世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
おもしろ飼育コラム一覧

圧巻の大群泳

2016.10.08 (土)

野口

みなさん、こんちには。

夏も終わり秋になってきました。

当館で秋といえば、そう!

繁殖期をむかえたイタセンパラの展示です。

 

2016.10.7-1.jpg

 


ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今年もあの展示をやります。

というか、すでに9月14日から開始しております。

早耳の方はすでにご覧になられたかもしれません。

一部では「イタセンパラトルネード」、

「パラネード」などと呼ばれているそうです。


この展示は今年で3年目になり、

隣にある岐阜県水産研究所で繁殖した個体の一部を

展示させていただいております。

1年目は850匹、2年目は450匹、3年目は750匹です。

春に二枚貝から泳ぎでた稚魚は、わずか数か月の間に急激に成長して、

体長8cmほどにまで成長します。

その成長の早さに毎年驚かされます。

 

2016.10.7-2.jpg

 

 

 

2016.10.7-3.jpg

 

稚魚と成魚を見比べてみると、

稚魚の時期でも鰭の大きさや形から

イタセンパラらしさを感じさせてくれます。

見る人が見れば、他のタナゴの稚魚とも区別することができます。


寿命が1年であるため、

どうしても皆さんにお見せできる期間が限られてしまうのが残念です。

また、3年連続で二枚貝から無事に出てきたからといって

来年もイタセンパラの繁殖を約束できるものではありませんので、

とにかくその年のイタセンパラの姿を

しっかりと目に焼き付けていただければと思います。

 

2016.10.7-4.jpg

 

 

 

2016.10.7-5.jpg

 

現在、特別企画展でインパクトアクアリウムが開催されていますが、

こちらも文句なしにインパクトあります。

ぜひ、ご覧ください!


また、水族館の裏側では環境省の生息域外保全事業の一環として

繁殖準備も進めています。 

 

2016.10.7-6.jpg

 


屋外の水槽に、オスとメスに選別された中から、

状態の良さそうなイタセンパラを選んで入れていきます。

オスの婚姻色の出具合、

メスのお腹の大きさや産卵管の伸び具合など。


そして、魚を水槽に移動して環境に慣れたころに、

産卵に必要な二枚貝も入れていきます。

当館では産卵母貝にイシガイを使っています。

 

 

2016.10.7-7.jpgこれで準備OKです!

 


あとは、様子を観察しながら、

来年の春先に稚魚が浮上してくるのを待つのみです。





 

記事URLを表示

カテゴリー  日本の淡水魚
キーワード 野口
前のページへ次のページへ
カテゴリ
バックナンバー