巣穴だらけ!   巣穴の一つをのぞいてみるといました!     この、見えなさそうでちょっと見える感じが色気があって好きです。 でも、今日は館内のパネルに使うための写真を撮りにきたので、 これではだめです。 なんとか、カニの全身を写したい。 後輩に「出てきたらところをおさえろ。」 と巣穴の前での張り込みを命じ、   場所を少し変えて周囲を探索。 甲幅1cmぐらいの稚ガニがいたり、   緑色が鮮やかなナゴヤダルマガエルがいたり、   静かだなぁ。   なんて思っていると、 穴から出てる泥まみれのクロベンケイガニを見つけました。 しかも2匹。   チャンスです。 逃げていくカニを追いかけながら、 シャッターを押しまくり、     写真撮影は終了しました。 今回は無事「陸ガニの生息地での写真をとる」という任務を 遂行することができましたが、 残念ながら、川がコンクリートで護岸されてしまったり、 堰が作られたりして、陸ガニが生息できる場所は年々減っています。 今回写真を撮った場所は、ずっとこのまま陸ガニたちが、 安心してくらせる場所であり続けてほしいと、心から思います。 さてこの陸ガニたち、雑食性なので葉っぱや木の実、 生き物の死がいやミミズなどいろいろなものを食べますが、 実はキノコもよく食べるんだそうです。 はさみ脚でキノコをぷちっと切り落として食べるんだろうか??? 見てみたいです。 それではまた。   ツイート

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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