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モトロ、ちょっと成長

2020.07.15 (水)

堀江真

こんにちは。

今日は「やっと会えた」の続報です。

4月17日に産まれたモトロの赤ちゃんは、2匹とも元気にしています。

毎日、こんなにも食べるんか!!と思うほど、たくさんエサを食べます。

 

先日、少し広い水槽へ引っ越したのですが、その時に体盤の大きさをはかってみました。

産まれた時には10cmだったのが、14cmになっていました。

体には厚みが出て、力強く感じられます。模様もくっきり。

 

2匹のドットの数は全然違いますね。

 

トレードマークともいえる尾の毒トゲも、ばっちり生えました。

(出生時は毒トゲはありません。)

 

 

 

さて、魚なのに赤ちゃんを産むってどういうこと?!と疑問に思われた方もいらっしゃるようなので、少し説明します。

 

まず、エイはサメと同じ板鰓(ばんさい)類というグループになります。

共通の特徴として、エラ孔(あな)がスリット状をしています。

このエラ孔がお腹側にあるとエイ!

このエラ孔が背中側にあるとサメ! となります。

 

 

では、繁殖についてです。

板鰓類のオスには、クラスパーというおちんちんがあります。

 

しかも2本あります。

 

これを、メスの体内に挿入して体内受精させます。

 

 

ここからが色々なんです。

 

大きくは、卵生(卵を産む種)と胎生(赤ちゃんを産む)に分けられます。

胎生はさらに、

①卵黄依存型 ②卵食・共食い型 ③組織栄養型 ④胎盤型

というふうに、お腹の中で胎仔が何を栄養にして育つのかで分けられます。

 

①は、卵内にたっぷり栄養があり、それを吸収して育つ。

②は、お腹の中でお母さんが排卵した栄養卵を食べたり、胎仔同士が共食いしたりして育つ。

③は、子宮内壁から分泌された栄養を摂取して育つ。

④は、子宮内に形成された胎盤から、へその緒を通じて栄養をもらって育つ。

 

と、多様です。

しかも①→②、③→②と、組み合わせるものもいます。

 

モトロは、これの③にあたり、その中でも、子宮内の絨毛(じゅうもう)から分泌される子宮ミルクを飲んで育つ「子宮ミルク型」になります。

 

モトロの繁殖の仕組み、お分かりいただけましたでしょうか?

これは、今、私の手元にある本を参考にしていますが、

板鰓類の繁殖様式については、どんどん新しいことが分かってきていますし、

研究者によっては、分け方が違う場合もあります。

 

 

それにしても、魚なのに体内でミルクを与えて赤ちゃんを育てて出産するって…。

奥が深いですね。

 

産んだお母さんはそれからどうしているのかというと…、おそらくまた妊娠していますよ!

 

次も元気な赤ちゃん産んでくれるといいなぁ。

 

モトロの赤ちゃんの展示は、今のところ未定ですが、いつか必ず…。

それまでは動画でお楽しみください。

 

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