- 企画展・特別展示
特定動物ってなあに?(企画展裏話②)
- 小野
みなさま、こんにちは!
暑い日々が続きますので熱中症対策してくださいね。
さて、7月19日(土)から新しい企画展が始まりました!
先日の企画展「毒の館へようこそ~博士と学ぶ毒生物~」のおもしろ飼育コラム、みなさまご覧になりましたでしょうか。
今回は、展示している特定動物3種についてご紹介したいと思います。
特定動物の1種、マムシについては助手がアツいコラムを書いていますのでそちらを読んでみてください。
特定動物を展示している水槽下にはなにやら標識が貼ってあります。
こちらは岐阜県より特定動物を飼育、展示してもよいですよという許可証になります。
そもそも、特定動物とは?
私たち人間に危害を加えるおそれのある危険な生き物のことをいいます。
企画展では特定動物であるアメリカドクトカゲ、マムシ、ヤマカガシを展示しています。
特定動物は現在、約650種の生き物が対象となっており、飼育する場合にはさまざまな決まり事があります。
例えば、ご家庭でペットとして特定動物を飼うことはできません。
また、一定の基準をクリアした施設の中でしか展示、飼育することができません。
企画展で展示するにあたって、岐阜保健所の担当者としっかりと打ち合わせを行い、準備を進めてきました。
無事に許可も下りまして、現在展示できていますが、それまでの道のりは長いものでした。
さかのぼること3月から、岐阜保健所の担当者と特定動物の申請についての打ち合わせを行いました。マムシ、ヤマカガシは岐阜県内で採集して、水族館に搬入することとなり、どういった書類が必要か相談しました。
そもそも、特定動物は飼養許可が下りている場所(例えば他の動物園水族館)から飼養許可が下りている場所への移動が多く、野生からの搬入事例はあまりありません。
担当者の方も県庁へ確認をとりながら、さまざまな書類と飼育するための設備や水槽を準備していきます。前例がないためか、許可が下りるまで時間がかかり、無事に許可が下りたのが6月頭となりました。なんと約3ヶ月もかかりました。
ただ、これよりも大変だったのがアメリカドクトカゲです!
東京都にある施設より借用することになりました。
6月末に保健所より許可証もいただき、7月頭に東京から岐阜へアメリカドクトカゲを車で移動する運びとなりました。
特定動物を移動するときは、なんと!通過する各自治体に、この日の何時頃に特定動物のアメリカドクトカゲを乗せた車が通りますよ~という連絡をする必要がありました。
約15の各自治体に電話する私の姿をみた助手は
『な、何か手伝えることはありますか…!』と声をかけてくれました。
(1時間半くらいずっと電話をし続けていたみたいです)
無事に各自治体への連絡も終了し、アクア・トトぎふにアメリカドクトカゲがやってきてくれました。
また、マムシもヤマカガシも無事に採集することができ、
企画展開始前に特定動物3種類そろいまして、一安心!
毎日、特定動物を飼育している水槽に異常がないか確認を行って、安心安全に展示をしていければと思います。
実は、ヤマカガシの展示水槽横にある仕掛けがあります。
こちらの机の引き出しの中にも何かものが入っているようで…?
ぜひ、アクア・トト ぎふに遊びにきて確かめてくださいね。