世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
おもしろ飼育コラム一覧

小さなクラゲの世界

2024.07.02 (火)

霜鳥

企画展「クラゲに夢中!」ももう終盤となりました。

普段はなかなか見られない、個性豊かなクラゲの世界をお楽しみいただけましたでしょうか。

 

さて、以前のコラムでもお知らせしましたが、

今回は展示するクラゲの一部を伊勢湾で採集してきています。

3月にはアカクラゲやミズクラゲ、カミクラゲ、ドフラインクラゲなど、比較的大型のクラゲがたくさんとれました。

 

6月に入り、出現するクラゲの種類も変わったかな?と、先日、改めて採集に行ってきました。

 

 

ただ、パッと見た感じでは目に見えるサイズのクラゲが見当たらなかったため、海中に目の細かい網を入れ、水面の近くでゆっくり曳いてみました。

 

 

海水と一緒に持ちかえり、観察です。

さて、クラゲはいるかな??

 

 

最初に「あっ!」と気付いたのはこちら。

 

オオタマウミヒドラです。

傘の大きさは2mmほどでしょうか。

とても小さいですが、企画展でも展示し見慣れていたので、すぐに見つけることが出来ました。

 

 

続いてはこちら。

ニチリンクラゲです。

漢字で書くと「日輪」。

触手が放射状に伸びて、まさに太陽のような形にみえます。

まじまじと観察したのは初めてだったのですが、透明感がすごい!!

透明すぎて何度も見失いながらスポイトで回収してみましたが、全部で25個体もいました。

今回の採集で一番たくさんとれたクラゲです。

 

 

お次はこちら。

 

ぴょこんとした動きがかわいいですね。

図鑑をパラパラめくりながら、小さいし形も似ているのは「コツブクラゲ」かな?と思ったのですが、正解は「タマクラゲ」でした。

 

 

新江ノ島水族館のスタッフと連絡をとりながら同定を進めていたのですが、口触手という、口(傘の内側にある丸い部分)から生えている触手があるよー、と教えてもらいました。

 

 

他にも、オベリアクラゲの仲間や

 

 

正確な種類までは分かりませんが、有触手綱(カブトクラゲやツノクラゲ)の幼生?など…。

 

 

合計8種類のクラゲを見つけることができました!

 

いずれも5mmに満たない、目視で狙って捕まえるのは難しいようなクラゲです。

それが、海に少し網を入れてみるだけで、こんなにたくさんのクラゲに出会えるなんて!

そしてこんなに小さな生き物たちの世界が見られるなんて!

とても心躍るできごとでした。

 

 

今回採集したクラゲたちは、展示に出すことはできませんでしたが、現在企画展で展示しているクラゲにも、1 cm以下の小さなエボシクラゲという種類がいます。

 

ぜひじっくりと水槽をのぞきこんで、観察してみてくださいね。

 

記事URLを表示

カテゴリー  企画展・特別展示
キーワード 霜鳥
前のページへ
カテゴリ
バックナンバー