どこに産む?
2020.11.19 (木)
こんにちは。秋かと思っていたらもう冬ですね。
ぐっと寒くなり、当館ではクリスマスの展示が始まりました。
さて、今回はタンガニーカ湖のシクリッドについてです。
以前も、こちらのおもしろ飼育コラムでご紹介したことがあります。
「ジュリドクロミス・レガニィや、ネオランプロローグス・ブリチャージ、
トロフェウス・ドゥボイシィが展示水槽で繁殖していて、稚魚や子育ての様子が見られますよ。」と。
この時は、卵を産みつけたり、稚魚が隠れたりするための大き目の石を、水槽内に増やしたのが、いいきっかけになったのかな?と思っています。
それから1年以上たちますが、この3種は今でも順調に水槽内で繁殖しています。
さて、今回は、この3種以外のシクリッドもバックヤードで順調に増えていますよ!
というご紹介です。
まずは、展示水槽の中層あたりでよく求愛行動をしているキプリクロミス・レプトソーマ。
口の中で卵や稚魚を保護するタイプで、マウスブルーダーと言われます。
親に任せておいても何匹かは育つのですが、
卵を取り上げて管理したほうが、より多くの個体が育つので、
口から卵を拝借して、育てています。
そっと親を捕まえて口を開けさせて卵を回収しています。
続いてオレオクロミス・タンガニカエ。
展示水槽では一番大きな種類で、光沢があり目立っています。
こちらも口内保育しているメスから卵を拝借して育てます。
見てください、この卵!4mm近くあり、めちゃ大きいです。
次に、現在は展示していませんが、個体数を増やせたら展示を再開しようと思っている、ネオランプロローグス・ブレビスです。
こちらは、落ちている巻貝の殻の中に卵を産みつけるタイプで、シェルブルーダーと言われます。
順調に増えていますので、もう少しで展示デビューできそうです。
そして、ネオランプロローグス・セクスファスキアータス。
黄色いボディに横しま模様が特徴です。
こちらはケイブスポウナーと言われていて、石と石のすき間が洞窟のようになっている場所に卵を産みつけます。
バックヤードではトンネル状のパイプの中に産卵しました。
本来は、メスが卵や稚魚を守り、オスは遠巻きに外敵を追い払うようなのですが、見ている限りではメスと思われる個体が一人二役で、卵を守りつつ、外敵を追い払っていました。
タンガニーカ湖のシクリッドたちは、いろいろな場所を産卵場所に利用していておもしろいです。
展示水槽では卵までは確認できなくても、稚魚や子育て、求愛やなわばり争いなど色々なシーンを見られますので、じっくり観察してみてくださいね。