今日は「ハゼの日」
みなさまこんにちは。展示飼育部の山下です。
本日12月23日はハゼの日です。
なぜハゼの日なのかというと、本日はハゼの仲間の研究者として知られる上皇陛下の誕生日だからです。
ハゼの日には、魚類研究者や愛好家をはじめとした一部界隈で、ハゼに関する話題で盛り上がるのです。
ちょうどハゼをテーマにした企画展『ハゼパラダイス』を実施している身として、ハゼの日に合わせてコラムを書こうと思いました。
「ハゼパラダイス」でも、「上皇陛下とハゼ」と題したブースがあります。
ここでは、上皇陛下のご研究についてのご紹介、上皇陛下とゆかりのあるハゼの展示をおこなっています。
上皇陛下はこれまでに10種のハゼを新種として記載され、30種以上のハゼに新しく標準和名を提唱されたことが知られています。
ここで少し語句の解説です。
〇新種記載…
未知の生物が見つかった場合に、ほかの種と比較して何が違うのかを科学的に明らかにし、学術論文などで新種として記載することを言います。記載論文の中でその種の学名を命名し、新種を代表し基準となる標本を指定する必要があります。
〇標準和名…
日本で一般的に用いられている日本語での生物の名前は「和名」と呼ばれます。地方によって呼び名が変わる種など、同じ種でも複数の和名を持つものもいますが、その中でも1種につき1つだけ与えられる全国共通の和名を「標準和名」と言います。新種記載の際や、図鑑などの刊行物、学会発表などの際に新しく提唱されることがあります。
それらのハゼの中から、上皇陛下が標準和名を提唱されたハゼの1種である、アケボノハゼを展示しています。
アケボノハゼは「日本産魚類大図鑑」という図鑑の中で、上皇陛下によって新たに標準和名が提唱されたハゼです。
こちらが日本産魚類大図鑑です。実は私はこの図鑑を持っていなかったのですが、先日参加したとある学会のオークションに出品されていたので、「ちょうどいい機会やな…。」と思って落札しました。嬉しい。
…話は戻ってアケボノハゼですが、非常に鮮やかな体色をしたハゼです。頭部から尾部にかけてのグラデーションのかかった体色を、状態が刻々と移り変わる「曙(あけぼの:夜が明け始める時間のこと)」に見立てたことが名前の由来とされています。
水槽内でも鮮やかな体色と優雅な泳ぎを見せてくれるハゼです。お客様の反応を見ていても、なかなか人気のハゼ…!
そしてアケボノハゼの生体展示以外にも、上皇陛下が新種記載されたハゼや、標準和名を提唱されたハゼの一部を写真でご紹介しています。ご紹介できているのは本当に一部なので、気になる方は上皇陛下とゆかりのあるハゼに、ほかにどんな種類がいるのか、ぜひ調べてみてください。
そしてSNS、特にX(旧twitter)では毎年多くの人がハゼの日に関する投稿をされているのを見かけます。今年もハゼの日で盛り上がりつつ、ハゼパラダイスも盛り上がっていくと嬉しく思います。
それではこのあたりで今回のコラムは終了とさせていただきます。
また次のコラムでお会いしましょう!