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ハマガニを育てる

2023.03.21 (火)

堀江真

こんにちは。

うららかな気候となりましたね。

 

昨年の10月に、ハマガニが「河口の生き物」水槽に仲間入りしましたとお知らせしましたが、その後、ハマガニはどうしているのでしょうか。

みなさま気になっているはず。と思いますので、近況をお伝えします。

 

まずは1匹のオスから展示をスタートして、

 

12月の初めごろには、2匹目(メス)が仲間に加わり…。

 

そして、年が明けた1月の終わりごろ、

 

メスがお腹に卵を抱いている!!!

 

わーどうしよ。

カニ幼生の育成といえば、じつは夏にベンケイガニで失敗しているのです。

1匹も育てられなかったという苦い経験をひきずっていて、正直まだ傷が癒えていない。

 

でも今回こそは!と再起を誓い、2月8日、お腹の大きなメスをバックヤードに移動させました。

 

卵を抱いたお腹は見る度に大きくなっていき、

私はといえば、月の満ち欠け🌕🌓🌒🌑が気になり…。というのも、ハマガニは満月や新月ちかくの大潮の日に、卵を孵化させて幼生を河口近くの水中に放出するからです。

 

🌓半月の時は平常心、🌕満月や🌑新月の時はハラハラしながら日々を過ごしていました。

 

そしてついに、無数に漂う幼生発見!

 

3月7日のことでした。

この日は満月で、月がとてもきれいな夜でした。

残念ながら幼生を放出する場面は見ることができませんでしたが、

元気そうなゾエア幼生(以下、ゾエちゃん)を手中におさめる事ができました。

 

ゾエちゃんのためにあらかじめ用意していた飼育ケースに収容し、

水流や塩分濃度、給餌量を探り探りしながら、現在育成中です。

 

このコラムを書いているのは孵化から1週間経過した3月14日なのですが、

なんとゾエちゃん、1回目の脱皮をしたんですねぇ~。

 

というわけで、今のところ元気に育っていると言えそうです。

 

ゾエア幼生は脱皮のたびに形を変えていき、

ゾエアⅠ期→ゾエアⅡ期→ゾエアⅢ期→ゾエアⅣ期→メガロパ幼生→稚ガニ

と成長します。

まだまだここからが勝負ではありますが、1回目の脱皮を無事に終えて、ひとまずほっとしました。

 

稚ガニになるまでに1ヵ月以上かかるそうなので、

続きはまた、そのうちに。

よい報告ができるようにがんばります。

 

 

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カテゴリー  アクア・トトの生き物
キーワード 堀江真
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