- 新しい展示
エゾサンショウウオの頭でっかち幼生
- 田上
2F博士の探検小屋コーナーで、エゾサンショウウオの幼生展示を始めました。
ふーんって思われました…?
フッフッフ
今回はただエゾサンショウウオの幼生を展示したわけではありません。
では、まず下記の写真をご覧ください。
この個体たち、実は同じ卵嚢から生まれたいわゆる兄弟にあたる個体です。
でも見た目が全然違いますよね。
上は通常型で、頭でっかちな方は大顎型とよばれますが、
個体密度を高くして飼うなどちょっとした操作で、
一部の個体が頭でっかちになるのです。
これを表現型可塑性(ひょうげんがたかそせい※)と呼びます。
野外では水中の小さな生物やエゾアカガエル幼生、共食いをして育ちます。
大顎化することで、ライバルより多くの餌を食べられるようになるわけです。
特にエゾサンショウウオの頭でっかち化は、
エゾアカガエル幼生がたくさんいる環境で、顕著になります。
オタマジャクシ食べ放題!
と思いきや、エゾアカガエル幼生も負けてはいられません。
ドーン!
衝撃!
新弟子検査時の、舞の海関を彷彿させます。
このサンショウウオとカエルの変身、
ここにヤゴが登場すると、またさらに体型が変化します。
本当に面白いですね、わくわくします。
今回はエゾサンショウウオ幼生だけの展示ですが、いずれは!
さて、展示中のエゾサンショウウオ幼生は、当館で繁殖した個体です。
親は2010年夏のサンショウウオ展で展示した個体で、
その後もバックヤードで飼育を続けてきました。
今回、幼生と一緒にこの親個体も一緒に展示します。
(もう一枚)
幼生が変態したら展示終了となりますので、ぜひお早めに。
※表現型可塑性
同じ遺伝子型を持つ個体が環境の変化に応じてその表現型を変えること