展示終了したコガタブチサンショウウオの幼生ですけれども、近況をご報告。 全個体無事、変態完了しております! そんでもって、日本動物園水族館協会から繁殖賞をいただきました。 (まぁ、これは昨年の繁殖成功に対してですが) 2年連続、マグレじゃなかったということで。 よかったよかった。 さて、幼生の育成2回目の今年。 昨年はなんとか失敗せず育て上げなければということで、 飼育槽のフタをちょっと開けるのも禁止にしていました。 今年は繁殖個体数もかなり増えたことで、適当に気を楽にして飼育に臨めました。 そこで、昨年できなかったことを今年はやるために、自分の中でファウルの線引きをしなおしました。 まさに、気分は陵南の魚住です。 解禁したことの一つが、毎日フタを開けての観察&写真撮影なのですが、 観察をつづける中で、非常に興味深かったことが、「共食い」でした。 今までことあるごとに、 「コガタブチサンショウウオの幼生はエサを食べなくても変態できるんだゼ」 と口すっぱく言ってきた私。 「食べないんじゃねぇのかよ!」と思ったアナタ!フフフ、早とちりはいけませんよ。 私はただ一言も「エサを食べない」とは申しておりません。 言葉のマジックに惑わされてはいけないのです!喝! でも、今回観察できた「共食い」は、かなり異常な一例と思われますので、 カスミサンショウウオやクロサンショウウオのように自然下で普通にみられる行動ではないと思います。 ご説明いたしますと、まずこれが食べた方の幼生。あいかわらずキュートです。 次が、食べられた幼生。 発生がうまく進まなかった奇形で、体も他の正常な個体と比較してとても小さい個体でした。 それで、ある日観察のため飼育ケースのフタを開けて見ると…。 バクーッ!! いやん、くわえてるやん!! 結局、フタを開けた影響からか、最後まで飲み込まず吐き出してしまいました。 昨年、ミジンコのような小さい生物が胃内から見られたという発表を聞いたこともあり、 口に入る大きさのエサがあれば食べるんだろうなぁと思っていました。 でも、異常な例とはいえ、まさか共食いがみられるとはと驚いた次第です。 そもそも摂餌行動自体初めて目にしたので、非常にテンションがあがりました。 さて。 繁殖賞を目的に今まで取り組んできたわけではないですが、 今回の受賞を一つの励みにして、これからも飼育下繁殖と展示に取り組んでいきます。 そんでもって間違いなく、まだまだ興味深い行動が見れるはず! その時は、皆さんにもマメにお伝えいたしますので、応援おねがいいたします。 ツイート