- 企画展・特別展示
 
アジメドジョウ特別展:ディープな話 Part1
- 山下
 
みなさまこんにちは。
真面目にコラムを書き始めた山下です。
みなさま、前回のコラムは読んでいただけましたでしょうか?
今回のコラムは前回の続きのようなものとなりますので、まだの方はぜひ前回のコラムを読んでからこちらのコラムを読むことをおすすめいたします。
さて、今回のコラムではアジメドジョウ特別展に関して、展示に載せきれなかったディープな話をご紹介しようと思います。
かなり文章だけのコラムとなっています。
特別展の中でもご紹介していますが、実はアジメドジョウは非常に岐阜にゆかりのある魚です。その中でも最も重要なこととして、アジメドジョウという魚は岐阜県の人が新種として記載したこと、アジメドジョウが新種として記載された際に、岐阜県の個体がタイプ標本に指定されたことが挙げられます。(タイプ標本という言葉については後ほど説明します)
アジメドジョウを記載されたのは、丹羽 彌(にわ ひさし)さんという方です。丹羽さんは現在の岐阜県中津川市の出身で、その生涯をアジメドジョウの研究に捧げたといっても過言ではない方です。
丹羽さんは自身の研究の成果を「あじめ アジメドジョウの総合的研究」という書籍の形にしてまとめられています。

この書籍の中には、アジメドジョウがどのように新種記載されたのかに始まり、アジメドジョウの分布、地方名、生態、卵の発生、食文化、保護対策などなどが記されています。丹羽さんがいかに多様な方面からアジメドジョウを研究されていたのかがわかります。
さらに新種記載に関しても岐阜県との繋がりがあります。
生き物の新種を記載する際には、タイプ標本というものを指定し、その種がほかの種とどう違うのかを示す必要があります。中でもその種の代表となるただ1つの標本のことをホロタイプと言います。丹羽さんはアジメドジョウのホロタイプ標本に岐阜県恵那市産の個体を指定しているのです。
{残念ながら当館で展示している個体の産地は、模式産地(タイプ標本が採集された場所)とは異なる産地の個体です。いつか模式産地の個体を展示したいものですなぁ…。}
ここまで、丹羽さんの研究、新種記載に関するお話をしてきました。これだけでもアジメドジョウと岐阜県との繋がりを感じていただけているかと思いますが、まだまだあります。が、今回のコラムはこのあたりまでにしておこうと思います。
岐阜県とアジメドジョウシリーズは一応次のコラムで終了予定です。
続きを楽しみにお待ちいただけると幸いです。
それではまた、次のコラムでお会いしましょう!